Kindle で読む

電力配電線路(屋内配線を含む) / 配電方式13分で読めます

単相3線式とは|中性線の電流・電圧降下とバランサを図解で整理

電験三種の電力で問われる単相3線式を図解。100 V と 200 V を取り出すしくみ、中性線の電流と電圧降下、中性線が断線したときの異常電圧、バランサの役割を例題つきで整理します。

シェア

夕暮れの住宅街に立つ電柱と、柱上変圧器から家へ引き込まれる電線の写真
この記事の目次
  1. 単相3線式とは
  2. 100 V と 200 V を取り出すしくみ
  3. 中性線の電流の求め方
  4. 単相3線式の電圧降下
  5. 中性線が断線するとどうなるか
  6. 中性線にヒューズを入れない理由
  7. バランサとは
  8. 配電方式の比較
  9. よくある質問
  10. 中性線の電流が 0 になるのはどんなときですか?
  11. 電圧降下を求めると、片側の電圧が 100 V を超えるのはなぜですか?
  12. 200 V の負荷だけを使っているとき、中性線が切れても大丈夫ですか?
  13. バランサは変圧器とどう違いますか?
  14. まとめ
図解でわかる 電験三種 電力 1 水力発電 の表紙電力を図解で読む図解でわかる 電験三種 電力 1
水力発電
Kindle Unlimited 対象Kindle で読む

三相3線式の電圧降下 では、三相の線路で電圧がどれだけ下がるかを求めました。住宅への引込みでは、電柱の上の変圧器から3本の線で電気を引き込む単相3線式がよく使われ、100 V と 200 V を同時に取り出せます。中性線に流れる電流は両側の負荷電流の差で、平衡していれば 0 です。電験三種の「電力」では、この電流と電圧降下、中性線が切れたときの電圧、バランサのはたらきが問われます。この記事で、その順に求め方を整理します。

単相3線式の全体像
  • 単相3線式とは
    • 変圧器の中点から中性線を出し、3本で配る
    • 中性線と電圧線の間が 100 V、電圧線どうしが 200 V
  • 100 V と 200 V を取り出すしくみ
    • 機器をつなぐ場所で電圧が決まる
  • 中性線の電流
    • 両側の負荷電流の差。平衡なら 0
  • 電圧降下
    • 外線と中性線の抵抗で、負荷の電圧が下がる
  • 中性線の断線
    • 抵抗の大きい負荷に高い電圧がかかる
  • 中性線にヒューズを入れない理由
    • 電技解釈 第35条
  • バランサ
    • 不平衡の電流を分け、両側の電圧をそろえる
  • 配電方式の比較
    • 電線1本あたりの電力は、単相2線式の約 1.33 倍

単相3線式とは

電柱の上には、高圧の配電線の電圧を低圧に下げる柱上変圧器があります。住宅に引き込む線は、この変圧器の低圧側から出ています。単相3線式は、低圧側の巻線の中点から中性線 N を1本引き出し、巻線の両端の電圧線 L1・L2 とあわせた3本で配る方式です。中性線は変圧器の中性点で B 種接地工事を施して接地します(電技解釈 第24条。接地工事の種類と接地抵抗値 で詳しく見ます。送電線の中性点の接地は 中性点接地方式の種類と比較 にあります)。

高圧側 低圧側 柱上変圧器 接地 L1 電圧線 N 中性線 L2 電圧線 100 V 負荷 100 V 負荷 200 V 負荷
図1 単相3線式の結線。中性線と電圧線の間が 100 V、電圧線どうしの間が 200 V

図1のとおり、中性線 N と電圧線 L1 の間、N と L2 の間は、どちらも 100 V です。N から見ると L1 と L2 の電圧は向きが反対(位相が 180° ちがう)なので、L1 と L2 の間の電圧 V12V_{12} は2つの足し算になります。

V1N=VN2=100 [V]V12=V1N+VN2=200 [V]\begin{gathered} V_{1\mathrm{N}} = V_{\mathrm{N}2} = 100\ \mathrm{[V]} \\ V_{12} = V_{1\mathrm{N}} + V_{\mathrm{N}2} = 200\ \mathrm{[V]} \end{gathered}

実際の電柱では、腕金に高圧線がのり、その下の段を柱上変圧器から出た低圧線が通っています。

青空を背景に、電柱の腕金に並ぶ3個のがいしと高圧線、右側の柱上変圧器、下の段の電線を見上げた様子
  1. がいし 高圧の配電線を腕金から絶縁して支える
  2. 柱上変圧器 高圧を低圧に下げる
  3. 低圧線 変圧器から出て、家々へ引き込む線につながる
図2 電柱の上を見上げたところ。高圧線の下に柱上変圧器があり、低圧線が左右へ分かれる(写真はイメージ)

変圧器の近くで見ると、上に高圧側の端子、下に低圧側の引出線があります。

コンクリート柱の側面に取り付けた円筒形の柱上変圧器。上に2つの端子、下に黒い引出線が3本出ている
  1. 高圧側の端子 高圧線をつなぐ。2か所ある
  2. 低圧側の引出線 3本あり、両端が L1・L2、中央が中性線 N
  3. 放熱のひれ 本体の熱を空気へ逃がす
図3 柱上変圧器。低圧側の引出線は3本で、両端が電圧線、中央が中性線になる(写真はイメージ)

100 V と 200 V を取り出すしくみ

機器をつなぐ場所で、かかる電圧が決まります。照明やテレビなどの 100 V の機器は N と L1(または L2)の間に、IH 調理器やエアコンなどの 200 V の機器は L1 と L2 の間につなぎます。

つなぐ場所電圧使う機器の例
N と L1(または L2)100 V照明・テレビ・冷蔵庫
L1 と L2200 VIH 調理器・エアコン

同じ電力なら、電圧が 2 倍の 200 V では電流が半分で済みます。たとえば 2000 W の機器なら、100 V で 20 A、200 V で 10 A です。電流が小さいほど線路の電圧降下と損失が小さくなるので、電力の大きい機器に 200 V が使われます。

壁のコンセントを見ると、100 V 用は2つの穴の長さが違います。長いほうが接地側の電線、短いほうが電圧線につながります。200 V 用は2つとも電圧線につなぐ形で、100 V 用の機器を差し間違えないよう、穴の形が別になっています。

白い壁に取り付けた接地極付きコンセント。左に長い穴、右に短い穴、下に接地極の穴が並ぶ
  1. 長い穴 接地側の電線(中性線につながる側)
  2. 短い穴 電圧線につながる側
  3. 接地極の穴 アース線をつなぐ
図4 100 V 用の接地極付きコンセント。長い穴が接地側、短い穴が電圧側(写真はイメージ)

200 V を使う代表的な機器が、IH 調理器です。鍋の底が発熱するので、大きな電力を使います。

黒いガラス面の3口の IH 調理器の上に、ふたをしたステンレスの鍋がのっている様子
  1. 鍋 鍋の底が電磁誘導で発熱する
  2. 丸い印 加熱する位置を示す。3口ある
  3. トッププレート 平らなガラスの天板
図5 IH 調理器。電力の大きい機器は 200 V につなぐことが多い(写真はイメージ)

中性線の電流の求め方

L1 に流れる電流を I1I_1、L2 に流れる電流を I2I_2 とします。N に流れる電流 INI_{\mathrm{N}} は、負荷の接続点にキルヒホッフの電流則(キルヒホッフの法則の解き方)を当てると求まります。L1 の負荷に流れた I1I_1 のうち、L2 の負荷へ向かう I2I_2 を引いた残りが、中性線を通って電源へ戻ります。

IN=∣I1−I2∣I_{\mathrm{N}} = |I_1 - I_2|
(a) 平衡 I1 = I2 L1 N L2 負荷1 負荷2 I1 = 20 A I2 = 20 A IN = 0 A (b) 不平衡 I1 > I2 L1 N L2 負荷1 負荷2 I1 = 24 A I2 = 16 A IN = 8 A 矢印の長さは電流に比例(ある瞬間の向き)
図6 中性線電流は2つの電流の差。平衡なら 0 A、不平衡なら差の 8 A が流れる

図6の (a) のように I1=I2I_1 = I_2 なら、中性線の電流は 0 です。(b) のように不平衡なら、差の分だけが中性線を流れます。中性線の電流は、2つの電流のうち大きいほうから小さいほうを引いた値です。

解答と解説を見る

中性線の電流は、差を取って次のようになります。

IN=24−16=8 [A]I_{\mathrm{N}} = 24 - 16 = 8\ \mathrm{[A]}

200 V の負荷は L1 と L2 の両方に 10 A ずつ加わります。

I1=24+10=34 [A]I2=16+10=26 [A]IN=34−26=8 [A]\begin{gathered} I_1 = 24 + 10 = 34\ \mathrm{[A]} \\ I_2 = 16 + 10 = 26\ \mathrm{[A]} \\ I_{\mathrm{N}} = 34 - 26 = 8\ \mathrm{[A]} \end{gathered}

中性線の電流は 8 A のままです。

単相3線式の電圧降下

電線には抵抗があるので、電流が流れると電圧が下がります。単相3線式では、L1・L2 の抵抗 rr に加えて、中性線の抵抗 rnr_{\mathrm{n}} にも電流が流れます。電源の電圧を E=100 [V]E = 100\ \mathrm{[V]} とします。

E = 100 V E = 100 V r = 0.1 Ω rn = 0.1 Ω r = 0.1 Ω 負荷1 V1 = 95 V 負荷2 V2 = 101 V I1 = 30 A 20 A I2 = 10 A
図7 電圧降下の回路。外線の抵抗 r と中性線の抵抗 rn で、負荷の電圧が下がる

図7で、負荷1の電圧 V1V_1 は、電源の電圧から L1 の降下 rI1rI_1 と、中性線の降下 rnINr_{\mathrm{n}} I_{\mathrm{N}} を引いた値です。中性線は、負荷側の N が電源側の N より rnINr_{\mathrm{n}} I_{\mathrm{N}} だけ電位が高くなるので、負荷2の電圧にはその分が足されます(I1>I2I_1 > I_2 のとき)。

V1=E−rI1−rn(I1−I2)V2=E−rI2+rn(I1−I2)\begin{gathered} V_1 = E - rI_1 - r_{\mathrm{n}}(I_1 - I_2) \\ V_2 = E - rI_2 + r_{\mathrm{n}}(I_1 - I_2) \end{gathered}

電流の大きい側の電圧は下がり、小さい側は下がり方が小さく、中性線の分だけ持ち上がります。2つを足すと中性線の項が消えて、検算に使えます。

V1+V2=2E−r(I1+I2)V_1 + V_2 = 2E - r(I_1 + I_2)
解答と解説を見る

中性線の電流は IN=30−10=20 [A]I_{\mathrm{N}} = 30 - 10 = 20\ \mathrm{[A]} です。

V1=100−0.1×30−0.1×20=95 [V]\begin{aligned} V_1 &= 100 - 0.1 \times 30 \\ &\quad - 0.1 \times 20 \\ &= 95\ \mathrm{[V]} \end{aligned}V2=100−0.1×10+0.1×20=101 [V]\begin{aligned} V_2 &= 100 - 0.1 \times 10 \\ &\quad + 0.1 \times 20 \\ &= 101\ \mathrm{[V]} \end{aligned}

検算は V1+V2=200−0.1×40=196 [V]V_1 + V_2 = 200 - 0.1 \times 40 = 196\ \mathrm{[V]} で、95+10195 + 101 と一致します。電流の小さい側の電圧が 100 V を超えることがあります。

中性線が断線するとどうなるか

中性線が切れると、負荷1と負荷2は L1 と L2 の間の 200 V に直列につながります。2つの負荷の抵抗を RAR_A、RBR_B とすると、電流と電圧は次のようになります。

I=200RA+RBVA=RAIVB=RBI\begin{gathered} I = \dfrac{200}{R_A + R_B} \\ V_A = R_A I \\ V_B = R_B I \end{gathered}
100 V 100 V 断線 負荷A 10 Ω (100 V 1000 W) 40 V 負荷B 40 Ω (100 V 250 W) 160 V I = 4 A I = 4 A
図8 中性線が切れると、2つの負荷が 200 V の電源に直列につながる

直列なので電圧は抵抗に比例して分かれます。抵抗の大きい(消費電力の小さい)負荷に高い電圧がかかり、100 V 用の機器に 100 V を大きく超える電圧が加わって壊れるおそれがあります。

解答と解説を見る

定格から抵抗を求めます。

RA=10021000=10 [Ω]RB=1002250=40 [Ω]\begin{gathered} R_A = \dfrac{100^2}{1000} = 10\ \mathrm{[\Omega]} \\ R_B = \dfrac{100^2}{250} = 40\ \mathrm{[\Omega]} \end{gathered}

直列の電流は I=20010+40=4 [A]I = \dfrac{200}{10 + 40} = 4\ \mathrm{[A]} です。

VA=10×4=40 [V]VB=40×4=160 [V]\begin{gathered} V_A = 10 \times 4 = 40\ \mathrm{[V]} \\ V_B = 40 \times 4 = 160\ \mathrm{[V]} \end{gathered}

負荷B の消費電力は 160×4=640 [W]160 \times 4 = 640\ \mathrm{[W]} で、定格 250 W の約 2.6 倍です。

中性線にヒューズを入れない理由

中性線の断線がこれほど危険なので、電技解釈 第35条は、過電流遮断器(ヒューズなど)を施設しない箇所に接地線と多線式電路の中性線を挙げています。中性線の過電流遮断器だけが動作して中性線が切れると、前の節のように、負荷の電圧がかたよるためです。ただし、中性線に入れた過電流遮断器が動作したとき各極が同時に遮断されるなら、例外として入れられます。

ふたを開けた住宅用分電盤。左に大きな主幹ブレーカ、右に小さな分岐ブレーカが11個並ぶ
  1. 引込線の電線 主幹ブレーカにつながる黒い電線
  2. 主幹ブレーカ 住宅全体の電気の入口で、大きな電流を受け持つ
  3. 分岐ブレーカ 回路ごとに電流を制限して、配線を守る
図9 住宅の分電盤。大きな主幹ブレーカと、回路ごとの小さな分岐ブレーカが並ぶ(写真はイメージ)

バランサとは

不平衡のまま使うと、中性線の電流のぶんだけ、両側の電圧がかたよります。バランサは、この不平衡をならす巻線です。巻数比 1 : 1 の単巻変圧器で、線路の末端(負荷の近く)の L1・L2 の間に入れ、巻線の中点を中性線につなぎます。巻線の抵抗と励磁電流は無視して考えます。

L1 N L2 負荷1 20 A 負荷2 10 A バランサ 15 A 15 A 0 A 10 A 5 A 5 A V1 = V2 = 98.5 V (バランサなし:97 V と 100 V)
図10 バランサは中性線の電流を中点で受け、2つの巻線に半分ずつ分けて流す

図10のように、負荷の電流が I1>I2I_1 > I_2 のとき、中性線の電流 I1−I2I_1 - I_2 はバランサの中点に入り、2つの巻線に半分ずつ分かれて流れます。その分を巻線が負荷に回すので、電源側の L1・L2 の電流は平均値でそろい、電源側の中性線の電流は 0 になります。

IL=I1+I22IB=I1−I22\begin{gathered} I_{\mathrm{L}} = \dfrac{I_1 + I_2}{2} \\ I_{\mathrm{B}} = \dfrac{I_1 - I_2}{2} \end{gathered}

ILI_{\mathrm{L}} は電源側の L1・L2 の電流、IBI_{\mathrm{B}} はバランサの各巻線に流れる電流です。バランサのおかげで両側の電圧がそろいます。

解答と解説を見る

電源側の線電流と巻線の電流は、次のとおりです。

IL=20+102=15 [A]IB=20−102=5 [A]\begin{gathered} I_{\mathrm{L}} = \dfrac{20 + 10}{2} = 15\ \mathrm{[A]} \\ I_{\mathrm{B}} = \dfrac{20 - 10}{2} = 5\ \mathrm{[A]} \end{gathered}

電源側の中性線の電流は 0 なので、降下は L1・L2 の分だけです。

V1=V2=100−0.1×15=98.5 [V]\begin{aligned} V_1 = V_2 &= 100 - 0.1 \times 15 \\ &= 98.5\ \mathrm{[V]} \end{aligned}

バランサがないと、電圧降下の式から V1=97 VV_1 = 97\ \mathrm{V}、V2=100 VV_2 = 100\ \mathrm{V} です。線路の損失も 60 W から 45 W に減ります。

配電方式の比較

単相3線式を、ほかの方式と比べます。比べる量は、送れる電力を電線の本数で割った電線1本あたりの電力です。負荷をつなぐ2線の間の電圧を VV(中性線がある方式は、外側の線と中性線の間の電圧。三相3線式は線間電圧)、各線に流れる電流を II、力率を 1、負荷は平衡とします。

方式送れる電力 ÷ 線の本数1本あたり
単相2線式VI÷2VI \div 20.50 VI0.50\,VI
三相3線式3 VI÷3\sqrt{3}\,VI \div 30.58 VI0.58\,VI
単相3線式2VI÷32VI \div 30.67 VI0.67\,VI
三相4線式3VI÷43VI \div 40.75 VI0.75\,VI
電線1本あたりの電力 単相2線式 0.50 VI 三相3線式 0.58 VI 単相3線式 0.67 VI 三相4線式 0.75 VI 条件:負荷をつなぐ2線の間の電圧 V、線電流 I、力率 1、平衡 (中性線がある方式は、外側の線と中性線の間の電圧)
図11 電線1本あたりの電力。単相2線式を基準に比べる

単相2線式を 1 とすると、三相3線式は約 1.15 倍、単相3線式は約 1.33 倍、三相4線式は 1.5 倍です。単相3線式は、中性線を1本足すだけで、同じ電圧・電流の単相2線式の2倍の電力を送れます。

よくある質問

中性線の電流が 0 になるのはどんなときですか?

100 V の負荷の電流が、L1 側と L2 側で等しいとき(平衡のとき)です。200 V の負荷だけがつながっているときも、中性線には電流が流れません。200 V の負荷は L1 と L2 の間だけを通るからです。

電圧降下を求めると、片側の電圧が 100 V を超えるのはなぜですか?

中性線を戻る電流が、N の接続点の電位を持ち上げるからです。例題2のように、電流の小さい側の負荷は、L2 の降下 1 V よりも中性線の持ち上げ 2 V が大きくなり、101 V になります。2つの電圧の和は、中性線の項が消えて 2E−r(I1+I2)2E - r(I_1 + I_2) に合います。

200 V の負荷だけを使っているとき、中性線が切れても大丈夫ですか?

200 V の負荷は L1 と L2 の間につながっているので、中性線が切れても、その負荷の電圧は変わりません。危険なのは、中性線の両側に 100 V の負荷がつながっているときです。それらの負荷が 200 V の電源に直列につながり、電圧が片側にかたよります。

バランサは変圧器とどう違いますか?

バランサは電圧を変えるものではなく、同じ巻数の2つの巻線で電流を分けて、不平衡をならす装置です。巻数比 1 : 1 の単巻変圧器とみなせます。電源側から見ると、L1・L2 の電流が平均値にそろい、中性線の電流が 0 になります。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

単相3線式で取り出せる電圧は、どこの間にいくらですか?

N と L1(または L2)の間が 100 V、L1 と L2 の間が 200 V です。巻線の中点から N を出すので、2つの 100 V が足し算になります。

中性線に流れる電流は、どう求めますか?

L1 の電流 I1I_1 と L2 の電流 I2I_2 の差、IN=∣I1−I2∣I_{\mathrm{N}} = |I_1 - I_2| です。平衡なら 0 で、200 V の負荷は影響しません。

電圧降下で、負荷1と負荷2の電圧の式は何ですか?

V1=E−rI1−rn(I1−I2)V_1 = E - rI_1 - r_{\mathrm{n}}(I_1 - I_2)、V2=E−rI2+rn(I1−I2)V_2 = E - rI_2 + r_{\mathrm{n}}(I_1 - I_2) です。電流の大きい側が下がり、小さい側は持ち上がります。

中性線が断線すると、各負荷の電圧はどうなりますか?

200 V に直列につながり、抵抗に比例して分かれます。抵抗の大きい(消費電力の小さい)側に高い電圧がかかります。

中性線に過電流遮断器を入れないのはなぜで、根拠はどの条文ですか?

中性線だけが切れると、負荷の電圧がかたよるからです。電技解釈 第35条です。各極が同時に遮断される場合は例外です。

バランサをつけると、電流はどうなりますか?

電源側の L1・L2 は (I1+I2)/2(I_1 + I_2)/2、中性線は 0 になります。バランサの各巻線には (I1−I2)/2(I_1 - I_2)/2 が流れます。

まとめ

  • 単相3線式は、N と L1(L2)の間が 100 V、L1 と L2 の間が 200 V
  • 中性線の電流は IN=∣I1−I2∣I_{\mathrm{N}} = |I_1 - I_2|。平衡なら 0、200 V の負荷は影響しない
  • 電圧降下は V1=E−rI1−rn(I1−I2)V_1 = E - rI_1 - r_{\mathrm{n}}(I_1 - I_2) と V2=E−rI2+rn(I1−I2)V_2 = E - rI_2 + r_{\mathrm{n}}(I_1 - I_2)
  • 中性線が切れると、抵抗の大きい負荷に高い電圧がかかる。中性線に過電流遮断器は入れない(第35条)
  • バランサは電流を平均にそろえ、両側の電圧をそろえる
求めるもの式
中性線の電流IN=∣I1−I2∣I_{\mathrm{N}} = \lvert I_1 - I_2 \rvert
負荷1の電圧E−rI1−rn(I1−I2)E - rI_1 - r_{\mathrm{n}}(I_1 - I_2)
断線時の電流200÷(RA+RB)200 \div (R_A + R_B)
バランサの電流(I1+I2)/2(I_1 + I_2)/2、(I1−I2)/2(I_1 - I_2)/2

単相3線式の電圧降下を押さえたら、三相の線路での考え方を 三相3線式の電圧降下 で見直すと、方式ごとの違いがはっきりします。

図解でわかる 電験三種 電力 1 水力発電 の表紙電験三種 電力を図解で通して読む図解でわかる 電験三種 電力 / 第1巻水力発電水の力と出力の式から水車・調速機・揚水発電まで電力の単元を、図と式で1冊ずつ通して読む Kindle 本のシリーズです。例題と練習問題まで入っています。Kindle Unlimited の対象なので、会員は追加料金なしで読めます。Amazon で見る

読んだら、すぐ解いて覚える

「配電方式」の問題を
アプリで解いてみよう

読んだ直後に問題で思い出すと、記憶に残りやすくなります。電験三種の問題集アプリ「デンケンラボ」なら、電力の問題を図解つきの解説で確かめられます。

アプリでできることを見る
デンケンラボの問題画面
動画でも見て覚えるYouTube のデンケンラボで、電験三種の解説動画を配信しています

この記事をシェアする

デンケンラボ編集部

電験三種の合格プランをつくる問題集アプリ「デンケンラボ」の編集部です。試験センターの出題範囲に沿って、計算の考え方と覚えどころを図と式で解説しています。

編集方針アプリについて見る