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機械自動制御 / 周波数応答15分で読めます

ボード線図の書き方|周波数応答のゲイン [dB] と位相、一次遅れの折れ点を図解

電験三種 機械のボード線図と周波数応答を図解で整理します。周波数伝達関数、ゲイン [dB] と位相の求め方、一次遅れの折れ点、直列結合、ベクトル軌跡を、例題と解答つきで確認できます。

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黒い操作盤に 6 つの丸いつまみと 6 本の縦のスライドつまみ(フェーダー)が並んでいる写真
この記事の目次
  1. 周波数応答とボード線図とは?
  2. 周波数伝達関数とゲイン [dB] の求め方
  3. 要素ごとのボード線図の形と折れ点
  4. 比例・積分・微分要素のボード線図
  5. 一次遅れ要素のボード線図と折れ点
  6. 直列結合とベクトル軌跡
  7. 直列結合はゲイン [dB] と位相を足す
  8. ベクトル軌跡は一次遅れなら半円
  9. 二次遅れ要素と共振
  10. 例題と間違えやすいところ
  11. よくある質問
  12. ボード線図とは何ですか。
  13. ゲインが 0 dB とは、どういう意味ですか。
  14. 折れ点周波数は、どう求めますか。
  15. ボード線図とベクトル軌跡は、何が違いますか。
  16. まとめ
図解でわかる 電験三種 機械 1 直流機 の表紙機械を図解で読む図解でわかる 電験三種 機械 1
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周波数応答とは、入れる正弦波の周波数を変えたとき、出力の大きさと遅れがどう変わるかのことです。その変わり方を、ゲイン [dB] と位相の 2 枚のグラフにしたものが、ボード線図です。この記事では、周波数伝達関数 G(jω)G(j\omega) の求め方から、要素ごとのボード線図の形、一次遅れの折れ点、ベクトル軌跡までを、図と例題で順に確認します。

結論から言うと、押さえるのは 3 点です。ゲインは 20log⁡10∣G∣20\log_{10}|G| [dB]。積分要素は −20 dB/dec-20\ \mathrm{dB/dec} で位相 −90∘-90^{\circ}。一次遅れの折れ点は ω=1/T\omega = 1/T で、そこでゲインは約 −3 dB-3\ \mathrm{dB}、位相は −45∘-45^{\circ} です。

ボード線図と周波数応答の全体像
  • 周波数応答とボード線図とは
    • 周波数を変えたときの、振幅の比(ゲイン)と位相のずれ
  • 周波数伝達関数とゲイン [dB]
    • ss を jωj\omega に置き換え、g=20log⁡10∣G∣g = 20\log_{10}|G| で [dB] にする
  • 要素ごとのボード線図と折れ点
    • 比例・積分・微分は直線、一次遅れは ω=1/T\omega = 1/T で折れる
  • 直列結合とベクトル軌跡
    • ゲイン [dB] と位相は足し算。一次遅れの軌跡は半円
  • 例題と間違えやすいところ
    • ゲインと位相の計算、グラフからの読み取り

周波数応答とボード線図とは?

安定な系に、角周波数 ω [rad/s]\omega\ \mathrm{[rad/s]} の正弦波を入れ続けると、十分に時間がたったあとの出力は、同じ角周波数の正弦波になります(図1)。入力と出力で違うのは、振幅と、山のずれの 2 つだけです。

入力:振幅 1 出力:振幅 |G| 時間 t → 位相の遅れ φ 出力の振幅 ÷ 入力の振幅 = ゲイン |G(jω)| 山のずれの角度 = 位相 φ(遅れは負の角度)
図1 入力が正弦波なら、出力も同じ周波数の正弦波。違うのは振幅と山のずれだけ

振幅の比がゲイン ∣G(jω)∣|G(j\omega)|、山のずれの角度が位相 φ\varphi です。出力が遅れるときは、位相を負の角度で表します。

ω\omega を変えると、ゲインと位相も変わります。そこで、横軸に ω\omega、縦軸にゲインと位相をとって描いたグラフが、ボード線図です。ゲインの縦軸は [dB]、位相の縦軸は [°]、横軸は ω\omega の対数目盛りで、ゲインを描く上のグラフと、位相を描く下のグラフの 2 枚で 1 組になります。

実験では、入力と出力の波形を並べて、振幅の比とずれを読みます(図2)。

黒い画面に緑と黄色の正弦波が 2 本ずれて重なって表示されているオシロスコープの写真。画面の右側にボタンとつまみが並び、右下にケーブルがつながっている
  1. 緑の波 山が先に来るほう
  2. 黄の波 山が少し遅れるほう
  3. 格子 振幅とずれを読む目盛り
  4. つまみ 表示の範囲を調整する
  5. ケーブル 測る信号をつなぐ
図2 2 つの波形を重ねて、振幅の比と山のずれを読む(写真はイメージ)

発振器で周波数を少しずつ変え、そのたびに振幅の比と遅れを記録してグラフにつなげば、ボード線図ができます(図3)。

灰色の箱型の機器の正面に、無地の黒い画面と黒い丸いつまみがあり、右側から手がつまみを回している写真。機器は木の机の上に置かれている
  1. 画面 設定した値を表示する部分
  2. つまみ 周波数などを変える
  3. 手 つまみを回して設定する
図3 周波数を変えながら、出力の変化を調べる(写真はイメージ)

周波数伝達関数とゲイン [dB] の求め方

伝達関数 G(s)G(s) の ss を jωj\omega に置き換えたものが、周波数伝達関数 G(jω)G(j\omega) です。複素数なので、大きさと偏角を求めれば、ゲインと位相が分かります。

∣G(jω)∣=(大きさ)φ=∠G(jω)=(偏角)\begin{gathered} |G(j\omega)| = (\text{大きさ}) \\ \varphi = \angle G(j\omega) = (\text{偏角}) \end{gathered}

たとえば一次遅れ G(s)=1/(1+Ts)G(s) = 1/(1+Ts) なら、

G(jω)=11+jωT∣G∣=11+(ωT)2φ=−arctan⁡(ωT)\begin{gathered} G(j\omega) = \frac{1}{1 + j\omega T} \\ |G| = \frac{1}{\sqrt{1 + (\omega T)^2}} \\ \varphi = -\arctan(\omega T) \end{gathered}

です。分母 1+jωT1 + j\omega T の大きさが 1+(ωT)2\sqrt{1+(\omega T)^2}、偏角が arctan⁡(ωT)\arctan(\omega T) で、分母なので逆数と符号反転になります。複素数の大きさと偏角の求め方は、電験の複素数の使い方で説明しています。

ゲインは、そのまま使わず、デシベル [dB] に直して描きます。

g=20log⁡10∣G∣ [dB]g = 20\log_{10}|G|\ \mathrm{[dB]}

対数にするのは、倍率が何桁も変わる量を 1 枚のグラフに収め、直列結合を足し算で扱うためです。計算には log⁡102≒0.301\log_{10}2 \fallingdotseq 0.301 を使います。

20log⁡1010=2020log⁡102≒20×0.301=6.0220log⁡1012=−10log⁡102≒−3.0120log⁡100.1=−20\begin{gathered} 20\log_{10}10 = 20 \\ 20\log_{10}2 \fallingdotseq 20 \times 0.301 = 6.02 \\ 20\log_{10}\frac{1}{\sqrt{2}} = -10\log_{10}2 \fallingdotseq -3.01 \\ 20\log_{10}0.1 = -20 \end{gathered}

図4は、∣G∣|G| と [dB] の対応を数直線に並べたものです。

|G| g [dB] 0.1 −20 1/√2 −3 1 0 2 6 10 20 弱まる(g は負) 強まる(g は正)
図4 |G| が 10 倍で 20 dB、2 倍で約 6 dB、1/√2 倍で約 −3 dB、0.1 倍で −20 dB
振幅比g [dB]見方
102010 倍に増える
2約 62 倍に増える
10変わらない
1/21/\sqrt{2}約 −3電力は半分
0.1−201/10 に減る

周波数によってゲインが違う身近な例が、スピーカーです(図5)。1 つの振動板で広い周波数を同じ大きさで出すのは難しいので、多くのスピーカーは、高い音用と低い音用の 2 つを組み合わせます。

木製の箱の正面に、上に小さな黒い丸いユニット、下に大きな黒い丸いユニットが取り付けられたスピーカーの写真。背景は無地のベージュ
  1. 小さいユニット 高い音を受け持つ
  2. 木の箱 2 つのユニットを収める
  3. 大きいユニット 低い音を受け持つ
図5 受け持つ周波数が違う 2 つのユニットを組み合わせたスピーカー(写真はイメージ)

要素ごとのボード線図の形と折れ点

複雑な伝達関数も、基本要素の積に分けて、要素ごとのボード線図を足し合わせれば描けます。基本要素は、比例・積分・微分・一次遅れです。

比例・積分・微分要素のボード線図

それぞれの G(jω)G(j\omega) から、ゲイン gg と位相 φ\varphi は次のように求まります。

  • 比例要素:G=KG = K で、g=20log⁡10Kg = 20\log_{10}K(一定)、φ=0∘\varphi = 0^{\circ}
  • 積分要素:G=1jωTG = \dfrac{1}{j\omega T} で、g=−20log⁡10ωTg = -20\log_{10}\omega T、φ=−90∘\varphi = -90^{\circ}
  • 微分要素:G=jωTG = j\omega T で、g=20log⁡10ωTg = 20\log_{10}\omega T、φ=+90∘\varphi = +90^{\circ}
ゲイン g [dB] 位相 φ [°] −20 0 20 −90 0 90 0.1 1 10 ω [rad/s](T = 1 s の例) 微分 比例 K 積分 微分 +90° 比例 0° 積分 −90°
図6 比例(K = 5)・積分・微分要素のボード線図。積分は −20 dB/dec、微分は +20 dB/dec で、どちらも ω = 1/T で 0 dB

図6のように、比例要素のゲインは水平な線、積分要素と微分要素は直線です。ω\omega が 10 倍になると、ωT\omega T も 10 倍になるので、積分は 20 dB 下がり、微分は 20 dB 上がります。この「10 倍あたりの変化」を dB/dec と書きます(dec は 10 倍の区間のこと)。

要素ゲイン位相
比例水平0°
積分−20 dB/dec−90°
微分+20 dB/dec+90°

積分要素と微分要素は、ω=1/T\omega = 1/T で 0 dB を横切ります。PID 制御の積分動作と微分動作は、この積分要素・微分要素そのものです。PID 制御の性質は、フィードバック制御と PID 制御で説明しています。

一次遅れ要素のボード線図と折れ点

一次遅れ要素 G(s)=1/(1+Ts)G(s) = 1/(1+Ts) の TT は、RC 回路の時定数と同じ意味の時定数です(過渡現象)。ステップ応答や伝達関数の基本は、ブロック線図と伝達関数で説明しました。ここでは、周波数を変えたときの形を見ます。

∣G∣=11+(ωT)2φ=−arctan⁡(ωT)\begin{gathered} |G| = \frac{1}{\sqrt{1 + (\omega T)^2}} \\ \varphi = -\arctan(\omega T) \end{gathered}

ωT\omega T の大きさで、3 つの場合に分けて考えます。

  • ω≪1/T\omega \ll 1/T のとき、∣G∣≒1|G| \fallingdotseq 1 なので 0 dB、位相は約 0∘0^{\circ}
  • ω≫1/T\omega \gg 1/T のとき、∣G∣≒1/(ωT)|G| \fallingdotseq 1/(\omega T) なので −20 dB/dec-20\ \mathrm{dB/dec}、位相は −90∘-90^{\circ} に近づく
  • ω=1/T\omega = 1/T のとき、∣G∣=1/2|G| = 1/\sqrt{2} なので約 −3 dB-3\ \mathrm{dB}、位相は −45∘-45^{\circ}
実際の曲線 漸近線 ゲイン g [dB] 位相 φ [°] −20 −10 0 −90 −45 0 0.1/T 1/T 10/T ω [rad/s] 折れ点で約 −3 dB 折れ点で −45° 0 dB −20 dB/dec
図7 一次遅れ要素 1/(1 + jωT) のボード線図。折れ点 ω = 1/T の前後で形が変わる

図7の 2 本の漸近線(0 dB の水平線と −20 dB/dec-20\ \mathrm{dB/dec} の直線)は、ω=1/T\omega = 1/T で交わります。この角周波数を折れ点周波数と呼びます。実際の曲線は、折れ点で漸近線より 3 dB 下を通ります。

ωゲイン位相
1/T の 0.1 倍約 −0.04 dB−5.7°
1/T(折れ点)約 −3 dB−45°
1/T の 10 倍約 −20 dB−84.3°

直列結合とベクトル軌跡

直列結合はゲイン [dB] と位相を足す

2 つの要素を直列につなぐと、G=G1G2G = G_1 G_2 です。大きさは掛け算、偏角は足し算になるので、

∣G∣=∣G1∣∣G2∣g=g1+g2φ=φ1+φ2\begin{gathered} |G| = |G_1||G_2| \\ g = g_1 + g_2 \\ \varphi = \varphi_1 + \varphi_2 \end{gathered}

です。ゲインを [dB] で表すと、掛け算が足し算になります。ボード線図で対数を使う理由です。

例として、G(jω)=K1+jωTG(j\omega) = \dfrac{K}{1 + j\omega T}(K=10K = 10、T=0.1 [s]T = 0.1\ \mathrm{[s]})を、比例要素 KK と一次遅れ要素の直列と考えます。K=10K = 10 は 20log⁡1010=20 dB20\log_{10}10 = 20\ \mathrm{dB} で、位相は 0∘0^{\circ} です。

比例 K 一次遅れ 合成(足し算) ゲイン g [dB] 位相 φ [°] −40 −20 0 20 −90 −45 0 1 10 100 1000 ω [rad/s] 折れ点 10 K = 10(20 dB) 合成 一次遅れ 合成 折れ点で −45°
図8 K/(1 + jωT) のボード線図(K = 10、T = 0.1 s)。直列結合はゲイン [dB] を足し、位相も足す

図8のように、合成のゲインは、一次遅れのゲインに 20 dB を足した形です。低い周波数では 20 dB、折れ点 ω=1/T=10 rad/s\omega = 1/T = 10\ \mathrm{rad/s} から −20 dB/dec-20\ \mathrm{dB/dec} で下がり、漸近線では ω=K/T=100 rad/s\omega = K/T = 100\ \mathrm{rad/s} で 0 dB を横切ります。位相は KK の影響を受けないので、一次遅れの位相のままです。

ベクトル軌跡は一次遅れなら半円

G(jω)G(j\omega) を、ω\omega を 00 から ∞\infty まで変えながら複素平面に描いた曲線を、ベクトル軌跡(ナイキスト線図とも呼びます)と言います。原点からの距離がゲイン、実軸との角度が位相です。

一次遅れ K/(1+jωT)K/(1 + j\omega T) を x+jyx + jy と書くと、

x=K1+(ωT)2y=−KωT1+(ωT)2\begin{gathered} x = \frac{K}{1 + (\omega T)^2} \\ y = \frac{-K\omega T}{1 + (\omega T)^2} \end{gathered}

で、ω\omega を消すと次の式になります。

(x−K2)2+y2=(K2)2\begin{gathered} \left(x - \frac{K}{2}\right)^2 + y^2 \\ = \left(\frac{K}{2}\right)^2 \end{gathered}

中心 (K/2, 0)(K/2,\ 0)、半径 K/2K/2 の円の、下半分(y≤0y \le 0)です(図9)。

実軸 虚軸 ω = 0 のとき K ω → ∞ ω = 1/T |G| −45° ω を大きくすると 矢印の向きに進む
図9 一次遅れ要素のベクトル軌跡。ω = 0 で K、ω = 1/T で位相 −45°、ω → ∞ で原点

ω=0\omega = 0 で G=KG = K、ω=1/T\omega = 1/T で G=K(1−j)/2G = K(1-j)/2(位相 −45∘-45^{\circ})、ω→∞\omega \to \infty で原点に近づきます。ボード線図とベクトル軌跡は、同じ G(jω)G(j\omega) の別の表し方です。フィードバック系が安定かどうかは、ベクトル軌跡を使って調べられます(安定判別で説明します)。

二次遅れ要素と共振

二次遅れ要素は、ωn\omega_n を固有角周波数、ζ\zeta を減衰係数として、次の形で表します。

G(s)=ωn2s2+2ζωns+ωn2G(s) = \frac{\omega_n^2}{s^2 + 2\zeta\omega_n s + \omega_n^2}

ζ\zeta が小さいと、ωn\omega_n の近くでゲインが山のように盛り上がります(共振)。高い周波数では −40 dB/dec-40\ \mathrm{dB/dec} で下がり、位相は −180∘-180^{\circ} に近づきます。機械の部品に周波数を変えながら振動を加えると、ある周波数で揺れが大きくなるのも、共振の例です(図10)。

鋼の台座の上に穴の開いた金属の天板があり、中央に金属の箱が固定され、天板の下に円筒形の加振器が見える振動試験台の写真
図10 周波数を変えながら揺らして、部品の揺れ方を調べる振動試験台(写真はイメージ)

例題と間違えやすいところ

解答と解説を見る

(1) ω=1\omega = 1 のとき、

∣G∣=101+12g=20−20log⁡102≒20−3.01=17.0 [dB]\begin{aligned} |G| &= \frac{10}{\sqrt{1 + 1^2}} \\ g &= 20 - 20\log_{10}\sqrt{2} \\ &\fallingdotseq 20 - 3.01 \\ &= 17.0\ \mathrm{[dB]} \end{aligned}

位相は φ=−arctan⁡1=−45∘\varphi = -\arctan 1 = -45^{\circ} です。

(2) ω=10\omega = 10 のとき、

∣G∣=10101g=20−10log⁡10101≒20−20.04=−0.04 [dB]\begin{aligned} |G| &= \frac{10}{\sqrt{101}} \\ g &= 20 - 10\log_{10}101 \\ &\fallingdotseq 20 - 20.04 \\ &= -0.04\ \mathrm{[dB]} \end{aligned}

位相は φ=−arctan⁡10=−84.3∘\varphi = -\arctan 10 = -84.3^{\circ} です。ω\omega が大きいほど、位相は −90∘-90^{\circ} に近づきます。

解答と解説を見る

G(jω)=1j0.2ω=−j5ωG(j\omega) = \dfrac{1}{j0.2\omega} = \dfrac{-j5}{\omega} なので、∣G∣=5ω|G| = \dfrac{5}{\omega} です。

(1) 0 dB は ∣G∣=1|G| = 1 のときなので、

5ω=1ω=5 [rad/s]\begin{gathered} \frac{5}{\omega} = 1 \\ \omega = 5\ \mathrm{[rad/s]} \end{gathered}

です。ω=1/T=1/0.2=5\omega = 1/T = 1/0.2 = 5 に当たります。

(2) ω=0.5\omega = 0.5 のとき ∣G∣=10|G| = 10 で、g=20 [dB]g = 20\ \mathrm{[dB]} です。ω=50\omega = 50 のとき ∣G∣=0.1|G| = 0.1 で、g=−20 [dB]g = -20\ \mathrm{[dB]} です。位相は、どちらも −90∘-90^{\circ} です。ω\omega が 100 倍(2 dec)になって、ゲインは 40 dB 下がっています。

図11は、一次遅れ要素 G(s)=K/(1+Ts)G(s) = K/(1 + Ts) のゲイン線図です。

−24 −21 −18 −15 −12 −9 −6 −3 0 3 6 9 12 15 1 10 100 1000 ゲイン g [dB] ω [rad/s]
図11 例題3のゲイン線図(縦軸 [dB]、横軸は対数目盛り。太い縦線は 1・10・100・1000、細い縦線は各 10 倍の区間の 2〜9 倍の位置)
解答と解説を見る

(1) 低い周波数のゲインは約 12 dB です。

20log⁡10K=12log⁡10K=0.6\begin{gathered} 20\log_{10}K = 12 \\ \log_{10}K = 0.6 \end{gathered}

log⁡104=2×0.301=0.602\log_{10}4 = 2 \times 0.301 = 0.602 なので、K≒4K \fallingdotseq 4 です。

(2) 折れ点では、ゲインが低い周波数の値より 3 dB 下がります。12−3=9 dB12 - 3 = 9\ \mathrm{dB} になるのは、図で ω=20 [rad/s]\omega = 20\ \mathrm{[rad/s]} のところです。

T=120=0.05 [s]T = \frac{1}{20} = 0.05\ \mathrm{[s]}

(3) 200 は折れ点 20 の 10 倍です。折れ点から先は −20 dB/dec-20\ \mathrm{dB/dec} なので、

12−20=−8 [dB]12 - 20 = -8\ \mathrm{[dB]}

です。

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GG は、比例 2020、積分 1/s1/s、一次遅れ 1/(1+0.1s)1/(1+0.1s) の直列です。ω=10\omega = 10 では、一次遅れの ωT=10×0.1=1\omega T = 10 \times 0.1 = 1 で、ちょうど折れ点です。

要素g [dB]位相
比例 2026.00°
積分−20−90°
一次遅れ−3.0−45°
合計3.0−135°

比例の 20log⁡1020=20(1+0.301)=26.020\log_{10}20 = 20(1 + 0.301) = 26.0 です。積分の ∣G∣=1/10|G| = 1/10 は −20 dB-20\ \mathrm{dB} です。直列なので、gg も φ\varphi も足し合わせます。

g=26.0−20−3.0=3.0 [dB]g = 26.0 - 20 - 3.0 = 3.0\ \mathrm{[dB]}

です。位相は 0−90−45=−135∘0 - 90 - 45 = -135^{\circ} です。

よくある質問

ボード線図とは何ですか。

周波数伝達関数 G(jω)G(j\omega) を、横軸を ω\omega(対数目盛り)、縦軸をゲイン [dB] と位相 [°] にして描いた 2 枚のグラフです。上がゲイン線図、下が位相線図です。周波数を変えたときの、振幅の比と位相のずれを一目で読めます。

ゲインが 0 dB とは、どういう意味ですか。

∣G∣=1|G| = 1 のことで、入力と出力の振幅が同じです。正の dB は出力のほうが大きく、負の dB は小さくなります。ゲイン線図が 0 dB の線を横切る周波数は、あとで安定を調べるときの目印になります。

折れ点周波数は、どう求めますか。

一次遅れ 1/(1+Ts)1/(1 + Ts) なら ω=1/T [rad/s]\omega = 1/T\ \mathrm{[rad/s]} です。周波数 [Hz] に直すなら、f=ω/(2π)f = \omega/(2\pi) なので 1/(2πT)1/(2\pi T) です。グラフから読むときは、低い周波数のゲインより 3 dB 下がる周波数を探します。

ボード線図とベクトル軌跡は、何が違いますか。

同じ G(jω)G(j\omega) を、別の形で描いたものです。ボード線図は、ゲインと位相を別々のグラフに描き、直列結合を足し算で扱えます。ベクトル軌跡は、複素平面に 1 本の曲線として描き、ω\omega ごとのゲインと位相を同時に見られます。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

周波数応答では、入力と出力の間で何が変わり、何が変わりませんか?

変わるのは振幅(ゲイン)と位相(山のずれ)で、周波数は変わりません。

ゲイン [dB] はどんな式で求め、∣G∣=10, 2, 1/2|G| = 10,\ 2,\ 1/\sqrt{2} では何 dB ですか?

g=20log⁡10∣G∣g = 20\log_{10}|G| です。それぞれ 20 dB、約 6 dB、約 −3-3 dB です。

積分要素と微分要素の、ゲインの傾きと位相は何ですか?

積分は −20 dB/dec-20\ \mathrm{dB/dec} で −90∘-90^{\circ}、微分は +20 dB/dec+20\ \mathrm{dB/dec} で +90∘+90^{\circ} です。

一次遅れ 1/(1+jωT)1/(1 + j\omega T) の折れ点周波数と、そこでのゲイン・位相は何ですか?

ω=1/T\omega = 1/T で、約 −3 dB-3\ \mathrm{dB}、−45∘-45^{\circ} です。高い周波数では −20 dB/dec-20\ \mathrm{dB/dec}、位相は −90∘-90^{\circ} に近づきます。

直列結合 G1G2G_1 G_2 のゲイン [dB] と位相は、どうなりますか?

どちらも足し算で、g=g1+g2g = g_1 + g_2、φ=φ1+φ2\varphi = \varphi_1 + \varphi_2 です。

一次遅れ要素のベクトル軌跡は、どんな形ですか?

ω=0\omega = 0 の KK から原点へ向かう、下半分の半円です。

まとめ

  • 周波数応答は、正弦波の周波数を変えたときの、振幅の比(ゲイン)と位相のずれ。ゲインと位相を、ω\omega の対数目盛りで 2 枚のグラフに描いたものがボード線図
  • 周波数伝達関数は、G(s)G(s) の ss を jωj\omega に置き換えたもの。ゲインは g=20log⁡10∣G∣g = 20\log_{10}|G| [dB]。∣G∣=1|G| = 1 が 0 dB、10 倍で 20 dB、2 倍で約 6 dB
  • 積分は −20 dB/dec-20\ \mathrm{dB/dec} で −90∘-90^{\circ}、微分は +20 dB/dec+20\ \mathrm{dB/dec} で +90∘+90^{\circ}。一次遅れは折れ点 ω=1/T\omega = 1/T で、約 −3 dB-3\ \mathrm{dB}、−45∘-45^{\circ}
  • 直列結合は、ゲイン [dB] も位相も足し算。一次遅れのベクトル軌跡は、下半分の半円

次は、安定判別で、ベクトル軌跡を使ってフィードバック系が安定かどうかを調べましょう。PID 制御の動作や定常偏差は、フィードバック制御と PID 制御で確認できます。

図解でわかる 電験三種 機械 1 直流機 の表紙電験三種 機械を図解で通して読む図解でわかる 電験三種 機械 / 第1巻直流機磁界と電磁力から発電機・電動機の特性、速度制御・効率まで機械の単元を、図と式で1冊ずつ通して読む Kindle 本のシリーズです。例題と練習問題まで入っています。Kindle Unlimited の対象なので、会員は追加料金なしで読めます。Amazon で見る

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デンケンラボ編集部

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