電気事故報告とは|速報・詳報の期限と電気関係報告規則を整理
電験三種の法規で問われる電気事故報告を整理。電気関係報告規則の報告主体、速報24時間と詳報30日の期限、波及事故の3000 V、報告先の違いを、流れ図と例題でしっかり確認できます。

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電気設備で事故が起きたとき、一定の事故は、電気関係報告規則に従って国へ報告しなければなりません。期限は、知った時から 24 時間以内の速報と、知った日から起算して 30 日以内の詳報の二段階です。電験三種の法規では、報告が要る事故の判定と、この期限の数え方が問われます。
- 電気事故報告とは
- 電気関係報告規則が定める、事故の国への報告
- 速報と詳報の期限
- 24 時間以内は速報、30 日以内は詳報
- 報告が必要な事故
- 死傷、火災、他の物件の損傷、設備の破損、波及事故
- 波及事故と電圧の境
- 波及事故は 3000 V 以上、需要設備の破損は 10000 V 以上
- 報告先と例外
- 多くは産業保安監督部長。自然現象の事故は詳報が不要になる場合がある
- 例題
- 数値を変えて、要否と期限を判定する
電気事故報告とは?電気関係報告規則と報告する人
電気事故報告とは、電気工作物で起きた事故のうち規則で決められたものを、国へ知らせる制度です。決めているのは電気関係報告規則で、事故の原因を調べて同じ事故を防ぐために使われます。
報告するのは、電気事業者と、自家用電気工作物の設置者です(第3条第1項)。小規模事業用の設置者は、第3条の2で報告します。規則に「速報」「詳報」という言葉はありませんが、24 時間以内の報告を速報、30 日以内の報告書を詳報と呼ぶのが一般的です。
主任技術者を選任する義務を負う設置者が、事故のあとの報告の義務も負います。

- 左の開閉器 電流を入り切りする装置。高圧の線に取り付ける
- 中央の碍子 高圧の線と柱を絶縁して支える
- 電線 高圧の配電線。事故で停電すると供給支障になる
- 電柱 コンクリート柱。設備はここから各需要家へつながる
速報と詳報の期限(24時間と30日)
報告の期限は第3条第2項に定められています。起点が「知った時」と「知った日」で違い、単位が時間と日で違う点が要点です。
| 項目 | 速報 | 詳報 |
|---|---|---|
| 単位 | 時間 | 日 |
| 起点 | 知った時 | 知った日 |
| 方法 | 電話など | 報告書 |
報告が必要な事故と判定の流れ
自家用電気工作物の設置者が報告する事故は、第3条第1項の表に並んでいます。主なものを次の図にまとめます。
受電設備のキュービクルの中では、遮断器が事故の電流を切って、設備を守ります。

- 遮断器 事故電流を切って、設備を守る装置
- 表示灯 入り・切りや異常の状態を知らせる
- 表示画面 計測や状態を見る部分
- ケーブル 受電した電気を導く太い電線
太陽電池や風力などの主要電気工作物の破損は、規模の線があります。太陽電池発電所は 50 kW 以上、風力は 20 kW 以上、需要設備は電圧 10000 V 以上が目安です。規模が小さい設備の破損だけでは、報告の対象になりません。
波及事故と3000 V・10000 Vの境
波及事故とは、自家用電気工作物の破損や誤操作が原因で、電気事業者の系統に事故が広がり、他の需要家にも停電を起こした事故です。第3条第1項の表の第12号が定めています。出力や停電時間の条件はありません。
「系統」とは、一般送配電事業者・配電事業者・特定送配電事業者の設備のことです。6600 V で受電する設備は 3000 V 以上なので、この線を超えています。
| 数値 | 何の境か | 意味 |
|---|---|---|
| 3000 V 以上 | 波及事故 | 供給支障を起こせば報告 |
| 10000 V 以上 | 需要設備の破損 | 破損だけで報告 |
6600 V 受電の変圧器が工場の中だけで壊れ、死傷も火災も他の物件の損傷も供給支障もなければ、表に当たらず報告は要りません。破損だけで報告になる線は 10000 V 以上で、3000 V とは別です。
報告先と自然現象の例外
報告先は、多くの事故で、設置場所を管轄する産業保安監督部長です。大規模な設備の事故(第5号など)や、二つ以上の号に当たって報告先が異なるときは、経済産業大臣になります。
| 設備 | 報告する人 | 根拠 |
|---|---|---|
| 自家用 | 設置者 | 第3条 |
| 小規模事業用 | 設置者 | 第3条の2 |
| 一般用(屋根の小さな太陽光など) | 対象外 | 電気事業法第106条第7項 |
一般用の設備の所有者や占有者は、報告する主体ではありません。ただし、経済産業大臣が、電気事業法第106条第7項に基づいて報告を求めることがあります。10 kW 以上 50 kW 未満の太陽電池などの小規模事業用は、人の死傷・電気火災・他の物件への損傷・主要電気工作物の破損を、第3条の2で報告します。期限は同じ 24 時間と 30 日です。
詳報には例外があります。表の第4号ハと第8号から第13号に当たる事故(供給支障など)で、原因が自然現象のものは、詳報が不要です。速報は要ります。小規模事業用(第3条の2)には、この例外はありません。
例題で報告の要否と期限を確かめる
判定は、次の順に確かめます。
| 順 | 確かめること | 例 |
|---|---|---|
| 1 | 表の事故に当たるか | 死傷・火災・波及 |
| 2 | 電圧や規模の線 | 3000 V・10000 V |
| 3 | 期限の単位 | 時間と日 |
解答と解説を見る
工場は系統とつながる 以上の設備で、故障が原因で他の需要家に供給支障が出ました。波及事故にあたり、報告が必要です。速報と詳報が要ります。
解答と解説を見る
供給支障がなく、波及事故ではありません。需要設備の破損で報告になる線は 以上なので、 は当たりません。ほかの事故にも当たらないので、報告は必要ありません。
解答と解説を見る
速報は、知った時から 24 時間以内なので、11 月 6 日の 9 時までです。詳報は、知った日から起算して 30 日以内で、単位は日です。
解答と解説を見る
波及事故は第12号で、原因が自然現象のものは詳報が不要になる事故にあたります。速報は必要で、詳報は不要です。
解答と解説を見る
人の死傷は、小規模事業用の第3条の2で報告が必要な事故です。期限は 24 時間と 30 日で、自然現象の例外は小規模事業用にはないので使えません。
よくある質問
速報と詳報は、規則に書かれた言葉ですか?
規則には、この言葉はありません。24 時間以内の報告を速報、30 日以内の報告書を詳報と呼ぶのが一般的です。試験では、期限の数字で問われます。
波及事故は、電圧が低い設備でも報告が必要ですか?
波及事故の対象は、電圧 3000 V 以上の自家用電気工作物です。低圧の設備が原因で供給支障が出ても、この号には当たりません。
事故が起きたら、すぐ詳報を出せばよいですか?
期限は 30 日以内で、まず 24 時間以内に速報を出します。原因の調査には時間がかかるので、二段階になっています。
家庭の屋根の太陽光で事故が起きたら、報告は必要ですか?
出力 10 kW 未満の一般用は、報告する主体に入りません。ただし、国が報告を求めることがあります。
思い出してみよう
答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。
電気関係報告規則で、報告する人は誰ですか?
電気事業者と、自家用電気工作物の設置者です。小規模事業用の設置者は第3条の2で報告します。
速報と詳報の期限は、それぞれいつですか?
速報は知った時から 24 時間以内、詳報は知った日から起算して 30 日以内です。
波及事故とは何ですか?どの電圧から対象ですか?
自家用電気工作物の破損や誤操作で、系統に供給支障を起こした事故です。電圧 以上が対象です。
需要設備の破損だけで報告が必要になる電圧は?
以上です。 受電の設備は、破損だけでは報告になりません。
報告先は、どこですか?
多くは、設置場所を管轄する産業保安監督部長です。大規模設備の事故などは経済産業大臣です。
原因が自然現象のとき、詳報はどうなりますか?
供給支障などの事故は、詳報が不要です。速報は必要で、小規模事業用には例外がありません。
まとめ
- 報告するのは電気事業者と自家用の設置者。小規模事業用は第3条の2
- 速報は知った時から 24 時間以内、詳報は知った日から起算して 30 日以内
- 報告の対象は、死傷・火災・他の物件の損傷・設備の破損・波及事故など
- 波及事故は 3000 V 以上、需要設備の破損は 10000 V 以上。自然現象の供給支障は詳報が不要
| 事故 | 報告 |
|---|---|
| 6600 V 受電で供給支障 | 要(波及事故) |
| 6600 V 受電で構内の破損のみ | 不要 |
設備の区分は 電気工作物の区分、事故のあとの保安を担う人は 電気主任技術者の選任 で確認してください。受電設備の守りを学ぶ人は 遮断器と断路器 へ進んでください。








