Kindle で読む

機械照明 / 光源15分で読めます

光源の種類と発光原理|白熱電球・蛍光ランプ・LED の違いと色温度・演色性を図解

電験三種の光源の種類を、光るしくみから順に整理します。白熱電球・ハロゲン電球・蛍光ランプ・LED の発光原理、バンドギャップから波長を求める計算、色温度と演色性の違いを、図解と4つの例題で確認できます。

シェア

木の机の上に、透明な白熱電球、縦に置いた直管の蛍光灯、LED 電球が並んでいる写真
この記事の目次
  1. 光源の種類とは?光るしくみは2つ
  2. 白熱電球とハロゲン電球のしくみ
  3. 温度放射の光は、大半が熱になる
  4. ハロゲン電球とハロゲンサイクル
  5. 放電ランプの負特性と安定器
  6. 蛍光ランプと高輝度放電ランプ
  7. 蛍光ランプのしくみ
  8. 高輝度放電ランプ(HID)と低圧ナトリウムランプ
  9. LED の発光原理と波長の計算
  10. 白色 LED のしくみ
  11. 色温度と演色性(Ra)の違い
  12. 色温度は光の色合い
  13. 演色性は物の見え方
  14. ランプの特徴を比べる
  15. よくある質問
  16. 白熱電球は、なぜ効率が低いのですか。
  17. 蛍光ランプには、なぜ水銀蒸気と蛍光体が使われますか。
  18. LED の色は、何で決まりますか。
  19. 色温度が高い光は、演色性もよいのですか。
  20. まとめ
図解でわかる 電験三種 機械 1 直流機 の表紙機械を図解で読む図解でわかる 電験三種 機械 1
直流機
Kindle Unlimited 対象Kindle で読む

光の量と単位では、光の量を数える方法を整理しました。この記事では、その光をどうやって作るかを扱います。ランプは、光り方の違いで大きく2つのグループに分かれます。白熱電球・ハロゲン電球・蛍光ランプ・LED のしくみを順にたどり、最後に光の色合いを表す色温度と、物の見え方を表す演色性を区別します。バンドギャップから LED の波長を求める計算と、安定器・ハロゲンサイクルの考え方は、例題で手を動かして確かめます。

光源の全体像
  • 光るしくみ
    • 温度放射(白熱電球・ハロゲン電球)と、ルミネセンス(放電ランプ・LED)
  • 白熱電球・ハロゲン電球
    • フィラメントが熱で光る。可視光は少なく、大半は熱
    • ハロゲンサイクルで、管壁が黒くなりにくい
  • 放電ランプ
    • 負特性があるので、安定器で電流を制限する
    • 蛍光ランプは、紫外線を蛍光体で可視光に変える
  • LED
    • 電子と正孔の再結合で光る。λ≒1240/Eg [nm]\lambda \fallingdotseq 1240/E_g\ \mathrm{[nm]}
  • 色温度と演色性
    • 色温度は光の色合い、演色性(RaR_a)は物の見え方

光源の種類とは?光るしくみは2つ

光源(ランプ)は、光り方で2つに分けられます(図1)。

  • 温度放射:物体が高温になると光る現象です。熱した鉄が赤く光るのと同じしくみで、白熱電球とハロゲン電球がこれにあたります。
  • ルミネセンス:熱以外のエネルギーで光る現象です。放電ランプ(蛍光ランプ・高輝度放電ランプ)と LED がこれにあたります。
ランプの光り方 温度放射 熱くなった物体が光る ルミネセンス 熱以外のエネルギーで光る 白熱電球 フィラメント ハロゲン電球 フィラメント 放電ランプ 蛍光・HID など LED 半導体
図1 光るしくみによるランプの分類

温度放射の光は、温度が高いほど短い波長(青い側)の光が増えます。ルミネセンスは、物体を高温にしなくても光ります。ランプの名前と光るしくみを結びつけておくと、このあとの各節を整理しやすくなります。

白熱電球とハロゲン電球のしくみ

白熱電球は、ガラス球の中のタングステン(W)のフィラメントに電流を流し、ジュール熱で高温にして光らせます。球の中には、フィラメントの蒸発を抑えるアルゴンなどの不活性ガスが入っています(図2)。フィラメントの温度は、おおよそ 2000 K2000\ \mathrm{K} から 3300 K3300\ \mathrm{K} 程度(目安)で、温度を上げるほど光は白くなって効率も上がりますが、フィラメントは蒸発しやすくなり寿命は短くなります。

黒い背景の中で点灯している透明な白熱電球の写真。ガラス球の中央で細い線が明るく光っている
  1. フィラメント 高温になって光る
  2. ステム フィラメントを支える
  3. 口金 電源につなぐ部分
図2 点灯した白熱電球。ガラス球の中でフィラメントが光る(写真はイメージ)

温度放射の光は、大半が熱になる

温度 T [K]T\ \mathrm{[K]} の物体が出す光は、強さが最大になる波長 λmax⁡\lambda_{\max} が、温度に反比例して決まります(ウィーンの変位則)。

λmax⁡=2.898×10−3T [m]\lambda_{\max} = \frac{2.898 \times 10^{-3}}{T}\ \mathrm{[m]}

白熱電球のフィラメントを 2800 K2800\ \mathrm{K} として計算します。

λmax⁡=2.898×10−32800≒1.0×10−6 [m]\begin{aligned} \lambda_{\max} &= \frac{2.898 \times 10^{-3}}{2800} \\ &\fallingdotseq 1.0 \times 10^{-6}\ \mathrm{[m]} \end{aligned}

1.0×10−6 m1.0 \times 10^{-6}\ \mathrm{m} は約 1000 nm1000\ \mathrm{nm} で、可視光(おおよそ 380∼780 nm380 \sim 780\ \mathrm{nm})の外の赤外線です。つまり白熱電球は、出す光の大半が赤外線、つまり熱で、可視光になるのは入力電力の1割に満たない程度です。発光効率が低いのは、このためです。発光効率の数値は、照度計算の表で比べられます。

ハロゲン電球とハロゲンサイクル

ハロゲン電球は、白熱電球と同じくフィラメントを熱して光らせますが、ガラス管(バルブ)の中に微量のハロゲン(ヨウ素や臭素など)を封入します。すると、図3のようなハロゲンサイクルが回ります。

1 蒸発 高温の W が飛び出す 2 管壁近くで化合 W とハロゲンが結合 3 移動 化合物の気体が戻る 4 分解 W がフィラメントへ ハロゲンサイクル 管壁が黒くなりにくい
図3 ハロゲンサイクル。蒸発した W(タングステン)がフィラメントへ戻る

高温のフィラメントから蒸発したタングステンは、温度の低い管壁の近くでハロゲンと結びつき、気体の化合物になります。この気体はフィラメントの近くへ戻り、高温で分解して、タングステンだけがフィラメントに付きます。こうして蒸発したタングステンが管壁に付かないので、管壁が黒くなりにくく、バルブを小形にして高い温度で使えます。同じ消費電力の白熱電球より、効率が高く、寿命が長くなります。

解答と解説を見る

波長は λmax⁡=2.898×10−3/T\lambda_{\max} = 2.898 \times 10^{-3} / T で求めます。

λmax⁡=2.898×10−35800≒5.0×10−7 [m]\begin{aligned} \lambda_{\max} &= \frac{2.898 \times 10^{-3}}{5800} \\ &\fallingdotseq 5.0 \times 10^{-7}\ \mathrm{[m]} \end{aligned}

1 m=109 nm1\ \mathrm{m} = 10^9\ \mathrm{nm} なので、約 500 nm500\ \mathrm{nm} です。可視光(約 380∼780 nm380 \sim 780\ \mathrm{nm})の中に入ります。

白熱電球(2800 K2800\ \mathrm{K} で約 1000 nm1000\ \mathrm{nm})は赤外線にピークがあるのに対して、温度が高い太陽は可視光にピークがあります。

答え:約 500 nm500\ \mathrm{nm}、可視光の範囲に入る

放電ランプの負特性と安定器

放電ランプは、ガラス管の中の気体(水銀蒸気やナトリウム蒸気など)に電圧をかけて放電させ、その光を使います。放電が始まると気体が電離して電流が流れやすくなり、電流が増えるほどランプの電圧は下がります。この右下がりの性質を、負特性といいます(図4の青い曲線)。

電源電圧 ランプの電圧 電源電圧から 安定器の降下を引く 動作点 電圧 V 電流 I I0
図4 放電ランプの負特性と安定器による動作点(形を示す概形)

電源電圧が一定のままランプをつなぐと、電流が増えるほど電圧が下がってさらに電流が増え、電流が止まらなくなってランプが壊れます。そこで、ランプと直列に安定器を入れ、電流を制限します。電源電圧 VsV_s、ランプの電圧 VLV_L、安定器の電圧降下 VbV_b の間には、次の関係があります。

Vs=VL+VbV_s = V_L + V_b

安定器の電圧降下は電流が増えるほど大きくなるので、ランプにかかる電圧 Vs−VbV_s - V_b は、電流が増えるほど下がります(図4の橙の直線)。ランプの曲線との交点が動作点で、そこで電流 I0I_0 が決まります。図は考え方を示す概形です。

蛍光ランプのグロースタータ式では、点灯管(グロースタータ)で電極を予熱し、回路が切れる瞬間に安定器のコイルが高い電圧を出して放電を始めます。そのあとは、安定器が電流を制限したまま点灯します。

解答と解説を見る

(ア) は正しい記述です。放電が進むと電流が流れやすくなるためです。

(イ) は正しい記述です。直列に入れて電圧降下を受け持たせ、電流を制限します。

(ウ) は誤りです。負特性のため、安定器がないと電流は増え続けます。

(エ) は誤りです。安定器の電圧降下は、電流が増えるほど大きくなります。

答え:(ウ)、(エ)

蛍光ランプと高輝度放電ランプ

蛍光ランプのしくみ

蛍光ランプのガラス管の中には、低い圧力の水銀蒸気と始動を助けるアルゴンなどが入っています。両端の電極の間で放電が起きると、次の順で光になります(図5)。

  1. 電極から出た電子が、管の中を走って水銀原子にぶつかる
  2. 水銀原子が紫外線を出す(主な波長は約 254 nm254\ \mathrm{nm})
  3. 紫外線がガラス管の内側の蛍光体に当たり、可視光に変わる
電子 紫外線 可視光 電極 蛍光体 ガラス管 水銀蒸気とアルゴン
図5 蛍光ランプのしくみ。紫外線が蛍光体で可視光に変わる

紫外線は目に見えません。蛍光体は、吸収した紫外線より波長の長い可視光に変える材料で、組成を変えると光の色を作り分けられます。この色の違いが、昼光色・昼白色・白色・温白色・電球色という5つの光源色の区分です。図6は、天井に取り付けた直管形の蛍光ランプです。数値の目安は、後の色温度の節の図11にまとめます。

天井に取り付けられた直管の蛍光灯の器具が3列並び、白い光で点灯している写真
  1. 蛍光ランプ 管の内側に蛍光体がある
  2. ソケット 両端で電極を保持する
  3. 天井 器具を取り付ける面
図6 直管形の蛍光ランプ。管の両端に電極とソケットがある(写真はイメージ)

高輝度放電ランプ(HID)と低圧ナトリウムランプ

高輝度放電ランプ(HID ランプ)は、管の中を高い圧力にして放電させ、小さな管から大きな光束を出すランプの総称で、高圧水銀・メタルハライド・高圧ナトリウムの3種類があります。低圧ナトリウムランプは HID には入りませんが、同じ放電ランプなので、あわせて整理します。

ランプ光の色向く場所
高圧水銀青白い道路・公園
メタルハライド白色体育館・競技場
高圧ナトリウム橙白色道路・トンネル
低圧ナトリウム黄色トンネル

メタルハライドランプは、白色で演色性がよい点が特徴です。高圧ナトリウムランプは、効率が高い一方で、演色性は低めです。低圧ナトリウムランプは、約 589 nm589\ \mathrm{nm} の黄色い光がほとんどを占める、単色に近い光で、物の色が見分けにくくなります。屋外の道路やトンネル、競技場などでは、これらの放電ランプが使われてきました(図7)。

夜の道路沿いに立つ街灯が橙色の光を出し、路面が橙色に照らされている写真
  1. ランプ部 光を出す部分
  2. ポール ランプを高い位置で支える
  3. 路面 光があたる場所
図7 橙色の光で路面を照らす街灯。放電ランプは屋外の照明に使われてきた(写真はイメージ)

LED の発光原理と波長の計算

LED(発光ダイオード)は、pn 接合のダイオードに順方向の電圧をかけて光らせる素子です。ダイオードそのものは、ダイオードの記事で整理しています。順方向に電流を流すと、n 形の電子と p 形の正孔が接合部に集まり、再結合します。このとき、電子が高いエネルギーの状態(伝導帯)から低い状態(価電子帯)へ落ち、その差のエネルギーが光(光子)として出ます(図8)。

光子 Eg 伝導帯 価電子帯 禁制帯 n 形 接合部 p 形 電子が多い 正孔が多い
図8 LED の発光。電子と正孔の再結合で、Eg に相当する光が出る

電子が落ちる差のエネルギーは、材料のバンドギャップ Eg [eV]E_g\ \mathrm{[eV]} にほぼ等しくなります。光子のエネルギーは E=hc/λE = hc/\lambda なので、波長は次のようになります。

λ=hcEg\lambda = \frac{hc}{E_g}

h=6.63×10−34 J⋅sh = 6.63 \times 10^{-34}\ \mathrm{J \cdot s}、c=3.00×108 m/sc = 3.00 \times 10^{8}\ \mathrm{m/s}、1 eV=1.60×10−19 J1\ \mathrm{eV} = 1.60 \times 10^{-19}\ \mathrm{J} を入れて整理します。EgE_g には eV の数値を入れます。

hc=6.63×10−34×3.00×108≒1.99×10−25 [J⋅m]\begin{aligned} hc &= 6.63 \times 10^{-34} \times 3.00 \times 10^{8} \\ &\fallingdotseq 1.99 \times 10^{-25}\ \mathrm{[J \cdot m]} \end{aligned} λ=hcEg×1.60×10−19≒1.24×10−6Eg [m]\begin{aligned} \lambda &= \frac{hc}{E_g \times 1.60 \times 10^{-19}} \\ &\fallingdotseq \frac{1.24 \times 10^{-6}}{E_g}\ \mathrm{[m]} \end{aligned}

1 m=109 nm1\ \mathrm{m} = 10^{9}\ \mathrm{nm} なので、λ\lambda を nm で表すと、次の関係が得られます。

λ [nm]≒1240Eg [eV]\lambda\ \mathrm{[nm]} \fallingdotseq \frac{1240}{E_g\ \mathrm{[eV]}}

EgE_g が大きい材料ほど波長の短い光(青や紫)が、小さい材料ほど波長の長い光(赤)が出ます。可視光の端と色のおよその対応は、次の表のとおりです。

波長色EgE_g
780 nm赤の端約 1.6 eV
650 nm赤約 1.9 eV
450 nm青約 2.8 eV
380 nm紫の端約 3.3 eV

LED には、ガリウム(Ga)などを含む化合物半導体を使い、組成を変えて EgE_g を変えることで、色を作り分けます。図9のような小さな発光部でも、電力の一部は熱になるので、放熱が必要です。

緑色の基板の上にある白い樹脂の枠の中で、黄色みを帯びた発光部が光っている白色 LED の接写写真
  1. 発光部 チップと蛍光体がある
  2. 樹脂の枠 発光部を囲む
  3. 端子 はんだで基板につなぐ
  4. 基板 電気の通り道がある
図9 表面実装型の白色 LED。小さな発光部に電流を流して光らせる(写真はイメージ)

白色 LED のしくみ

白色の光は、1つの EgE_g からは直接作れません。いま使われている白色 LED の多くは、青色 LED のチップを黄色の蛍光体で包んだ構造です。青い光の一部が蛍光体で黄色に変わり、通り抜けた青い光と混ざって白く見えます(図10)。赤・緑・青の3色の LED を組み合わせて白にする方法もあります。

蛍光体 青色 LED チップ 出てくる光 青 + 黄 → 白 青い光の一部が 蛍光体で黄色に変わる
図10 白色 LED は、青色 LED と黄色の蛍光体で白い光を作る
解答と解説を見る

バンドギャップを J に直します。

E=2.7×1.60×10−19=4.32×10−19 [J]\begin{aligned} E &= 2.7 \times 1.60 \times 10^{-19} \\ &= 4.32 \times 10^{-19}\ \mathrm{[J]} \end{aligned}

波長は λ=hc/E\lambda = hc/E です。hc=1.99×10−25 J⋅mhc = 1.99 \times 10^{-25}\ \mathrm{J \cdot m} を使うと、

λ=1.99×10−254.32×10−19≒4.6×10−7 [m]\begin{aligned} \lambda &= \frac{1.99 \times 10^{-25}}{4.32 \times 10^{-19}} \\ &\fallingdotseq 4.6 \times 10^{-7}\ \mathrm{[m]} \end{aligned}

10−9 m=1 nm10^{-9}\ \mathrm{m} = 1\ \mathrm{nm} なので、約 460 nm460\ \mathrm{nm} で、青い光です。確認として、1240/2.7≒459 nm1240 / 2.7 \fallingdotseq 459\ \mathrm{nm} と一致します。

答え:約 460 nm460\ \mathrm{nm}、青

色温度と演色性(Ra)の違い

色温度は光の色合い

色温度は、光源の光の色合いを、同じ色に見える黒体(理想的な熱放射体)の温度 [K]\mathrm{[K]} で表したものです。色温度が低いと橙がかった赤みのある光、高いと青白い光になります(図11)。蛍光ランプや LED の光は、黒体の光そのものではないので、いちばん近い色の黒体の温度で表す「相関色温度」を使います。

2000 4000 6000 8000 10000 色温度 [K] 低い:橙・赤み 高い:青白い 電球色 昼白色 昼光色 太い線は光源色の区分の目安
図11 色温度と光の色(黒体の色。左が低く橙、右が高く青白い)

蛍光ランプの光源色は、JIS で昼光色・昼白色・白色・温白色・電球色の5つに区分されます。図11の帯は、そのうち電球色(約 2600∼3250 K2600 \sim 3250\ \mathrm{K})、昼白色(約 4600∼5500 K4600 \sim 5500\ \mathrm{K})、昼光色(約 5700∼7100 K5700 \sim 7100\ \mathrm{K})の範囲を示しています。数値は目安で、規格の版で範囲が変わることがあります。白熱電球の光は約 2800 K2800\ \mathrm{K} 前後で、電球色に近い色合いです。

同じ形の白いシェードの卓上ランプが2つ並び、左は橙がかった暖かい光、右は青白い光で灯っている写真
図12 色温度の違い。左は低く橙がかった光、右は高く青白い光(写真はイメージ)

図12のように、同じ形のランプでも、色温度が違えば部屋の雰囲気が変わります。

演色性は物の見え方

演色性は、光源が物の色をどれだけ自然に見せるかを表す性質です。同じ色温度の基準の光で照らしたときと比べて、色の見え方がどれだけずれるかを、平均演色評価数 RaR_a で表します。決められた8色の試験色を使って調べ、基準の光と同じ見え方なら 100100 で、100100 に近いほど自然に見えます。

白熱電球の光は、基準の光に近いので、RaR_a は 100100 に近い値です。低圧ナトリウムランプは、ほぼ単色の黄色い光なので、演色性は低くなります。

色温度と演色性は別の概念です。色温度が同じ蛍光ランプでも、演色性がよいものと低いものがあります。

ランプの特徴を比べる

ここまでのランプを、発光のしくみと特徴で並べます。

ランプ発光特徴
白熱電球温度放射熱が多く効率は低い
ハロゲン電球温度放射小形で白熱より長寿命
蛍光ランプ放電+蛍光体安定器が必要
HID高圧の放電大光束で屋外向き
低圧ナトリウム放電(黄色)演色性が低い
LEDpn 接合小形で放熱が必要
解答と解説を見る

(ア) は正しい記述です。光るしくみが、それぞれ温度放射とルミネセンスです。

(イ) は正しい記述です。再結合のエネルギーが光子になります。

(ウ) は誤りです。低圧ナトリウムランプは、約 589 nm589\ \mathrm{nm} の黄色い放電の光を出すランプで、蛍光体は使いません。

(エ) は誤りです。色温度が高いほど、青白い光になります。赤みを帯びるのは、色温度が低い光です。

(オ) は正しい記述です。RaR_a は 100100 が最大で、基準の光と同じ見え方を表します。

答え:(ウ)、(エ)

よくある質問

白熱電球は、なぜ効率が低いのですか。

温度放射の光は、フィラメントの温度が 2800 K2800\ \mathrm{K} ほどだと、強さが最大になる波長が約 1000 nm1000\ \mathrm{nm} の赤外線になるためです。入力電力の大半が熱として出ていき、可視光になる割合は1割に満たない程度です。

蛍光ランプには、なぜ水銀蒸気と蛍光体が使われますか。

放電で励起された水銀原子が、主に目に見えない紫外線(約 254 nm254\ \mathrm{nm})を出すためです。この紫外線を、ガラス管の内側の蛍光体で可視光に変えて、明かりとして使います。

LED の色は、何で決まりますか。

材料のバンドギャップ EgE_g で決まります。電子と正孔が再結合したときのエネルギーが EgE_g にほぼ等しく、波長は λ [nm]≒1240/Eg [eV]\lambda\ \mathrm{[nm]} \fallingdotseq 1240 / E_g\ \mathrm{[eV]} です。EgE_g が大きいほど波長は短く、青や紫の光になります。

色温度が高い光は、演色性もよいのですか。

関係ありません。色温度は光の色合い、演色性は物の見え方で、別の概念です。色温度が同じでも、ランプによって RaR_a は違います。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

温度放射とルミネセンスの違いは?

温度放射は物体が高温で光る現象(白熱電球・ハロゲン電球)、ルミネセンスは熱以外のエネルギーで光る現象(放電ランプ・LED)です。

放電ランプに安定器が必要なのは、なぜですか?

電流が増えるほどランプの電圧が下がる負特性があり、安定器がないと電流が増え続けるためです。

蛍光ランプで可視光ができるまでの流れは?

電子が水銀原子にぶつかり、紫外線が出て、蛍光体が可視光に変えます。

LED の波長を、バンドギャップから求める式は?

λ=hc/Eg\lambda = hc/E_g で、nm と eV なら λ≒1240/Eg\lambda \fallingdotseq 1240/E_g です。

白色 LED は、どうやって白い光を出しますか?

青色 LED の光の一部を黄色の蛍光体で黄色に変え、青と黄を混ぜて白にします。

色温度が高い光の色と、RaR_a が 100100 に近いことの意味は?

色温度が高いと青白い光です。RaR_a が 100100 に近いと、基準の光の下に近い、自然な見え方です。

まとめ

  • 光源の光り方は、温度放射(白熱・ハロゲン)とルミネセンス(放電・LED)の2つ
  • 温度放射のピーク波長は λmax⁡=2.898×10−3/T\lambda_{\max} = 2.898 \times 10^{-3} / T。白熱電球は赤外線にピークがあり、可視光は1割に満たない
  • 放電ランプは負特性をもち、安定器で電流を制限する。蛍光ランプは紫外線を蛍光体で可視光に変える
  • LED は電子と正孔の再結合で光る。λ [nm]≒1240/Eg [eV]\lambda\ \mathrm{[nm]} \fallingdotseq 1240 / E_g\ \mathrm{[eV]}
  • 色温度は光の色合い(高いほど青白い)、RaR_a は物の見え方(100100 に近いほど自然)

次は、光の量と単位を土台に、灯数を決める照度計算に進みましょう。

図解でわかる 電験三種 機械 1 直流機 の表紙電験三種 機械を図解で通して読む図解でわかる 電験三種 機械 / 第1巻直流機磁界と電磁力から発電機・電動機の特性、速度制御・効率まで機械の単元を、図と式で1冊ずつ通して読む Kindle 本のシリーズです。例題と練習問題まで入っています。Kindle Unlimited の対象なので、会員は追加料金なしで読めます。Amazon で見る

読んだら、すぐ解いて覚える

「光源」の問題を
アプリで解いてみよう

読んだ直後に問題で思い出すと、記憶に残りやすくなります。電験三種の問題集アプリ「デンケンラボ」なら、機械の問題を図解つきの解説で確かめられます。

アプリでできることを見る
デンケンラボの問題画面
動画でも見て覚えるYouTube のデンケンラボで、電験三種の解説動画を配信しています

この記事をシェアする

デンケンラボ編集部

電験三種の合格プランをつくる問題集アプリ「デンケンラボ」の編集部です。試験センターの出題範囲に沿って、計算の考え方と覚えどころを図と式で解説しています。

編集方針アプリについて見る