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理論電気理論 / 交流回路13分で読めます

正弦波交流の実効値とは|最大値・平均値との関係と瞬時値の式を図解

電験三種の正弦波交流を図解で整理します。周期・周波数・角周波数、瞬時値の式 v=Vm sin(ωt+θ)、位相差、実効値 Vm/√2 と平均値 2Vm/π、波形率・波高率までを例題つきで確認できます。

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白い壁の2口コンセントの下側に白いプラグが差し込まれ、黒いコードが手前へ伸びている写真
この記事の目次
  1. 正弦波交流とは
  2. 周期・周波数・角周波数の関係
  3. 正弦波交流の瞬時値の式
  4. 位相と位相差の考え方
  5. 実効値とは
  6. 平均値と波形率・波高率
  7. 正弦波交流の例題
  8. よくある質問
  9. 実効値は、なぜ最大値を √2 で割った値になるのですか。
  10. 家庭の 100 V は、最大値と実効値のどちらですか。
  11. 正弦波の平均値が 0 にならないのは、なぜですか。
  12. 位相が進んでいるか遅れているかは、どう見分けますか。
  13. まとめ
図解でわかる 電験三種 理論 1 直列回路 の表紙理論を図解で読む図解でわかる 電験三種 理論 1
直列回路
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直流回路では、電圧も電流も向きと大きさが一定でした(キルヒホッフの法則まで)。コンセントから来る交流は、向きも大きさも周期的に変わり続けるので、「いまの値」「最大の値」「熱の働きで見た値」を区別して扱います。この記事では、正弦波交流の周期・周波数・位相と、実効値・平均値・波形率・波高率の求め方を、図と例題で順に確認します。

正弦波交流の全体像
  • 正弦波交流とは
    • 向きと大きさが周期的に変わる電圧・電流。波形が sin の形
    • 大きさは、瞬時値・最大値・実効値・平均値で表す
  • 周期・周波数・角周波数の関係
    • f = 1 ÷ T、ω = 2πf
  • 正弦波交流の瞬時値の式
    • v = Vm sin(ωt + θ)。θ は初期位相
  • 位相と位相差の考え方
    • 同じ周波数の2つの波のずれが位相差。先に山が来るほうが進み
  • 実効値とは
    • 同じ抵抗に同じ熱を出させる直流の大きさ。正弦波では V = Vm ÷ √2
  • 平均値と波形率・波高率
    • 半周期の平均は 2Vm ÷ π。波形率 = 実効値 ÷ 平均値、波高率 = 最大値 ÷ 実効値

正弦波交流とは

直流の電圧は、電池のように向きも大きさも一定です。これに対して交流は、向きも大きさも一定の周期で入れ替わりながら変化します。時間を横軸にして電圧をグラフにすると、図1のように、直流は水平な線、交流は上下に波打つ線になります。

直流 向きも大きさも一定 t +の向きで一定 交流 向きも大きさも周期的に変わる t +の向き -の向き
図1 直流は向きも大きさも一定、交流は向きも大きさも周期的に変わる

交流の波形が三角関数 sin⁡\sin の形になったものが正弦波交流です。磁界の中でコイルを一定の速さで回すと、コイルに生じる電圧は正弦波になります。発電所の発電機はこの原理で交流を作るので、電力の分野で交流といえば、ふつう正弦波交流を指します。

図2のオシロスコープは、電圧が時間とともに変わるようすを、画面に波形として映す測定器です。

黒い本体の画面に、緑色の正弦波が4周期ぶん映り、格子状の目盛りが重なっているオシロスコープの写真
  1. 画面 電圧の時間変化を波形で映す
  2. 波形 山と谷がくり返す正弦波
  3. 格子 目盛りの読み取りに使う
  4. つまみ 波の大きさや位置を調整する
図2 オシロスコープの画面。交流の電圧が正弦波として映る(写真はイメージ)

交流の大きさを表す値は、次の4つに分けて使います。

名前記号意味
瞬時値vvある瞬間の値
最大値VmV_m波の山の高さ
実効値VV熱の働きで見た値
平均値VavV_{\mathrm{av}}半周期の平均

このうち実効値と平均値は、あとの節で求め方を確かめます。

周期・周波数・角周波数の関係

波が1回分くり返す時間を周期 T [s]T\,\mathrm{[s]}、1秒間にくり返す回数を周波数 f [Hz]f\,\mathrm{[Hz]} といいます。

f=1Tf = \frac{1}{T}

日本の商用周波数は、東日本が 50 [Hz]50\,\mathrm{[Hz]}、西日本が 60 [Hz]60\,\mathrm{[Hz]} です。50 [Hz]50\,\mathrm{[Hz]} なら周期は T=1/50=0.02 [s]=20 [ms]T = 1/50 = 0.02\,\mathrm{[s]} = 20\,\mathrm{[ms]} になります。

交流の波は、長さ VmV_m の矢印が一定の速さで反時計回りに回るようすで表せます。図3のように、矢印の先の高さを、回った角度に合わせて横に並べると正弦波になります。

θ Vm ωt Vm 0° 0 180° π 360° 2π 1回転 = 2π rad = 360° で、波形は1周期
図3 回転ベクトルの高さを、回った角度に合わせて横に並べると正弦波になる

矢印が1周すると 360°(2π [rad]2\pi\,\mathrm{[rad]})回るので、回る速さ(角周波数)ω\omega は、次のとおりです。

ω=2πf=2πT [rad/s]\omega = 2\pi f = \frac{2\pi}{T}\,\mathrm{[rad/s]}

50 [Hz]50\,\mathrm{[Hz]} なら ω=2π×50≈314 [rad/s]\omega = 2\pi \times 50 \approx 314\,\mathrm{[rad/s]}、60 [Hz]60\,\mathrm{[Hz]} なら ω=2π×60≈377 [rad/s]\omega = 2\pi \times 60 \approx 377\,\mathrm{[rad/s]} です。回る矢印を複素数で扱う方法は、複素数と記号法で確かめます。

図4の発電機は、回転の速さに応じた周波数の交流を作ります。

発電所の建屋の中に、青い円筒形の発電機が手前と奥に並んでいる写真。手すりのついた通路と、窓の外の水面が見える
  1. 発電機(手前) 青い円筒形の本体
  2. 発電機(奥) 同じ形の機械が奥にも並ぶ
  3. 通路 手すり付きの通路
  4. 窓 建屋の外は水面
図4 発電所の建屋に並ぶ円筒形の発電機。回転の速さに応じた周波数の交流ができる(写真はイメージ)

正弦波交流の瞬時値の式

正弦波交流の電圧の瞬時値 vv は、時間 tt の関数として次のように書けます。

v=Vmsin⁡(ωt+θ)v = V_m \sin(\omega t + \theta)
記号名前単位
VmV_m最大値V\mathrm{V}
ω\omega角周波数rad/s\mathrm{rad/s}
θ\theta初期位相rad\mathrm{rad} や °

ωt+θ\omega t + \theta が、その瞬間の位相(回っている矢印の角度)です。t=0t = 0 のとき v=Vmsin⁡θv = V_m \sin\theta で、θ\theta は、t=0t = 0 で矢印がどこまで回っているかを表します。図5のように、θ>0\theta > 0 の波は、θ=0\theta = 0 の波を左(時間の早いほう)へ θ\theta だけずらした形です。

ωt 0° 90° 180° 270° 360° Vm -Vm 周期 T θ = 30° v = Vm sin(ωt + θ) Vm sin ωt(θ = 0 の基準)
図5 初期位相 θ だけ左へずれた波が v = Vm sin(ωt + θ)

sin⁡(ωt+90∘)=cos⁡ωt\sin(\omega t + 90^\circ) = \cos\omega t なので、cos⁡\cos で書かれた波も同じ正弦波交流です。式を読むときは、sin⁡\sin の中を同じ単位にそろえます。

位相と位相差の考え方

同じ周波数の2つの交流の波が、時間のずれをどれだけ持つかを表すのが位相差です。電圧と電流を次のようにおくと、位相差 ϕ\phi は初期位相の差です。

v=Vmsin⁡(ωt+θv)i=Imsin⁡(ωt+θi)ϕ=θv−θi\begin{gathered} v = V_m \sin(\omega t + \theta_v) \\ i = I_m \sin(\omega t + \theta_i) \\ \phi = \theta_v - \theta_i \end{gathered}

図6では、電圧 vv の山が電流 ii の山より 60∘60^\circ 先に来ています。このとき「vv は ii より 60∘60^\circ 進んでいる」といい、同じことを「ii は vv より 60∘60^\circ 遅れている」ともいいます。グラフでは、時間は右へ進むので、左にある波のほうが先に同じ値になります。

ωt 0° 90° 180° 270° 360° 位相差 φ = 60° 電圧 v = sin(ωt + 60°) 電流 i = sin ωt v は i より 60° 進み、i は v より 60° 遅れ
図6 電圧 v の山が電流 i の山より 60° 早く来る。v は i より位相が 60° 進んでいる

位相差には、次の呼び名があります。

位相差呼び名波のようす
0∘0^\circ同相山と谷が同時
90∘90^\circ直角一方が山のとき他方は 0
180∘180^\circ逆相一方が山のとき他方は谷

コイルでは電流が電圧より 90∘90^\circ 遅れ、コンデンサでは 90∘90^\circ 進みます。くわしくは、RLC直列回路のインピーダンスで確かめます。

実効値とは

家庭のコンセントの「100 V」は、波の山の高さ(最大値)ではなく、実効値です。交流の電圧や電流の大きさは、とくに断らなければ実効値で表します。

実効値は、熱の働きで直流と比べて決めます。図7のように、同じ抵抗 RR に、交流を流したときと直流を流したときで、同じ熱を出すとします。そのときの直流の大きさが、その交流の実効値です。

R 熱 R 熱 交流(実効値 V) 直流(大きさ V) = 同じ熱 同じ時間に同じ熱が出るとき、両方の V は等しい
図7 同じ抵抗に同じ熱を出させる直流の大きさが、その交流の実効値

抵抗で出る熱は、電流の2乗に比例します。そこで、瞬時値を2乗して、平均をとり、平方根をとります(英語で root mean square、略して RMS)。正弦波 v=Vmsin⁡ωtv = V_m \sin\omega t の2乗は、次のように変形できます。

v2=Vm2sin⁡2ωt=Vm22 (1−cos⁡2ωt)\begin{aligned} v^2 &= V_m^2 \sin^2\omega t \\ &= \frac{V_m^2}{2}\,(1 - \cos 2\omega t) \end{aligned}

図8のように、2乗すると負の部分がなくなり、波は Vm2/2V_m^2/2 を中心に上下します。cos⁡2ωt\cos 2\omega t の平均は 0 なので、v2v^2 の平均は Vm2/2V_m^2/2 です。

0° 90° 180° 270° 360° ωt Vm2 Vm2/2 v2 = Vm2 sin2ωt 平均 v2 はつねに 0 以上で、平均は山の高さのちょうど半分
図8 v を2乗すると負の部分がなくなり、平均は Vm の2乗の半分になる

平均の平方根をとると、実効値 VV が求まります。

V=Vm22=Vm2V = \sqrt{\frac{V_m^2}{2}} = \frac{V_m}{\sqrt{2}}

図9に、この手順をまとめます。

1. 2乗する Vm2 sin2ωt つねに 0 以上 2. 平均をとる Vm2/2 山の半分の高さ 3. 平方根をとる Vm/√2 ≒ 0.707 Vm 実効値 V = √(v2 の平均)= Vm/√2
図9 実効値は「2乗する → 平均をとる → 平方根をとる」の順で求める

実効値 100 [V]100\,\mathrm{[V]} の電圧の最大値は、100×1.414≈141 [V]100 \times 1.414 \approx 141\,\mathrm{[V]} です。この係数 1/21/\sqrt{2} は正弦波だけのもので、ほかの波形では変わります。

図10の柱上変圧器で下げた電圧が、家庭に届きます。

青空を背景に、電柱の上に円筒形の変圧器がとりつけられている写真。上に3つの端子と黒いケーブル、下の腕金に3つの端子と電線が見える
  1. 上部の端子 高圧側の接続部
  2. 放熱フィン 中の熱を逃がす
  3. 下部の端子 低圧側の接続部
  4. 電線 下部の端子から左へ伸びる
図10 電柱の上の柱上変圧器。送られてきた電圧を、家庭向けの低い電圧に下げる(写真はイメージ)

家庭の電気機器に表示された「100 V」も、実効値です。図11の扇風機を 100 [V]100\,\mathrm{[V]} の交流につなぐと、電圧は約 141 [V]141\,\mathrm{[V]} と約 −141 [V]-141\,\mathrm{[V]} のあいだを変わり続けますが、熱の働きでは直流 100 [V]100\,\mathrm{[V]} と同じ大きさとして数えます。交流の電圧計や電流計も、ふつう実効値を指示するように目盛られています。計器のしくみは、電気計器で確かめます。

畳の部屋に置かれた白い扇風機の写真。網のガードの中に羽根があり、支柱が丸い台に立っている
  1. 羽根 モーターの回転を風に変える
  2. ガード 羽根を囲む網
  3. モーター 交流で回る(ガードの後ろ)
  4. 支柱 首を支える
  5. 台 本体を安定させる
図11 家庭用の扇風機。100 V の交流で動かすとき、100 V は実効値(写真はイメージ)

平均値と波形率・波高率

正弦波は、全周期で平均すると正の部分と負の部分が打ち消し合って 0 になります。そこで、電気の分野では平均値を、正の半周期だけの平均で決めます。図12のように、山と同じ面積の長方形の高さが平均値です。

ωt Vm Vav 0° 90° 180° 同じ面積 山と同じ面積の長方形の高さが平均値 Vav = 2Vm/π ≒ 0.637 Vm
図12 正弦波の半周期の平均値は、山と同じ面積の長方形の高さ 2Vm/π
Vav=2Vmπ≈0.637 VmV_{\mathrm{av}} = \frac{2V_m}{\pi} \approx 0.637\,V_m

実効値 0.707 Vm0.707\,V_m と平均値 0.637 Vm0.637\,V_m は、近いけれど別の値です。この2つの比と、最大値との比に名前がついています。

波形率=実効値平均値波高率=最大値実効値\begin{aligned} \text{波形率} &= \frac{\text{実効値}}{\text{平均値}} \\[4pt] \text{波高率} &= \frac{\text{最大値}}{\text{実効値}} \end{aligned}

正弦波では、波形率が Vm/22Vm/π=π22≈1.11\dfrac{V_m/\sqrt{2}}{2V_m/\pi} = \dfrac{\pi}{2\sqrt{2}} \approx 1.11、波高率が 2≈1.414\sqrt{2} \approx 1.414 です。ほかの波形は、次のようになります。

波形波形率波高率
正弦波1.111.111.4141.414
方形波1111
三角波1.1551.1551.7321.732

方形波と三角波は、正負が対称な波形です。図13のように、波形が変わると実効値と平均値の比が変わります。三角波の波形率は 2/3≈1.1552/\sqrt{3} \approx 1.155、波高率は 3≈1.732\sqrt{3} \approx 1.732 です。

正弦波 実効値 Vm/√2 平均値 2Vm/π 方形波 実効値 Vm 平均値 Vm 三角波 実効値 Vm/√3 平均値 Vm/2
図13 正弦波・方形波・三角波の実効値と平均値

正弦波交流の例題

例題で使う関係をまとめます。正弦波の場合です。

求めるもの式
周期・角周波数T=1/fT = 1/f、ω=2πf\omega = 2\pi f
位相差初期位相の差
実効値V=Vm/2V = V_m/\sqrt{2}
平均値Vav=2Vm/πV_{\mathrm{av}} = 2V_m/\pi
解答と解説を見る

最大値は、式の係数そのものです。

Vm=200 [V]V_m = 200\,\mathrm{[V]}

実効値は、最大値を 2\sqrt{2} で割ります。

V=2002=1002≈141 [V]\begin{aligned} V &= \frac{200}{\sqrt{2}} \\ &= 100\sqrt{2} \\ &\approx 141\,\mathrm{[V]} \end{aligned}

角周波数は ω=100π [rad/s]\omega = 100\pi\,\mathrm{[rad/s]} なので、周波数と周期は次のとおりです。

f=ω2π=100π2π=50 [Hz]\begin{aligned} f &= \frac{\omega}{2\pi} \\ &= \frac{100\pi}{2\pi} \\ &= 50\,\mathrm{[Hz]} \end{aligned}T=1f=150=0.02 [s]=20 [ms]\begin{aligned} T &= \frac{1}{f} \\ &= \frac{1}{50} \\ &= 0.02\,\mathrm{[s]} \\ &= 20\,\mathrm{[ms]} \end{aligned}

初期位相は θ=π/6 [rad]=30∘\theta = \pi/6\,\mathrm{[rad]} = 30^\circ です。

解答と解説を見る

初期位相は、vv が 30∘30^\circ、ii が −30∘-30^\circ です。位相差は、その差です。

ϕ=30∘−(−30∘)=60∘\begin{aligned} \phi &= 30^\circ - (-30^\circ) \\ &= 60^\circ \end{aligned}

差が正なので、電圧 vv のほうが 60∘60^\circ 進んでいます(電流 ii が 60∘60^\circ 遅れています)。

実効値は、最大値を 2\sqrt{2} で割ります。

V=1002≈70.7 [V]\begin{aligned} V &= \frac{100}{\sqrt{2}} \\ &\approx 70.7\,\mathrm{[V]} \end{aligned}I=42≈2.83 [A]\begin{aligned} I &= \frac{4}{\sqrt{2}} \\ &\approx 2.83\,\mathrm{[A]} \end{aligned}
解答と解説を見る

最大値は、実効値の 2\sqrt{2} 倍です。

Vm=2×100≈141.4 [V]\begin{aligned} V_m &= \sqrt{2} \times 100 \\ &\approx 141.4\,\mathrm{[V]} \end{aligned}

平均値は、最大値の 2/π2/\pi 倍です。

Vav=2Vmπ≈2×141.43.1416≈90.0 [V]\begin{aligned} V_{\mathrm{av}} &= \frac{2V_m}{\pi} \\ &\approx \frac{2 \times 141.4}{3.1416} \\ &\approx 90.0\,\mathrm{[V]} \end{aligned}

検算すると、波形率は 100/90.0≈1.11100/90.0 \approx 1.11 で、正弦波の波形率と一致します。

解答と解説を見る

sin⁡\sin の中を、まず度に直して求めます。

ωt=100π×1600=π6=30∘\begin{aligned} \omega t &= 100\pi \times \frac{1}{600} \\ &= \frac{\pi}{6} \\ &= 30^\circ \end{aligned}

初期位相 π/6=30∘\pi/6 = 30^\circ を足すと、位相は 60∘60^\circ です。

v=1002 sin⁡60∘=1002×32=506≈122.5 [V]\begin{aligned} v &= 100\sqrt{2}\,\sin 60^\circ \\ &= 100\sqrt{2} \times \frac{\sqrt{3}}{2} \\ &= 50\sqrt{6} \\ &\approx 122.5\,\mathrm{[V]} \end{aligned}
解答と解説を見る

実効値と平均値は、最大値からそのまま出ます。

V=603≈34.6 [V]\begin{aligned} V &= \frac{60}{\sqrt{3}} \\ &\approx 34.6\,\mathrm{[V]} \end{aligned}Vav=602=30 [V]\begin{aligned} V_{\mathrm{av}} &= \frac{60}{2} \\ &= 30\,\mathrm{[V]} \end{aligned}

波形率は、実効値を平均値で割ります。

VVav=34.630≈1.155\begin{aligned} \frac{V}{V_{\mathrm{av}}} &= \frac{34.6}{30} \\ &\approx 1.155 \end{aligned}

三角波の波形率 2/3≈1.1552/\sqrt{3} \approx 1.155 と一致します。

よくある質問

実効値は、なぜ最大値を √2 で割った値になるのですか。

実効値は、抵抗で出る熱の平均が同じになる直流の大きさです。熱は電流の2乗に比例するので、瞬時値を2乗して平均をとります。正弦波の2乗の平均は最大値の2乗の半分になり、その平方根をとるので、1/21/\sqrt{2} が出ます。

家庭の 100 V は、最大値と実効値のどちらですか。

実効値です。最大値は約 141 [V]141\,\mathrm{[V]} で、電圧はこの値と、反対向きの約 −141 [V]-141\,\mathrm{[V]} のあいだを往復しています。

正弦波の平均値が 0 にならないのは、なぜですか。

全周期で平均すれば 0 ですが、電気では、正の半周期だけの平均を平均値と決めているからです。正弦波では、2Vm/π≈0.637 Vm2V_m/\pi \approx 0.637\,V_m になります。

位相が進んでいるか遅れているかは、どう見分けますか。

グラフで、山が左(時間の早いほう)に来る波が、進んでいる波です。式では、初期位相が大きいほうが進みです。v=sin⁡(ωt+60∘)v = \sin(\omega t + 60^\circ) と i=sin⁡ωti = \sin\omega t なら、vv が 60∘60^\circ 進んでいます。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

周期 TT と周波数 ff、角周波数 ω\omega の関係は?

f=1/Tf = 1/T、ω=2πf\omega = 2\pi f です。50 Hz50\,\mathrm{Hz} なら T=20 msT = 20\,\mathrm{ms} です。

瞬時値の式 v=Vmsin⁡(ωt+θ)v = V_m\sin(\omega t + \theta) の VmV_m、ω\omega、θ\theta は、それぞれ何ですか?

VmV_m は最大値、ω\omega は角周波数、θ\theta は初期位相です。

電圧の初期位相が 30∘30^\circ、電流が −30∘-30^\circ のとき、位相差と進みの向きは?

位相差は 60∘60^\circ で、電圧が進み、電流が遅れています。

正弦波の実効値と最大値の関係は? それはなぜですか?

V=Vm/2V = V_m/\sqrt{2} です。熱は2乗に比例するので、2乗の平均の平方根をとったためです。

正弦波の平均値(半周期)は、最大値の何倍ですか?

2/π≈0.6372/\pi \approx 0.637 倍です。

波形率と波高率の式と、正弦波での値は?

波形率は実効値÷平均値で約 1.11、波高率は最大値÷実効値で 2≈1.414\sqrt{2} \approx 1.414 です。

まとめ

  • 正弦波交流の大きさは、瞬時値・最大値・実効値・平均値で表す。とくに断らなければ実効値
  • 周波数 f=1/Tf = 1/T、角周波数 ω=2πf\omega = 2\pi f。瞬時値は v=Vmsin⁡(ωt+θ)v = V_m\sin(\omega t + \theta)
  • 同じ周波数の2つの波の初期位相の差が位相差。山が先に来るほうが進んでいる
  • 正弦波の実効値は V=Vm/2V = V_m/\sqrt{2}、半周期の平均値は Vav=2Vm/πV_{\mathrm{av}} = 2V_m/\pi
  • 波形率は実効値÷平均値(正弦波で約 1.11)、波高率は最大値÷実効値(正弦波で約 1.414)

次は、コイルやコンデンサのある回路で、電圧と電流の位相がどうずれるかを、RLC直列回路のインピーダンスで確かめましょう。実効値の電圧と電流から電力を求める方法は、有効電力・無効電力・皮相電力で扱います。

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