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機械パワーエレクトロニクス / インバータ16分で読めます

インバータの仕組み|直流を交流に変える単相ブリッジと PWM・VVVF 制御

電験三種の機械で問われるインバータを図解します。単相ブリッジの方形波と基本波の実効値、三相インバータ、PWM 制御、VVVF 制御で電動機の回転数を変える仕組みを、例題で確認できます。

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住宅の外壁のそばに置かれた、白いエアコン室外機を写した写真
この記事の目次
  1. インバータとは?直流から交流をつくる回路
  2. 単相ブリッジインバータ:4 つのスイッチで方形波をつくる
  3. 上下を同時にオンにしない理由と還流ダイオード
  4. 三相インバータ:6 つのスイッチで三相交流をつくる
  5. PWM 制御:パルスの幅で電圧を変える
  6. VVVF 制御:電圧と周波数で電動機の回転数を変える
  7. 電圧形と電流形
  8. 省エネに効く理由:動力は回転数の 3 乗
  9. 例題と間違えやすいところ
  10. よくある質問
  11. インバータの入力は直流なのに、家庭の交流でも使えるのは、なぜですか?
  12. 同じ脚の上下のスイッチが同時にオンになると、何が起きますか?
  13. 周波数を変えるとき、電圧も一緒に変えるのは、なぜですか?
  14. PWM は、方形波より何がよいのですか?
  15. まとめ
図解でわかる 電験三種 機械 1 直流機 の表紙機械を図解で読む図解でわかる 電験三種 機械 1
直流機
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インバータは、直流から交流をつくる回路です。出力の電圧も周波数も自由に変えられるので、電動機の回転数を思いどおりに変えられます。エアコンや電車にも使われています。この記事では、単相ブリッジの動作から、三相インバータ、PWM 制御、VVVF 制御までを、図と例題で確認します。

インバータの全体像
  • インバータとは
    • 直流を交流に変える回路。出力の電圧と周波数を変えられる
  • 単相ブリッジ
    • 4 つのスイッチで方形波をつくる。基本波の実効値は 22E/π≈0.9E2\sqrt{2}E/\pi \approx 0.9E
  • 三相インバータ
    • 6 つのスイッチ。線間電圧の基本波の実効値は 6E/π≈0.78E\sqrt{6}E/\pi \approx 0.78E
  • PWM 制御
    • パルスの幅で、出力電圧の平均を正弦波にする
  • VVVF 制御
    • 電圧と周波数を比例させて、電動機の回転数を変える
  • 例題と間違えやすいところ
    • 同期速度は Ns=120f/pN_{\mathrm{s}} = 120f/p、動力は回転数の 3 乗

インバータとは?直流から交流をつくる回路

インバータとは、直流を交流に変える回路です。整流回路は交流から直流をつくりますが、インバータはその逆向きの変換をします。交流から直流への変換を順変換、直流から交流への変換を逆変換といいます。

直流 インバータ 交流 半導体スイッチ 電池・太陽光 整流回路の出力 スイッチを入り切り して交流をつくる 電圧と周波数を 自由に変えられる 整流回路は交流から直流。インバータは、その逆向き
図1 インバータは、直流を交流に変える。出力の電圧と周波数を変えられる

図1のように、インバータは半導体のスイッチを入り切りして、交流をつくります。入り切りの速さを変えると、出力の周波数が変わります。入り切りの時間の割合を変えると、出力の電圧が変わります。電圧も周波数も自由に変えられるのが、インバータの特長です。

入力の直流は、電池や太陽光パネルからも、整流回路の出力からも得られます。エアコンのように家庭の交流で動く機器は、まず交流を直流にして、そのあとインバータで好きな周波数の交流にします。圧縮機の電動機の回転数を変えて、冷やす力を調整できます。

太陽光発電のパワーコンディショナは、パネルの直流を、系統と同じ周波数の交流に変えます(図2)。直流の電圧を別の大きさの直流に変える回路は、チョッパといいます。

ベージュの外壁に取り付けられた、灰色の箱形の機器と、下へ伸びる 3 本の電線管を写した写真
  1. 筐体 回路を収める箱
  2. 取付け金具 壁に固定する
  3. 電線管 配線を保護する
図2 太陽光発電のパワーコンディショナのイメージ。直流を交流に変える(写真はイメージ)

インバータの中のスイッチには、パワー半導体デバイスの記事で扱った IGBT などが使われます。

単相ブリッジインバータ:4 つのスイッチで方形波をつくる

単相インバータの基本は、スイッチ 4 つを H の字に並べた単相ブリッジです。直流電源 EE に、2 つのスイッチを直列にした「脚」を 2 組つなぎ、脚の中点の間に負荷をつなぎます。左の脚に S1(上)と S2(下)、右の脚に S3(上)と S4(下)を置きます。各スイッチには、ダイオードが逆向きに並列につながっています。

負荷の電圧 vov_{\mathrm{o}} は、負荷の左の端子を + 側にとって測ります。

S1 と S4 をオンにすると、電流は電源の正極から S1、負荷、S4 を通って、負極へ戻ります(図3)。負荷には電源電圧がそのまま加わるので、vo=+Ev_{\mathrm{o}} = +E です。

E + S1 D1 S2 D2 S3 D3 S4 D4 R vo = +E S1 と S4 がオン:負荷に +E が加わり、電流は左から右へ流れる
図3 単相ブリッジインバータで S1・S4 をオンにしたとき。負荷の電圧は +E

次に S1 と S4 をオフにして、S2 と S3 をオンにします。電流は S3、負荷、S2 の順に、図3とは逆向きに流れます(図4)。このとき vo=−Ev_{\mathrm{o}} = -E です。

E + S1 D1 S2 D2 S3 D3 S4 D4 R vo = −E S2 と S3 がオン:負荷に −E が加わり、電流は右から左へ流れる
図4 単相ブリッジインバータで S2・S3 をオンにしたとき。負荷の電圧は −E

この 2 つの状態を、半周期ずつ交互に繰り返すと、負荷の電圧は +E+E と −E-E を行き来する方形波になります(図5)。スイッチを切り換える周期が、出力の周期です。出力の周波数は、切り換える速さで決まります。

0° 90° 180° 270° 360° θ E −E 4E/π 方形波(振幅 E) 基本波(振幅 4E/π) 基本波の実効値は、(4E/π)/√2 = 2√2 E/π ≒ 0.9E
図5 方形波には、それと同じ周期の正弦波(基本波)が含まれる。基本波の振幅は 4E/π

図5の方形波は、同じ周期の正弦波(基本波)と、3 倍、5 倍…の周波数の高調波の和で表せます。

vo=4Eπsin⁡ωt+4E3πsin⁡3ωt+4E5πsin⁡5ωt+⋯\begin{aligned} v_{\mathrm{o}} &= \frac{4E}{\pi}\sin\omega t \\ &{}+ \frac{4E}{3\pi}\sin 3\omega t \\ &{}+ \frac{4E}{5\pi}\sin 5\omega t + \cdots \end{aligned}

基本波の振幅は 4E/π≈1.27E4E/\pi \approx 1.27E で、方形波の振幅 EE より大きくなります。実効値は、振幅を 2\sqrt{2} で割った値です。

V1=4E/π2=22πE≈0.9E\begin{gathered} V_{1} = \frac{4E/\pi}{\sqrt{2}} \\ = \frac{2\sqrt{2}}{\pi}E \approx 0.9E \end{gathered}

電動機のトルクを生むのは、おもに基本波です。高調波は、損失や振動の原因になります。なお、方形波そのものの実効値は、∣vo∣=E|v_{\mathrm{o}}| = E がいつも一定なので EE です。基本波の実効値とは別の値です。

上下を同時にオンにしない理由と還流ダイオード

同じ脚の上と下(S1 と S2、S3 と S4)を、同時にオンにしてはいけません。直流電源が、2 つのスイッチだけを通して短絡され、大きな電流が流れて素子が壊れるからです。そのため、切り換えるときは、上下ともオフにする短い時間(デッドタイム)を置きます。

次に、負荷が電動機のようにコイルを含む場合を考えます。コイルの電流は、スイッチを切っても、急には 0 になりません。図6は、S1 と S4 がオンで左から右へ電流が流れていたときに、4 つのスイッチをすべてオフにした直後です。

E + S1 D1 S2 D2 S3 D3 S4 D4 R L vo = −E 4 つのスイッチがすべてオフ:L の電流は D3 と D2 を通って電源へ戻る
図6 すべてのスイッチをオフにした直後。負荷の電流は還流ダイオードを通って流れ続ける

電流の行き場がなくなりそうですが、各スイッチに並列に入れたダイオードが、通り道になります。電流は、D3、電源、D2 の順に流れます。電源の正極へ向かって流れ込むので、このときの負荷の電圧は vo=−Ev_{\mathrm{o}} = -E です。負荷のコイルがためていたエネルギーが、電源へ戻ります。

このダイオードを、還流ダイオード(帰還ダイオード)といいます。電動機のように電流が急に止まらない負荷で、スイッチを切る瞬間の電流を受け止める役目です。

三相インバータ:6 つのスイッチで三相交流をつくる

三相の電動機を回すには、三相交流が必要です。三相インバータは、脚を 3 組にした回路で、スイッチは全部で 6 つです(図7)。各脚の中点が出力 U、V、W で、スイッチは S_UP(U 相の上)、S_UN(U 相の下)のように呼びます。

E + SUP SUN U SVP SVN V SWP SWN W 出力 U・V・W に、三相の電動機をつなぐ
図7 三相インバータは、2 つのスイッチを直列にした脚を 3 組並べた回路。スイッチは全部で 6 つ

各脚の上のスイッチを半周期ずつオンにし、その間、下のスイッチはオフにします。オンにするタイミングを、U、V、W で 120° ずつずらします。すると、直流の負極を基準にした各相の電位 vUv_{\mathrm{U}}、vVv_{\mathrm{V}}、vWv_{\mathrm{W}} は、0 と EE を行き来する方形波になり、120° ずつずれます(図8)。

電動機にかかるのは、相どうしの差の線間電圧です。vUV=vU−vVv_{\mathrm{UV}} = v_{\mathrm{U}} - v_{\mathrm{V}} は、+E+E が 120°、0 が 60°、−E-E が 120°、0 が 60° と続く波になります。

E 0 U の電位 vU E 0 V の電位 vV E 0 W の電位 vW E 0 −E 線間電圧 vUV = vU − vV 0° 60° 120° 180° 240° 300° 360° θ 基本波:実効値 √6 E/π ≒ 0.78E
図8 三相インバータの出力。各相の電位は 120° ずつずれた方形波で、線間電圧は 120° 幅の波になる

線間電圧の基本波の実効値を求めます。各相の電位は 0 と EE の方形波です。直流分の E/2E/2 を除くと、振幅 E/2E/2 の方形波なので、基本波の振幅は次のとおりです。

4π⋅E2=2Eπ\frac{4}{\pi}\cdot\frac{E}{2} = \frac{2E}{\pi}

2 つの相の基本波は 120° ずれています。その差の振幅は、次のようになります。

2×2Eπsin⁡60°=23πE2 \times \frac{2E}{\pi}\sin 60° = \frac{2\sqrt{3}}{\pi}E

実効値は、これを 2\sqrt{2} で割ります。

VUV=12⋅23πE=6πE≈0.78E\begin{gathered} V_{\mathrm{UV}} = \frac{1}{\sqrt{2}} \cdot \frac{2\sqrt{3}}{\pi}E \\ = \frac{\sqrt{6}}{\pi}E \approx 0.78E \end{gathered}

三相インバータの線間電圧の基本波は、直流電圧の約 0.78 倍です。

PWM 制御:パルスの幅で電圧を変える

方形波のままでは、出力電圧の大きさは直流電圧 EE で決まってしまいます。電圧を変えるための方法が、PWM(パルス幅変調)です。

PWM では、出力させたい正弦波(信号波)と、それより速く上下する三角波(搬送波)を比べます。単相ブリッジでは、信号波が三角波より大きい間は +E+E、小さい間は −E-E を出します(図9)。

三角波(搬送波) 信号波(m = 0.8) E −E 出力電圧(パルス) 平均 = mE sinθ 0° 90° 180° 270° 360° θ 信号波が三角波より大きい間だけ +E、小さい間は −E
図9 PWM。三角波と信号波を比べ、パルスの幅で出力電圧の平均を信号波の形にする

信号波が大きいところでは、+E+E の時間が長くなります。小さいところでは、−E-E の時間が長くなります。このように、パルスの幅が信号波に合わせて変わります。

三角波の振幅を 1 として、信号波を msin⁡θm\sin\theta とします。mm を変調率といい、m≤1m \le 1 とします。三角波の 1 周期の間は、信号波をほぼ一定とみなせます。すると、+E+E の時間の割合は (1+msin⁡θ)/2(1 + m\sin\theta)/2、−E-E の時間の割合は (1−msin⁡θ)/2(1 - m\sin\theta)/2 です。この間の平均は、次のとおりです。

(1+msin⁡θ2−1−msin⁡θ2)E=mEsin⁡θ\begin{gathered} \left(\frac{1 + m\sin\theta}{2} - \frac{1 - m\sin\theta}{2}\right)E \\ = mE\sin\theta \end{gathered}

平均が mEsin⁡θmE\sin\theta なので、出力の基本波は、振幅 mEmE、実効値 mE/2mE/\sqrt{2} になります。図9は m=0.8m = 0.8 の場合です。mm を変えれば、直流電圧 EE を変えずに、出力電圧を変えられます。信号波の周波数を変えれば、出力の周波数も変わります。

PWM は、方形波より低い次数の高調波が小さく、出力が正弦波に近づきます。三相インバータでも、位相が 120° ずつずれた 3 つの信号波を使って、同じように制御できます。

VVVF 制御:電圧と周波数で電動機の回転数を変える

三相誘導電動機の回転数は、電源の周波数で決まる同期速度に近い値になります。極数を pp、周波数を f [Hz]f\ \mathrm{[Hz]} とすると、同期速度は次の式です。

Ns=120fp [min−1]N_{\mathrm{s}} = \frac{120f}{p}\ \mathrm{[min^{-1}]}

同期速度は周波数に比例します。インバータで周波数を変えれば、回転数を変えられます。実際の回転数は、すべり ss の分だけ低く、N=Ns(1−s)N = N_{\mathrm{s}}(1 - s) です。

ただし、周波数だけを下げてはいけません。電動機の巻き線に生じる起電力は、磁束 Φ\Phi と周波数 ff の積に比例し、電圧 VV はそれとほぼ等しくなります。そのため、磁束は V/fV/f に比例します。

Φ∝Vf\Phi \propto \frac{V}{f}

電圧を変えずに周波数を下げると、磁束が増えて鉄心が飽和し、励磁電流が増えます。そこで、磁束を一定に保つため、電圧も周波数に比例して変えます。これが、VVVF 制御(可変電圧可変周波数制御)です。図10は、定格が 50 Hz、200 V の電動機の例です。

0 10 20 30 40 50 60 100 200 120 30 Hz のとき 120 V 定格 50 Hz → 200 V 電圧を周波数に比例 させる(V/f 一定) 電圧は 一定 電圧 V [V] f [Hz]
図10 VVVF 制御の電圧と周波数の関係。定格周波数までは、電圧を周波数に比例させる

周波数を 30 Hz にすると、電圧は 200×30/50=120 [V]200 \times 30/50 = 120\ \mathrm{[V]} にします。定格の周波数を超えると、電圧は定格のままで、周波数だけを上げます。

電車では、架線から取った電気を、インバータで電圧と周波数を変えた三相交流にして、誘導電動機に加える方式が広く使われています(図11)。発進のときは低い周波数から始め、速度が上がるにつれて、電圧と周波数を上げます。

青空の下、架線の下を銀色の電車が線路を走ってくる様子を写した写真
  1. パンタグラフ 架線から電気を取る
  2. 架線 電車に電気を送る電線
  3. 台車 車輪を支える
  4. 先頭車の前面
図11 架線から電気を取って走る電車のイメージ(写真はイメージ)

電圧形と電流形

インバータは、直流側のつくり方で、電圧形と電流形に分けられます。

項目電圧形電流形
直流側の部品コンデンサリアクトル
一定に保つもの直流電圧直流電流
還流ダイオード必要不要

ここまでの図は、電圧形です。直流側のコンデンサで電圧を一定に保ち、スイッチで出力の電圧の波形をつくります。コイルを含む負荷の電流には通り道が必要なので、還流ダイオードを逆並列につなぎます。

電流形は、直流側に大きなリアクトルを入れて、電流を一定に保ちます。スイッチは、その電流を流す向きを切り換えて、出力の電流の波形をつくります。電流がリアクトルで決まっているので、還流ダイオードは必要ありません。

実際のインバータの装置は、パワー半導体や直流側の部品を、冷却ファンとともに箱に収めています(図12)。

灰色の箱形のインバータが 3 台、盤の中に並び、上にファン、下に赤・白・青のケーブルがつながる様子を写した写真
  1. ファン 内部を冷やす
  2. 本体 回路を収める箱
  3. ケーブル 電源や電動機へつなぐ
  4. 金属の枠 機器を支える
図12 盤に収めたインバータの装置のイメージ(写真はイメージ)

省エネに効く理由:動力は回転数の 3 乗

ファンやポンプは、回転数を下げると、風量や流量が減ります。このとき、動力は、流量の割合よりもずっと小さくなります。理想的には、流量は回転数 NN に比例し、圧力(揚程)は N2N^{2} に比例します。動力は「流量 × 圧力」なので、N3N^{3} に比例します。

P∝N3P \propto N^{3}

回転数を 80% にすると、動力は約 51%、50% にすると 12.5% です(図13)。

0.83=0.5120.53=0.125\begin{gathered} 0.8^{3} = 0.512 \\ 0.5^{3} = 0.125 \end{gathered}
0 20 40 60 80 100 50 100 比例の場合の直線 80% → 約 51% 50% → 12.5% 動力 P ∝ N3 動力(定格に対する %) 回転数 N(定格に対する %)
図13 動力は回転数の 3 乗に比例する。回転数を 80% にすると、動力は約 51% になる

電動機を一定の回転数で回し、弁やダンパで流量を絞る方法では、動力はあまり減りません。インバータで回転数を下げれば、必要な流量に合わせて動力を小さくできます(図14)。実際の設備では、配管の条件によって、ぴったり 3 乗にならない場合があります。

青い塗装のポンプと灰色の電動機が、軸でつながれてコンクリートの基礎に据え付けられている様子を写した写真
  1. 電動機 ポンプを回す
  2. ポンプ 水などを送る
  3. カップリング 軸をつなぐ
  4. 基礎 コンクリートの台
図14 ポンプと電動機のイメージ。回転数を変えて流量を調整する(写真はイメージ)

例題と間違えやすいところ

解答と解説を見る

V/f 一定なので、電圧は周波数に比例します。

V=200×3050=120 [V]\begin{gathered} V = 200 \times \frac{30}{50} \\ = 120\ \mathrm{[V]} \end{gathered}

同期速度は 120f/p120f/p です。

Ns=120×304=900 [min−1]\begin{gathered} N_{\mathrm{s}} = \frac{120 \times 30}{4} \\ = 900\ \mathrm{[min^{-1}]} \end{gathered}

50 Hz のときの同期速度は 1500 [min−1]1500\ \mathrm{[min^{-1}]} なので、60% になっています。すべりが 0.040.04 のときの回転数は、次のとおりです。

N=900×(1−0.04)=864 [min−1]\begin{gathered} N = 900 \times (1 - 0.04) \\ = 864\ \mathrm{[min^{-1}]} \end{gathered}
解答と解説を見る

(1) 方形波の基本波の振幅は 4E/π4E/\pi です。

4×300π≈382 [V]\begin{gathered} \frac{4 \times 300}{\pi} \\ \approx 382\ \mathrm{[V]} \end{gathered}

実効値は、これを 2\sqrt{2} で割ります。

22×300π≈270 [V]\begin{gathered} \frac{2\sqrt{2} \times 300}{\pi} \\ \approx 270\ \mathrm{[V]} \end{gathered}

(2) PWM の基本波の振幅は mEmE で、実効値は mE/2mE/\sqrt{2} です。

0.8×3002≈170 [V]\begin{gathered} \frac{0.8 \times 300}{\sqrt{2}} \\ \approx 170\ \mathrm{[V]} \end{gathered}
解答と解説を見る

動力は回転数の 3 乗に比例するので、80 [%]80\ \mathrm{[\%]} のときは 0.83=0.5120.8^{3} = 0.512 倍です。

P=15×0.512=7.68 [kW]\begin{gathered} P = 15 \times 0.512 \\ = 7.68\ \mathrm{[kW]} \end{gathered}

約 7.7 [kW]7.7\ \mathrm{[kW]} です。回転数に比例すると考えて 12 [kW]12\ \mathrm{[kW]} とするのは誤りです。50 [%]50\ \mathrm{[\%]} のときは 0.53=0.1250.5^{3} = 0.125 倍です。

P=15×0.125=1.875 [kW]\begin{gathered} P = 15 \times 0.125 \\ = 1.875\ \mathrm{[kW]} \end{gathered}

約 1.9 [kW]1.9\ \mathrm{[kW]} です。

解答と解説を見る

正解は (2) です。磁束は V/fV/f に比例するので、電圧を周波数に比例させると、磁束が一定になります。

(1) は、同じ脚の上下を同時にオンにすると、電源が短絡されます。(3) は、電流形が直流側にリアクトルを入れ、コンデンサは電圧形です。(4) は、PWM が変えるのはパルスの幅で、高さは直流電圧 EE のままです。

間違えやすい点を表にまとめます。

よくある間違い正しくは
方形波の基本波の実効値を EE とする22E/π≈0.9E2\sqrt{2}E/\pi \approx 0.9E。EE は方形波そのものの実効値
同期速度を周波数に反比例とするNs=120f/pN_{\mathrm{s}} = 120f/p で、周波数に比例
周波数だけを下げる電圧も比例して下げる(V/f 一定)
動力を回転数に比例とする3 乗に比例。80% で約 51%
電圧形と電流形の直流側を逆にする電圧形はコンデンサ、電流形はリアクトル

よくある質問

インバータの入力は直流なのに、家庭の交流でも使えるのは、なぜですか?

インバータの前に、交流を直流にする整流回路と、電圧をならすコンデンサを置くからです。交流をいったん直流にして、その直流から、好きな周波数の交流をつくります。整流回路の平均電圧は、整流回路の記事で確認できます。

同じ脚の上下のスイッチが同時にオンになると、何が起きますか?

直流電源が、2 つのスイッチだけを通してつながり、短絡します。大きな電流が流れて、素子が壊れます。そこで、切り換えの間に、上下ともオフにするデッドタイムを置きます。

周波数を変えるとき、電圧も一緒に変えるのは、なぜですか?

電動機の磁束を一定に保つためです。磁束は V/fV/f に比例します。周波数だけを下げると、磁束が増えて鉄心が飽和し、励磁電流が増えます。電圧も同じ割合で下げれば、磁束は変わりません。

PWM は、方形波より何がよいのですか?

直流電圧を変えずに、出力電圧の大きさを変えられます。また、出力が正弦波に近づき、低い次数の高調波が小さくなります。そのぶん、スイッチを入り切りする回数は増えます。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

インバータとは、何をする回路ですか?

直流を交流に変える回路です。出力の電圧と周波数を自由に変えられます。

単相ブリッジの方形波の、基本波の実効値は、どう表せますか?

22E/π≈0.9E2\sqrt{2}E/\pi \approx 0.9E です。基本波の振幅は 4E/π4E/\pi です。

三相インバータの線間電圧の、基本波の実効値は、どう表せますか?

6E/π≈0.78E\sqrt{6}E/\pi \approx 0.78E です。

PWM で、出力電圧の大きさを変えるには、どうしますか?

変調率 mm を変えます。パルスの幅で、平均が mEsin⁡θmE\sin\theta になり、基本波の実効値は mE/2mE/\sqrt{2} です。

VVVF 制御で、周波数を下げるとき、電圧はどうしますか?

周波数に比例して下げます。磁束 Φ∝V/f\Phi \propto V/f を一定に保つためです。

ファンやポンプの動力は、回転数とどんな関係ですか?

回転数の 3 乗に比例します。80% で約 51%、50% で 12.5% です。

まとめ

  • インバータは、直流を交流に変える回路。電圧と周波数を変えられる
  • 単相ブリッジの方形波の基本波は、実効値 22E/π≈0.9E2\sqrt{2}E/\pi \approx 0.9E。三相の線間電圧は 6E/π≈0.78E\sqrt{6}E/\pi \approx 0.78E
  • 同じ脚の上下は同時にオンにしない。還流ダイオードが、コイルの電流の通り道になる
  • PWM は、パルスの幅で出力電圧の平均を正弦波にする。基本波の実効値は mE/2mE/\sqrt{2}
  • VVVF 制御は、V/fV/f を一定にして、同期速度 120f/p120f/p を変える
  • 動力は回転数の 3 乗に比例するので、ファンやポンプの省エネになる
項目式備考
単相方形波の基本波22πE\dfrac{2\sqrt{2}}{\pi}E実効値。約 0.9E0.9E
三相の線間電圧の基本波6πE\dfrac{\sqrt{6}}{\pi}E実効値。約 0.78E0.78E
PWM の基本波mE2\dfrac{mE}{\sqrt{2}}実効値。m≤1m \le 1
同期速度120fp\dfrac{120f}{p}単位は [min−1]\mathrm{[min^{-1}]}

次は、直流の電圧を変えるチョッパ、スイッチに使う素子を扱うパワー半導体デバイスの記事で、パワーエレクトロニクスの全体を確認できます。

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デンケンラボ編集部

電験三種の合格プランをつくる問題集アプリ「デンケンラボ」の編集部です。試験センターの出題範囲に沿って、計算の考え方と覚えどころを図と式で解説しています。

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