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理論電気理論 / 交流回路12分で読めます

RLC直列回路のインピーダンスの求め方|リアクタンスXL・XCと位相角を図解

電験三種の RLC 直列回路を図解で整理します。抵抗・コイル・コンデンサの電流と電圧の位相、リアクタンス XL=ωL・XC=1/ωC、インピーダンスの三角形と位相角を例題つきで確認できます。

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緑の基板の上に、赤茶色の空芯コイルと、青い円筒形のコンデンサが並んでいる写真
この記事の目次
  1. インピーダンスとは
  2. 抵抗・コイル・コンデンサに交流を流したときの電流
  3. 誘導性リアクタンス XL と容量性リアクタンス XC
  4. RL 直列回路・RC 直列回路のインピーダンス
  5. RLC 直列回路のインピーダンスと位相角
  6. RLC 直列回路の例題
  7. よくある質問
  8. インピーダンスと抵抗は、何がちがいますか。
  9. Z=R+XL+XCZ = R + X_L + X_C と足してはいけないのは、なぜですか。
  10. VLV_L や VCV_C が電源電圧より大きくなってもよいのですか。
  11. 複素数で解く方法とは、どうつながりますか。
  12. まとめ
図解でわかる 電験三種 理論 1 直列回路 の表紙理論を図解で読む図解でわかる 電験三種 理論 1
直列回路
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前の記事では、交流の電圧と電流は、同じ周波数でも位相がずれることがある、と確かめました(正弦波交流の実効値)。コイルやコンデンサのある回路では、このずれが実際に起こります。そこで、交流回路で抵抗にあたる量としてインピーダンスを使います。この記事では、抵抗・コイル・コンデンサの電流と電圧の関係から、RLC 直列回路のインピーダンスと位相角を、図と例題で順に求めます。直流の直列回路で「合成抵抗を求めて、電流は電圧÷抵抗」としたのと同じ流れ(直列回路とオームの法則)が、交流でも使えます。

RLC直列回路のインピーダンスの全体像
  • インピーダンスとは
    • 電圧と電流の比 Z = V ÷ I。R と X を合わせた電流の流れにくさ
  • 抵抗・コイル・コンデンサに交流を流したときの電流
    • 抵抗は同相、コイルは 90° 遅れ、コンデンサは 90° 進み
  • 誘導性リアクタンス XL と容量性リアクタンス XC
    • XL = ωL は f に比例、XC = 1/(ωC) は f に反比例
  • RL 直列回路・RC 直列回路のインピーダンス
    • R と X は 90° ずれるので足さず、直角三角形の斜辺として Z を求める
  • RLC 直列回路のインピーダンスと位相角
    • X = XL - XC。XL と XC は打ち消し合う
  • RLC 直列回路の例題
    • XL・XC → Z → I → 各部の電圧の順に求める

インピーダンスとは

直流回路では、電圧を電流で割ったものが抵抗でした(R=V/IR = V/I)。交流回路でも、電圧と電流(どちらも実効値)の比を考えます。これをインピーダンス ZZ といい、単位は抵抗と同じ [Ω]\mathrm{[\Omega]} です。

Z=VI [Ω]Z = \frac{V}{I}\,\mathrm{[\Omega]}

図1のように、中身がどんな回路でも、電圧と電流を測れば ZZ が決まります。

回路 Z [Ω] 電流 I 電圧 V Z = V ÷ I (実効値どうしの比) Z は R と X を合わせた電流の流れにくさ
図1 交流回路では、電圧と電流の比 Z = V ÷ I をインピーダンスという

インピーダンスは、電流を流れにくくする 2 つの成分でできています。

名前記号働き
抵抗RR電力を消費する
リアクタンスXX位相をずらす
インピーダンスZZRR と XX を合わせた量

リアクタンスは、コイルやコンデンサによる成分です。電流を流れにくくしますが、熱にはならず、電源とのあいだでエネルギーを行き来させるだけで、電力は消費しません。RR と XX は位相の向きがちがうので、Z=R+XZ = R + X と足すことはできません。合わせ方は、図6の三角形で確かめます。複素数で Z=R+jXZ = R + jX と表して計算する方法もあります(複素数の使い方)。この記事では、大きさと位相角を三角形で求める方法を使います。

抵抗・コイル・コンデンサに交流を流したときの電流

3 つの素子に同じ交流電圧 vv を加えたとき、電流 ii の位相は、図2のようにちがいます。

抵抗 R:i は v と同相 ωt コイル L:i は v より 90° 遅れる ωt 90° コンデンサ C:i は v より 90° 進む ωt 90° v(電圧) i(電流)
図2 抵抗では電圧と電流が同相、コイルでは電流が 90° 遅れ、コンデンサでは電流が 90° 進む
  • 抵抗:電流は電圧と同時に山・谷になります(同相)。
  • コイル:電流が電圧より 90∘90^\circ 遅れます。コイルは電流の変化を妨げる向きに電圧を生じるので、電圧が最大の瞬間は電流の変化がいちばん速く、電流は 0 を横切ります。
  • コンデンサ:電流が電圧より 90∘90^\circ 進みます。電圧が 0 の瞬間にいちばん大きな電流が流れ込み、電圧が最大になって充電が終わる瞬間に電流は 0 になります。
素子電流ずれ
抵抗 RR同相0∘0^\circ
コイル LL遅れ90∘90^\circ
コンデンサ CC進み90∘90^\circ

コイルは、導線を巻いた部品です。図3は、鉄心に銅線を巻いたコイルが円形に並んだ部品で、モーターなどの巻線はこのような形をしています。

円形の鉄心の内側に、銅色のエナメル線を巻いたコイルが並んでいる部品の写真
  1. コイル 導線を巻いた部分。交流の電流の変化を妨げる
  2. 鉄心 薄い鋼板を重ねた部分
  3. 外側の鉄心 円形の外枠
図3 鉄心の歯に銅線を巻いたコイルが並ぶ(写真はイメージ)

誘導性リアクタンス XL と容量性リアクタンス XC

コイルの電流の流れにくさを誘導性リアクタンス XLX_L、コンデンサの電流の流れにくさを容量性リアクタンス XCX_C といいます。どちらも単位は [Ω]\mathrm{[\Omega]} です。

XL=ωL=2πfLXC=1ωC=12πfC\begin{aligned} X_L &= \omega L = 2\pi f L \\ X_C &= \frac{1}{\omega C} = \frac{1}{2\pi f C} \end{aligned}

LL は [H]\mathrm{[H]}、CC は [F]\mathrm{[F]}、ff は [Hz]\mathrm{[Hz]} で代入します。XLX_L は周波数に比例して大きくなり、XCX_C は周波数に反比例して小さくなります。図4は、L=50 [mH]L = 50\,\mathrm{[mH]}、C=100 [μF]C = 100\,\mathrm{[\mu F]} の場合です。

X [Ω] 0 50 100 150 f [Hz] 20 40 60 XL = XC 約71 XL = ωL XC = 1/(ωC)
図4 周波数が高くなると、XL は比例して増え、XC は反比例して減る

2 本が交わる周波数では、XL=XCX_L = X_C になります。この周波数が共振周波数で、共振の記事で扱います。

素子高周波直流
コイル大きくなる0(短絡)
コンデンサ小さくなる∞(開放)

直流は周波数 f=0f = 0 の場合です。コイルは電流を妨げる働きがなくなり、コンデンサは電流を流さなくなります。

多くの古いラジオは、つまみを回して可変コンデンサの容量 CC を変え、受信する周波数を選びます。図5のつまみは、その操作部の例です。

木枠の前面に、無地の半円形のダイヤル窓と、中央に真鍮色の大きなつまみがある古いラジオの写真
  1. つまみ 回して受信する周波数を選ぶ
  2. ダイヤル窓 選んだ周波数を示す部分
  3. 布張りの部分 スピーカーがある側の前面
図5 つまみで受信する周波数を選ぶラジオ(写真はイメージ)

RL 直列回路・RC 直列回路のインピーダンス

抵抗 RR とコイル LL を直列につなぐと、同じ電流 II が流れます。電圧は、抵抗の VR=RIV_R = RI が電流と同相、コイルの VL=XLIV_L = X_L I が電流より 90∘90^\circ 進みます。2 つは 90∘90^\circ ずれているので、大きさを足すことはできず、直角三角形の 2 辺として三平方の定理で合成します。

V=VR2+VL2V = \sqrt{V_R^2 + V_L^2}

各辺を電流 II で割ると、インピーダンスの三角形になります。

Z=R2+XL2θ=tan⁡−1XLR\begin{aligned} Z &= \sqrt{R^2 + X_L^2} \\ \theta &= \tan^{-1}\frac{X_L}{R} \end{aligned}

図6は、R:XL=3:4R : X_L = 3 : 4 の例です。このとき ZZ は、辺の比が 3:4:53 : 4 : 5 の斜辺になります。θ\theta は、電圧が電流より進む角(位相角)で、電流から見れば電流が θ\theta 遅れます。

電圧の三角形 インピーダンスの三角形 VR VL V θ R XL Z θ ÷ I tan θ = XL ÷ R (V が I より θ 進む)
図6 RL 直列回路の電圧の三角形と、電流で割ったインピーダンスの三角形

抵抗 RR とコンデンサ CC の直列では、コンデンサの電圧 VC=XCIV_C = X_C I が電流より 90∘90^\circ 遅れます。三角形では、VCV_C と XCX_C を下向きにとります。

Z=R2+XC2θ=tan⁡−1XCR\begin{aligned} Z &= \sqrt{R^2 + X_C^2} \\ \theta &= \tan^{-1}\frac{X_C}{R} \end{aligned}
電圧の三角形 インピーダンスの三角形 VR VC V θ R XC Z θ ÷ I tan θ = XC ÷ R (V が I より θ 遅れる)
図7 RC 直列回路では、VC と XC を下向きにとる(V は I より遅れる)

図7のとき、電圧は電流より θ\theta 遅れる、つまり電流は電圧より θ\theta 進みます。

回路ZZ電流
RL 直列R2+XL2\sqrt{R^2 + X_L^2}遅れる
RC 直列R2+XC2\sqrt{R^2 + X_C^2}進む

コイルのリアクタンスは、電流を抑える目的でも使われます。たとえば蛍光灯の安定器は、鉄心にコイルを巻いたもので、リアクタンスで電流を制限します。抵抗で電流を抑えると熱になって電力を消費しますが、リアクタンスなら損失が少なくて済みます。図8は、鉄心に銅線を巻いたコイルが、細長い金属の器具の中に取り付けられたようすです。

細長い金属の器具の中に、積層した鉄心に銅線を巻いたコイルが収まり、左右に配線が伸びている写真
  1. 巻線 鉄心に巻いた銅線のコイル
  2. 鉄心 薄い鋼板を重ねた部分
  3. 端子台 配線をつなぐ部品
図8 器具の中に取り付けられた、鉄心に銅線を巻いたコイル(写真はイメージ)

RLC 直列回路のインピーダンスと位相角

抵抗・コイル・コンデンサを直列につなぐと、図9のように、同じ電流 ii が 3 つに流れます。

R L C VR VL VC v 電流 i 同じ電流が R・L・C に流れる
図9 RLC 直列回路。同じ電流 i が R・L・C を流れる

電圧は、VRV_R が電流と同相、VLV_L が 90∘90^\circ 進み、VCV_C が 90∘90^\circ 遅れます。VLV_L と VCV_C は互いに逆向き(180∘180^\circ ずれ)なので打ち消し合い、差 VL−VCV_L - V_C だけが残ります。リアクタンスも同じで、合わせると X=XL−XCX = X_L - X_C です。これを RL 直列の XLX_L のかわりに使えば、インピーダンスと位相角が決まります。

Z=R2+(XL−XC)2θ=tan⁡−1XL−XCR\begin{aligned} Z &= \sqrt{R^2 + (X_L - X_C)^2} \\ \theta &= \tan^{-1}\frac{X_L - X_C}{R} \end{aligned}

三角形の縦の辺は、XLX_L が大きければ上向き、XCX_C が大きければ下向きです。図10のように、上向きなら誘導性、下向きなら容量性の回路といいます。

XL > XC のとき 誘導性(i が v より遅れる) XL < XC のとき 容量性(i が v より進む) R XL-XC Z θ R XC-XL Z θ tan θ = (XL - XC) ÷ R
図10 XL と XC の差が三角形の縦になる。XL が大きければ誘導性、XC が大きければ容量性
条件性質電流
XL>XCX_L > X_C誘導性遅れる
XL<XCX_L < X_C容量性進む
XL=XCX_L = X_C抵抗だけ同相

XL=XCX_L = X_C のとき、リアクタンスが打ち消し合って Z=RZ = R となり、ZZ は最小になります。これが共振です(共振)。

電圧のようすも見ておきます。後の例題3の数値(VR=96 [V]V_R = 96\,\mathrm{[V]}、VL=128 [V]V_L = 128\,\mathrm{[V]}、VC=100 [V]V_C = 100\,\mathrm{[V]})で描くと、図11のようになります。

I(基準) VL VC VR V VL-VC=28 V VL = 128 V VC = 100 V VR = 96 V V = 100 V VL と VC は逆向きなので、一部が打ち消し合う
図11 VL と VC は逆向きで打ち消し合う。VL が電源電圧 V より大きくなることがある

コイル・コンデンサ・抵抗を 1 枚の基板に組み合わせた回路は、周波数によって電流の流れやすさが変わる性質を使い、音などの信号から必要な周波数の成分を選ぶ回路などに使われます。図12は、その部品を並べた例です。

緑の基板に、銅線を巻いたコイルが4つ、黄色い箱形のコンデンサが4つ、白い角柱状の抵抗が2本並んでいる写真
  1. コイル 銅線を巻いた大きな部品。誘導性リアクタンスをもつ
  2. コンデンサ 黄色い箱形の部品。容量性リアクタンスをもつ
  3. 抵抗 白い角柱形の部品。電力を消費する
  4. コイル リング状に巻いたもの
図12 コイル・コンデンサ・抵抗を並べた基板(写真はイメージ)

RLC 直列回路の例題

合成したリアクタンスを X=XL−XCX = X_L - X_C とすると、例題で使う式は次のとおりです。

求めるもの式
リアクタンスXL=ωLX_L = \omega L、XC=1/(ωC)X_C = 1/(\omega C)
インピーダンスZ=R2+X2Z = \sqrt{R^2 + X^2}
電流・位相角I=V/ZI = V/Z、tan⁡θ=X/R\tan\theta = X/R
解答と解説を見る

単位を H\mathrm{H}、F\mathrm{F} に直して代入します。コイルのリアクタンスは、次のとおりです。

XL=2πfL=2π×50×0.05≈15.7 [Ω]\begin{aligned} X_L &= 2\pi f L \\ &= 2\pi \times 50 \times 0.05 \\ &\approx 15.7\,\mathrm{[\Omega]} \end{aligned}

コンデンサのリアクタンスは、次のとおりです。

XC=12πfC=12π×50×100×10−6≈31.8 [Ω]\begin{aligned} X_C &= \frac{1}{2\pi f C} \\ &= \frac{1}{2\pi \times 50 \times 100 \times 10^{-6}} \\ &\approx 31.8\,\mathrm{[\Omega]} \end{aligned}

周波数が 2 倍になると、XLX_L は 2 倍の約 31.4 [Ω]31.4\,\mathrm{[\Omega]}、XCX_C は半分の約 15.9 [Ω]15.9\,\mathrm{[\Omega]} になります。

解答と解説を見る

まず、コイルのリアクタンスを求めます。

XL=ωL=1000×0.04=40 [Ω]\begin{aligned} X_L &= \omega L \\ &= 1000 \times 0.04 \\ &= 40\,\mathrm{[\Omega]} \end{aligned}

インピーダンスは、三平方の定理で求めます。

Z=R2+XL2=302+402=50 [Ω]\begin{aligned} Z &= \sqrt{R^2 + X_L^2} \\ &= \sqrt{30^2 + 40^2} \\ &= 50\,\mathrm{[\Omega]} \end{aligned}

電流は、電圧を ZZ で割ります。

I=VZ=10050=2 [A]\begin{aligned} I &= \frac{V}{Z} \\ &= \frac{100}{50} \\ &= 2\,\mathrm{[A]} \end{aligned}

位相角は、次のとおりです。電流は電圧より約 53.1∘53.1^\circ 遅れます。

θ=tan⁡−1XLR=tan⁡−14030≈53.1∘\begin{aligned} \theta &= \tan^{-1}\frac{X_L}{R} \\ &= \tan^{-1}\frac{40}{30} \\ &\approx 53.1^\circ \end{aligned}

各部の電圧は、VR=RI=60 [V]V_R = RI = 60\,\mathrm{[V]}、VL=XLI=80 [V]V_L = X_L I = 80\,\mathrm{[V]} です。検算すると、次のとおり電源電圧に一致します。

602+802=100 [V]\sqrt{60^2 + 80^2} = 100\,\mathrm{[V]}
解答と解説を見る

リアクタンスは、次のとおりです。

XL=ωL=1000×0.032=32 [Ω]\begin{aligned} X_L &= \omega L = 1000 \times 0.032 \\ &= 32\,\mathrm{[\Omega]} \end{aligned}XC=1ωC=11000×40×10−6=25 [Ω]\begin{aligned} X_C &= \frac{1}{\omega C} \\ &= \frac{1}{1000 \times 40 \times 10^{-6}} \\ &= 25\,\mathrm{[\Omega]} \end{aligned}

XL>XCX_L > X_C なので誘導性で、合成したリアクタンスは X=32−25=7 [Ω]X = 32 - 25 = 7\,\mathrm{[\Omega]} です。

Z=R2+X2=242+72=25 [Ω]\begin{aligned} Z &= \sqrt{R^2 + X^2} \\ &= \sqrt{24^2 + 7^2} \\ &= 25\,\mathrm{[\Omega]} \end{aligned}I=VZ=10025=4 [A]\begin{aligned} I &= \frac{V}{Z} \\ &= \frac{100}{25} \\ &= 4\,\mathrm{[A]} \end{aligned}

力率は cos⁡θ=R/Z\cos\theta = R/Z です(力率)。

cos⁡θ=RZ=2425=0.96\begin{aligned} \cos\theta &= \frac{R}{Z} \\ &= \frac{24}{25} \\ &= 0.96 \end{aligned}

位相角は約 16.3∘16.3^\circ で、電流が遅れます。各部の電圧は、次のとおりです。

VR=RI=96 [V]VL=XLI=128 [V]VC=XCI=100 [V]\begin{aligned} V_R &= RI = 96\,\mathrm{[V]} \\ V_L &= X_L I = 128\,\mathrm{[V]} \\ V_C &= X_C I = 100\,\mathrm{[V]} \end{aligned}

検算すると、電源電圧に一致します。VLV_L は電源電圧 100 [V]100\,\mathrm{[V]} より大きくなっています。

V=VR2+(VL−VC)2=962+282=100 [V]\begin{aligned} V &= \sqrt{V_R^2 + (V_L - V_C)^2} \\ &= \sqrt{96^2 + 28^2} \\ &= 100\,\mathrm{[V]} \end{aligned}
解答と解説を見る

電流は、抵抗の電圧から求めます。

I=VRR=12040=3 [A]\begin{aligned} I &= \frac{V_R}{R} \\ &= \frac{120}{40} \\ &= 3\,\mathrm{[A]} \end{aligned}

VRV_R と VLV_L は 90∘90^\circ ずれているので、電源電圧は三平方の定理で合成します。

V=VR2+VL2=1202+902=150 [V]\begin{aligned} V &= \sqrt{V_R^2 + V_L^2} \\ &= \sqrt{120^2 + 90^2} \\ &= 150\,\mathrm{[V]} \end{aligned}

単純に足した 120+90=210 [V]120 + 90 = 210\,\mathrm{[V]} は誤りです。リアクタンスは、コイルの電圧を電流で割ります。

XL=VLI=903=30 [Ω]\begin{aligned} X_L &= \frac{V_L}{I} \\ &= \frac{90}{3} \\ &= 30\,\mathrm{[\Omega]} \end{aligned}

よくある質問

インピーダンスと抵抗は、何がちがいますか。

抵抗 RR は、電力を消費する成分だけです。インピーダンス ZZ は、RR とリアクタンス XX を合わせた、電流の流れにくさ全体です。抵抗だけの回路では Z=RZ = R です。

Z=R+XL+XCZ = R + X_L + X_C と足してはいけないのは、なぜですか。

RR と XX は位相が 90∘90^\circ ずれているので、直角三角形の 2 辺として  \sqrt{\ } で合成するからです。また、XLX_L と XCX_C は逆向きなので、足すのではなく差をとります。正しくは Z=R2+(XL−XC)2Z = \sqrt{R^2 + (X_L - X_C)^2} です。

VLV_L や VCV_C が電源電圧より大きくなってもよいのですか。

かまいません。VLV_L と VCV_C は逆向きで打ち消し合い、電源電圧に効くのは差だけだからです。例題3では、VL=128 [V]V_L = 128\,\mathrm{[V]} が電源電圧 100 [V]100\,\mathrm{[V]} より大きくなっています。

複素数で解く方法とは、どうつながりますか。

複素数で表したインピーダンス Z˙=R+j(XL−XC)\dot{Z} = R + j(X_L - X_C) の大きさが ZZ、偏角が位相角 θ\theta です。インピーダンスの三角形は、複素数平面にこの Z˙\dot{Z} を描いたものと同じです(複素数の使い方)。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

インピーダンス ZZ の定義と単位は?

Z=V/IZ = V/I で、単位は [Ω]\mathrm{[\Omega]}。RR とリアクタンス XX を合わせた量です。

抵抗・コイル・コンデンサで、電流は電圧に対してどうずれますか?

抵抗は同相、コイルは 90∘90^\circ 遅れ、コンデンサは 90∘90^\circ 進みます。

XLX_L、XCX_C の式と、周波数との関係は?

XL=ωL=2πfLX_L = \omega L = 2\pi f L(ff に比例)、XC=1/(ωC)X_C = 1/(\omega C)(ff に反比例)です。

RLC 直列回路のインピーダンスと位相角の式は?

Z=R2+(XL−XC)2Z = \sqrt{R^2 + (X_L - X_C)^2}、tan⁡θ=(XL−XC)/R\tan\theta = (X_L - X_C)/R です。

XL>XCX_L > X_C のときと XL<XCX_L < X_C のときで、電流の位相はどうなりますか?

XL>XCX_L > X_C は誘導性で電流が遅れ、XL<XCX_L < X_C は容量性で電流が進みます。XL=XCX_L = X_C なら同相です。

R=24 [Ω]R = 24\,\mathrm{[\Omega]}、XL=32 [Ω]X_L = 32\,\mathrm{[\Omega]}、XC=25 [Ω]X_C = 25\,\mathrm{[\Omega]} のときの ZZ は?

Z=242+(32−25)2=25 [Ω]Z = \sqrt{24^2 + (32 - 25)^2} = 25\,\mathrm{[\Omega]} です。

まとめ

  • インピーダンス Z=V/IZ = V/I は、交流回路で抵抗にあたる量。RR とリアクタンス XX の 2 つの成分からなる
  • 電圧を基準にすると、抵抗は同相、コイルは電流が 90∘90^\circ 遅れ、コンデンサは 90∘90^\circ 進む
  • XL=ωLX_L = \omega L は周波数に比例し、XC=1/(ωC)X_C = 1/(\omega C) は周波数に反比例する
  • RR と XX は直角三角形で合成する。Z=R2+(XL−XC)2Z = \sqrt{R^2 + (X_L - X_C)^2}、tan⁡θ=(XL−XC)/R\tan\theta = (X_L - X_C)/R
  • XL>XCX_L > X_C なら誘導性(電流が遅れ)、XL<XCX_L < X_C なら容量性(電流が進む)。VLV_L、VCV_C は電源電圧より大きくなることがある

次は、XLX_L と XCX_C が等しくなる周波数で何が起こるかを、共振で確かめましょう。位相のずれの基本にもどるときは、正弦波交流の実効値を見直してください。

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