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機械電熱 / 熱の伝わり方と熱量計算15分で読めます

電熱の計算|Q=mcΔT と kWh・kJ の換算、熱回路、COP を図解

電験三種の電熱を、熱量の式 Q=mcΔT、1 kWh=3600 kJ の換算、熱回路のオームの法則、誘導加熱などの方式、ヒートポンプの COP の順に整理します。4つの例題で加熱時間まで確かめられます。

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トースターの中で電熱線が赤く光り、食パンが焼けている写真
この記事の目次
  1. 電熱とは?電気を熱に変えて使う仕組み
  2. 熱量の式:質量・比熱・温度差
  3. 熱量と電力量の換算:1 kWh は 3600 kJ
  4. 加熱時間の求め方
  5. 熱の伝わり方と熱回路:オームの法則との対応
  6. 電気加熱の方式:抵抗・アーク・誘導・誘電
  7. ヒートポンプと COP
  8. 電熱の例題
  9. よくある質問
  10. 電熱の計算で、kJ と kWh はどう換算しますか。
  11. 温度差は、K と ℃ のどちらで入れますか。
  12. 熱抵抗は、なぜ直列で足し算になるのですか。
  13. COP が 1 を超えても、エネルギー保存則に反しないのですか。
  14. まとめ
図解でわかる 電験三種 機械 1 直流機 の表紙機械を図解で読む図解でわかる 電験三種 機械 1
直流機
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電熱は、電気エネルギーを熱に変えて使う分野です。電気の世界の 1 kWh1\ \mathrm{kWh} は、熱の世界の 3600 kJ3600\ \mathrm{kJ} にあたります。電験三種の機械では、この換算と熱量の式 Q=mcΔTQ = mc\Delta T を組み合わせて加熱時間を求める計算が、基本になります。この記事では、熱回路、加熱の方式、ヒートポンプの COP まで順に整理し、4つの例題で計算を確認します。

電熱の全体像
  • 電熱とは
    • 電気を熱に変える。ηW=mcΔT\eta W = mc\Delta T が基本の式
  • 熱量と電力量の換算
    • 1 kWh=3600 kJ1\ \mathrm{kWh} = 3600\ \mathrm{kJ}。単位をそろえて計算する
  • 熱の伝わり方と熱回路
    • 熱流は電流、温度差は電圧、熱抵抗は抵抗に対応する
  • 電気加熱の方式
    • 抵抗・アーク・誘導・誘電。熱の出どころが違う
  • ヒートポンプと COP
    • COP=Q1/W\mathrm{COP} = Q_1/W。電力より多くの熱を運べる
  • 電熱の例題
    • 4 問で、式の使い分けを確かめる

電熱とは?電気を熱に変えて使う仕組み

電熱とは、電気エネルギーを熱エネルギーに変えて、物を温めたり溶かしたりすることです。電気ケトルやトースターのような家電から、金属を溶かす工場の電気炉まで使われています。電気を熱に変える方法はいくつかあり、後の節で整理しますが、計算の考え方は共通で、図1のようにエネルギーの出入りで考えます。

電気 電力量 W [kWh] 電熱器 効率 η 水を温める熱 Q = ηW 逃げる熱 (1 − η)W 1 kWh = 3600 kJ 電力量と熱量の換算 ηW = mcΔT 熱の収支の式
図1 電熱のエネルギーの流れ。入力した電力量のうち、効率 η の割合が水を温める熱になる

電熱器に入れた電力量 WW のうち、目的の加熱に使われる割合が効率 η\eta で、残りは周囲へ逃げます。水を温めるなら、水が受け取る熱量は ηW\eta W です。これが、水の温度を上げるのに必要な熱量 mcΔTmc\Delta T と等しい、というのが電熱の計算の出発点です。電気ケトルは身近な例で、水を温める熱のほかに、本体や周囲へ逃げる熱があります(図2)。

木の机の上に置かれたステンレスの電気ケトルから、湯気が上がっている写真
  1. 湯気 沸いた水が水蒸気になって出ていく
  2. 注ぎ口 湯をここから注ぐ
  3. 取っ手 樹脂で、熱が伝わりにくい
  4. 本体 底の熱が、中の水へ伝わる
  5. 台座 ここから電気を受け取る
図2 電気ケトル。電気が熱に変わり、水を温める(写真はイメージ)

熱量の式:質量・比熱・温度差

物体の温度を上げるのに必要な熱量は、質量 m [kg]m\ \mathrm{[kg]}、比熱 c [kJ/(kg⋅K)]c\ \mathrm{[kJ/(kg\cdot K)]}、温度の上昇 ΔT [K]\Delta T\ \mathrm{[K]} の積です。

Q=mcΔT [kJ]Q = mc\Delta T\ \mathrm{[kJ]}

比熱は、1 kg1\ \mathrm{kg} の物質を 1 K1\ \mathrm{K} 上げるのに必要な熱量です。水の比熱は約 4.18 kJ/(kg⋅K)4.18\ \mathrm{kJ/(kg\cdot K)} で、問題では値が与えられます。ΔT\Delta T は温度の差なので、K\mathrm{K} で表しても ∘C^\circ\mathrm{C} で表しても同じ値です。たとえば 20 ∘C20\,^\circ\mathrm{C} から 60 ∘C60\,^\circ\mathrm{C} に上げるなら、ΔT=40 K\Delta T = 40\ \mathrm{K} です。

熱量と電力量の換算:1 kWh は 3600 kJ

電熱の計算でつまずきやすいのは、単位です。電力量は kWh\mathrm{kWh}、熱量は kJ\mathrm{kJ} で与えられることが多く、そのままでは比べられません。1 W=1 J/s1\ \mathrm{W} = 1\ \mathrm{J/s} なので、1 kW=1 kJ/s1\ \mathrm{kW} = 1\ \mathrm{kJ/s} です。1 kWh1\ \mathrm{kWh} は、1 kW1\ \mathrm{kW} を 11 時間(3600 s3600\ \mathrm{s})使ったときの電力量なので、

1 kWh=1 kW×3600 s=3600 kJ\begin{aligned} 1\ \mathrm{kWh} &= 1\ \mathrm{kW} \times 3600\ \mathrm{s} \\ &= 3600\ \mathrm{kJ} \end{aligned}

となります。火力発電で燃料の熱量と発電電力量をつなぐときも、同じ換算を使います。火力発電の熱効率で扱っています。

量記号と単位関係
電力P [kW]P\ \mathrm{[kW]}1 kW=1 kJ/s1\ \mathrm{kW} = 1\ \mathrm{kJ/s}
電力量W [kWh]W\ \mathrm{[kWh]}1 kWh=3600 kJ1\ \mathrm{kWh} = 3600\ \mathrm{kJ}
時間t [s]t\ \mathrm{[s]}1 h=3600 s1\ \mathrm{h} = 3600\ \mathrm{s}
熱量Q [kJ]Q\ \mathrm{[kJ]}Q=mcΔTQ = mc\Delta T

加熱時間の求め方

電力 P [kW]P\ \mathrm{[kW]} の電熱器を t [s]t\ \mathrm{[s]} 使うと、電気が出す熱は Pt [kJ]Pt\ \mathrm{[kJ]} です。効率を η\eta とすると、水に渡る熱は ηPt\eta Pt で、これが mcΔTmc\Delta T に等しくなります。

ηPt=mcΔTt=mcΔTηP [s]\begin{gathered} \eta Pt = mc\Delta T \\ t = \frac{mc\Delta T}{\eta P}\ \mathrm{[s]} \end{gathered}

PP を kW\mathrm{kW}、cc を kJ/(kg⋅K)\mathrm{kJ/(kg\cdot K)} で入れると、tt は秒で出ます。分にするには 6060 で割ります。

水を沸騰させて蒸気にするときは、温度を上げる熱 mcΔTmc\Delta T とは別に、状態を変えるための熱(蒸発熱)が要ります。100 ∘C100\,^\circ\mathrm{C} の水の蒸発熱は約 2257 kJ/kg2257\ \mathrm{kJ/kg} で、1 kg1\ \mathrm{kg} あたり約 0.63 kWh0.63\ \mathrm{kWh} です。

熱の伝わり方と熱回路:オームの法則との対応

熱の伝わり方には、3つあります。物体の中を高温側から低温側へ伝わる伝導、流体が動いて熱を運ぶ対流、赤外線などの電磁波で伝わる放射です。電熱の計算では伝導を扱うことが多く、電気回路のオームの法則とそっくりの式で表せます。

図3は、暖かい室内と冷たい屋外の間に、壁と断熱材が直列に重なっている断面です。熱は室内から屋外へ流れ、温度は橙の線のように下がります。

壁 断熱材 室内 T1 屋外 T2 Φ Φ 橙の線:温度の変化 ΔT Φ R1(壁) R2(断熱材) Φ = ΔT / (R1 + R2)
図3 壁と断熱材を通る熱流。温度差を電圧、熱抵抗を抵抗とみなすと、直列回路になる

単位時間に流れる熱量を熱流 Φ [W]\Phi\ \mathrm{[W]}、両側の温度差を ΔT [K]\Delta T\ \mathrm{[K]}、熱の流れにくさを熱抵抗 R [K/W]R\ \mathrm{[K/W]} とすると、オームの法則 I=V/RI = V/R と同じ形になります。

Φ=ΔTR\Phi = \frac{\Delta T}{R}

厚さ l [m]l\ \mathrm{[m]}、断面積 S [m2]S\ \mathrm{[m^2]}、熱伝導率 λ [W/(m⋅K)]\lambda\ \mathrm{[W/(m\cdot K)]} の板の熱抵抗は、電気抵抗の式 R=ρl/SR = \rho l/S と同じ形です。熱伝導率が大きい材料ほど、熱を通しやすくなります。

R=lλS [K/W]R = \frac{l}{\lambda S}\ \mathrm{[K/W]}
電気回路熱回路熱側の単位
電流 II熱流 Φ\PhiW\mathrm{W}
電位差 VV温度差 ΔT\Delta TK\mathrm{K}
抵抗 RR熱抵抗 RRK/W\mathrm{K/W}
導電率 σ\sigma熱伝導率 λ\lambdaW/(m⋅K)\mathrm{W/(m\cdot K)}

壁と断熱材のように、熱が順に通る層は直列で、熱抵抗は足し算です。同じ Φ\Phi が各層を通り、温度差は熱抵抗に比例して各層に分かれます。

Φ=ΔTR1+R2\Phi = \frac{\Delta T}{R_1 + R_2}

断熱材は、熱伝導率が小さく熱抵抗が大きいので、温度差の大部分を受け持ちます。直列回路で大きい抵抗に大きい電圧がかかるのと同じです。電気回路の直列と合成抵抗は、オームの法則と直列回路で扱っています。

電気加熱の方式:抵抗・アーク・誘導・誘電

電気で熱を作る方法は、熱の出どころで分類します。

方式熱の出どころ例
抵抗加熱電流が流れるジュール熱トースター、電気ケトル
アーク加熱アーク放電の熱アーク炉
誘導加熱導体の渦電流のジュール熱IH 調理器、高周波焼入れ
誘電加熱絶縁物の誘電損電子レンジ
赤外線加熱物体が吸収した赤外線塗装の乾燥

抵抗加熱は、抵抗に電流を流して出るジュール熱 Q=I2RtQ = I^2Rt を使います。電熱線を発熱体にして、その熱を伝導や放射で被加熱物へ渡す方法と、被加熱物そのものに電流を流す方法があります。発熱体には、抵抗率が大きく高温に耐えるニクロム線などが使われます。

アーク加熱は、電極の間のアーク放電で高温を作ります。金属を溶かすアーク炉に使われます。

誘導加熱は、コイルに高周波電流を流してできる交番磁束で、金属の中に渦電流を流し、そのジュール熱で加熱します。被加熱物そのものが発熱するので、熱が直接入ります。周波数が高いほど、電流は金属の表面に集まります(表皮効果)。この性質を使い、鋼の表面だけを加熱して硬くするのが高周波焼入れです。IH 調理器では、鍋の底が発熱します(図4)。鍋は、渦電流が流れる金属でなければなりません。

IH 調理器の黒い天板の上で、ステンレスの鍋の湯が沸騰して湯気が上がっている写真
  1. 湯気 沸いた水が水蒸気になって出ていく
  2. 湯 鍋の熱が伝わり、沸騰している
  3. 鍋底 渦電流が流れて、鍋が発熱する
  4. 天板 黒いガラスの板。下にコイルがある
  5. 輪の印 コイルの位置の目安
図4 IH 調理器。鍋そのものが発熱して、湯を沸かす(写真はイメージ)

誘電加熱は、絶縁物(誘電体)を高周波の電界の中に置き、誘電損を熱にします。誘電損は、電圧 VV、静電容量 CC、損失角 δ\delta、周波数 ff で次のように表せ、周波数に比例し、電圧の2乗に比例します。

P=2πfCV2tan⁡δ [W]P = 2\pi f C V^2 \tan\delta\ \mathrm{[W]}

電子レンジは、家庭用で 2.45 GHz2.45\ \mathrm{GHz} のマイクロ波を使い、食品の水分を加熱します。食品の内側でも熱が出ます(図5)。

扉を開けた電子レンジの庫内に、ガラスの回転皿が置かれ、白い皿とマグカップがのっている写真
  1. 扉 電波を外へもらさない作り
  2. 庫内 金属の壁で、電波がはね返る
  3. カップ 中の水分が電波で温まる
  4. 回転皿 回して、加熱のむらを減らす
  5. 操作部 加熱の強さや時間を決める
図5 電子レンジの庫内。電波が食品の水分を温める(写真はイメージ)

赤外線加熱は、物体が吸収した赤外線のエネルギーが熱になる方式です。塗装した面の乾燥などに使われます。

ヒートポンプと COP

ヒートポンプは、電気で直接発熱させるのではなく、冷媒を循環させて、低温の側から高温の側へ熱をくみ上げる装置です。エアコンの暖房や、ヒートポンプ式の給湯器に使われています。暖房のときの冷凍サイクルを、図6に示します。

蒸発器 熱を吸う 凝縮器 熱を出す 圧縮機 膨張弁 高温・高圧のガス 高圧の液 低圧の液 Q2 外気から Q1 室内へ 電力 W Q1 = Q2 + W COP = Q1 / W
図6 暖房運転のヒートポンプ。外気から熱 Q2 を吸い、電力 W を加えて、室内へ熱 Q1 を出す

冷媒は、4つの機器を順に回ります。

  1. 蒸発器:低圧の液が外気から熱 Q2Q_2 を吸って蒸発する。
  2. 圧縮機:電力 WW でガスを圧縮し、高温・高圧にする。
  3. 凝縮器:ガスが室内へ熱 Q1Q_1 を出して、液になる。
  4. 膨張弁:液を減圧し、低圧・低温にして蒸発器へ戻す。

熱の出入りを合計すると、凝縮器から出る熱は、外気から吸った熱と、圧縮機に入れた電力の合計になります。損失を無視した場合です。

Q1=Q2+WQ_1 = Q_2 + W

使った電力に対して、得られた熱の割合を成績係数(COP)といいます。暖房では、室内へ出した熱量を、消費した電力(電力量)で割ります。

COP=Q1W=Q2+WW=1+Q2W\begin{aligned} \mathrm{COP} &= \frac{Q_1}{W} \\ &= \frac{Q_2 + W}{W} = 1 + \frac{Q_2}{W} \end{aligned}

Q2Q_2 は 00 ではないので、COP は 11 より大きくなります。電熱線で電力をそのまま熱にする電熱器は、電力の分しか熱が出ず、COP は 11 を超えません。ヒートポンプは、熱を作るのではなく外から運んでくるので、電力より多くの熱が得られます。冷房では、室内から吸った熱を電力で割ります。高温側と低温側の温度差が小さいほど、COP は大きくなります。

外壁の前に置かれたエアコンの室外機。大きなファンの格子と、壁へ伸びる配管が見える写真
  1. ファン 外気を送り、熱を吸わせる
  2. 本体 圧縮機や熱交換器が入っている
  3. 配管 室内機との間で、冷媒を運ぶ
  4. 台 本体を地面から浮かせて支える
図7 エアコンの室外機。暖房のときは、ここで外気から熱を吸う(写真はイメージ)

電熱の例題

式の使い分けは、次の表のとおりです。

状況使う式ひっかけ
水を温める熱量Q=mcΔTQ = mc\Delta TkJ\mathrm{kJ} と kWh\mathrm{kWh} の混同
加熱時間t=mcΔT/(ηP)t = mc\Delta T/(\eta P)効率の掛け忘れ
壁を通る熱流Φ=ΔT/(R1+R2)\Phi = \Delta T/(R_1+R_2)熱抵抗は直列で足す
ヒートポンプCOP=Q1/W\mathrm{COP} = Q_1/W電力と熱量の取り違え
解答と解説を見る

温度の上昇は ΔT=40 K\Delta T = 40\ \mathrm{K} です。

Q=mcΔT=50×4.18×40=8360 [kJ]\begin{aligned} Q &= mc\Delta T \\ &= 50 \times 4.18 \times 40 \\ &= 8360\ \mathrm{[kJ]} \end{aligned}

1 kWh=3600 kJ1\ \mathrm{kWh} = 3600\ \mathrm{kJ} なので、電力量は次のとおりです。

W=83603600≈2.32 [kWh]W = \frac{8360}{3600} \approx 2.32\ \mathrm{[kWh]}

答え:8360 kJ8360\ \mathrm{kJ}、約 2.32 kWh2.32\ \mathrm{kWh}

解答と解説を見る

温度の上昇は ΔT=80 K\Delta T = 80\ \mathrm{K} です。水に必要な熱量は、

Q=2.0×4.18×80=668.8 [kJ]\begin{aligned} Q &= 2.0 \times 4.18 \times 80 \\ &= 668.8\ \mathrm{[kJ]} \end{aligned}

です。水に渡る熱は、毎秒 0.80×2.0=1.6 kJ0.80 \times 2.0 = 1.6\ \mathrm{kJ} なので、

t=668.80.80×2.0=418 [s]\begin{aligned} t &= \frac{668.8}{0.80 \times 2.0} \\ &= 418\ \mathrm{[s]} \end{aligned}

となります。418/60≈6.97418 / 60 \approx 6.97 より、約 7.07.0 分です。

答え:約 7.07.0 分

解答と解説を見る

それぞれの熱抵抗は、

R1=0.201.0×10=0.020 [K/W]R2=0.050.05×10=0.10 [K/W]\begin{gathered} R_1 = \frac{0.20}{1.0 \times 10} = 0.020\ \mathrm{[K/W]} \\ R_2 = \frac{0.05}{0.05 \times 10} = 0.10\ \mathrm{[K/W]} \end{gathered}

です。直列なので足し算にします。温度差は 20−2=18 K20 - 2 = 18\ \mathrm{K} です。

Φ=180.020+0.10=150 [W]\begin{aligned} \Phi &= \frac{18}{0.020 + 0.10} \\ &= 150\ \mathrm{[W]} \end{aligned}

断熱材の両側の温度差は、ΦR2=150×0.10=15 K\Phi R_2 = 150 \times 0.10 = 15\ \mathrm{K} です。壁の温度差は 150×0.020=3 K150 \times 0.020 = 3\ \mathrm{K} で、合計が 18 K18\ \mathrm{K} になります。断熱材がないと 18/0.020=900 W18/0.020 = 900\ \mathrm{W} なので、熱流は 1/61/6 に減ります。

答え:Φ=150 W\Phi = 150\ \mathrm{W}、温度差 15 K15\ \mathrm{K}

解答と解説を見る

COP=Q1/W\mathrm{COP} = Q_1/W から、消費電力は次のとおりです。

W=Q1COP=6.04.0=1.5 [kW]W = \frac{Q_1}{\mathrm{COP}} = \frac{6.0}{4.0} = 1.5\ \mathrm{[kW]}

Q1=Q2+WQ_1 = Q_2 + W から、外気から吸う熱は次のとおりです。

Q2=Q1−W=6.0−1.5=4.5 [kW]Q_2 = Q_1 - W = 6.0 - 1.5 = 4.5\ \mathrm{[kW]}

11 時間運転すると、電力量は 1.5 kWh1.5\ \mathrm{kWh} です。同じ熱を COP が 11 の電熱器で出すと、6.0 kWh6.0\ \mathrm{kWh} が必要です。

答え:消費電力 1.5 kW1.5\ \mathrm{kW}、外気から吸う熱 4.5 kW4.5\ \mathrm{kW}

よくある質問

電熱の計算で、kJ と kWh はどう換算しますか。

1 kWh=3600 kJ1\ \mathrm{kWh} = 3600\ \mathrm{kJ} です。1 kW1\ \mathrm{kW} は 1 kJ/s1\ \mathrm{kJ/s} で、11 時間は 3600 s3600\ \mathrm{s} なので、1 kW×3600 s=3600 kJ1\ \mathrm{kW} \times 3600\ \mathrm{s} = 3600\ \mathrm{kJ} になります。熱量 [kJ]\mathrm{[kJ]} を電力量 [kWh]\mathrm{[kWh]} にするときは 36003600 で割り、反対は 36003600 を掛けます。

温度差は、K と ℃ のどちらで入れますか。

どちらでも同じです。ΔT\Delta T は温度の差なので、20 ∘C20\,^\circ\mathrm{C} から 60 ∘C60\,^\circ\mathrm{C} への変化も、293 K293\ \mathrm{K} から 333 K333\ \mathrm{K} への変化も、4040 になります。K\mathrm{K} と ∘C^\circ\mathrm{C} の違いが出るのは、温度そのものの値を使うときです。

熱抵抗は、なぜ直列で足し算になるのですか。

直列では、同じ熱流 Φ\Phi がすべての層を通るからです。各層の温度差は ΦR1\Phi R_1、ΦR2\Phi R_2 で、合計が全体の温度差になるので、ΔT=Φ(R1+R2)\Delta T = \Phi(R_1 + R_2) です。電気回路で、同じ電流が直列の抵抗を流れ、電圧が足し算になるのと同じ理由です。

COP が 1 を超えても、エネルギー保存則に反しないのですか。

反しません。ヒートポンプは電力から熱を作るのではなく、外気から Q2Q_2 を運びます。出てくる熱は Q1=Q2+WQ_1 = Q_2 + W で、運んできた熱の分だけ、使った電力 WW より大きくなります。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

物体の温度を上げるのに必要な熱量の式は何ですか?

Q=mcΔTQ = mc\Delta T です。水の比熱は約 4.18 kJ/(kg⋅K)4.18\ \mathrm{kJ/(kg\cdot K)} です。

1 kWh1\ \mathrm{kWh} は何 kJ\mathrm{kJ} ですか?

3600 kJ3600\ \mathrm{kJ} です。1 kW1\ \mathrm{kW} が 1 kJ/s1\ \mathrm{kJ/s} で、11 時間が 3600 s3600\ \mathrm{s} だからです。

効率 η\eta、電力 P [kW]P\ \mathrm{[kW]} の電熱器で水を温める時間は、どう求めますか?

t=mcΔT/(ηP) [s]t = mc\Delta T/(\eta P)\ \mathrm{[s]} です。

熱回路で、電流・電圧・抵抗にあたる量は何ですか?

熱流 Φ [W]\Phi\ \mathrm{[W]}、温度差 ΔT [K]\Delta T\ \mathrm{[K]}、熱抵抗 R [K/W]R\ \mathrm{[K/W]} です。

誘導加熱と誘電加熱で、熱を出すのは何ですか?

誘導加熱は導体の渦電流のジュール熱、誘電加熱は絶縁物の誘電損です。

ヒートポンプの COP が 11 を超えるのは、なぜですか?

COP=Q1/W\mathrm{COP} = Q_1/W で、Q1=Q2+WQ_1 = Q_2 + W のように、外気から運んだ熱 Q2Q_2 が加わるからです。

まとめ

  • 熱量は Q=mcΔTQ = mc\Delta T。水の比熱は約 4.18 kJ/(kg⋅K)4.18\ \mathrm{kJ/(kg\cdot K)}
  • 1 kWh=3600 kJ1\ \mathrm{kWh} = 3600\ \mathrm{kJ}。加熱時間は t=mcΔT/(ηP)t = mc\Delta T/(\eta P)
  • 熱回路は、熱流が電流、温度差が電圧、熱抵抗が抵抗に対応し、直列は足し算
  • 加熱の方式は、抵抗(ジュール熱)、アーク、誘導(渦電流)、誘電(誘電損)
  • ヒートポンプは COP=Q1/W\mathrm{COP} = Q_1/W、Q1=Q2+WQ_1 = Q_2 + W で、COP は 11 を超える

次は、ファラデーの法則を扱う電気分解と電池の計算に進みましょう。前の記事は照度計算です。

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デンケンラボ編集部

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