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機械自動制御 / フィードバック制御16分で読めます

フィードバック制御と PID 制御|比例・積分・微分動作の違いと定常偏差を図解

電験三種 機械のフィードバック制御と PID 制御を図解で整理します。制御の分類、オンオフ制御、比例・積分・微分動作の違い、定常偏差 1/(1+K) の求め方を、例題と解答つきで確認できます。

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工場のオレンジ色の産業用ロボットアームが、金属の部品をつかもうとしている写真
この記事の目次
  1. フィードバック制御とは?フィードフォワード制御との違い
  2. フィードフォワード制御との違い
  3. 制御の分類とオンオフ制御
  4. 目標値による分類
  5. 制御量による分類
  6. オンオフ制御とハンチング
  7. PID 制御の比例・積分・微分動作の違い
  8. P・I・D それぞれの動作
  9. 比例制御だけだと偏差が残る理由
  10. PID の組合せと応答の比較
  11. 定常偏差の求め方(比例ゲイン K との関係)
  12. 例題と間違えやすいところ
  13. よくある質問
  14. フィードバック制御とフィードフォワード制御の違いは何ですか。
  15. PID 制御の P・I・D は何の略ですか。
  16. 比例制御だけで、なぜ定常偏差が残るのですか。
  17. 比例ゲイン K を大きくすれば、定常偏差は 0 になりますか。
  18. まとめ
図解でわかる 電験三種 機械 1 直流機 の表紙機械を図解で読む図解でわかる 電験三種 機械 1
直流機
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フィードバック制御は、制御の結果(制御量)を測って目標値と比べ、そのずれ(偏差)を小さくするように操作を続ける制御です。代表的な方式が PID 制御で、偏差の大きさ(比例)、積み上げ(積分)、変化の速さ(微分)の 3 つから操作量を決めます。電験三種 機械では、各動作の性質と、比例制御で残る定常偏差 1/(1+K)1/(1+K) を押さえておきたいところです。この記事では、制御の分類からオンオフ制御、PID 制御、定常偏差、例題までを図で順に確認します。

フィードバック制御と PID 制御の全体像
  • フィードバック制御とは
    • 結果を測って目標と比べ、ずれを直す。フィードフォワード制御との違い
  • 制御の分類とオンオフ制御
    • 目標値の形と制御量の種類で分ける。オンオフ制御は上下をくり返す
  • PID 制御
    • 比例・積分・微分動作の役割と、PI・PD・PID の組合せ
  • 定常偏差の求め方
    • 単位ステップ入力で ess=1/(1+K)e_{ss} = 1/(1+K)、積分要素があれば 0
  • 例題と間違えやすいところ
    • 分類、PID の性質、定常偏差、オンオフの読み取り

フィードバック制御とは?フィードフォワード制御との違い

フィードバック制御とは、制御したい量(制御量)を測り、目標値と比べて、そのずれ(偏差)を小さくする向きに操作を加え続ける制御です。結果を見て直すので、あらかじめ分かっていなかった乱れ(外乱)があっても、偏差として現れれば直せます。

身近な例が、エアコンの室温制御です(図1)。設定温度(目標値)と室温(制御量)を比べ、室温が高ければ冷やし、低ければ弱める、という動作をくり返します。

白い壁に取り付けた操作パネルの写真。上部にエアコンの吹き出し口があり、パネルには無地の液晶表示部と 4 つの丸いボタンが並んでいる
  1. エアコン 室温を変える側。冷風や温風を出す
  2. 表示部 設定温度や室温を表示する部分
  3. ボタン 目標値(設定温度)を決める
図1 壁の操作パネルで設定温度を決めると、エアコンが室温を測りながら運転を調整する(写真はイメージ)

用語を室温の例で並べます。偏差は「目標値 − 制御量」で、これを小さくするように操作量を変えるのがフィードバック制御です。

用語意味室温の例
目標値保ちたい値設定温度
制御量制御したい量室温
偏差目標値と制御量の差設定との差
操作量加える量冷風の強さ
外乱乱す原因窓からの日差し

構成図の描き方や、フィードバック結合の伝達関数の求め方は、ブロック線図と伝達関数で説明しました。この記事では、調節部の動作と、落ち着いたあとに残る偏差を扱います。

フィードフォワード制御との違い

フィードフォワード制御(FF 制御)は、外乱を先に測り、その影響が制御量に出る前に補正する制御です。これに対して、制御量を測って戻す制御を、フィードバック制御(FB 制御)と呼びます。違いを図2と表にまとめます。

フィードフォワード制御:外乱を先に測って補正 外乱 外乱を測る 補正する 制御対象 制御量 制御量は測らない。測っていない外乱は直せない フィードバック制御:結果を測って目標と比べる 目標値 + − 調節部 制御対象 制御量 制御量を測って戻す 目標とのずれ(偏差)を小さくするよう調節する
図2 フィードフォワード制御は「原因」を、フィードバック制御は「結果」を見て動く
項目FB制御FF制御
測るもの制御量外乱
動き出し偏差が出てから影響が出る前
測らない外乱偏差が出れば直せる直せない

FF 制御は、外乱の影響が出る前に動けるので速い反面、制御量そのものは測りません。測っていない外乱や、補正のずれは直せません。FB 制御は、原因が何であっても偏差が出れば直せますが、偏差が出てからしか動けません。そこで、両方を組み合わせて使うこともあります。

制御の分類とオンオフ制御

制御は、「目標値がどう変わるか」と「何を制御するか」の 2 つの見方で分けます。この 2 つは別々の分け方なので、1 つの制御が両方の名前を持ちます。

目標値による分類

目標値が一定の制御を定値制御、目標値が変化する制御を追値制御と呼びます。追値制御は、目標値の変わり方で、追従制御・プログラム制御・比率制御に分けます(図3)。

定値制御 目標値が一定のまま 追従制御 目標値が不規則に動く プログラム制御 目標値が決めた順に変わる 比率制御 主の量 目標値 目標値が他の量に比例する
図3 目標値の時間変化の4つの形(縦軸は目標値、横軸は時間)
種類目標値の動き例
定値制御一定室温の維持
追従制御不規則に変わる動く目標を追う
プログラム制御決めた順に変わる炉の昇温・降温
比率制御他の量に比例燃料と空気の比

見分けるときは、目標値が何で決まるかを見ます。変わらなければ定値制御、外から与えられて不規則に動くなら追従制御、時間に沿ってあらかじめ決めてあればプログラム制御、別の量に比例して決まるなら比率制御です。

あらかじめ決めた順序や条件で動作を進めるシーケンス制御は、制御量を目標値に近づけ続けるフィードバック制御とは、目的が違います。

制御量による分類

制御量が何かで分けると、サーボ機構、プロセス制御、自動調整の 3 つになります。

種類制御量例
サーボ機構位置・方位・姿勢ロボットアーム
プロセス制御温度・圧力・流量・液位化学プラント
自動調整電圧・周波数・回転速度AVR・調速機

たとえば AVR(自動電圧調整装置)は、制御量が電圧なので自動調整で、目標値が一定なので定値制御でもあります。ロボットアームの先端を動く目標に合わせるなら、サーボ機構で、追従制御です。

プロセス制御は、プラントの配管を流れる流体の圧力・流量・温度・液位などを目標値に保つ制御です(図4)。調節弁の開きを変えて、流量や圧力を調整します。

配管の途中に取り付けた空気式の調節弁と、配管についた丸い圧力計を写した写真。背景にプラントの設備が見える
  1. アクチュエータ 弁を開閉させる駆動部
  2. 圧力計 制御量の圧力を測る
  3. 弁本体 流体の通り道を広げ狭める
  4. 配管 流体が流れる管
図4 配管の調節弁と圧力計。弁の開きを変えて流量や圧力を保つ(写真はイメージ)

サーボ機構は、位置・方位・姿勢のような機械的な量を、目標値に追従させる制御です(図5)。関節の角度を測り、目標の角度とのずれが小さくなるようにモータを動かします。

白い小型ロボットアームの関節部分を写した写真。モータのケースと円筒形の関節、ケーブルの束が見える
  1. モータ 関節を回す力を出す部分
  2. 関節 角度を目標に合わせる部分
  3. ケーブル 電力や信号を送る配線
図5 ロボットアームの関節。角度を測り、目標の角度に合わせてモータを動かす(写真はイメージ)

オンオフ制御とハンチング

オンオフ制御(2 位置制御)は、偏差の符号だけで、操作量を ON と OFF のどちらかにする制御です。設定温度より室温が低ければヒーターを ON、高ければ OFF にします。仕組みが簡単で、家電から産業用の温度調節まで使われています(図6)。

黒い電気ホットプレートの上に置いたステンレスの小鍋に水が入り、棒状のガラス温度計が差してあって湯気が立っている写真
図6 小鍋の水に温度計を入れて測る。測った温度を見て加熱を入れたり切ったりするのがオンオフ制御(写真はイメージ)

ただし、設定温度ちょうどで切り替えると、ON と OFF が細かく入れ替わってしまいます。そこで、ON にする温度と OFF にする温度の間に幅を持たせます。この幅を動作すき間(ヒステリシス)と呼びます。

すき間を持たせると、制御量は設定値を中心に、上下をくり返します(ハンチング)。図7は、室温が時定数 25 分で変わる部屋を例に、設定 25 ℃で数値計算した波形です。

ヒーター ON(温まる) OFF(冷える) すき間 2 ℃(24〜26 ℃で切り替え) 22 23 24 25 26 27 28 0 10 20 30 40 50 60 すき間 4 ℃(23〜27 ℃で切り替え) 22 23 24 25 26 27 28 0 10 20 30 40 50 60 時間 [分] 縦軸は室温 [℃]、破線は設定 25 ℃
図7 オンオフ制御の室温。すき間を広げると、振れも周期も大きくなる(計算で描いた例)

すき間を 2 ℃から 4 ℃に広げると、温度の振れも周期も約 2 倍になっています。すき間が広いと切り替えの回数は減り、機器の負担は軽くなりますが、温度の振れは大きくなります。逆にすき間が狭いと、温度は安定しますが、切り替えが増えます。オンオフ制御では、制御量を目標値にぴったり合わせることはできません。

PID 制御の比例・積分・微分動作の違い

PID 制御は、偏差 ee から操作量 uu を決める調節部の方式の 1 つで、比例(P)動作・積分(I)動作・微分(D)動作を足し合わせます。名前は、Proportional(比例)、Integral(積分)、Derivative(微分)の頭文字です。

P・I・D それぞれの動作

3 つの動作を足した操作量は、次のように書けます。KK は比例ゲイン、TIT_I は積分時間、TDT_D は微分時間です。

u=uP+uI+uDuP=KeuI=KTI∫e dtuD=KTDdedt\begin{gathered} u = u_P + u_I + u_D \\ u_P = K e \\ u_I = \frac{K}{T_I}\int e\,dt \\ u_D = K T_D \frac{de}{dt} \end{gathered}

ラプラス変換して、調節部の伝達関数で表すと次の式です。

Gc(s)=K(1+1TIs+TDs)G_c(s) = K\left(1 + \frac{1}{T_I s} + T_D s\right)

KI=K/TIK_I = K/T_I、KD=KTDK_D = K T_D と置いて、u=KPe+KI∫e dt+KD de/dtu = K_P e + K_I \int e\,dt + K_D\, de/dt と書く本もあります。同じ内容の別の書き方です。

動作見るもの効果と注意
P(比例)偏差の大きさ偏差を小さくする。0 にはできない
I(積分)偏差の積み上げ偏差を消す。強いと振動しやすい
D(微分)偏差の変化の速さ先回りして振動を抑える。雑音に弱い

同じ偏差を 3 つの動作に入れたときの出力を、図8に並べます。偏差 ee は 0 から 1 まで直線的に増えて、その後は一定です。

偏差 e 0 1 2 P 動作の出力 0 1 2 I 動作の出力 0 1 2 D 動作の出力 0 1 2 同じ偏差 e を入れたときの出力(縦軸は同じ縮尺) 横軸は時間。K = 1、TI = 1、TD = 0.5 とした例
図8 P・I・D 動作は同じ偏差に対して、出力の形がまったく違う

P 動作の出力は、偏差と同じ形です。偏差が一定になれば、出力も一定になります。I 動作の出力は、偏差を積み上げた量なので、偏差が残る限り増え続けます。D 動作の出力は、偏差が変化している間だけ出て、偏差が一定になると 0 に戻ります。

比例制御だけだと偏差が残る理由

P 動作は、偏差に比例して操作量を出します。出力が目標値に一致して偏差が 0 になると、操作量も 0 になります。操作量が 0 になれば、出力は目標値から離れてしまいます。そのため、目標値の少し手前で、小さな偏差を残したまま、操作量とつり合って止まります。この残った偏差を、オフセット(定常偏差)と呼びます。

I 動作は、偏差を積み上げ続けるので、偏差が少しでも残っている間は操作量が増えます。操作量が増えて、偏差が 0 になったところで、積み上げが止まります。このとき、偏差が 0 でも、積み上げた分の操作量が残っているので、出力を目標値に保てます。

PID の組合せと応答の比較

実際には、3 つの動作を組み合わせて使います。機体の傾きを目標に保つドローンのような制御でも、PID 制御の考え方が基本です(図9)。

芝生の上の空中で、白い 4 つのローターのドローンが静止している写真。機体の下側にカメラが付いている
  1. ローター 回転の速さを変えて姿勢を保つ
  2. 本体 傾きや高さを測る機器が入る部分
  3. カメラ 機体の下側に付いた撮影用の機器
図9 空中で姿勢を保つドローン。傾きや高さを測り、ローターの回転を調整して保つ制御が必要になる(写真はイメージ)
名前構成特徴
P比例のみ簡単。オフセットが残る
PI比例+積分オフセットを消せる。行き過ぎやすい
PD比例+微分応答が速い。オフセットは残る
PID3 つすべてオフセットを消し、行き過ぎも抑えやすい

図10は、P・PI・PID の応答を、同じ制御対象で比べた数値計算の例です。目標値を 0 から 1 に変えています。

0 0.5 1 0 2 4 6 8 目標値 1 オフセット P PI PID 時間 [s]
図10 P・PI・PID 制御のステップ応答の例(数値計算)。P だけでは目標値に届かない

P 制御は、出力が 0.75 で止まり、0.25 のオフセットが残ります。PI 制御は、オフセットが 0 になりますが、いったん目標値を行き過ぎてから戻ります。PID 制御は、D 動作の先回りで行き過ぎが小さく、早く落ち着きます。数値は、この図の例のものです。

定常偏差の求め方(比例ゲイン K との関係)

定常偏差とは、時間がたって出力が落ち着いたあとに残る偏差です。目標値 R(s)R(s)、一巡伝達関数 G(s)G(s) の単位フィードバック系では、偏差 E(s)E(s) は次の式で表せます。この式は、ブロック線図の等価変換から出ます。

E(s)=R(s)1+G(s)E(s) = \frac{R(s)}{1 + G(s)}

目標値が単位ステップ入力のとき、落ち着いたあとの偏差(定常偏差 esse_{ss})は、s=0s = 0 のときの一巡伝達関数 G(0)G(0) を使って、次のようになります。

ess=11+G(0)e_{ss} = \frac{1}{1 + G(0)}

一次遅れの制御対象を比例制御する場合は、G(s)=K/(1+Ts)G(s) = K/(1 + Ts) なので、G(0)=KG(0) = K です。

ess=11+Ke_{ss} = \frac{1}{1 + K}

偏差の分だけ出力が届かないので、最終的な出力は K/(1+K)K/(1+K) です。比例ゲイン KK を大きくすると、偏差は小さくなります(図11、下の表)。

0 0.5 1 0 1 2 3 4 K = 1:0.5 K = 4:0.8 K = 9:0.9 時間 [s](T = 1 s) 出力(目標値 1 の破線に近いほど偏差が小さい)
図11 比例ゲイン K が大きいほど、定常偏差は小さく、応答は速い
K定常偏差最終の出力
10.50.5
40.20.8
90.10.9

KK を大きくすると、偏差が小さくなるだけでなく、応答も速くなります。閉ループの時定数は T/(1+K)T/(1+K) になるからです。ただし、KK を大きくしすぎると、振動して不安定になることがあります。

一巡伝達関数に積分要素(1/s1/s の因子)が含まれていれば、s→0s \to 0 で G(s)→∞G(s) \to \infty になるので、定常偏差は 0 です。I 動作を含む PI 制御や PID 制御で、オフセットが消えるのはこのためです。

例題と間違えやすいところ

解答と解説を見る

(a)、(c)、(d) が正しいです。

(a) は、制御量が電圧で目標値が一定なので、自動調整であり、定値制御です。正しい記述です。

(b) は、目標値が一定なので、定値制御です。プログラム制御は、目標値が決めた順に変わる制御なので、誤りです。

(c) は、目標値が不規則に動くので、追従制御です。正しい記述です。

(d) は、目標値が別の量(燃料の流量)に比例して決まるので、比率制御です。正しい記述です。

解答と解説を見る

誤っているのは (d) です。

微分動作は、偏差の変化の速さに反応します。偏差が一定なら、変化の速さは 0 なので、出力も 0 です。偏差が一定のまま残っていても、微分動作は打ち消しません。(a)、(b)、(c) は、前の節で確認した性質のとおりで、正しい記述です。

解答と解説を見る

(1) 単位ステップ入力の定常偏差は、1/(1+G(0))1/(1+G(0)) です。

G(0)=K=4ess=11+4=0.2\begin{gathered} G(0) = K = 4 \\ e_{ss} = \frac{1}{1 + 4} = 0.2 \end{gathered}

出力の最終値は、1−0.2=0.81 - 0.2 = 0.8 です。TT は応答の速さに関係しますが、最終的な偏差には関係しません。

(2) 定常偏差が 5 %以下の条件は、

11+K≤0.051+K≥20K≥19\begin{gathered} \frac{1}{1+K} \le 0.05 \\ 1 + K \ge 20 \\ K \ge 19 \end{gathered}

なので、最小の整数値は K=19K = 19 です。K=19K = 19 のとき偏差はちょうど 0.05、K=18K = 18 のとき約 0.053 で、条件を満たしません。

(3) s→0s \to 0 で、G(s)→K/s→∞G(s) \to K/s \to \infty になるので、1/(1+G(s))1/(1+G(s)) は 0 に近づき、ess=0e_{ss} = 0 です。積分要素(1/s1/s)を含むので、定常偏差は 0 になります。

図12は、ある部屋の室温を、設定 25 ℃のオンオフ制御で保ったときの記録です。

22 23 24 25 26 27 28 0 10 20 30 40 50 60 破線は設定 25 ℃ 室温 [℃] 時間 [分]
図12 例題4のグラフ。室温が上下をくり返す
解答と解説を見る

(1) 室温が下がって 23 ℃になると ON になり、上がって 27 ℃になると OFF になります。グラフの最低値と最高値を読みます。

(2) ON の温度と OFF の温度の差なので、27−23=4 [∘C]27 - 23 = 4\ [{}^{\circ}\mathrm{C}] です。

(3) 山が約 10 分、約 30 分、約 51 分にあるので、周期は約 20 分です。

(4) すき間を狭めると、周期は短くなり、切り替えの回数は増えます。図7の上段(すき間 2 ℃)は、周期が約 10 分で、図12より半分ほどになっています。そのかわり、温度の振れは小さくなります。

間違えやすいところを整理します。

よくある質問

フィードバック制御とフィードフォワード制御の違いは何ですか。

フィードバック制御は、制御量(結果)を測って目標値と比べ、ずれを直します。フィードフォワード制御は、外乱(原因)を先に測り、影響が出る前に補正します。前者は測らない外乱にも対応できますが、偏差が出てからしか動けません。後者は速く動けますが、測っていない外乱は直せません。

PID 制御の P・I・D は何の略ですか。

Proportional(比例)、Integral(積分)、Derivative(微分)の頭文字です。偏差の大きさ、偏差の積み上げ、偏差の変化の速さに、それぞれ対応します。

比例制御だけで、なぜ定常偏差が残るのですか。

偏差が 0 になると、比例動作の操作量も 0 になるためです。出力を保つのに操作量が必要な制御対象では、小さな偏差を残して、操作量とつり合って止まります。積分動作を加えると、偏差が 0 になるまで操作量が増え続けるので、定常偏差を 0 にできます。

比例ゲイン K を大きくすれば、定常偏差は 0 になりますか。

比例ゲインを大きくしても、定常偏差は小さくなるだけで、0 にはなりません。単位ステップ入力では 1/(1+K)1/(1+K) だからです。さらに、大きくしすぎると振動して不安定になることがあります。偏差を 0 にしたいときは、積分要素を入れます。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

フィードバック制御とフィードフォワード制御は、何を測るかでどう違いますか?

フィードバック制御は制御量(結果)を測って戻し、フィードフォワード制御は外乱(原因)を先に測って補正します。

追値制御に含まれる 3 つの制御は何ですか?

追従制御、プログラム制御、比率制御です。目標値が一定の制御は、定値制御です。

制御量による分類で、サーボ機構・プロセス制御・自動調整は、それぞれ何を制御しますか?

サーボ機構は位置・方位・姿勢、プロセス制御は温度・圧力・流量・液位、自動調整は電圧・周波数・回転速度です。

P・I・D の各動作は、偏差のどんな量に反応しますか?

P は偏差の大きさ、I は偏差の積み上げ、D は偏差の変化の速さです。

比例制御だけで偏差が残るのはなぜですか?どの動作で消せますか?

偏差が 0 になると操作量も 0 になるためです。積分動作で消せます。

単位ステップ入力で、一巡伝達関数 K/(1+Ts)K/(1+Ts) の定常偏差はいくつですか?

1/(1+K)1/(1+K) です。積分要素を含む場合は 0 になります。

まとめ

  • フィードバック制御は、制御量を測って目標値と比べ、偏差を小さくする制御。フィードフォワード制御は、外乱を先に測って補正する
  • 目標値による分類は、定値制御と追値制御(追従・プログラム・比率)。制御量による分類は、サーボ機構・プロセス制御・自動調整
  • オンオフ制御は、偏差の符号で ON と OFF を切り替える。制御量は設定値のまわりで上下をくり返す
  • PID 制御は、P(偏差の大きさ)・I(積み上げ)・D(変化の速さ)を足し合わせる。P だけだとオフセットが残り、I で消せる
  • 単位ステップ入力の定常偏差は、G(s)=K/(1+Ts)G(s) = K/(1+Ts) なら 1/(1+K)1/(1+K)。積分要素を含めば 0

次は、周波数応答とボード線図で、入れる信号の周波数を変えたときの出力の変化を調べましょう。そのあと、安定判別で、フィードバックをかけすぎて振動する条件を確かめます。

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