電気用品安全法と PSE マーク|特定電気用品の違いと事業者の義務を図解
電験三種の法規で学ぶ電気用品安全法を整理。特定電気用品と特定電気用品以外の区分、ひし形と丸形の PSE マーク、届出から表示までの事業者の義務、販売と使用の制限を、図と例題でしっかり確認できます。

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コンセントにつなぐ家電の多くは、電気用品安全法で決めた表示が無いと売れません。この法律は、電気用品を作る人、輸入する人、売る人に義務を課して、電気用品による危険と障害を防ぎます。電気工事士が工事に使える物も、この表示で決まります。
- 電気用品安全法とは
- 製造・販売等を規制し、民間事業者の自主的な活動を促して、危険及び障害を防ぐ
- 二つの区分
- 特定電気用品と、特定電気用品以外の電気用品
- PSE マーク
- 区分でひし形か丸形かが決まる
- 事業者の義務
- 届出、技術基準への適合、検査、適合性検査、表示
- 販売と使用の制限
- 表示の無い物は売れず、工事にも使えない
電気用品安全法とは?目的と電気用品の定義
電気用品安全法の目的は、電気用品の製造、販売等を規制するとともに、民間事業者の自主的な活動を促進することで、電気用品による危険及び障害の発生を防止することです(第1条)。規制だけでなく、事業者の自主的な活動を促すことも、目的に入っています。
電気用品とは、一般用電気工作物等の部分となり、またはこれに接続して用いられる機械、器具、材料のうち、政令で指定されたものです(第2条)。携帯発電機と、政令で定める蓄電池も含みます。「一般用電気工作物等」は、一般用電気工作物と小規模事業用電気工作物をあわせた呼び方です。
電気事業法が設備の保安を、電気工事士法が工事をする人の資格を定めるのに対し、電気用品安全法は、設備につなぐ物や使う物、つまり機器と材料を対象にします。

- 電源コード 白い線をまとめて置いてある
- プラグ コンセントに差し込む二本の刃の部分
- テーブルタップ 差込口が四つある、コンセントを増やす器具
- 電源アダプタ 交流を直流に変える黒い箱の部分
特定電気用品と特定電気用品以外の違い
電気用品は、危険や障害のおそれの大きさで二つに分かれます。構造や使用方法その他の使用状況からみて、特に危険又は障害の発生するおそれが多いものが特定電気用品です(第2条第2項)。どちらも施行令の別表に、品目が決められています。特定電気用品は別表第一、それ以外の電気用品は別表第二です。
主な品目を表で見ます。
| 区分 | 主な品目 | 表示 |
|---|---|---|
| 特定 | 電線、配線器具、電気便座 | ひし形 |
| 特定以外 | 冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ | 丸形 |
別表第一(特定電気用品)の主な品目は、次のとおりです。
- 電線(定格電圧 100 V 以上 600 V 以下)
- ヒューズ
- 配線器具(点滅器、配線用遮断器、漏電遮断器、差込み接続器、ソケット、ローゼットなど)
- 電流制限器、小形単相変圧器、放電灯用安定器
- 電熱器具(電気便座、電気温水器など)
- 電動力応用機械器具(電気ポンプ、電気マッサージ器、自動販売機など)
- 直流電源装置(定格容量 1 kVA 以下)、携帯発電機
別表第二(特定電気用品以外)の主な品目は、電線管類、筒形ヒューズ、小形交流電動機、電気こたつ・電気ストーブ・電気トースター・電気アイロン・電気がまなどの電熱器具、電気冷蔵庫・電気洗濯機・電気掃除機・扇風機・換気扇などの電動力応用機械器具、テレビ・ラジオ・電子レンジなどの電子応用機械器具、調光器、リチウムイオン蓄電池です。
多くの品目には、定格電圧 100 V 以上 300 V 以下の交流用といった条件が付いています。同じ名前の機器でも、条件から外れると、この法律の電気用品に入らないことがあります。

- 冷蔵庫 電気冷蔵庫。特定電気用品以外の品目
- 洗濯機 電気洗濯機。特定電気用品以外の品目
- 電子レンジ 電子応用機械器具の一つ。特定以外の品目
- 掃除機 電気掃除機。特定電気用品以外の品目
PSE マークの形とひし形・丸形の使い分け
電気用品に付ける表示は、施行規則第17条が決めています。特定電気用品は、別表第六の記号に、届出事業者の氏名または名称と、証明書を交付した検査機関の氏名または名称を並べます。特定電気用品以外は、別表第七の記号に、届出事業者の氏名または名称を並べます。
記号の形は、別表第六がひし形の枠に PSE を入れたもの(上段に P と S、下段に E)、別表第七が丸形の枠に PSE を入れたものです。
電線、ヒューズ、配線器具のように、構造上、表示のスペースを確保することが困難な部品材料は、特定電気用品は <PS>E、特定電気用品以外は (PS)E と表示してもよいとされています。
表示は、事業者の義務を果たした電気用品に付けるものです。義務を果たしていない物に、表示や紛らわしい表示を付けてはいけません(第10条第3項)。
AC アダプタのような直流電源装置は、定格電圧 100 V 以上 300 V 以下、定格容量 1 kVA 以下などの条件に当てはまると特定電気用品です。ひし形の表示を付けます。

- プラグの刃 コンセントに差し込む金属の刃
- 本体 交流を直流に変える部分が入った黒い箱
- コード 機器へ直流を送る線
- 丸い端子 機器につなぐ側の先端
事業者の義務は届出から検査と表示まで
電気用品を製造または輸入する事業者の義務は、次の順に並びます。
- 届出:事業を始めた日から 30 日以内に、経済産業大臣へ届け出ます(第3条)。届け出た事業者を届出事業者といいます(第4条)。
- 技術基準への適合:届出事業者は、届け出た型式の電気用品を、経済産業省令の技術基準に適合させます(第8条第1項)。
- 検査と記録:検査をして検査記録を作り、保存します(第8条第2項)。保存期間は検査の日から 3 年です(施行規則第11条第3項)。
- 適合性検査:特定電気用品は、販売するまでに、登録を受けた検査機関(登録検査機関)の適合性検査を受け、証明書の交付を受けて保存します(第9条)。証明書の保存期間は品目ごとに 3〜7 年で、電線、ヒューズ、配線器具などは 7 年です(施行令第4条)。
- 表示:1 から 4 の義務を果たしたとき、表示を付けられます(第10条)。
適合性検査が必要なのは、特定電気用品だけです。特定電気用品以外の電気用品は、届出事業者が自ら検査をして、表示を付けます。

- 測定器 測った値を表示する機器
- テストプローブ 赤い測定用の針。プラグの刃に当てている
- プラグ 検査を受ける黒いプラグ
- 手袋の手 検査をする人の手元
輸入事業者も、届出事業者として、製造事業者と同じ義務を負います。専ら輸出するために行う製造または輸入には、第8条第1項などが適用されません(施行令第8条)。
表示の無い電気用品の販売と使用の制限
表示は、売る場面と使う場面の二つで効いてきます。
販売の制限は、第27条です。電気用品の製造、輸入、販売の事業を行う者は、表示が付いていない電気用品を販売し、または販売の目的で陳列してはなりません。特定の用途に使う電気用品で、経済産業大臣の承認を受けたときなどは、適用されません。
使用の制限は、第28条です。電気事業者、自家用電気工作物を設置する者、電気工事士、特種電気工事資格者、認定電気工事従事者は、表示が付いていない電気用品を、電気工作物の設置または変更の工事に使ってはなりません。
| 制限 | 対象 | してはいけないこと |
|---|---|---|
| 販売(第27条) | 製造・輸入・販売の事業者 | 販売、陳列 |
| 使用(第28条) | 電気事業者、電気工事士など | 工事に使う |
第28条に挙がっていない人、たとえば自宅で家電を使う人は、この使用の制限の対象に入りません。
この法律は、電気事業法や電気設備技術基準とは別の法律です。電気事業法は設備の保安を、電気設備技術基準は設備の技術基準を定めます。電気用品安全法は、設備に使う物の製造、販売、使用を定めます。電気工事士に関わるのは、第28条の使用の制限です。電気工事士の資格と義務は 電気工事士法 で整理しています。

- 壁のコンセント 配線器具の一つ。壁に取り付ける
- テーブルタップ 差込口を増やす器具
- プラグ 差込口の二つに差してある
- 空きの差込口 テーブルタップの差込口は全部で四つ
- コード 器具につながる白いコード
例題で電気用品安全法の判断を確かめる
数値を、先に表で確かめます。
| 項目 | 値 | 根拠 |
|---|---|---|
| 事業の届出 | 開始から 30 日以内 | 第3条 |
| 検査記録の保存 | 検査の日から 3 年 | 施行規則 |
| 証明書の保存 | 3〜7 年 | 施行令 |
解答と解説を見る
(ア)には「自主的」が入ります。規制だけでなく、民間事業者の自主的な活動を促すことも、目的の一つです(第1条)。
解答と解説を見る
(a) 電気便座は電熱器具で、別表第一の特定電気用品なので、ひし形です。(c) 配線用遮断器は配線器具で、特定電気用品なので、ひし形です。(b) 電気冷蔵庫と (d) 電子レンジは別表第二の特定電気用品以外なので、丸形です。
解答と解説を見る
(a) は正しく、第3条のとおりです。(b) も正しく、施行規則第11条第3項のとおりです。(c) は誤りで、適合性検査が必要なのは特定電気用品だけです。(d) は誤りで、輸入事業者も届出事業者として同じ義務を負います。答えは (a) と (b) です。
解答と解説を見る
(a) は、販売の目的で陳列することなので、第27条の制限にあたります。(b) は、電気工事士が工事に使うことなので、第28条の制限にあたります。(c) は、第27条と第28条のどちらの対象者にも入らないので、この二つの制限にはあたりません。答えは (a) と (b) です。
よくある質問
PSE マークの無い電気用品は、売ってはいけませんか?
製造、輸入、販売の事業を行う者は、表示が付いていない電気用品を、販売も陳列もできません(第27条)。経済産業大臣の承認を受けた特定の用途などは、例外です。
特定電気用品と特定電気用品以外は、何が違いますか?
危険や障害のおそれの大きさです。特定電気用品は、登録検査機関の適合性検査と証明書の保存が必要で、表示はひし形です。特定電気用品以外は、適合性検査が要らず、表示は丸形です。
電気工事士は、表示の無い電気用品を工事に使えますか?
使えません。電気工事士は、表示が付いていない電気用品を、電気工作物の設置や変更の工事に使えません(第28条)。
輸入した電気用品にも、表示は必要ですか?
必要です。輸入事業者も届出事業者として、技術基準の適合、検査、特定電気用品なら適合性検査を行い、表示を付けます。専ら輸出するために輸入する場合は、これらの義務が適用されません(施行令第8条)。
思い出してみよう
答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。
電気用品安全法の目的は何ですか?
電気用品の製造、販売等を規制し、民間事業者の自主的な活動を促して、電気用品による危険及び障害の発生を防止することです。
特定電気用品と特定電気用品以外の表示の形は、それぞれ何ですか?
特定電気用品はひし形の枠の PSE、特定電気用品以外は丸形の枠の PSE です。
製造または輸入の事業を始めたら、何をしますか?
事業開始の日から 30 日以内に、経済産業大臣へ届け出ます。
検査記録と適合性検査について、何を覚えておきますか?
検査記録は検査の日から 3 年保存します。適合性検査を受けるのは、特定電気用品だけです。
表示には、何を並べて付けますか?
特定電気用品は、届出事業者名と検査機関名を並べます。特定電気用品以外は、届出事業者名だけです。
販売の制限と使用の制限は、誰が対象ですか?
販売は製造、輸入、販売の事業者(第27条)、使用は電気事業者、電気工事士などです(第28条)。
まとめ
- 電気用品安全法は、電気用品の製造、販売等を規制し、民間事業者の自主的な活動を促して、危険及び障害の発生を防ぐ
- 電気用品は、特定電気用品と特定電気用品以外に分かれ、表示はひし形と丸形
- 事業者は、届出、技術基準への適合、検査、特定電気用品の適合性検査を行い、表示を付ける
- 表示の無い電気用品は、事業者が売れず、電気工事士などが工事に使えない
| 区分 | 表示に並べる名称 |
|---|---|
| 特定電気用品 | 事業者名と検査機関名 |
| 特定以外 | 事業者名 |








