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機械パワーエレクトロニクス / 整流回路13分で読めます

整流回路とは|単相・三相の平均電圧と制御角 α の求め方

電験三種の機械で問われる整流回路を図解します。単相半波・単相全波・三相全波の平均電圧を波形から読み取り、サイリスタの制御角 α を付けたときの式、平滑回路、例題までを確認できます。

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灰色の整流器の盤がずらりと並ぶ部屋で、床の上を銅色の太い母線が走っている写真
この記事の目次
  1. 整流回路とは?交流を直流に変える回路
  2. 単相半波整流の平均電圧
  3. 単相全波整流(ブリッジ)の平均電圧
  4. 三相全波整流の平均電圧
  5. 制御角 α とサイリスタ整流
  6. 制御角を付けたときの平均電圧の一覧
  7. 平滑回路(コンデンサ・リアクトル)
  8. 例題と間違えやすいところ
  9. よくある質問
  10. 整流回路の出力を「平均値」で表すのは、なぜですか?
  11. 半波整流と全波整流は、何が違いますか?
  12. 制御角 α を大きくすると、平均電圧はどうなりますか?
  13. 三相整流の式で、線間電圧を使うのはなぜですか?
  14. まとめ
図解でわかる 電験三種 機械 1 直流機 の表紙機械を図解で読む図解でわかる 電験三種 機械 1
直流機
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整流回路は、交流を直流に変える回路です。スマートフォンの充電器の入口にも、電車に直流を送る変電所にも入っています。この記事では、単相半波・単相全波・三相全波の出力電圧の平均値を、波形と式で確認します。サイリスタを使った制御角 α\alpha の入った式、出力をならす平滑回路まで、図と例題で確認します。

整流回路の全体像
  • 整流回路とは
    • 交流を一方向の脈流に直し、その平均値を直流の電圧として使う
  • 単相半波・単相全波
    • 平均電圧は 2E/π≈0.45E\sqrt{2}E/\pi \approx 0.45E と、その 2 倍の 0.9E0.9E
  • 三相全波
    • 線間電圧の山が 1 周期に 6 つ並ぶ。平均電圧は 1.35V1.35V
  • 制御角 α\alpha とサイリスタ整流
    • 電流の流れ始めを遅らせる。抵抗負荷は (1+cos⁡α)/2(1+\cos\alpha)/2、誘導性負荷は cos⁡α\cos\alpha
  • 平滑回路
    • コンデンサは電圧を、リアクトルは電流の脈動をならす
  • 例題と間違えやすいところ
    • 三相の式には線間電圧を使う

整流回路とは?交流を直流に変える回路

整流回路とは、交流を直流に変える回路です。ダイオードは電流を一方向にしか流さないので、負の半周期を止めたり、向きを反転させたりして、電流の向きをそろえられます(図1)。

入力:交流 整流回路 ダイオードなど 出力:脈流 Ed 正負の波を同じ向きにそろえる 破線 Ed は、脈流をならした平均値
図1 整流回路は交流を一方向の脈流にし、その平均値が直流の電圧になる

ただし、向きをそろえただけの出力は、大きさが波打つ「脈流」です。平らな直流ではありません。そこで、脈流の平均値を直流の電圧とみなして扱います。この記事では、電源の電圧を実効値 EE(三相では線間電圧の実効値 VV)、出力の平均値を EdE_{\mathrm{d}} と書きます。

スマートフォンの充電器を開けると、中にはコンセントの交流を直流に変えるための部品が並んでいます(図2)。電解コンデンサは、整流した出力の波打ちをならす部品です。

白い樹脂のケースを開けて、緑の基板に青い電解コンデンサ、黄色いトランス、黒いコイルが並ぶ充電器の内部を写した写真
  1. プラグの刃 コンセントに差す金属
  2. 電解コンデンサ 出力の波打ちをならす
  3. トランス 電圧を変える
  4. コイル 電流の変動をおさえる
図2 充電器の内部。交流を直流に変える部品が基板に並ぶ(写真はイメージ)

整流回路は、ダイオードの数と電源の相数で、次の 3 つを押さえます。

  • 単相半波整流:ダイオード 1 個。電源の半周期だけを使う
  • 単相全波整流:ダイオード 4 個のブリッジ。両方の半周期を使う
  • 三相全波整流:ダイオード 6 個のブリッジ。三相交流を整流する

ダイオードの働きそのものは、ダイオードの記事で確認できます。

単相半波整流の平均電圧

単相半波整流は、電源 ee、ダイオード D、抵抗 R を直列につないだ回路です(図3)。電源電圧は e=2Esin⁡θe = \sqrt{2}E\sin\theta で表します。

e D R i R の電圧 ed 0° 180° 360° 540° 720° θ Ed √2E Ed = √2E/π ≒ 0.45E 負の半周期はダイオードが止める(点線)
図3 単相半波整流の回路と出力電圧の波形

ee が正の半周期(0≤θ≤π0 \le \theta \le \pi)は、D が導通して、ee がそのまま R にかかります。負の半周期は D が電流を止めるので、R の電圧は 0 です。出力電圧の平均値 EdE_{\mathrm{d}} は、1 周期 2π2\pi のうち、山の部分の面積を 1 周期で割れば求まります。

正弦波の半周期の平均値は、最大値の 2/π2/\pi 倍です。半波整流は、半周期のあいだ出力が 0 なので、さらに 2 分の 1 になります。

Ed=2π2E×12=2Eπ\begin{gathered} E_{\mathrm{d}} = \frac{2}{\pi}\sqrt{2}E \times \frac{1}{2} \\ = \frac{\sqrt{2}E}{\pi} \end{gathered}

単相全波整流(ブリッジ)の平均電圧

単相全波整流は、ダイオード 4 個を橋のように組んだブリッジ回路で行います。電源の向きが変わっても、負荷 R の電流の向きは変わりません(図4・図5)。

R D1 D3 D2 D4 + − + − i
図4 単相ブリッジ全波整流。正の半周期は D1 と D4 が通る
R D1 D3 D2 D4 − + + − i
図5 負の半周期は D3 と D2 が通る。負荷 R の電流は同じ向き
  • 電源の上側が正の半周期は、D1 → R → D4 の順に電流が流れる
  • 電源の下側が正の半周期は、D3 → R → D2 の順に電流が流れる

どちらの半周期も、R の中は上から下へ電流が流れます。出力電圧は 2E∣sin⁡θ∣\sqrt{2}E|\sin\theta| で、半周期 π\pi ごとに同じ山をくり返します(図6)。

0° 180° 360° 540° 720° θ Ed √2E D1・D4 D3・D2 Ed = 2√2E/π ≒ 0.9E 点線は電源電圧 e。負の半周期を折り返して山にする R の電圧 ed(負の半周期も山になる)
図6 単相全波整流の出力電圧。山の数が半波の 2 倍になり、平均値も 2 倍になる

1 周期が π\pi なので、平均値は次のようになります。

Ed=22Eπ≈0.9EE_{\mathrm{d}} = \frac{2\sqrt{2}E}{\pi} \approx 0.9E

半波整流の 2 倍になります。たとえば、E=100 [V]E = 100\ \mathrm{[V]} なら、半波は約 45 [V]45\ \mathrm{[V]}、全波は約 90 [V]90\ \mathrm{[V]} です。

ブリッジ整流回路は、ダイオード 4 個を 1 つの外装に収めた部品にもなっています。端子は 4 本で、交流の入力が 2 本、直流の出力が 2 本です(図7)。

黒い樹脂の四角い外装から、平らな金属の端子が 4 本立っているブリッジ整流用の部品を写した写真
  1. 部品本体 整流素子を収める外装
  2. 端子 配線をつなぐ平たい金属
  3. 端子の穴 配線の固定に使う
図7 ブリッジ整流回路に使う部品の例(写真はイメージ)

三相全波整流の平均電圧

三相の整流には、ダイオード 6 個の三相ブリッジを使います。上側の 3 個(D1・D3・D5)には、そのとき電位がいちばん高い相が、下側の 3 個(D4・D6・D2)には、いちばん低い相がつながります(図8)。

三相 交流 電源 a b c R + − D1 D4 D3 D6 D5 D2
図8 三相ブリッジ整流回路。ダイオード 6 個を、上側 3 個・下側 3 個に並べる

導通するのは、上側と下側から 1 個ずつです。出力電圧は、いちばん高い相といちばん低い相のあいだ、つまり線間電圧のうち最大のものになります。線間電圧は 60° ずつずれて 6 つの山をつくるので、出力は 6 つの山が切れ目なく並んだ波形です(図9)。

30° 90° 150° 210° 270° 330° 390° θ Ed √2V D1・D6 D1・D2 D3・D2 D3・D4 D5・D4 D5・D6 出力電圧(太線) 線間電圧 6 本(細線) Ed = 3√2V/π ≒ 1.35V(V は線間電圧の実効値) 区間の下の D は、その区間で導通しているダイオード
図9 三相全波整流の出力電圧。線間電圧の山が 1 周期に 6 つ並び、脈動が小さい

山 1 つの幅は 60°(π/3\pi/3)です。VV は線間電圧の実効値です。山は 1 つで 60° なので、その平均値がそのまま全体の平均値になります。

Ed=32Vπ≈1.35VE_{\mathrm{d}} = \frac{3\sqrt{2}V}{\pi} \approx 1.35V

山の数が多いほど脈動は小さくなります。1 周期あたりの山の数は、半波が 1、単相全波が 2、三相全波が 6 です。三相全波は、波形がほぼ平らなので、大きな電力の整流に向いています。たとえば、図10の電気分解の工場や、図11の直流電気鉄道の変電所では、大きな直流の電力を整流器でつくっています。

床の上を銅色の太い導体が走り、その先に、細長い電解槽が並んでいる大きな工場の室内を写した写真
  1. 母線 大電流を流す太い導体
  2. 電解槽 直流で電気分解を行う
  3. 通路 作業や点検に使う
図10 電気分解の工場のイメージ。整流した大電流の直流を電解槽へ送る(写真はイメージ)
灰色の建物の周囲に、碍子の付いた屋外の電気設備と線路が見える直流電気鉄道の変電所の写真
  1. 建物 変電所の機器が入る
  2. 碍子の設備 電線を支えて絶縁する
  3. 線路 電車が走る
図11 直流電気鉄道の変電所のイメージ。交流を整流して電車線へ送る(写真はイメージ)

制御角 α とサイリスタ整流

ダイオードをサイリスタに替えると、電流を流し始める時刻を、ゲートパルスで遅らせられます。ダイオードなら導通を始める時点から、ゲートパルスを入れるまでの遅れの角度が制御角 α\alpha です。α=0\alpha = 0 なら、ダイオードと同じ動きになります。サイリスタそのものの働きは、パワーエレクトロニクスとはの記事で確認できます。

出力電圧の平均値は、負荷によって式が変わります。

抵抗負荷では、サイリスタがオンになるまで電流が 0 で、オンになると電源電圧がそのまま出力されます。電流は電源電圧が 0 になる 180° で自然に 0 に戻ります(図12、点線は α=0\alpha = 0 の出力)。単相全波の場合、出力は α\alpha から π\pi までの山で、半周期ごとにくり返します。

0° 60° 180° 240° 360° θ Ed √2E α α Ed = 0.9E × (1 + cosα)/2 = 0.9E × 0.75 点線は α = 0 のときの出力。点弧が遅れた分だけ山が欠ける
図12 単相全波・抵抗負荷、制御角 α = 60°。サイリスタが入るまで電流は流れない
Ed=0.9E×1+cos⁡α2E_{\mathrm{d}} = 0.9E\times\frac{1+\cos\alpha}{2}

図12の α=60∘\alpha = 60^\circ では、(1+cos⁡60∘)/2=0.75(1+\cos 60^\circ)/2 = 0.75 なので、平均電圧は α=0\alpha = 0 の 75% です。

誘導性負荷(大きなリアクトルが入った負荷)では、電流が途切れず連続して流れます。電源電圧が負になってからも、次のサイリスタがオンになるまで、いま導通しているサイリスタがオンのままです。出力電圧には負の部分が現れます(図13)。

θ Ed √2E α α 0° 60° 180° 240° 360° 負 負 Ed = 0.9E cosα = 0.9E × 0.5 電流が流れ続け、前の山の負の部分が残る。点線は α = 0 のとき
図13 単相全波・誘導性負荷(電流が連続)、制御角 α = 60°

平均値は、α\alpha から π+α\pi + \alpha までの波形の面積を、周期 π\pi で割って求めます。

Ed=0.9Ecos⁡αE_{\mathrm{d}} = 0.9E\cos\alpha

α=60∘\alpha = 60^\circ では cos⁡60∘=0.5\cos 60^\circ = 0.5 で、平均電圧は α=0\alpha = 0 の半分です。同じ α\alpha でも、誘導性負荷のほうが、抵抗負荷より平均電圧が小さくなります。

誘導性負荷で α\alpha が 90∘90^\circ を超えると、cos⁡α\cos\alpha が負になり、平均電圧が負になります。電流の向きは変わらず電圧だけが負なので、電力は直流側から交流側へ戻ります。直流電動機のブレーキなどに使う運転です。

制御角を付けたときの平均電圧の一覧

ここまでの式を、回路と負荷ごとに表にまとめます。α=0\alpha = 0 とすると、ダイオードの式になります。

回路負荷平均電圧
単相半波抵抗0.45E (1+cos⁡α)/20.45E\,(1+\cos\alpha)/2
単相全波抵抗0.9E (1+cos⁡α)/20.9E\,(1+\cos\alpha)/2
単相全波誘導性0.9Ecos⁡α0.9E\cos\alpha
三相全波誘導性1.35Vcos⁡α1.35V\cos\alpha

三相全波の式は、電流が連続する誘導性負荷のものです。三相全波で抵抗負荷のときは、α\alpha が 60∘60^\circ を超えると電流が途切れて式が変わるので、ここでは扱いません。

覚えかたは次のとおりです。

  • 誘導性負荷(電流が連続)は、α=0\alpha = 0 の平均電圧に cos⁡α\cos\alpha を掛ける
  • 抵抗負荷の単相は、cos⁡α\cos\alpha ではなく (1+cos⁡α)/2(1+\cos\alpha)/2 を掛ける

平滑回路(コンデンサ・リアクトル)

整流回路の出力は、そのままでは脈流です。直流電源として使うには、波打ちを小さくする平滑回路を付けます(図14)。

コンデンサを並列に入れる ωCR = 4 の場合 整流 回路 C R 0 180° 360° 540° 720° θ リアクトルを直列に入れる ωL = 2R の場合 整流 回路 L R 0 180° 360° 540° 720° θ 整流回路の出力 R にかかる電圧
図14 平滑回路。コンデンサは電圧、リアクトルは電流の脈動をならす
  • コンデンサ(負荷と並列):電圧が高いあいだに充電し、谷で放電して電圧の落ち込みを埋める。出力電圧は平らになる。負荷が軽いほど(電流が小さいほど)、平均電圧は電源電圧の最大値 2E\sqrt{2}E に近づく
  • リアクトル(負荷と直列):電流の急な変化をおさえて、電流の波打ちを小さくする。リアクトルの抵抗分を無視すれば、平均電圧は変わらない

図14は、コンデンサを入れた場合(上)と、リアクトルを入れた場合(下)の電圧の波形です。実際の電源回路では、この 2 つを組み合わせて使います。

例題と間違えやすいところ

解答と解説を見る

単相全波整流の平均電圧は 0.9E0.9E です。

Ed=0.9×200=180 [V]\begin{gathered} E_{\mathrm{d}} = 0.9 \times 200 \\ = 180\ \mathrm{[V]} \end{gathered}

電流の平均値は、平均電圧を抵抗で割ります。

Id=18015=12 [A]\begin{gathered} I_{\mathrm{d}} = \frac{180}{15} \\ = 12\ \mathrm{[A]} \end{gathered}
解答と解説を見る

抵抗負荷なので、(1+cos⁡α)/2(1+\cos\alpha)/2 を使います。

Ed=0.9×100×1+cos⁡60∘2=0.9×100×0.75=67.5 [V]\begin{gathered} E_{\mathrm{d}} = 0.9 \times 100 \times \frac{1+\cos 60^\circ}{2} \\ = 0.9 \times 100 \times 0.75 \\ = 67.5\ \mathrm{[V]} \end{gathered}

電流の平均値は次のとおりです。

Id=67.59=7.5 [A]\begin{gathered} I_{\mathrm{d}} = \frac{67.5}{9} \\ = 7.5\ \mathrm{[A]} \end{gathered}
解答と解説を見る

三相全波・誘導性負荷なので、1.35Vcos⁡α1.35V\cos\alpha を使います。VV は線間電圧です。

Ed=1.35×400×cos⁡30∘=540×0.866≈468 [V]\begin{gathered} E_{\mathrm{d}} = 1.35 \times 400 \times \cos 30^\circ \\ = 540 \times 0.866 \\ \approx 468\ \mathrm{[V]} \end{gathered}
解答と解説を見る

Ed=1.35Vcos⁡αE_{\mathrm{d}} = 1.35V\cos\alpha を cos⁡α\cos\alpha について解きます。

cos⁡α=1351.35×200=135270=0.5\begin{gathered} \cos\alpha = \frac{135}{1.35 \times 200} \\ = \frac{135}{270} \\ = 0.5 \end{gathered}

cos⁡α=0.5\cos\alpha = 0.5 なので、α=60∘\alpha = 60^\circ です。

間違えやすい点を表にまとめます。

よくある間違い正しくは
半波の平均電圧を 0.9E0.9E とする半波は 0.45E0.45E。0.9E0.9E は全波
三相の式に相電圧を入れる1.351.35 は線間電圧 VV に掛ける
誘導性負荷にも (1+cos⁡α)/2(1+\cos\alpha)/2 を使う電流が連続なら cos⁡α\cos\alpha。(1+cos⁡α)/2(1+\cos\alpha)/2 は抵抗負荷
リアクトルで平均電圧が下がると考える抵抗分を無視すれば、平均電圧は変わらない

よくある質問

整流回路の出力を「平均値」で表すのは、なぜですか?

整流しただけの出力は、一方向ですが、大きさが波打つ脈流です。脈流は、平らな直流の部分(平均値)に、小さく波打つ交流の成分が重なったものと見られます。直流として働くのは平均値の部分なので、出力電圧は平均値で表します。

半波整流と全波整流は、何が違いますか?

半波整流は、電源の半周期しか使いません。平均電圧は 0.45E0.45E と小さく、波形の谷も深くなります。全波整流は、両方の半周期を使うので、平均電圧は 2 倍の 0.9E0.9E になり、山の数も 2 倍で脈動が小さくなります。

制御角 α を大きくすると、平均電圧はどうなりますか?

小さくなります。α=0\alpha = 0 のときが最大で、α\alpha が大きいほど、電流の流れ始めが遅れるからです。抵抗負荷では (1+cos⁡α)/2(1+\cos\alpha)/2、電流が連続する誘導性負荷では cos⁡α\cos\alpha に比例して下がります。

三相整流の式で、線間電圧を使うのはなぜですか?

三相ブリッジの出力が、そのときにいちばん電位が高い相と、いちばん低い相のあいだの電圧になるからです。この 2 つの相のあいだの電圧が線間電圧です。1.351.35 は、線間電圧の実効値に掛ける係数です。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

整流回路は、何をする回路ですか?

交流を直流に変える回路です。ダイオードで電流の向きをそろえ、できた脈流の平均値を直流の電圧として使います。

単相半波と単相全波の平均電圧は、それぞれいくらですか?

半波は 2E/π≈0.45E\sqrt{2}E/\pi \approx 0.45E、全波はその 2 倍の 22E/π≈0.9E2\sqrt{2}E/\pi \approx 0.9E です。

三相全波整流の平均電圧は、何に何を掛けますか?

線間電圧の実効値 VV に、32/π≈1.353\sqrt{2}/\pi \approx 1.35 を掛けます。

制御角 α\alpha とは何ですか?

ダイオードなら導通を始める時点から、ゲートパルスを入れるまでの遅れ角です。大きいほど平均電圧が下がります。

単相全波の平均電圧は、抵抗負荷と誘導性負荷でどう違いますか?

抵抗負荷は 0.9E(1+cos⁡α)/20.9E(1+\cos\alpha)/2、電流が連続する誘導性負荷は 0.9Ecos⁡α0.9E\cos\alpha です。

平滑回路のコンデンサとリアクトルは、それぞれ何をならしますか?

コンデンサは負荷と並列に入れて電圧を、リアクトルは直列に入れて電流の波打ちをならします。

まとめ

  • 整流回路は、交流を直流に変える回路。脈流の平均値を、直流の電圧として使う
  • 平均電圧は、単相半波が 0.45E0.45E、単相全波が 0.9E0.9E、三相全波が 1.35V1.35V(VV は線間電圧)
  • 制御角 α\alpha を大きくすると平均電圧が下がる。抵抗負荷は (1+cos⁡α)/2(1+\cos\alpha)/2、誘導性負荷は cos⁡α\cos\alpha
  • α\alpha が 90∘90^\circ を超えると、誘導性負荷では平均電圧が負になり、電力が直流側から交流側へ戻る
  • 平滑回路は、コンデンサが電圧を、リアクトルが電流の波打ちをならす
回路平均電圧(α=0\alpha = 0)山の数(1 周期)
単相半波0.45E0.45E1
単相全波0.9E0.9E2
三相全波1.35V1.35V6

次は、直流の電圧を変えるチョッパ、直流から交流をつくるインバータの記事で、整流のつぎの電力変換を確認できます。

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