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機械パワーエレクトロニクス / チョッパ15分で読めます

チョッパとは|降圧・昇圧・昇降圧の出力電圧と通流率の求め方

電験三種の機械で問われるチョッパを図解します。通流率の意味から、降圧・昇圧・昇降圧チョッパの出力電圧の式を、リアクトルの電圧の釣り合いで導き、スイッチの働きと例題まで確認できます。

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オレンジ色のバッテリー式フォークリフトが、倉庫で荷物を積んだパレットを運ぶ写真
この記事の目次
  1. チョッパとは?直流の電圧を変える回路
  2. 降圧チョッパ:出力は入力より低くなる
  3. 昇圧チョッパ:出力は入力より高くなる
  4. 昇降圧チョッパ:高くも低くもできる、極性は逆
  5. 3 つのチョッパの比較
  6. チョッパが使われる場所
  7. 例題と間違えやすいところ
  8. よくある質問
  9. 通流率と、整流回路の制御角は、何が違いますか?
  10. 降圧チョッパで、リアクトルと還流ダイオードが必要なのは、なぜですか?
  11. 昇圧チョッパで、電源より高い電圧が出るのは、なぜですか?
  12. チョッパとインバータは、何が違いますか?
  13. まとめ
図解でわかる 電験三種 機械 1 直流機 の表紙機械を図解で読む図解でわかる 電験三種 機械 1
直流機
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チョッパは、直流の電圧を、スイッチを開け閉めする時間の割合だけで変える回路です。電車の速度制御にも、電子機器の電源にも使われています。この記事では、降圧・昇圧・昇降圧の 3 つについて、出力電圧の式をリアクトルの電圧の釣り合いから導き、例題で確認します。

チョッパの全体像
  • チョッパとは
    • スイッチを入り切りして、直流の電圧を変える。オンの割合が通流率 α=Ton/T\alpha = T_{\mathrm{on}}/T
  • 降圧チョッパ
    • 出力は Ed=αEE_{\mathrm{d}} = \alpha E。電源電圧より低くなる
  • 昇圧チョッパ
    • 出力は Ed=E/(1−α)E_{\mathrm{d}} = E/(1-\alpha)。電源電圧より高くなる
  • 昇降圧チョッパ
    • 出力は Ed=αE/(1−α)E_{\mathrm{d}} = \alpha E/(1-\alpha)。高くも低くもでき、極性は逆になる
  • 使われる場所
    • 直流電動機の速度制御、電子機器の電源、太陽光発電
  • 例題と間違えやすいところ
    • 降圧は α\alpha を掛け、昇圧は 1/(1−α)1/(1-\alpha) を掛ける

チョッパとは?直流の電圧を変える回路

チョッパとは、直流の電圧を、別の大きさの直流に変える回路です。「チョップ(刻む)」の名のとおり、スイッチを高速で入り切りして、電源の電圧を細かく刻みます(図1)。

E + S R 高速で 入り切り R の電圧 v t E Ed Ton Toff T Ed = αE  α = Ton / T(通流率)
図1 スイッチを入り切りして直流を切り刻むと、出力の平均が通流率 α に比例する

図1では、スイッチ S がオンの間だけ、抵抗 R に電源電圧 EE が加わります。オフの間は 0 です。入り切りが十分に速ければ、R の電圧の平均値 EdE_{\mathrm{d}} は、オンの時間の割合だけで決まります。

1 周期を TT、そのうちオンの時間を TonT_{\mathrm{on}}、オフの時間を ToffT_{\mathrm{off}} とします。オンの割合を通流率 α\alpha といいます。デューティ比ともよばれます。

α=TonT=TonTon+Toff\alpha = \frac{T_{\mathrm{on}}}{T} = \frac{T_{\mathrm{on}}}{T_{\mathrm{on}} + T_{\mathrm{off}}}

α\alpha は 0 から 1 の間の値です。整流回路の制御角 α\alpha(角度)とは別のものです。図1のように抵抗だけをつないだ場合、波形の面積を 1 周期でならすと、Ed=αEE_{\mathrm{d}} = \alpha E になります。

直流の電圧は、変圧器では変えられません。変圧器は、電流の向きが入れ替わる交流でしか働かないからです。そこで、直流の電圧を変えるときはチョッパを使います。電子機器の電源の基板にも、チョッパの回路が入っています(図2)。

緑の基板に、銀色の電解コンデンサ、銅線を巻いたコイル、黒い半導体部品が並ぶ電源基板を写した写真
  1. コイル 電流の変動をならす
  2. コンデンサ 電圧をならす
  3. 半導体部品 入り切りなどに使う
図2 電子機器の電源基板。コイル・コンデンサ・半導体が並ぶ(写真はイメージ)

この記事では、見通しをよくするため、次の 3 つを前提にします。

  • スイッチとダイオードは理想の部品とする。オンの電圧降下は 0、オフの電流は 0 とする
  • 出力のコンデンサが十分に大きく、出力電圧 EdE_{\mathrm{d}} は一定とみなす
  • リアクトルの電流は、0 にならずに流れ続ける(電流連続)とする

降圧チョッパ:出力は入力より低くなる

降圧チョッパは、電源電圧より低い電圧をつくる回路です。電源に、スイッチ S、リアクトル L、負荷を直列につなぎ、S と L のつなぎ目から、還流ダイオード D を下のレールへ入れます。負荷には、出力をならすコンデンサ C を並列につなぎます。

S がオンの間は、電源から S、L、負荷へ電流が流れます(図3)。L の電圧は vL=E−Edv_{\mathrm{L}} = E - E_{\mathrm{d}} で正です。電流は増え、L にエネルギーがたまります。D には逆電圧がかかり、電流は流れません。

E + S D L C R iL Ed S オン:電源から L に電流が流れ、D は逆電圧で止まる L の電圧 vL = E − Ed(正)で、電流が増える
図3 降圧チョッパで S がオンのとき。電源から L と負荷へ電流が流れる

S がオフになると、電源からの電流は止まります。しかし、L は電流を流し続けようとします。そこで、L の電流は D を通って流れ続けます(図4)。この電流の流れを還流といい、D を還流ダイオードといいます。このとき L の電圧は vL=−Edv_{\mathrm{L}} = -E_{\mathrm{d}} で負です。電流は減り、L のエネルギーが負荷へ送られます。

E + S D L C R iL Ed S オフ:L の電流が D を通って流れ続ける(還流) L の電圧 vL = −Ed(負)で、電流が減る
図4 降圧チョッパで S がオフのとき。L の電流が還流ダイオード D を通る

L の電圧と電流を並べたのが図5です。L の電圧は vL=L didtv_{\mathrm{L}} = L\,\dfrac{\mathrm{d}i}{\mathrm{d}t} なので、電圧が正の間は電流が増え、負の間は減ります。定常状態では、1 周期のあとに電流が元の値へ戻ります。つまり、電圧の面積 A(正)と B(負)は等しくなります。

リアクトルの電圧 vL A B E − Ed −Ed 0 オン オフ 面積 A = 面積 B リアクトルの電流 iL Io Δi 0 Ton T 2T 3T
図5 降圧チョッパの L の電圧と電流。面積 A と B が等しいとき、電流は元に戻る

これを式にすると、次のようになります。

(E−Ed)Ton−EdToff=0E Ton=Ed(Ton+Toff)=EdTEd=TonTE=αE\begin{gathered} (E - E_{\mathrm{d}})T_{\mathrm{on}} - E_{\mathrm{d}}T_{\mathrm{off}} = 0 \\ E\,T_{\mathrm{on}} = E_{\mathrm{d}}(T_{\mathrm{on}} + T_{\mathrm{off}}) = E_{\mathrm{d}}T \\ E_{\mathrm{d}} = \frac{T_{\mathrm{on}}}{T}E = \alpha E \end{gathered}

α\alpha は 1 以下なので、降圧チョッパの出力は電源電圧を超えません。通流率を変えるだけで、出力電圧を 0 から EE の間で調整できます。

電流の脈動(山と谷の差)Δi\Delta i は、オンの間に電流が増える量から求まります。

Δi=(E−Ed)TonL=α(1−α)ETL\begin{gathered} \Delta i = \frac{(E - E_{\mathrm{d}})T_{\mathrm{on}}}{L} \\ = \frac{\alpha(1-\alpha)ET}{L} \end{gathered}

LL が大きいほど、周期 TT が短い(周波数が高い)ほど、脈動は小さくなります。リアクトルは、巻き線を鉄心などに巻いたコイルです(図6)。

鉄心に銅線を巻いた大小 2 つのコイルと、ドーナツ形に巻いたコイルが並ぶ写真
  1. 巻き線 銅線を巻いた部分
  2. 鉄心 磁束の通り道
  3. ドーナツ形 環状の鉄心に巻く
  4. 取付け脚 基板に固定する
図6 チョッパに使うリアクトル。電流の変動をおさえるコイル(写真はイメージ)

損失のない理想の回路では、電源から出る電力と負荷へ送る電力が等しくなります。電源の平均電流を IinI_{\mathrm{in}}、負荷の電流を IoI_{\mathrm{o}} とすると、E Iin=EdIoE\,I_{\mathrm{in}} = E_{\mathrm{d}}I_{\mathrm{o}} から Iin=αIoI_{\mathrm{in}} = \alpha I_{\mathrm{o}} です。電源の電流は、スイッチがオンの間だけ流れるので、負荷の電流より小さくなります。

昇圧チョッパ:出力は入力より高くなる

昇圧チョッパは、電源電圧より高い電圧をつくる回路です。電源に L を直列につなぎ、その先に、下のレールへ入るスイッチ S と、出力側へ向かうダイオード D を置きます。降圧チョッパとは、S・D・L の並び方が違います。

S がオンの間は、電源から L と S を通って、電源へ戻る電流が流れます(図7)。L の電圧は電源電圧そのもの、vL=Ev_{\mathrm{L}} = E で、電流が増えます。D には逆電圧がかかり、止まります。負荷には、コンデンサ C にたまった電荷から電流が流れます。

E + L S D C R iL Ed S オン:電源から L と S に電流が流れ、D は逆電圧で止まる L の電圧 vL = E で電流が増える(負荷へは C から流れる)
図7 昇圧チョッパで S がオンのとき。電源から L と S へ電流が流れる

S がオフになると、L は電流を流し続けようとします。電流の通り道は D しかないので、電流は D を通って、C と負荷へ流れます(図8)。L の電圧は vL=E−Edv_{\mathrm{L}} = E - E_{\mathrm{d}} です。出力が電源より高いので負になり、電流は減ります。L がためたエネルギーが電源のエネルギーに足されて、負荷へ送られます。

E + L S D C R iL Ed S オフ:L の電流が D を通って、C と負荷へ流れる L の電圧 vL = E − Ed(負)で電流が減る
図8 昇圧チョッパで S がオフのとき。L の電流が D を通って負荷へ流れる

図9は、E=60 [V]E = 60\ \mathrm{[V]} で Ed=100 [V]E_{\mathrm{d}} = 100\ \mathrm{[V]} になる場合の L の電圧と電流です。降圧チョッパと同じく、電圧の面積 A と B が等しくなります。

リアクトルの電圧 vL A B E E − Ed 0 オン オフ 面積 A = 面積 B リアクトルの電流 iL Iin Δi 0 Ton T 2T 3T
図9 昇圧チョッパの L の電圧と電流。面積 A と B が等しいとき、電流は元に戻る

オンの間の電圧は EE、オフの間は E−EdE - E_{\mathrm{d}} なので、次のようになります。

E Ton+(E−Ed)Toff=0E(Ton+Toff)=EdToffE T=EdToff\begin{gathered} E\,T_{\mathrm{on}} + (E - E_{\mathrm{d}})T_{\mathrm{off}} = 0 \\ E(T_{\mathrm{on}} + T_{\mathrm{off}}) = E_{\mathrm{d}}T_{\mathrm{off}} \\ E\,T = E_{\mathrm{d}}T_{\mathrm{off}} \end{gathered}

Toff=(1−α)TT_{\mathrm{off}} = (1-\alpha)T なので、出力電圧は次の式になります。

Ed=TToffE=E1−αE_{\mathrm{d}} = \frac{T}{T_{\mathrm{off}}}E = \frac{E}{1-\alpha}

α\alpha は 1 より小さいので、EdE_{\mathrm{d}} は EE 以上です。通流率が 1 に近いほど、出力は高くなります。実際の回路では抵抗分などの損失があるので、いくらでも高くなるわけではありません。

降圧のときと同じく、理想の回路で電力が保存されるとすると、E Iin=EdIoE\,I_{\mathrm{in}} = E_{\mathrm{d}}I_{\mathrm{o}} から Iin=Io/(1−α)I_{\mathrm{in}} = I_{\mathrm{o}}/(1-\alpha) です。電圧を上げると、電源から流す電流は、負荷の電流より大きくなります。

昇降圧チョッパ:高くも低くもできる、極性は逆

昇降圧チョッパは、電源電圧より高い電圧も低い電圧もつくれる回路です。S がオンの間は、電源から S と L を通る電流が流れ、L にエネルギーがたまります。S がオフになると、L の電流は D と負荷を通って流れ続けます(図10)。

E + S L D C R − + Ed S オン:E → S → L の経路。L にエネルギーがたまる S オフ:L → R → D → L の経路。出力の極性は電源と逆
図10 昇降圧チョッパ。S がオンの経路を青、オフの経路を橙で示す

図10では、S がオンの経路を青、オフの経路を橙で示しています。オフのとき、負荷の電流は電源とは逆の向きに流れます。そのため、出力電圧は電源と逆の極性になります。

L の電圧は、オンの間が EE、オフの間が −Ed-E_{\mathrm{d}} です。ここで EdE_{\mathrm{d}} は、出力電圧の大きさとします。

E Ton−EdToff=0Ed=TonToffE=α1−αE\begin{gathered} E\,T_{\mathrm{on}} - E_{\mathrm{d}}T_{\mathrm{off}} = 0 \\ E_{\mathrm{d}} = \frac{T_{\mathrm{on}}}{T_{\mathrm{off}}}E = \frac{\alpha}{1-\alpha}E \end{gathered}

α=0.5\alpha = 0.5 のとき、Ed=EE_{\mathrm{d}} = E です。α\alpha がそれより小さければ降圧、大きければ昇圧になります。

3 つのチョッパの比較

3 つの回路の出力電圧と特徴を、表にまとめます。

種類EdE_{\mathrm{d}} の式特徴
降圧αE\alpha EEE 以下。極性は同じ
昇圧E1−α\dfrac{E}{1-\alpha}EE 以上。極性は同じ
昇降圧αE1−α\dfrac{\alpha E}{1-\alpha}EE の上下どちらも。極性は逆

図11は、通流率 α\alpha と Ed/EE_{\mathrm{d}}/E の関係です。α=0.5\alpha = 0.5 では、降圧が 0.5E0.5E、昇降圧が EE、昇圧が 2E2E になります。

Ed / E 1 2 3 4 0 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 α 0.5E E 2E α = 0.5 昇圧 昇降圧 降圧 同じ α でも、回路によって出力は 3 通りに変わる
図11 通流率 α と出力電圧 E_d/E の関係。α = 0.5 で昇降圧は E、昇圧は 2E

チョッパが使われる場所

チョッパは、直流の電圧を自由に変えたいところで使われます。

直流電動機は、電機子にかける電圧を変えると、回転数が変わります。この電圧の調整を、半導体のスイッチで行う装置がチョッパです。仕組みは、直流電動機の速度制御の記事の電圧制御に当たります。バッテリー式のフォークリフトなど、電池で直流電動機を動かす車両でも、チョッパで電動機の電圧を変える方式が使われてきました。

直流電車でも、架線の直流の電圧をチョッパで変えて電動機に加える方式があります(図12)。回生ブレーキでは、電動機が発電機として働き、その電圧を架線の電圧まで引き上げる必要があります。このとき、昇圧チョッパの仕組みを使うことがあります。

青空を背景に、電車のパンタグラフが架線に触れている様子を下から見上げて写した写真
  1. すり板 架線に触れる部分
  2. 碍子 車体と絶縁する部品
  3. 架線 直流を送る電線
図12 架線から直流を取り入れるパンタグラフ(写真はイメージ)

太陽光発電では、パネルの直流を、接続箱を通してパワーコンディショナへ送ります(図13)。パワーコンディショナの直流側には、パネルの電圧を昇圧チョッパで引き上げるものがあります。接続箱はその手前で、パネルからの配線をまとめて直流のまま送る箱で、チョッパそのものではありません。

灰色の壁掛けの箱の中に、端子台、遮断器、赤と黒のケーブル、電線管が収まった接続箱の内部を写した写真
  1. 端子台 配線をつなぐ
  2. 遮断器 直流を入り切りする
  3. ケーブル 直流を送る
  4. 電線管 配線を保護する
図13 太陽光発電の接続箱のイメージ。直流の配線をまとめる(写真はイメージ)

チョッパの出力は直流のままです。直流から交流をつくる回路は、インバータといいます。

例題と間違えやすいところ

解答と解説を見る

周期は T=1/5000=200 [μs]T = 1/5000 = 200\ \mathrm{[\mu s]} です。通流率は次のとおりです。

α=80200=0.4\begin{gathered} \alpha = \frac{80}{200} \\ = 0.4 \end{gathered}

降圧チョッパの出力電圧は αE\alpha E です。

Ed=0.4×200=80 [V]\begin{gathered} E_{\mathrm{d}} = 0.4 \times 200 \\ = 80\ \mathrm{[V]} \end{gathered}

負荷の電流は 80/8=10 [A]80/8 = 10\ \mathrm{[A]} です。電源の平均電流は、これに α\alpha を掛けます。

Iin=0.4×10=4 [A]\begin{gathered} I_{\mathrm{in}} = 0.4 \times 10 \\ = 4\ \mathrm{[A]} \end{gathered}

脈動は、オンの間にリアクトルへ加わる電圧から求めます。

Δi=(200−80)×80×10−64×10−3=2.4 [A]\begin{gathered} \Delta i = \frac{(200 - 80) \times 80 \times 10^{-6}}{4 \times 10^{-3}} \\ = 2.4\ \mathrm{[A]} \end{gathered}

電流は 10±1.2 [A]10 \pm 1.2\ \mathrm{[A]} の範囲で変わるので、0 にならず、電流連続の前提に合っています。

解答と解説を見る

昇圧チョッパの出力電圧は E/(1−α)E/(1-\alpha) です。

Ed=501−0.6=125 [V]\begin{gathered} E_{\mathrm{d}} = \frac{50}{1 - 0.6} \\ = 125\ \mathrm{[V]} \end{gathered}

負荷の電流は 125/25=5 [A]125/25 = 5\ \mathrm{[A]} です。出力の電力は 125×5=625 [W]125 \times 5 = 625\ \mathrm{[W]} で、これが電源から送られます。

Iin=62550=12.5 [A]\begin{gathered} I_{\mathrm{in}} = \frac{625}{50} \\ = 12.5\ \mathrm{[A]} \end{gathered}

Io/(1−α)=5/0.4I_{\mathrm{o}}/(1-\alpha) = 5/0.4 としても、同じ 12.5 [A]12.5\ \mathrm{[A]} です。

解答と解説を見る

昇降圧チョッパの出力電圧の大きさは αE/(1−α)\alpha E/(1-\alpha) です。50 [V]50\ \mathrm{[V]} にするには、次のようになります。

α1−α=50100=0.5α=0.5(1−α)α=13≈0.33\begin{gathered} \frac{\alpha}{1-\alpha} = \frac{50}{100} = 0.5 \\ \alpha = 0.5(1-\alpha) \\ \alpha = \frac{1}{3} \approx 0.33 \end{gathered}

α=0.6\alpha = 0.6 のときは、次のとおりです。

Ed=0.61−0.6×100=150 [V]\begin{gathered} E_{\mathrm{d}} = \frac{0.6}{1 - 0.6} \times 100 \\ = 150\ \mathrm{[V]} \end{gathered}

どちらも、出力の極性は電源と逆です。

解答と解説を見る

正解は (2) です。昇圧チョッパの出力は E/(1−α)E/(1-\alpha) なので、α\alpha が大きいほど分母が小さくなり、出力は高くなります。

(1) は、降圧チョッパの出力が αE\alpha E で、α≤1\alpha \le 1 だから EE を超えません。(3) は、昇降圧チョッパの出力が逆極性です。(4) は、通流率が Ton/TT_{\mathrm{on}}/T です。

間違えやすい点を表にまとめます。

よくある間違い正しくは
降圧と昇圧の式を取り違える降圧は αE\alpha E、昇圧は E/(1−α)E/(1-\alpha)
昇圧の式を αE\alpha E にするオフの割合 1−α1-\alpha で割る
通流率を Toff/TT_{\mathrm{off}}/T とするTon/TT_{\mathrm{on}}/T。オンの割合
昇降圧の出力を電源と同じ極性とする昇降圧は逆極性になる
通流率を整流の制御角と混同する通流率は割合、制御角は角度

よくある質問

通流率と、整流回路の制御角は、何が違いますか?

通流率は、1 周期のうちスイッチがオンの時間の割合で、0 から 1 の数です。制御角は、サイリスタを交流の位相のどこでオンにするかを表す角度です。どちらも記号は α\alpha ですが、別のものです。問題文で「通流率」「デューティ比」とあれば、時間の割合のほうです。

降圧チョッパで、リアクトルと還流ダイオードが必要なのは、なぜですか?

S がオフになった瞬間に、L の電流の行き場がなくなるのを防ぐためです。L は電流を流し続けようとします。還流ダイオード D があれば、電流は D を通って流れ続けられます。L は電流の変動をおさえる役も担います。

昇圧チョッパで、電源より高い電圧が出るのは、なぜですか?

L に、スイッチがオンの間にエネルギーをため、オフの間に、電源の電圧に上乗せして負荷へ送るからです。電力は増えません。電圧が上がる代わりに、電源から流す電流は、負荷の電流より大きくなります。

チョッパとインバータは、何が違いますか?

チョッパは、直流を別の大きさの直流に変えます。インバータは、直流から交流をつくります。どちらも半導体のスイッチを入り切りする点は同じです。交流側の電圧と周波数を変える仕組みは、インバータの記事で確認できます。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

チョッパとは、何をする回路ですか?

スイッチを高速で入り切りして、直流の電圧を別の大きさの直流に変える回路です。

通流率 α\alpha は、何の割合ですか?

1 周期 TT のうち、スイッチがオンの時間 TonT_{\mathrm{on}} の割合で、α=Ton/T\alpha = T_{\mathrm{on}}/T です。

降圧チョッパの出力電圧は、どう表せますか?

Ed=αEE_{\mathrm{d}} = \alpha E です。α\alpha が 1 以下なので、電源電圧を超えません。

昇圧チョッパの出力電圧は、どう表せますか?

Ed=E/(1−α)E_{\mathrm{d}} = E/(1-\alpha) です。電源電圧以上になります。

昇降圧チョッパの出力電圧は、どう表せますか?

Ed=αE/(1−α)E_{\mathrm{d}} = \alpha E/(1-\alpha) です。α=0.5\alpha = 0.5 で EE と等しく、極性は電源と逆です。

3 つの式は、どの条件から導けますか?

リアクトルの電圧を 1 周期で足すと 0 になる、という条件です。電流が 1 周期で元に戻るからです。

まとめ

  • チョッパは、スイッチの入り切りで、直流の電圧を別の大きさの直流に変える回路
  • 通流率 α=Ton/T\alpha = T_{\mathrm{on}}/T は、オンの割合
  • 降圧は αE\alpha E、昇圧は E/(1−α)E/(1-\alpha)、昇降圧は αE/(1−α)\alpha E/(1-\alpha)(極性は逆)
  • 式は、リアクトルの電圧を 1 周期で足すと 0 になる、という条件から導ける
  • 直流電動機の速度制御や、電子機器の電源などに使われる
種類出力電圧極性
降圧αE\alpha E同じ
昇圧E1−α\dfrac{E}{1-\alpha}同じ
昇降圧αE1−α\dfrac{\alpha E}{1-\alpha}逆

次は、直流から交流をつくるインバータ、スイッチに使う素子を扱うパワー半導体デバイスの記事で、パワーエレクトロニクスの全体を確認できます。

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