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機械電力システムに関する情報伝送及び処理 / 情報伝送16分で読めます

情報伝送の基本と伝送速度の計算|調歩同期・パリティ・変調方式を図解

電験三種の機械で学ぶ情報伝送を図解で整理します。bps と伝送時間の計算、調歩同期式、パリティビット、AM・FM と ASK・FSK・PSK、多重化、光ファイバまで、例題で手を動かして確かめられます。

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暗い背景の中で、細い光ファイバの束の先端が青く点々と光っている写真
この記事の目次
  1. 情報伝送とは
  2. ビット・バイト・bps
  3. 伝送時間の求め方
  4. シリアル伝送と調歩同期式
  5. シリアルとパラレル
  6. 調歩同期式
  7. パリティビットによる誤り検出
  8. 変調方式
  9. アナログ信号の変調
  10. ディジタル信号の変調
  11. 変調速度と伝送速度
  12. アナログ信号を、ディジタルで送る(PCM)
  13. 多重化と伝送路
  14. 多重化
  15. 伝送路の種類
  16. 遠方監視制御
  17. よくある質問
  18. bps と baud は、どう違う?
  19. パリティビットで、誤りを訂正できないのはなぜ?
  20. 調歩同期式は、なぜ効率が下がる?
  21. 電力設備で、光ファイバが選ばれるのはなぜ?
  22. まとめ
図解でわかる 電験三種 機械 1 直流機 の表紙機械を図解で読む図解でわかる 電験三種 機械 1
直流機
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データを遠くへ送るとき、電気や光の信号が運ぶのは、0 と 1 の列です。どれだけの速さで送れるか、途中で起きた誤りをどう見つけるか、1 本の線を何人で分け合うか。情報伝送は、この 3 つの見方で整理できます。

この記事では、情報伝送の流れと伝送速度から始めて、シリアル伝送と調歩同期式、パリティビットによる誤り検出、変調方式、多重化と伝送路を順に確認します。最後に、電力設備の遠方監視制御で、これらがどう使われるかを見ます。例題では、伝送時間、調歩同期式の 1 文字、パリティビット、変調速度を、手を動かして求めます。

情報伝送の全体像
  • 情報伝送とは
    • 0 と 1 の列を、伝送路で送る。速さは bps で表す
    • 伝送時間は、データ量 [bit] を伝送速度 [bps] で割る
  • シリアル伝送と調歩同期式
    • 1 本の線で、1 ビットずつ送るのがシリアル伝送
    • 調歩同期式は、文字ごとにスタートビットとストップビットをはさむ
  • パリティビット
    • 1 の数の偶奇をそろえて、1 ビットの誤りを見つける。訂正はできない
  • 変調方式
    • 搬送波の振幅・周波数・位相を変える(AM・FM・PM、ASK・FSK・PSK)
    • 伝送速度は、変調速度に 1 シンボルのビット数をかける
  • 多重化と伝送路
    • 時分割・周波数分割・波長分割
    • 光ファイバは、電磁誘導の影響を受けにくい

情報伝送とは

情報伝送とは、データを、離れた場所へ送ることです。送る側(送信側)が、データを信号に変えて、ケーブルや光や電波の道(伝送路)へ送り出します。受ける側(受信側)が、信号をデータに戻します。

送信側 符号化 変調 伝送路 ケーブル 光・電波 受信側 復調 復号 雑音が入ると、ビットが誤る データ(0 と 1 の列) 元のデータ 伝送速度 = 1 秒間に送るビット数 [bps]
図1 情報伝送の流れ。送信側で信号に変え、伝送路を通して、受信側で元のデータに戻す

伝送路には雑音が入るので、信号がゆがみ、0 が 1 に、1 が 0 に変わることがあります。この誤りを見つける工夫が、あとで見るパリティビットです。

機器の間でデータを運ぶのは、たとえば、サーバを並べた部屋で、機器どうしをつなぐケーブルです。

黒いサーバ機器を収めた棚が中央に立ち、その両脇を黄色と青のケーブルの束が縦に走っていて、通路の左右にも棚が並ぶ写真
  1. サーバ機器 箱形の機器が縦に並ぶ
  2. 黄色のケーブル 束になって縦に走る
  3. 青のケーブル 機器の脇へ分かれる
  4. 通路 左右に棚の列が続く
図2 サーバ機器を収めた棚の例。棚の両脇をケーブルの束が縦に走り、機器とつながる(写真はイメージ)

ビット・バイト・bps

0 と 1 の列は、2 進数として読めます。2 進数と論理回路は、論理回路とカルノー図で確かめられます。情報伝送では、次の 3 つの単位を使います。

単位意味
bit0 か 1 の 1 桁分
byte8 ビットのまとまり
bps1 秒間に送るビット数

1 kbps は 1000 bps、1 Mbps は 10610^6 bps です。データ量の 1 kB は 1000 byte、1 MB は 10610^6 byte として計算します。コンピュータの分野では 1024 を単位にする場合もあるので、問題の指定に従います。

伝送時間の求め方

伝送時間 TT [s] は、データ量 NN [bit] を、伝送速度 vv [bps] で割ると求まります。

T=NvT = \frac{N}{v}

データ量が byte で与えられたときは、8 倍して bit に直してから割ります。bit と byte、kbps と Mbps を取り違えないことが、計算のコツです。実際には、制御用のビットや、送り直しの分があるので、データとして届く速さ(実効速度)は、伝送速度に効率をかけた値になります。

解答と解説を見る

(1) データ量を bit に直します。

N=1.2×106×8=9.6×106 bit\begin{aligned} N &= 1.2 \times 10^{6} \times 8 \\ &= 9.6 \times 10^{6}\,\mathrm{bit} \end{aligned}

伝送時間は、次のとおりです。

T=9.6×1068×106=1.2 s\begin{aligned} T &= \frac{9.6 \times 10^{6}}{8 \times 10^{6}} \\ &= 1.2\,\mathrm{s} \end{aligned}

(2) 実効の速さを求めます。

v=8×0.8=6.4 Mbps\begin{aligned} v &= 8 \times 0.8 \\ &= 6.4\,\mathrm{Mbps} \end{aligned}

9.6×1069.6 \times 10^6 bit は 9.6 Mbit なので、次のとおりです。

T=9.66.4=1.5 s\begin{aligned} T &= \frac{9.6}{6.4} \\ &= 1.5\,\mathrm{s} \end{aligned}

答えは (1) 1.2 s、(2) 1.5 s です。

シリアル伝送と調歩同期式

シリアルとパラレル

複数のビットを送るとき、1 本の線に 1 ビットずつ順に送る方式をシリアル伝送、複数の線で同時に送る方式をパラレル伝送といいます。

パラレル伝送:8 本の線で、同時に送る 送信 受信 1 0 1 1 0 0 1 0 同じ瞬間に、8 ビットが並んで届く シリアル伝送:1 本の線で、1 ビットずつ順に送る 送信 受信 1 0 1 1 0 0 1 0 時間をずらして、1 ビットずつ届く
図3 8 ビットのデータを送る様子。パラレルは 8 本の線で同時に、シリアルは 1 本の線で順に送る

パラレルは、同じ時間に多くのビットを送れますが、線の数だけ、ケーブルが太く高くなります。遠くへ送ると、線ごとの到着の時間差も問題になります。そのため、離れた機器の間の伝送には、線が少なくて済むシリアル伝送が向いています。

方式線の数向く場面
パラレル多い近い距離
シリアル少ない遠い距離

機器どうしをつなぐケーブルの先には、コネクタが付いています。ケーブルの中には細い導線が通り、コネクタの端子を通じて、機器とつながります。

白い背景に、青いケーブルの先に透明な樹脂のコネクタが付き、内部の細い導線が金色の端子へつながっている写真
  1. 透明な樹脂 コネクタの外側を覆う
  2. 細い導線 色分けされ、端子へ続く
  3. 金色の端子 機器側と接触する部分
  4. ケーブル 信号を運ぶ
図4 ケーブルの先に付けたコネクタの例。中の導線が端子へつながり、機器と信号をやりとりする(写真はイメージ)

調歩同期式

シリアル伝送では、受信側が、どこからどこまでが 1 文字なのかを知らなければなりません。この合わせ方を同期といいます。調歩同期式は、文字ごとに、頭にスタートビット(0)、終わりにストップビット(1)をはさんで、同期を取る方式です。

0 1 0 1 1 0 1 1 0 1 1 1 0 データ(8 ビット) パリティ スタート ストップ 1 文字 = 1 + 8 + 1 + 1 = 11 ビット
図5 調歩同期式の 1 文字。スタートビット 1、データ 8、パリティ 1、ストップビット 1 で、合計 11 ビット

何も送らないあいだは、信号は 1 の状態です。受信側は、1 から 0 に変わった点を、1 文字の始まりと知ります。そこから決まった間隔でビットを読み、最後のストップビット(1)で、1 文字が終わります。文字ごとに同期をやり直すので、送信側と受信側のクロックが少しずれていても、ずれが積み重なりません。

1 文字のビット数は、取り決めで変わります。データは 7 ビットや 8 ビット、パリティは付けない場合もあり、ストップビットは 2 ビットの場合もあります。この記事では、図5の 11 ビットで計算します。

1 文字の 11 ビットのうち、データは 8 ビットだけです。残りの 3 ビットは、同期と誤り検出のための分です。データの効率は、8/118/11 で、約 73% になります。

もう 1 つの方式が、クロック同期式です。クロックの信号を、送信側と受信側で共有して、スタートビットとストップビットをつけずに、データを続けて送ります。

項目調歩同期式クロック同期式
同期文字ごとに取るクロックで取る
効率下がる高い
向く場面低速・不定期高速・連続
解答と解説を見る

(1) 1 文字は 11 ビットです。

T=114800≒2.29×10−3 s\begin{aligned} T &= \frac{11}{4800} \\ &\fallingdotseq 2.29 \times 10^{-3}\,\mathrm{s} \end{aligned}

答えは約 2.29 ms です。

(2) 960 文字のビット数を求めます。

N=960×11=10560 bit\begin{aligned} N &= 960 \times 11 \\ &= 10560\,\mathrm{bit} \end{aligned}

伝送時間は、次のとおりです。

T=105604800=2.2 s\begin{aligned} T &= \frac{10560}{4800} \\ &= 2.2\,\mathrm{s} \end{aligned}

(3) 11 ビットのうち、データは 8 ビットです。

v=4800×811≒3491 bps\begin{aligned} v &= 4800 \times \frac{8}{11} \\ &\fallingdotseq 3491\,\mathrm{bps} \end{aligned}

答えは約 3.5 kbps です。4800 bps の約 73% にあたります。

パリティビットによる誤り検出

雑音で、ビットが 1 つ変わることがあります。受信側が、これに気づく仕組みの 1 つがパリティビットです。データのあとに 1 ビットの P を付けて、データと P を合わせた 1 の数を、決めた偶奇にそろえて送ります。

  • 偶数パリティ:1 の数が、偶数になるように P を決める
  • 奇数パリティ:1 の数が、奇数になるように P を決める

受信側は、1 の数を数えて、決めた偶奇と合っているかを確かめます。合っていなければ、誤りがあったと分かります。

データ(7 ビット) P 1 の数 判定 偶数パリティ そのまま送る 1 0 1 1 0 0 1 0 4 個 正常 奇数パリティ そのまま送る 1 0 1 1 0 0 1 1 5 個 正常 偶数パリティ 1 ビット誤り 1 0 0 1 0 0 1 0 3 個 検出 偶数パリティ 2 ビット誤り 1 0 0 1 1 0 1 0 4 個 見逃す 黄は P(パリティビット)、橙は誤ったビット
図6 パリティビットの付け方と検出。データ 1011001 の 1 は 4 個なので、偶数パリティでは P = 0、奇数パリティでは P = 1 を付ける

図6のとおり、1 ビットが誤ると、1 の数の偶奇が変わるので、誤りを検出できます。2 ビットが誤ると、1 の数が 2 つ増えるか減るか、または 1 つ増えて 1 つ減るので、偶奇は変わりません。このため、誤りを見逃します。

方式P の決め方例の P
偶数1 の数を偶数に0
奇数1 の数を奇数に1

パリティビットには、限りがあります。

  • 検出できるのは、1 ビットのような、奇数個の誤りです。2 ビットのような、偶数個の誤りは見逃します。
  • 誤りに気づくだけで、どのビットが誤ったかは分かりません。訂正はできないので、誤りが見つかったら、再送を求めます。

より強い方法として、まとまったデータの誤りを高い確率で見つける CRC や、誤りの位置まで分かって訂正できるハミング符号があります。

解答と解説を見る

(1) データ 1100101 の 1 の数は 4 個で、偶数です。奇数パリティにするには、P を 1 にして、全体を 5 個にします。答えは P = 1 です。

(2) 1100001 の 1 の数は 3 個で、P を足すと 4 個です。偶数なので、奇数パリティと合いません。誤りを検出できます。元のデータと比べると、1 ビットが誤っています。

(3) 1111101 の 1 の数は 6 個で、P を足すと 7 個です。奇数なので、奇数パリティと合ってしまいます。誤りを検出できません。元のデータと比べると、2 ビットが誤っています。

変調方式

0 と 1 の方形の信号を、そのまま遠くへ送ると、波形がくずれます。電波で送るには、信号の周波数も低すぎます。そこで、一定の周波数の正弦波(搬送波)に、信号の情報を乗せて送ります。これを変調、受信側で元の信号に戻すことを復調といいます。

搬送波は、振幅・周波数・位相の 3 つの量で決まります。どれを信号に合わせて変えるかで、方式が分かれます。

アナログ信号の変調

音声のような、連続して変わる信号を乗せる変調です。

信号波 音声など AM 振幅が変化 FM 周波数が変化 破線:信号波の形
図7 AM と FM の波形。AM は搬送波の振幅が、FM は周波数が、信号波に合わせて変わる
方式変える量特徴
AM振幅回路が簡単
FM周波数雑音に強い
PM位相FM と関係が深い

AM は振幅変調、FM は周波数変調、PM は位相変調です。AM は、雑音が振幅に乗ると、そのまま信号の誤りになります。FM は、振幅の変化を無視して復調できるので、雑音に強くなりますが、広い周波数の帯が要ります。

ディジタル信号の変調

0 と 1 の信号を乗せる変調です。振幅を変えるのが ASK(振幅偏移変調)、周波数を変えるのが FSK(周波数偏移変調)、位相を変えるのが PSK(位相偏移変調)です。

1 0 1 1 0 0 データ ASK 振幅 FSK 周波数 PSK 位相
図8 データ 101100 を ASK・FSK・PSK で送る波形。ASK は振幅、FSK は周波数、PSK は位相を、0 と 1 で切り替える
方式変える量0 と 1 の区別
ASK振幅振幅の大小
FSK周波数2 つの周波数
PSK位相位相の違い

変調速度と伝送速度

PSK で、位相を 4 通りにすれば、1 回の変化で 2 ビットを送れます。位相を 8 通りにすれば、3 ビットです。このように、1 回に多くのビットを送る方式を、多値変調といいます。

1 秒間に信号が変わる回数を、変調速度といい、単位は baud(ボー)です。変調速度を BB [baud]、1 回の変化で送るビット数を nn、変化の種類の数を MM とすると、伝送速度 vv [bps] は、次のようになります。

v=B×nn=log⁡2M\begin{aligned} v &= B \times n \\ n &= \log_2 M \end{aligned}

1 回の変化で 1 ビットなら、n=1n = 1 で、bps と baud の数は等しくなります。

アナログ信号を、ディジタルで送る(PCM)

音声のようなアナログ信号を、ディジタルの 0 と 1 にして送る方式が、PCM(パルス符号変調)です。次の 3 段階で行います。

  1. 標本化:一定の間隔で、信号の大きさを取り出す
  2. 量子化:取り出した値を、段階の値に丸める
  3. 符号化:段階の値を、2 進数にする

標本化と量子化のくわしい計算は、A-D変換の分解能と量子化誤差で確かめられます。たとえば、音声を 1 秒間に 8000 回標本化して、1 回あたり 8 ビットで符号化すると、伝送速度は次のようになります。

v=8000×8=64000 bps\begin{aligned} v &= 8000 \times 8 \\ &= 64000\,\mathrm{bps} \end{aligned}

つまり、64 kbps です。

多重化と伝送路

多重化

1 本の伝送路を、複数の通信で分け合って使うことを、多重化といいます。

時分割多重(TDM) 周波数分割多重(FDM) A B C A B C A B C 時間 時間 時間を区切って、 順番に使う 周波数の帯を分けて、 同時に使う 縦軸は周波数 縦軸は周波数
図9 多重化の 2 つの方式。時分割は時間を区切って順番に、周波数分割は周波数の帯を分けて同時に使う
  • 時分割多重(TDM):時間を短く区切って、通信 A・B・C に順番に割り当てる
  • 周波数分割多重(FDM):周波数の帯を分けて、A・B・C が同時に使う
  • 波長分割多重(WDM):光ファイバに、波長の違う光を重ねて送る。光の波長を分ける点で、周波数分割と同じ考え方
方式分けるもの使い方
TDM時間順番に使う
FDM周波数同時に使う
WDM光の波長光で重ねる

伝送路の種類

伝送路には、信号の種類に合わせて、次のようなものがあります。

伝送路信号特徴
より対線電気安価で近距離向き
光ファイバ光大容量で損失小
マイクロ波電波ケーブルが不要
電力線搬送高周波送電線を使う

光ファイバは、屈折率の高い中心(コア)を、屈折率の低い層(クラッド)が囲んだ、細いガラスの線です。光は、境の面で全反射をくり返して、コアの中を進みます。

暗い背景の中で、細い光ファイバの束の先端が青く点々と光っている写真
  1. 光ファイバの束 細い線がまとまる
  2. 先端の光 線の中を光が進む
  3. 細い線 ガラスでできている
図10 光ファイバの束の例。先端が光り、細い線の中を光が進む(写真はイメージ)

光ファイバの長所は、次のとおりです。

  • 損失が小さく、遠くまで送れる。大容量のデータを送れる
  • 電気を通さない絶縁物なので、電磁誘導の影響を受けにくい。電力設備のそばでも、雑音が入りにくい
  • 細くて軽い

電力の設備では、送電線の鉄塔の最上部に張る架空地線に、光ファイバを入れた OPGW(光ファイバ複合架空地線)が使われます。雷から送電線を守る役と、通信の役を兼ねます。

電力線搬送は、送電線に高周波の信号を重ねて送る方式です。マイクロ波は、見通しのきく範囲に、アンテナを向け合って送る無線で、ケーブルを敷きにくい場所に向きます。

遠方監視制御

発電所や変電所は、給電指令所から離れた場所にあります。給電指令所は、電力系統の運転の中心です。そこから、離れた設備を監視して、操作する仕組みが遠方監視制御で、伝送の技術が使われます。

伝送路 給電指令所 監視・操作の中心 発電所 変電所 機器の測定と開閉 テレメータ(TM) 計測値などを送る テレコン(TC) 操作の指令を送る 伝送路:光ファイバ、マイクロ波無線、電力線搬送など
図11 遠方監視制御。発電所や変電所の計測値などを、テレメータで給電指令所へ送り、操作の指令を、テレコンで送り返す
  • テレメータ(TM):電圧・電流・電力などの計測値を、遠方へ送る。機器の状態(遮断器の入り・切りなど)も、発電所や変電所から給電指令所へ送られる
  • テレコン(TC):給電指令所から、遮断器の開閉などの操作の指令を送る

伝送路には、前に見た光ファイバやマイクロ波、電力線搬送などを使います。鉄塔の上には、マイクロ波の通信に使うアンテナが付くことがあります。

青空の下に、鉄の骨組みと変圧器が並ぶ変電所があり、右の細い鉄塔の上に白い円形のアンテナが付いている写真
  1. 白い円形のアンテナ マイクロ波の通信に使う形
  2. 鉄塔 アンテナを高い所に支える
  3. 変圧器 電圧を変える機器
  4. 鉄構 電線や機器を支える骨組み
図12 変電所と鉄塔の例。鉄塔の上の円形のアンテナは、マイクロ波の通信に使う形(写真はイメージ)

給電指令所では、監視室の大きな画面に、系統の状態を映して、運転を監視します。

暗い部屋の奥にネットワーク図のような大型モニタの壁があり、手前の左右に机と黒い椅子が並び、左の机に電話機が置かれている写真
  1. 大型モニタ 系統の状態を映す
  2. 電話機 連絡に使う
  3. 机上のモニタ 手元で操作する画面
  4. 黒い椅子 運転員が座る
図13 監視室の例。伝送されてきた情報を画面に映し、系統の状態を監視する(写真はイメージ)

保護継電器の中には、送電線の両端の電気量を、伝送路でやりとりして、判断するものがあります。保護継電器の種類は、保護継電器の種類と役割で確かめられます。

解答と解説を見る

(1) 4 相では 1 回に 2 ビット、8 相では 3 ビットを送ります。4 相のときは、次のとおりです。

v=1200×2=2400 bps\begin{aligned} v &= 1200 \times 2 \\ &= 2400\,\mathrm{bps} \end{aligned}

8 相のときは、次のとおりです。

v=1200×3=3600 bps\begin{aligned} v &= 1200 \times 3 \\ &= 3600\,\mathrm{bps} \end{aligned}

(2) 誤りは (ウ) です。パリティビットでは、誤りに気づくだけで、位置は分かりません。訂正はできないので、再送を求めます。

ほかは、正しい説明です。

  • (ア):スタートビット(0)とストップビット(1)をはさみます。
  • (イ):偶数パリティの決まりです。
  • (エ):時間を区切って、順番に割り当てます。
  • (オ):光ファイバは絶縁物なので、電磁誘導の影響を受けにくくなります。

よくある質問

bps と baud は、どう違う?

bps は、1 秒間に送るビット数です。baud は、1 秒間に信号が変わる回数です。1 回の変化で 1 ビットを送る方式では、数が同じになります。1 回で複数ビットを送る多値変調では、bps は、baud に 1 回あたりのビット数をかけた値で、baud より大きくなります。

パリティビットで、誤りを訂正できないのはなぜ?

1 の数の偶奇が合わないことは分かっても、どのビットが誤ったかは分からないからです。1 ビットの誤りなら、データのどのビットが変わっても、P が変わっても、1 の数の偶奇は同じように変わるからです。誤りの位置まで分かって訂正するには、ハミング符号のような、別の方法を使います。

調歩同期式は、なぜ効率が下がる?

文字ごとに、スタートビットとストップビットを付けるからです。図5の形では、11 ビットのうち、データは 8 ビットで、効率は約 73% です。そのかわり、文字ごとに同期をやり直すので、クロックが多少ずれても、ずれが積み重なりません。

電力設備で、光ファイバが選ばれるのはなぜ?

電気を通さない絶縁物なので、送電線や変電所の、強い電磁誘導の影響を受けにくいからです。損失が小さく、大容量のデータを送れます。送電線の架空地線に入れた OPGW なら、雷から守る役と、通信の役を、1 本で兼ねられます。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

伝送時間の求め方は?

データ量 [bit] を伝送速度 [bps] で割ります。byte は、8 倍して bit に直します。

調歩同期式の 1 文字は、どの順に並びますか。

スタートビット(0)、データ、パリティ、ストップビット(1)の順です。図5の形では 11 ビットです。

パリティビットで、検出できる誤りと、できない誤りは?

1 ビットのような、奇数個の誤りは検出できます。2 ビットのような偶数個は見逃します。訂正はできません。

AM・FM・PM と、ASK・FSK・PSK は、それぞれ何を変えますか。

順に、振幅・周波数・位相を変えます。

時分割多重と、周波数分割多重は、どう違いますか。

時分割は、時間を区切って順番に使います。周波数分割は、周波数の帯を分けて同時に使います。

光ファイバの特徴と、TM・TC は?

損失が小さく、電磁誘導の影響を受けにくい伝送路です。TM は計測値を送り、TC は操作の指令を送ります。

まとめ

  • 伝送時間は、データ量 [bit] ÷ 伝送速度 [bps]。byte は 8 倍して bit にする
  • シリアル伝送は 1 本の線で順に送る。調歩同期式は、1 文字をスタート 1・データ 8・パリティ 1・ストップ 1 の 11 ビットで送り、効率は約 73%
  • パリティビットは、1 の数の偶奇をそろえて、奇数個の誤りを検出する。偶数個の誤りは見逃し、訂正はできない
  • 変調は、搬送波の振幅・周波数・位相を変える。AM・FM・PM はアナログ、ASK・FSK・PSK はディジタル。伝送速度は、変調速度 × 1 シンボルのビット数
  • 多重化は、時分割・周波数分割・波長分割。光ファイバは電磁誘導の影響を受けにくく、遠方監視制御は、テレメータで計測値を、テレコンで操作の指令を送る

アナログ信号をディジタルにする標本化と量子化は、A-D変換の分解能と量子化誤差で、0 と 1 の扱いの基礎は、論理回路とカルノー図で、伝送路を使う保護の仕組みは、保護継電器の種類と役割で確かめられます。

図解でわかる 電験三種 機械 1 直流機 の表紙電験三種 機械を図解で通して読む図解でわかる 電験三種 機械 / 第1巻直流機磁界と電磁力から発電機・電動機の特性、速度制御・効率まで機械の単元を、図と式で1冊ずつ通して読む Kindle 本のシリーズです。例題と練習問題まで入っています。Kindle Unlimited の対象なので、会員は追加料金なしで読めます。Amazon で見る

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