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電力配電線路(屋内配線を含む) / 電圧降下と電力損失14分で読めます

配電線の電圧降下と電力損失の計算|方式ごとの式と分布負荷の1/2・1/3を図解

電験三種の配電線の電圧降下と電力損失の計算を図解します。単相2線式・三相3線式・単相3線式の式、電圧を上げると損失が小さくなる理由、分布負荷の1/2・1/3、4つの例題で確認できます。

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夕暮れの住宅街の坂道に電柱と電線が続き、遠くに街の灯が見える写真
この記事の目次
  1. 配電線の電圧降下とは
  2. 方式ごとの電圧降下と電力損失の式
  3. 電線の太さと電線の量
  4. 電圧を上げると電力損失が減る理由
  5. 負荷が分布した線路の計算
  6. 途中に負荷が分かれた線路
  7. 一様に分布した負荷
  8. 配電線の例題
  9. よくある質問
  10. 電圧降下の係数が方式ごとに違うのはなぜですか。
  11. 配電線の電圧降下を小さくするには、どうすればよいですか。
  12. 分布負荷で電圧降下が 1/2 になるのはなぜですか。
  13. 単相3線式の損失で、本数が 2 になるのはなぜですか。
  14. まとめ
図解でわかる 電験三種 電力 1 水力発電 の表紙電力を図解で読む図解でわかる 電験三種 電力 1
水力発電
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電線にも抵抗があるので、電流を流すと、電源から遠い家ほど電圧が下がり、電線では熱として電力も失われます。配電線の計算では、この電圧降下と電力損失を、方式ごとの式で求めます。この記事では、方式ごとの式、電圧を上げたときの損失の変化、負荷が分布した線路の計算を、図と 4 つの例題で順にたどります。

配電線の計算の全体像
  • 電圧降下とは
    • 送電端と受電端の電圧の差
  • 方式ごとの式
    • 単相2線式・三相3線式・単相3線式
  • 電線の量
    • 同じ電力・損失なら 3/4 と 3/8
  • 電圧を上げる
    • 電流は 1/n、損失は 1/n の 2 乗
  • 分布した負荷
    • 区間ごとに足す。一様なら 1/2 と 1/3

配電線の電圧降下とは

配電線は、変電所から送られた電気を、工場や家庭へ配る電線です。電柱に沿って高圧(多くは 6.6 kV)の電線が地域に張りめぐらされ、柱上変圧器で 100 V や 200 V の低圧に下げて、各家庭へ引き込みます(図1)。

田んぼの中の農道に沿って、電柱の列が遠くまで続いている写真
図1 農道に沿って続く電柱。高圧の配電線は、電柱で地域に配られる(写真はイメージ)

配電線は長い電線なので、電線には抵抗 RR とリアクタンス XX があります。電流 II が流れると、この RR と XX に電圧が生じ、負荷の側(受電端)の電圧 VrV_r は、電源の側(送電端)の電圧 VsV_s より低くなります。この差が電圧降下 vv です(図2)。

v=Vs−Vr [V]v = V_s - V_r\ \mathrm{[V]}
R X R X 負荷 Vs Vr 送電端 受電端 I I 電圧降下 v = Vs − Vr
図2 配電線の電圧降下。電流は往復の2本を流れ、送電端より受電端の電圧が低くなる

電線に電流が流れると、電線の抵抗で熱が出て、電力も失われます。これが電力損失で、電線 1 本ぶんは I2RI^{2}R です。電流の 2 乗に比例するので、電流が大きいほど急に増えます。

電圧降下が大きいと、負荷の電圧が足りなくなって、照明が暗くなったり、機器が正常に動かなくなったりします。電力損失が大きいと、送った電気が熱になって無駄になります。柱上変圧器は、高圧線から電気を受けて、低圧に下げて配る機器です(図3)。

灰色の円筒形の変圧器が電柱に取り付けられ、上に白いがいし、側面に黒いケーブルが出ている写真
  1. 高圧側の端子 高圧線を受ける
  2. 変圧器の胴 高圧を低圧に下げる
  3. 放熱ひれ 熱を逃がす
  4. 低圧側の線 電柱へ下ろす
  5. コンクリート柱 機器を支える
図3 電柱の柱上変圧器。高圧を低圧に下げて配る(写真はイメージ)

方式ごとの電圧降下と電力損失の式

配電線には、単相2線式、三相3線式、単相3線式があります。電線 1 本あたりの抵抗を RR、リアクタンスを XX、負荷の電流(線電流)を II、負荷の力率(遅れ)を cos⁡θ\cos\theta とすると、電圧降下 vv と電線全体の電力損失 PlP_{l} は、次の形にまとまります。

v=kI (Rcos⁡θ+Xsin⁡θ)Pl=nI2R\begin{aligned} v &= kI\,(R\cos\theta + X\sin\theta) \\ P_{l} &= nI^{2}R \end{aligned}

係数 kk と本数 nn は、方式で決まります。

方式係数 kk本数 nn
単相2線式2222
三相3線式3\sqrt{3}33
単相3線式1122

単相2線式は、往きの線と戻りの線の 2 本に電流が流れます。両方の線で電圧が下がるので k=2k=2、損失も 2 本ぶんで n=2n=2 です。

三相3線式は、1 線あたりの電圧降下 I(Rcos⁡θ+Xsin⁡θ)I(R\cos\theta + X\sin\theta) を線間電圧に直すと 3\sqrt{3} 倍になります(導き方は三相3線式の電圧降下の求め方)。3 本すべてに電流が流れるので n=3n=3 です。

単相3線式は、負荷が平衡していれば、中性線に電流が流れません。電圧降下は外線 1 本ぶんの k=1k=1、損失は外線 2 本ぶんの n=2n=2 です(中性線のはたらきは単相3線式の仕組みと中性線で扱います)。

電線の太さと電線の量

電線の抵抗は、材料の抵抗率 ρ\rho、長さ ll、断面積 AA で決まります。

R=ρ lA [Ω]R = \rho\,\frac{l}{A}\ \mathrm{[\Omega]}

電線を太くする(断面積を大きくする)と、抵抗が下がって電圧降下も電力損失も小さくなります。ただし、そのぶん電線の材料が増えます。太い電線は、細い線を束ねたより線でつくります(図4)。

金属のより線の切り口。中心の太い線のまわりに細い線が何層にも束ねられている写真
図4 より線の切り口。細い線を束ねて、太い電線にする(写真はイメージ)

電線の量は、本数と断面積の積に比例します。同じ電力を、同じ負荷の電圧、力率、電力損失で送るとき、方式ごとに必要な電線の量を、単相2線式を 1 として比べたのが図5です。

電線の量(単相2線式 = 1) 単相2線式 1 三相3線式 3/4 単相3線式 3/8 条件:送る電力、負荷の電圧、力率、損失が同じ 三相3線式は線間電圧が V。単相3線式は外線と中性線の間が V、 負荷は平衡、中性線は外線と同じ太さ
図5 電線の量の比較。単相2線式を 1 とすると、三相3線式は 3/4、単相3線式は 3/8

導き方は、電流と損失を並べるとわかります。単相2線式の電流を I1I_1 とします。負荷の電圧は同じなので、三相3線式は線間電圧が VV、単相3線式は外線と中性線の間が VV とします。電線 1 本の抵抗が同じ RR のときは、次のようになります。

方式電流損失
単相2線式I1I_12I12R2I_1^{2}R
三相3線式I1/3I_1/\sqrt{3}I12RI_1^{2}R
単相3線式I1/2I_1/2I12R/2I_1^{2}R/2

三相3線式の損失は単相2線式の 1/21/2、単相3線式は 1/41/4 です。損失を同じにそろえるには、三相3線式は RR を 2 倍にできて、断面積は 1/21/2 で済みます。単相3線式は RR を 4 倍にできて、断面積は 1/41/4 で済みます。電線の量は、本数 × 断面積に比例するので、次のとおりです。

単相2線式=2×1=2三相3線式=3×12=32単相3線式=3×14=34\begin{aligned} \text{単相2線式} &= 2\times 1 = 2 \\ \text{三相3線式} &= 3\times \frac{1}{2} = \frac{3}{2} \\ \text{単相3線式} &= 3\times \frac{1}{4} = \frac{3}{4} \end{aligned}

単相2線式を 1 にそろえると、三相3線式は 32÷2=34\frac{3}{2}\div 2 = \frac{3}{4}、単相3線式は 34÷2=38\frac{3}{4}\div 2 = \frac{3}{8} です。

電圧を上げると電力損失が減る理由

三相3線式で、負荷の電力 PP、線間電圧 VV、力率 cos⁡θ\cos\theta のとき、電流は次の式です。

I=P3 Vcos⁡θI = \frac{P}{\sqrt{3}\,V\cos\theta}

これを電力損失 3I2R3I^{2}R に入れると、損失は電圧の 2 乗に反比例することがわかります。

Pl=3I2R=3(P3 Vcos⁡θ)2R=P2RV2cos⁡2θ\begin{aligned} P_{l} &= 3I^{2}R \\ &= 3\left(\frac{P}{\sqrt{3}\,V\cos\theta}\right)^{2}R \\ &= \frac{P^{2}R}{V^{2}\cos^{2}\theta} \end{aligned}

電力 PP に対する損失の割合は、Pl/P=PR/(V2cos⁡2θ)P_{l}/P = PR/(V^{2}\cos^{2}\theta) です。XX を無視すると、電圧降下 vv とその率は、次のようになります。

v=3 IRcos⁡θ=PRVvV=PRV2\begin{aligned} v &= \sqrt{3}\,IR\cos\theta = \frac{PR}{V} \\ \frac{v}{V} &= \frac{PR}{V^{2}} \end{aligned}

つまり、同じ電力を送るとき、電圧を nn 倍にすると、電流は 1/n1/n、電力損失は 1/n21/n^{2} になります(図6)。電圧降下 vv は 1/n1/n、電圧降下率は 1/n21/n^{2} です。

電流 I 電力損失 Pl 1 1 電圧 1 倍 1/2 1/4 電圧 2 倍 1/3 1/9 電圧 3 倍 条件:送る電力と力率が同じ(1 倍のときを 1 とする)
図6 電圧を上げたときの電流と電力損失。電流は 1/n、損失は 1/n の 2 乗

力率も同じ形で効きます。損失は cos⁡2θ\cos^{2}\theta に反比例するので、力率を 0.8 から 1 に改善すると、損失は (0.8/1)2=0.64(0.8/1)^{2} = 0.64 倍になります(力率の改善は力率改善と進相コンデンサの容量計算で扱います)。

負荷が分布した線路の計算

配電線の負荷は、線路の末端に 1 か所だけあるとは限りません。途中の何か所かで分かれて取り出される場合と、線路に沿って一様に分布している場合を、順に見ていきます。

途中に負荷が分かれた線路

図7は、電源の S 点から A 点、B 点、C 点へ線路が続き、各点で負荷電流が取り出される例です。各区間を流れる電流は、その区間より先にある負荷電流の合計です。この例では、S–A 間が 20+30+10=60 A20+30+10=60\ \mathrm{A}、A–B 間が 30+10=40 A30+10=40\ \mathrm{A}、B–C 間が 10 A10\ \mathrm{A} です。

S A B C R1 60 A R2 40 A R3 10 A 20 A 30 A 10 A 青:区間を流れる電流 橙:各点の負荷電流
図7 途中に負荷が分かれた線路。区間の電流は、その先にある負荷電流の合計

電柱から住宅へ負荷が分かれるたびに、線路を流れる電流は減っていきます(図8)。

コンクリートの電柱の中ほどに変圧器があり、腕金のがいしから電線が右へ伸び、背後に住宅が見える写真
  1. がいしと腕金 高圧線を支える
  2. 柱上変圧器 高圧を低圧に下げる
  3. コンクリート柱 機器を支える
  4. 低圧線 住宅の方へ向かう
図8 電柱から住宅へ。負荷が分かれるたびに、線路の電流は減っていく(写真はイメージ)

電圧降下は、区間ごとの電圧降下を足します。電力損失も、区間ごとの損失を足します。S–A 間、A–B 間、B–C 間の電流を I1I_1、I2I_2、I3I_3、抵抗を R1R_1、R2R_2、R3R_3 とします。

v=k (I1R1+I2R2+I3R3)Pl=n (I12R1+I22R2+I32R3)\begin{aligned} v &= k\,(I_1R_1 + I_2R_2 + I_3R_3) \\ P_{l} &= n\,(I_1^{2}R_1 + I_2^{2}R_2 + I_3^{2}R_3) \end{aligned}

この式は、力率 1 の形です。力率がどの負荷でも同じなら、電流の大きさをそのまま足せるので、電圧降下は各項の IiRiI_iR_i を Ii(Ricos⁡θ+Xisin⁡θ)I_i(R_i\cos\theta + X_i\sin\theta) に置き換えます。電力損失は RiR_i のままです。力率が違うときは、電流を有効分と無効分に分けて、それぞれ足してから計算します。

一様に分布した負荷

街路灯や住宅が、線路に沿ってびっしり並んでいるときは、負荷が一様に分布しているとみなします。線路の長さを LL、電線 1 本の抵抗を(全長ぶんで)RR、送電端の電流を II とします。電流は、末端に向かって直線的に減り、末端で 0 になります(図9)。

送電端 末端 一様に分布した負荷 電流 i I 1/2 末端集中 = 1 送電端 末端 電流の2乗 i2 I2 1/3 末端集中 = 1 送電端 末端
図9 一様に分布した負荷。電流の面積は 1/2、電流の 2 乗の面積は 1/3

電圧降下は、電流の曲線の面積(図9の左の三角形)に比例し、電力損失は、電流の 2 乗の曲線の面積(図9の右)に比例します。この面積から、次のとおりになります。

v′=IR2,p′=I2R3v' = \frac{IR}{2}, \qquad p' = \frac{I^{2}R}{3}

v′v' と p′p' は、電線 1 本ぶんの電圧降下と電力損失です(力率 1、または XX を無視したとき)。末端に全電流 II を集めた場合の IRIR と I2RI^{2}R に比べて、電圧降下は 1/21/2、電力損失は 1/31/3 です。電圧降下は、全負荷を線路の中央に集めたときと同じです。方式ごとにまとめると、次の表です。

方式電圧降下電力損失
単相2線式IRIR23I2R\frac{2}{3}I^{2}R
三相3線式32IR\frac{\sqrt{3}}{2}IRI2RI^{2}R

末端にも集中負荷があるときは、電圧降下は、分布した負荷の分と集中負荷の分を別々に求めて足せます。電力損失は電流の 2 乗なので、別々に求めて足すことはできません。線路を流れる電流の合計から求めます。

配電線の例題

配電線の問題は、文章から kk、nn、RR、電流を読み取るところから始まります。

問題の言葉読み取り
6.6 kV の三相3線式線間電圧
200 V の単相2線式負荷の電圧
電線 1 線の抵抗RR
力率 1XX の項が消える
解答と解説を見る

片道は 0.3 km0.3\ \mathrm{km} なので、R=0.06 ΩR = 0.06\ \Omega、X=0.03 ΩX = 0.03\ \Omega です。力率 0.8 より sin⁡θ=0.6\sin\theta = 0.6 です。

(1) Rcos⁡θ=0.048R\cos\theta = 0.048、Xsin⁡θ=0.018X\sin\theta = 0.018 です。

v=2I (Rcos⁡θ+Xsin⁡θ)=120×(0.048+0.018)=7.92 [V]\begin{aligned} v &= 2I\,(R\cos\theta + X\sin\theta) \\ &= 120\times(0.048+0.018) \\ &= 7.92\ \mathrm{[V]} \end{aligned}

(2) 送電端電圧は、負荷の電圧に電圧降下を足します。

Vs=200+7.92≒207.9 [V]\begin{aligned} V_s &= 200 + 7.92 \\ &\fallingdotseq 207.9\ \mathrm{[V]} \end{aligned}

(3) 単相2線式は n=2n=2 です。

Pl=2I2R=2×602×0.06=432 [W]\begin{aligned} P_{l} &= 2I^{2}R \\ &= 2\times 60^{2}\times 0.06 \\ &= 432\ \mathrm{[W]} \end{aligned}

答え:(1) 7.92 V7.92\ \mathrm{V} (2) 207.9 V207.9\ \mathrm{V} (3) 432 W432\ \mathrm{W}

解答と解説を見る

区間の電流は、先にある負荷電流の合計です。

  • 電源–A 間:60 A60\ \mathrm{A}、R1=0.8 ΩR_1 = 0.8\ \Omega
  • A–B 間:30 A30\ \mathrm{A}、R2=0.4 ΩR_2 = 0.4\ \Omega
  • B–C 間:10 A10\ \mathrm{A}、R3=0.4 ΩR_3 = 0.4\ \Omega

(1) 三相3線式は k=3k=\sqrt{3} です。

v=3 (I1R1+I2R2+I3R3)=3 (48+12+4)=3×64≒110.9 [V]\begin{aligned} v &= \sqrt{3}\,(I_1R_1 + I_2R_2 + I_3R_3) \\ &= \sqrt{3}\,(48+12+4) \\ &= \sqrt{3}\times 64 \\ &\fallingdotseq 110.9\ \mathrm{[V]} \end{aligned}

6600 V6600\ \mathrm{V} の約 1.7 %1.7\ \% です。

(2) 三相3線式は n=3n=3 です。

Pl=3 (I12R1+I22R2+I32R3)=3 (2880+360+40)=9840 [W]\begin{aligned} P_{l} &= 3\,(I_1^{2}R_1 + I_2^{2}R_2 + I_3^{2}R_3) \\ &= 3\,(2880+360+40) \\ &= 9840\ \mathrm{[W]} \end{aligned}

答え:(1) 110.9 V110.9\ \mathrm{V} (2) 9840 W9840\ \mathrm{W}

解答と解説を見る

電線 1 線の全体の抵抗は R=0.3×2=0.6 ΩR = 0.3\times 2 = 0.6\ \Omega です。

(1) 一様な分布では、末端集中の 1/21/2 です。

v=3 IR2=3×100×0.62≒52.0 [V]\begin{aligned} v &= \frac{\sqrt{3}\,IR}{2} \\ &= \frac{\sqrt{3}\times 100\times 0.6}{2} \\ &\fallingdotseq 52.0\ \mathrm{[V]} \end{aligned}

(2) 1 線あたり I2R/3I^{2}R/3 で、3 線ぶんです。

Pl=3×I2R3=1002×0.6=6000 [W]\begin{aligned} P_{l} &= 3\times\frac{I^{2}R}{3} \\ &= 100^{2}\times 0.6 \\ &= 6000\ \mathrm{[W]} \end{aligned}

(3) 末端に集中した場合です。

v=3 IR≒103.9 [V]Pl=3I2R=18000 [W]\begin{aligned} v &= \sqrt{3}\,IR \\ &\fallingdotseq 103.9\ \mathrm{[V]} \\ P_{l} &= 3I^{2}R \\ &= 18000\ \mathrm{[W]} \end{aligned}

比は、電圧降下が 1/21/2、電力損失が 1/31/3 です。

答え:(1) 52.0 V52.0\ \mathrm{V} (2) 6000 W6000\ \mathrm{W} (3) 103.9 V103.9\ \mathrm{V}、18000 W18000\ \mathrm{W}

解答と解説を見る

電流を求めて、Pl=3I2RP_{l} = 3I^{2}R に入れます。3.3 kV3.3\ \mathrm{kV} のときです。

I=P3 V=1000×1033×3300≒175 [A]Pl=3×1752×0.5≒45.9 [kW]\begin{aligned} I &= \frac{P}{\sqrt{3}\,V} \\ &= \frac{1000\times 10^{3}}{\sqrt{3}\times 3300} \\ &\fallingdotseq 175\ \mathrm{[A]} \\ P_{l} &= 3\times 175^{2}\times 0.5 \\ &\fallingdotseq 45.9\ \mathrm{[kW]} \end{aligned}

電力の 45.9/1000=4.59 %45.9/1000 = 4.59\ \% です。6.6 kV6.6\ \mathrm{kV} のときです。

I=1000×1033×6600≒87.5 [A]Pl=3×87.52×0.5≒11.5 [kW]\begin{aligned} I &= \frac{1000\times 10^{3}}{\sqrt{3}\times 6600} \\ &\fallingdotseq 87.5\ \mathrm{[A]} \\ P_{l} &= 3\times 87.5^{2}\times 0.5 \\ &\fallingdotseq 11.5\ \mathrm{[kW]} \end{aligned}

電力の約 1.15 %1.15\ \% です。電圧が 2 倍になると、電流は 1/21/2、損失は 1/41/4 になります。

答え:3.3 kV3.3\ \mathrm{kV} で約 45.9 kW45.9\ \mathrm{kW}(4.59 %4.59\ \%)、6.6 kV6.6\ \mathrm{kV} で約 11.5 kW11.5\ \mathrm{kW}(1.15 %1.15\ \%)

よくある質問

電圧降下の係数が方式ごとに違うのはなぜですか。

電圧降下を、負荷の電圧に合わせて数えているからです。単相2線式は、往きと戻りの 2 本の電圧降下を足すので k=2k=2 です。三相3線式は、1 線あたりの電圧降下を線間電圧に直すと 3\sqrt{3} 倍になります。単相3線式は、平衡していれば中性線に電流が流れないので、外線 1 本ぶんの k=1k=1 です。

配電線の電圧降下を小さくするには、どうすればよいですか。

式 v=kI (Rcos⁡θ+Xsin⁡θ)v = kI\,(R\cos\theta + X\sin\theta) の各項を小さくします。電線を太くして RR を小さくする、電圧を上げて電流を減らす、進相コンデンサなどで力率を改善して電流を減らす、の方法があります。電圧を上げると、電力損失も小さくなります。

分布負荷で電圧降下が 1/2 になるのはなぜですか。

線路に沿って負荷が取り出されるので、電流が送電端の II から末端の 0 まで直線的に減ります。電流の平均は I/2I/2 なので、電圧降下は末端集中の半分です。電力損失は電流の 2 乗で決まります。2 乗の平均は 1/31/3 なので、損失は 1/31/3 になります。

単相3線式の損失で、本数が 2 になるのはなぜですか。

負荷が平衡していると、中性線に電流が流れないからです。電流が流れるのは外線 2 本だけなので n=2n=2 です。不平衡のときは、中性線の電流 INI_N と抵抗 RNR_N から、中性線の損失 IN2RNI_N^{2}R_N を加えます。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

三相3線式の電圧降下と電力損失の式は?

v=3 I (Rcos⁡θ+Xsin⁡θ)v = \sqrt{3}\,I\,(R\cos\theta + X\sin\theta)、Pl=3I2RP_{l} = 3I^{2}R です。

単相2線式の電圧降下と電力損失の式は?

v=2I (Rcos⁡θ+Xsin⁡θ)v = 2I\,(R\cos\theta + X\sin\theta)、Pl=2I2RP_{l} = 2I^{2}R です。

電圧を nn 倍にすると、電流・電力損失・電圧降下率はどうなる?

電流は 1/n1/n、電力損失と電圧降下率は 1/n21/n^{2} になります。

同じ電力・損失で送るとき、単相2線式を 1 とした電線の量は?

三相3線式は 3/43/4、単相3線式は 3/83/8 です。

一様に分布した負荷では、末端集中に比べて電圧降下と電力損失は何倍?

電圧降下は 1/21/2、電力損失は 1/31/3 です。

途中で負荷が分かれた線路は、どう計算する?

区間の電流(先にある負荷電流の合計)と抵抗から、区間ごとの IRIR と I2RI^{2}R を足します。

まとめ

  • 電圧降下は送電端と受電端の電圧の差で、v=kI (Rcos⁡θ+Xsin⁡θ)v = kI\,(R\cos\theta + X\sin\theta)。係数は単相2線式が 2、三相3線式が 3\sqrt{3}、単相3線式が 1
  • 電力損失は nI2RnI^{2}R。本数は単相2線式が 2、三相3線式が 3、単相3線式が 2
  • 同じ電力・損失で送るときの電線の量は、単相2線式を 1 として、三相3線式が 3/43/4、単相3線式が 3/83/8
  • 電圧を nn 倍にすると、電流は 1/n1/n、電力損失と電圧降下率は 1/n21/n^{2}。力率を上げても電流が減る
  • 途中で負荷が分かれた線路は、区間ごとに足す。一様に分布した負荷は、末端集中の電圧降下の 1/21/2、電力損失の 1/31/3

電流を減らして損失を下げる力率の改善は、力率改善と進相コンデンサの容量計算で続けて確認できます。

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「電圧降下と電力損失」の問題を
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読んだ直後に問題で思い出すと、記憶に残りやすくなります。電験三種の問題集アプリ「デンケンラボ」なら、電力の問題を図解つきの解説で確かめられます。

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デンケンラボ編集部

電験三種の合格プランをつくる問題集アプリ「デンケンラボ」の編集部です。試験センターの出題範囲に沿って、計算の考え方と覚えどころを図と式で解説しています。

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