電力 配電線路(屋内配線を含む) / 配電方式 2026.10.27 13分で読めます
単相3線式とは|中性線の電流・電圧降下とバランサを図解で整理 電験三種の電力で問われる単相3線式を図解。100 V と 200 V を取り出すしくみ、中性線の電流と電圧降下、中性線が断線したときの異常電圧、バランサの役割を例題つきで整理します。
三相3線式の電圧降下 では、三相の線路で電圧がどれだけ下がるかを求めました。住宅への引込みでは、電柱の上の変圧器から3本の線で電気を引き込む単相3線式がよく使われ、100 V と 200 V を同時に取り出せます。中性線に流れる電流は両側の負荷電流の差で、平衡していれば 0 です。電験三種の「電力」では、この電流と電圧降下、中性線が切れたときの電圧、バランサのはたらきが問われます。この記事で、その順に求め方を整理します。
単相3線式の全体像
単相3線式とは
変圧器の中点から中性線を出し、3本で配る
中性線と電圧線の間が 100 V、電圧線どうしが 200 V
100 V と 200 V を取り出すしくみ
中性線の電流
電圧降下
中性線の断線
中性線にヒューズを入れない理由
バランサ
配電方式の比較
電線1本あたりの電力は、単相2線式の約 1.33 倍
単相3線式とは
電柱の上には、高圧の配電線の電圧を低圧に下げる柱上変圧器があります。住宅に引き込む線は、この変圧器の低圧側から出ています。単相3線式は、低圧側の巻線の中点から中性線 N を1本引き出し、巻線の両端の電圧線 L1・L2 とあわせた3本で配る方式です。中性線は変圧器の中性点で B 種接地工事を施して接地します(電技解釈 第24条。接地工事の種類と接地抵抗値 で詳しく見ます。送電線の中性点の接地は 中性点接地方式の種類と比較 にあります)。
高圧側
低圧側
柱上変圧器
接地
L1 電圧線
N 中性線
L2 電圧線
100 V
負荷
100 V
負荷
200 V
負荷
図1 単相3線式の結線。中性線と電圧線の間が 100 V、電圧線どうしの間が 200 V
図1のとおり、中性線 N と電圧線 L1 の間、N と L2 の間は、どちらも 100 V です。N から見ると L1 と L2 の電圧は向きが反対(位相が 180° ちがう)なので、L1 と L2 の間の電圧 V 12 V_{12} V 12 は2つの足し算になります。
V 1 N = V N 2 = 100 [ V ] V 12 = V 1 N + V N 2 = 200 [ V ] \begin{gathered}
V_{1\mathrm{N}} = V_{\mathrm{N}2} = 100\ \mathrm{[V]} \\
V_{12} = V_{1\mathrm{N}} + V_{\mathrm{N}2} = 200\ \mathrm{[V]}
\end{gathered} V 1 N = V N 2 = 100 [ V ] V 12 = V 1 N + V N 2 = 200 [ V ]
実際の電柱では、腕金に高圧線がのり、その下の段を柱上変圧器から出た低圧線が通っています。
1 がいし 2 柱上変圧器 3 低圧線 がいし 高圧の配電線を腕金から絶縁して支える柱上変圧器 高圧を低圧に下げる低圧線 変圧器から出て、家々へ引き込む線につながる図2 電柱の上を見上げたところ。高圧線の下に柱上変圧器があり、低圧線が左右へ分かれる(写真はイメージ)
変圧器の近くで見ると、上に高圧側の端子、下に低圧側の引出線があります。
1 高圧側の端子 2 低圧側の引出線 3 放熱のひれ 高圧側の端子 高圧線をつなぐ。2か所ある低圧側の引出線 3本あり、両端が L1・L2、中央が中性線 N放熱のひれ 本体の熱を空気へ逃がす図3 柱上変圧器。低圧側の引出線は3本で、両端が電圧線、中央が中性線になる(写真はイメージ)
100 V と 200 V を取り出すしくみ
機器をつなぐ場所で、かかる電圧が決まります。照明やテレビなどの 100 V の機器は N と L1(または L2)の間に、IH 調理器やエアコンなどの 200 V の機器は L1 と L2 の間につなぎます。
つなぐ場所 電圧 使う機器の例 N と L1(または L2) 100 V 照明・テレビ・冷蔵庫 L1 と L2 200 V IH 調理器・エアコン
同じ電力なら、電圧が 2 倍の 200 V では電流が半分で済みます。たとえば 2000 W の機器なら、100 V で 20 A、200 V で 10 A です。電流が小さいほど線路の電圧降下と損失が小さくなるので、電力の大きい機器に 200 V が使われます。
壁のコンセントを見ると、100 V 用は2つの穴の長さが違います。長いほうが接地側の電線、短いほうが電圧線につながります。200 V 用は2つとも電圧線につなぐ形で、100 V 用の機器を差し間違えないよう、穴の形が別になっています。
1 長い穴 2 短い穴 3 接地極の穴 長い穴 接地側の電線(中性線につながる側)短い穴 電圧線につながる側接地極の穴 アース線をつなぐ図4 100 V 用の接地極付きコンセント。長い穴が接地側、短い穴が電圧側(写真はイメージ)
200 V を使う代表的な機器が、IH 調理器です。鍋の底が発熱するので、大きな電力を使います。
1 鍋 2 丸い印 3 トッププレート 鍋 鍋の底が電磁誘導で発熱する丸い印 加熱する位置を示す。3口あるトッププレート 平らなガラスの天板図5 IH 調理器。電力の大きい機器は 200 V につなぐことが多い(写真はイメージ)
中性線の電流の求め方
L1 に流れる電流を I 1 I_1 I 1 、L2 に流れる電流を I 2 I_2 I 2 とします。N に流れる電流 I N I_{\mathrm{N}} I N は、負荷の接続点にキルヒホッフの電流則(キルヒホッフの法則の解き方 )を当てると求まります。L1 の負荷に流れた I 1 I_1 I 1 のうち、L2 の負荷へ向かう I 2 I_2 I 2 を引いた残りが、中性線を通って電源へ戻ります。
I N = ∣ I 1 − I 2 ∣ I_{\mathrm{N}} = |I_1 - I_2| I N = ∣ I 1 − I 2 ∣
(a) 平衡 I1 = I2
L1
N
L2
負荷1
負荷2
I1 = 20 A
I2 = 20 A
IN = 0 A
(b) 不平衡 I1 > I2
L1
N
L2
負荷1
負荷2
I1 = 24 A
I2 = 16 A
IN = 8 A
矢印の長さは電流に比例(ある瞬間の向き)
図6 中性線電流は2つの電流の差。平衡なら 0 A、不平衡なら差の 8 A が流れる
図6の (a) のように I 1 = I 2 I_1 = I_2 I 1 = I 2 なら、中性線の電流は 0 です。(b) のように不平衡なら、差の分だけが中性線を流れます。中性線の電流は、2つの電流のうち大きいほうから小さいほうを引いた値です。
ポイント
200 V の負荷は L1 と L2 の間につながるので、I 1 I_1 I 1 にも I 2 I_2 I 2 にも同じ大きさで加わります。I 1 − I 2 I_1 - I_2 I 1 − I 2 の引き算で消えるので、中性線の電流には影響しません。中性線の電流を決めるのは、100 V の負荷だけです。
例題1
100/200 V の単相3線式で、100 V の負荷だけがつながっている。L1 に 24 A、L2 に 16 A の電流が流れ、力率はすべて 1 である。中性線に流れる電流は何 A か。また、L1・L2 の間に 200 V の負荷(10 A)をつなぐと、L1・L2・中性線の電流はそれぞれ何 A になるか。
解答と解説を見る 中性線の電流は、差を取って次のようになります。
I N = 24 − 16 = 8 [ A ] I_{\mathrm{N}} = 24 - 16 = 8\ \mathrm{[A]} I N = 24 − 16 = 8 [ A ] 200 V の負荷は L1 と L2 の両方に 10 A ずつ加わります。
I 1 = 24 + 10 = 34 [ A ] I 2 = 16 + 10 = 26 [ A ] I N = 34 − 26 = 8 [ A ] \begin{gathered}
I_1 = 24 + 10 = 34\ \mathrm{[A]} \\
I_2 = 16 + 10 = 26\ \mathrm{[A]} \\
I_{\mathrm{N}} = 34 - 26 = 8\ \mathrm{[A]}
\end{gathered} I 1 = 24 + 10 = 34 [ A ] I 2 = 16 + 10 = 26 [ A ] I N = 34 − 26 = 8 [ A ] 中性線の電流は 8 A のままです。
単相3線式の電圧降下
電線には抵抗があるので、電流が流れると電圧が下がります。単相3線式では、L1・L2 の抵抗 r r r に加えて、中性線の抵抗 r n r_{\mathrm{n}} r n にも電流が流れます。電源の電圧を E = 100 [ V ] E = 100\ \mathrm{[V]} E = 100 [ V ] とします。
E = 100 V
E = 100 V
r = 0.1 Ω
rn = 0.1 Ω
r = 0.1 Ω
負荷1
V1 = 95 V
負荷2
V2 = 101 V
I1 = 30 A
20 A
I2 = 10 A
図7 電圧降下の回路。外線の抵抗 r と中性線の抵抗 rn で、負荷の電圧が下がる
図7で、負荷1の電圧 V 1 V_1 V 1 は、電源の電圧から L1 の降下 r I 1 rI_1 r I 1 と、中性線の降下 r n I N r_{\mathrm{n}} I_{\mathrm{N}} r n I N を引いた値です。中性線は、負荷側の N が電源側の N より r n I N r_{\mathrm{n}} I_{\mathrm{N}} r n I N だけ電位が高くなるので、負荷2の電圧にはその分が足されます(I 1 > I 2 I_1 > I_2 I 1 > I 2 のとき)。
V 1 = E − r I 1 − r n ( I 1 − I 2 ) V 2 = E − r I 2 + r n ( I 1 − I 2 ) \begin{gathered}
V_1 = E - rI_1 - r_{\mathrm{n}}(I_1 - I_2) \\
V_2 = E - rI_2 + r_{\mathrm{n}}(I_1 - I_2)
\end{gathered} V 1 = E − r I 1 − r n ( I 1 − I 2 ) V 2 = E − r I 2 + r n ( I 1 − I 2 )
電流の大きい側の電圧は下がり、小さい側は下がり方が小さく、中性線の分だけ持ち上がります。2つを足すと中性線の項が消えて、検算に使えます。
V 1 + V 2 = 2 E − r ( I 1 + I 2 ) V_1 + V_2 = 2E - r(I_1 + I_2) V 1 + V 2 = 2 E − r ( I 1 + I 2 )
例題2
図の回路で、電源の電圧は 100 V が2つ、L1・L2 の抵抗は 0.1 Ω、中性線の抵抗は 0.1 Ω である。負荷電流が I 1 = 30 A I_1 = 30\ \mathrm{A} I 1 = 30 A 、I 2 = 10 A I_2 = 10\ \mathrm{A} I 2 = 10 A のとき、負荷1・負荷2の電圧を求めよ。
解答と解説を見る 中性線の電流は I N = 30 − 10 = 20 [ A ] I_{\mathrm{N}} = 30 - 10 = 20\ \mathrm{[A]} I N = 30 − 10 = 20 [ A ] です。
V 1 = 100 − 0.1 × 30 − 0.1 × 20 = 95 [ V ] \begin{aligned}
V_1 &= 100 - 0.1 \times 30 \\
&\quad - 0.1 \times 20 \\
&= 95\ \mathrm{[V]}
\end{aligned} V 1 = 100 − 0.1 × 30 − 0.1 × 20 = 95 [ V ] V 2 = 100 − 0.1 × 10 + 0.1 × 20 = 101 [ V ] \begin{aligned}
V_2 &= 100 - 0.1 \times 10 \\
&\quad + 0.1 \times 20 \\
&= 101\ \mathrm{[V]}
\end{aligned} V 2 = 100 − 0.1 × 10 + 0.1 × 20 = 101 [ V ] 検算は V 1 + V 2 = 200 − 0.1 × 40 = 196 [ V ] V_1 + V_2 = 200 - 0.1 \times 40 = 196\ \mathrm{[V]} V 1 + V 2 = 200 − 0.1 × 40 = 196 [ V ] で、95 + 101 95 + 101 95 + 101 と一致します。電流の小さい側の電圧が 100 V を超えることがあります。
中性線が断線するとどうなるか
中性線が切れると、負荷1と負荷2は L1 と L2 の間の 200 V に直列につながります。2つの負荷の抵抗を R A R_A R A 、R B R_B R B とすると、電流と電圧は次のようになります。
I = 200 R A + R B V A = R A I V B = R B I \begin{gathered}
I = \dfrac{200}{R_A + R_B} \\
V_A = R_A I \\
V_B = R_B I
\end{gathered} I = R A + R B 200 V A = R A I V B = R B I
100 V
100 V
断線
負荷A 10 Ω
(100 V 1000 W)
40 V
負荷B 40 Ω
(100 V 250 W)
160 V
I = 4 A
I = 4 A
図8 中性線が切れると、2つの負荷が 200 V の電源に直列につながる
直列なので電圧は抵抗に比例して分かれます。抵抗の大きい(消費電力の小さい)負荷に高い電圧がかかり、100 V 用の機器に 100 V を大きく超える電圧が加わって壊れるおそれがあります。
例題3
100 V 1000 W の電熱器(負荷A)と 100 V 250 W の機器(負荷B)が、それぞれ L1 と N、N と L2 の間につながっている。中性線が断線したとき、各負荷にかかる電圧と、負荷B の消費電力を求めよ。ただし、負荷は一定の抵抗とみなす。
解答と解説を見る 定格から抵抗を求めます。
R A = 100 2 1000 = 10 [ Ω ] R B = 100 2 250 = 40 [ Ω ] \begin{gathered}
R_A = \dfrac{100^2}{1000} = 10\ \mathrm{[\Omega]} \\
R_B = \dfrac{100^2}{250} = 40\ \mathrm{[\Omega]}
\end{gathered} R A = 1000 10 0 2 = 10 [ Ω ] R B = 250 10 0 2 = 40 [ Ω ] 直列の電流は I = 200 10 + 40 = 4 [ A ] I = \dfrac{200}{10 + 40} = 4\ \mathrm{[A]} I = 10 + 40 200 = 4 [ A ] です。
V A = 10 × 4 = 40 [ V ] V B = 40 × 4 = 160 [ V ] \begin{gathered}
V_A = 10 \times 4 = 40\ \mathrm{[V]} \\
V_B = 40 \times 4 = 160\ \mathrm{[V]}
\end{gathered} V A = 10 × 4 = 40 [ V ] V B = 40 × 4 = 160 [ V ] 負荷B の消費電力は 160 × 4 = 640 [ W ] 160 \times 4 = 640\ \mathrm{[W]} 160 × 4 = 640 [ W ] で、定格 250 W の約 2.6 倍です。
中性線にヒューズを入れない理由
中性線の断線がこれほど危険なので、電技解釈 第35条は、過電流遮断器(ヒューズなど)を施設しない箇所に接地線と多線式電路の中性線を挙げています。中性線の過電流遮断器だけが動作して中性線が切れると、前の節のように、負荷の電圧がかたよるためです。ただし、中性線に入れた過電流遮断器が動作したとき各極が同時に遮断されるなら、例外として入れられます。
1 引込線の電線 2 主幹ブレーカ 3 分岐ブレーカ 引込線の電線 主幹ブレーカにつながる黒い電線主幹ブレーカ 住宅全体の電気の入口で、大きな電流を受け持つ分岐ブレーカ 回路ごとに電流を制限して、配線を守る図9 住宅の分電盤。大きな主幹ブレーカと、回路ごとの小さな分岐ブレーカが並ぶ(写真はイメージ)
バランサとは
不平衡のまま使うと、中性線の電流のぶんだけ、両側の電圧がかたよります。バランサは、この不平衡をならす巻線です。巻数比 1 : 1 の単巻変圧器で、線路の末端(負荷の近く)の L1・L2 の間に入れ、巻線の中点を中性線につなぎます。巻線の抵抗と励磁電流は無視して考えます。
L1
N
L2
負荷1
20 A
負荷2
10 A
バランサ
15 A
15 A
0 A
10 A
5 A
5 A
V1 = V2 = 98.5 V (バランサなし:97 V と 100 V)
図10 バランサは中性線の電流を中点で受け、2つの巻線に半分ずつ分けて流す
図10のように、負荷の電流が I 1 > I 2 I_1 > I_2 I 1 > I 2 のとき、中性線の電流 I 1 − I 2 I_1 - I_2 I 1 − I 2 はバランサの中点に入り、2つの巻線に半分ずつ分かれて流れます。その分を巻線が負荷に回すので、電源側の L1・L2 の電流は平均値でそろい、電源側の中性線の電流は 0 になります。
I L = I 1 + I 2 2 I B = I 1 − I 2 2 \begin{gathered}
I_{\mathrm{L}} = \dfrac{I_1 + I_2}{2} \\
I_{\mathrm{B}} = \dfrac{I_1 - I_2}{2}
\end{gathered} I L = 2 I 1 + I 2 I B = 2 I 1 − I 2
I L I_{\mathrm{L}} I L は電源側の L1・L2 の電流、I B I_{\mathrm{B}} I B はバランサの各巻線に流れる電流です。バランサのおかげで両側の電圧がそろいます。
例題4
負荷1が 20 A、負荷2が 10 A の単相3線式に、負荷の端でバランサをつないだ。L1・L2・中性線の抵抗はそれぞれ 0.1 Ω、電源は 100 V が2つ、バランサの巻線の抵抗は無視する。バランサがあるときの電源側の線電流、巻線の電流、両負荷の電圧を求めよ。
解答と解説を見る 電源側の線電流と巻線の電流は、次のとおりです。
I L = 20 + 10 2 = 15 [ A ] I B = 20 − 10 2 = 5 [ A ] \begin{gathered}
I_{\mathrm{L}} = \dfrac{20 + 10}{2} = 15\ \mathrm{[A]} \\
I_{\mathrm{B}} = \dfrac{20 - 10}{2} = 5\ \mathrm{[A]}
\end{gathered} I L = 2 20 + 10 = 15 [ A ] I B = 2 20 − 10 = 5 [ A ] 電源側の中性線の電流は 0 なので、降下は L1・L2 の分だけです。
V 1 = V 2 = 100 − 0.1 × 15 = 98.5 [ V ] \begin{aligned}
V_1 = V_2 &= 100 - 0.1 \times 15 \\
&= 98.5\ \mathrm{[V]}
\end{aligned} V 1 = V 2 = 100 − 0.1 × 15 = 98.5 [ V ] バランサがないと、電圧降下の式から V 1 = 97 V V_1 = 97\ \mathrm{V} V 1 = 97 V 、V 2 = 100 V V_2 = 100\ \mathrm{V} V 2 = 100 V です。線路の損失も 60 W から 45 W に減ります。
配電方式の比較
単相3線式を、ほかの方式と比べます。比べる量は、送れる電力を電線の本数で割った電線1本あたりの電力です。負荷をつなぐ2線の間の電圧を V V V (中性線がある方式は、外側の線と中性線の間の電圧。三相3線式は線間電圧)、各線に流れる電流を I I I 、力率を 1、負荷は平衡とします。
方式 送れる電力 ÷ 線の本数 1本あたり 単相2線式 V I ÷ 2 VI \div 2 V I ÷ 2 0.50 V I 0.50\,VI 0.50 V I 三相3線式 3 V I ÷ 3 \sqrt{3}\,VI \div 3 3 V I ÷ 3 0.58 V I 0.58\,VI 0.58 V I 単相3線式 2 V I ÷ 3 2VI \div 3 2 V I ÷ 3 0.67 V I 0.67\,VI 0.67 V I 三相4線式 3 V I ÷ 4 3VI \div 4 3 V I ÷ 4 0.75 V I 0.75\,VI 0.75 V I
電線1本あたりの電力
単相2線式
0.50 VI
三相3線式
0.58 VI
単相3線式
0.67 VI
三相4線式
0.75 VI
条件:負荷をつなぐ2線の間の電圧 V、線電流 I、力率 1、平衡
(中性線がある方式は、外側の線と中性線の間の電圧)
図11 電線1本あたりの電力。単相2線式を基準に比べる
単相2線式を 1 とすると、三相3線式は約 1.15 倍、単相3線式は約 1.33 倍、三相4線式は 1.5 倍です。単相3線式は、中性線を1本足すだけで、同じ電圧・電流の単相2線式の2倍の電力を送れます。
よくある質問
中性線の電流が 0 になるのはどんなときですか?
100 V の負荷の電流が、L1 側と L2 側で等しいとき(平衡のとき)です。200 V の負荷だけがつながっているときも、中性線には電流が流れません。200 V の負荷は L1 と L2 の間だけを通るからです。
電圧降下を求めると、片側の電圧が 100 V を超えるのはなぜですか?
中性線を戻る電流が、N の接続点の電位を持ち上げるからです。例題2のように、電流の小さい側の負荷は、L2 の降下 1 V よりも中性線の持ち上げ 2 V が大きくなり、101 V になります。2つの電圧の和は、中性線の項が消えて 2 E − r ( I 1 + I 2 ) 2E - r(I_1 + I_2) 2 E − r ( I 1 + I 2 ) に合います。
200 V の負荷だけを使っているとき、中性線が切れても大丈夫ですか?
200 V の負荷は L1 と L2 の間につながっているので、中性線が切れても、その負荷の電圧は変わりません。危険なのは、中性線の両側に 100 V の負荷がつながっているときです。それらの負荷が 200 V の電源に直列につながり、電圧が片側にかたよります。
バランサは変圧器とどう違いますか?
バランサは電圧を変えるものではなく、同じ巻数の2つの巻線で電流を分けて、不平衡をならす装置です。巻数比 1 : 1 の単巻変圧器とみなせます。電源側から見ると、L1・L2 の電流が平均値にそろい、中性線の電流が 0 になります。
思い出してみよう
答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。
単相3線式で取り出せる電圧は、どこの間にいくらですか? N と L1(または L2)の間が 100 V、L1 と L2 の間が 200 V です。巻線の中点から N を出すので、2つの 100 V が足し算になります。
中性線に流れる電流は、どう求めますか? L1 の電流 I 1 I_1 I 1 と L2 の電流 I 2 I_2 I 2 の差、I N = ∣ I 1 − I 2 ∣ I_{\mathrm{N}} = |I_1 - I_2| I N = ∣ I 1 − I 2 ∣ です。平衡なら 0 で、200 V の負荷は影響しません。
電圧降下で、負荷1と負荷2の電圧の式は何ですか? V 1 = E − r I 1 − r n ( I 1 − I 2 ) V_1 = E - rI_1 - r_{\mathrm{n}}(I_1 - I_2) V 1 = E − r I 1 − r n ( I 1 − I 2 ) 、V 2 = E − r I 2 + r n ( I 1 − I 2 ) V_2 = E - rI_2 + r_{\mathrm{n}}(I_1 - I_2) V 2 = E − r I 2 + r n ( I 1 − I 2 ) です。電流の大きい側が下がり、小さい側は持ち上がります。
中性線が断線すると、各負荷の電圧はどうなりますか? 200 V に直列につながり、抵抗に比例して分かれます。抵抗の大きい(消費電力の小さい)側に高い電圧がかかります。
中性線に過電流遮断器を入れないのはなぜで、根拠はどの条文ですか? 中性線だけが切れると、負荷の電圧がかたよるからです。電技解釈 第35条です。各極が同時に遮断される場合は例外です。
バランサをつけると、電流はどうなりますか? 電源側の L1・L2 は ( I 1 + I 2 ) / 2 (I_1 + I_2)/2 ( I 1 + I 2 ) /2 、中性線は 0 になります。バランサの各巻線には ( I 1 − I 2 ) / 2 (I_1 - I_2)/2 ( I 1 − I 2 ) /2 が流れます。
まとめ
単相3線式は、N と L1(L2)の間が 100 V、L1 と L2 の間が 200 V
中性線の電流は I N = ∣ I 1 − I 2 ∣ I_{\mathrm{N}} = |I_1 - I_2| I N = ∣ I 1 − I 2 ∣ 。平衡なら 0、200 V の負荷は影響しない
電圧降下は V 1 = E − r I 1 − r n ( I 1 − I 2 ) V_1 = E - rI_1 - r_{\mathrm{n}}(I_1 - I_2) V 1 = E − r I 1 − r n ( I 1 − I 2 ) と V 2 = E − r I 2 + r n ( I 1 − I 2 ) V_2 = E - rI_2 + r_{\mathrm{n}}(I_1 - I_2) V 2 = E − r I 2 + r n ( I 1 − I 2 )
中性線が切れると、抵抗の大きい負荷に高い電圧がかかる。中性線に過電流遮断器は入れない(第35条)
バランサは電流を平均にそろえ、両側の電圧をそろえる
求めるもの 式 中性線の電流 I N = ∣ I 1 − I 2 ∣ I_{\mathrm{N}} = \lvert I_1 - I_2 \rvert I N = ∣ I 1 − I 2 ∣ 負荷1の電圧 E − r I 1 − r n ( I 1 − I 2 ) E - rI_1 - r_{\mathrm{n}}(I_1 - I_2) E − r I 1 − r n ( I 1 − I 2 ) 断線時の電流 200 ÷ ( R A + R B ) 200 \div (R_A + R_B) 200 ÷ ( R A + R B ) バランサの電流 ( I 1 + I 2 ) / 2 (I_1 + I_2)/2 ( I 1 + I 2 ) /2 、( I 1 − I 2 ) / 2 (I_1 - I_2)/2 ( I 1 − I 2 ) /2
単相3線式の電圧降下を押さえたら、三相の線路での考え方を 三相3線式の電圧降下 で見直すと、方式ごとの違いがはっきりします。