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機械電気機器 / 誘導機13分で読めます

誘導電動機の等価回路とは|二次入力・銅損・出力の比 1:s:(1−s)

電験三種の誘導電動機の等価回路を、変圧器との対応から整理します。二次抵抗 r2/s の意味、二次入力・二次銅損・機械出力の比、トルクの式と比例推移、停動トルクの導き方を図と例題で確認できます。

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木の台の上に置かれた誘導電動機の固定子。積層した鉄心の内側に、銅の巻線が環状に並んでいる写真
この記事の目次
  1. 誘導電動機の等価回路とは?変圧器との対応
  2. 二次側を r2/sr_2/s で書き直す:L 形等価回路
  3. 二次入力・二次銅損・機械出力の比 1:s:(1−s)1:s:(1-s)
  4. トルクの式と同期ワット
  5. 比例推移:二次抵抗を変えるとトルク曲線が横に動く
  6. 等価回路の定数を測る試験
  7. 例題と間違えやすいところ
  8. よくある質問
  9. なぜ二次抵抗を r2/sr_2/s と書くのですか?
  10. 二次効率とは何ですか?
  11. 同期ワットとは何ですか?
  12. 拘束試験では何を測りますか?
  13. まとめ
図解でわかる 電験三種 機械 2 変圧器 の表紙機械を図解で読む図解でわかる 電験三種 機械 2
変圧器
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前の記事では、回転磁界・同期速度・すべりと、トルク特性の形を見ました。この記事では、変圧器の等価回路で二次抵抗 r2r_2 を r2/sr_2/s に書き換えるだけで、電流・電力・トルクがまとめて計算できることを示します。停動トルクが二次抵抗によらない理由も、ここで式から導きます。

誘導電動機の等価回路の全体像
  • 変圧器との対応
    • 一次が固定子、二次が回転子。止まっている(s=1s = 1)ときは、二次を短絡した変圧器と同じ
  • 二次抵抗 r2/sr_2/s の L 形等価回路
    • r2′/s=r2′+r2′(1−s)/sr_2'/s = r_2' + r_2'(1-s)/s と分けると、後ろの項が機械出力に当たる
  • 電力の流れ
    • 二次入力 : 二次銅損 : 機械出力 =1:s:(1−s)= 1 : s : (1-s)
  • トルクと比例推移
    • T=Po/ω=P2/ωsT = P_o/\omega = P_2/\omega_s。r2r_2 を mm 倍にすると、同じトルクを出すすべりも mm 倍
  • 定数を測る試験
    • 無負荷試験で励磁回路、拘束試験で r1+r2′r_1 + r_2' と x1+x2′x_1 + x_2'

誘導電動機の等価回路とは?変圧器との対応

誘導電動機の等価回路とは、固定子と回転子の電気的な関係を、1 相分の電気回路で表したものです。回転磁界を主磁束とみなすと、固定子(一次)に電圧を加え、回転子(二次)に電圧が誘導されるしくみは、変圧器とそっくりです。そのため、変圧器の等価回路の考え方をそのまま使えます。

変圧器誘導電動機
一次巻線固定子巻線
二次巻線回転子巻線(短絡されている)
主磁束回転磁界
二次の周波数 ff回転子の周波数 f2=sff_2 = sf
励磁電流は小さい空隙があるので、励磁電流は大きめ

違いは 2 つです。1 つは、固定子と回転子の間に空隙があるため、励磁電流が変圧器より大きいことです。もう 1 つは、回転子が回ると、二次側の周波数と電圧が変わることです。

回転子が止まっている s=1s = 1 のときは、回転磁界が回転子を周波数 ff で横切ります。二次の誘導起電力を E2E_2、漏れリアクタンスを x2x_2 とすると、二次側は、短絡した変圧器の二次側そのものです。回転すると、磁界と回転子の相対速度が ss 倍になるので、回転子の周波数は f2=sff_2 = sf になり、起電力とリアクタンスも ss 倍になります。

E2s=sE2x2s=sx2\begin{gathered} E_{2s} = sE_2 \\ x_{2s} = sx_2 \end{gathered}

E2E_2、x2x_2 は止まっているとき(s=1s = 1)の値、E2sE_{2s}、x2sx_{2s} は回転中の値です。

二次側を r2/sr_2/s で書き直す:L 形等価回路

回転中の二次電流は、起電力 sE2sE_2 を、抵抗 r2r_2 とリアクタンス sx2sx_2 の直列回路に加えたものなので、

I˙2=sE˙2r2+jsx2\dot{I}_2 = \frac{s\dot{E}_2}{r_2 + jsx_2}

です。分母と分子を ss で割ると、

I˙2=E˙2r2/s+jx2\dot{I}_2 = \frac{\dot{E}_2}{r_2/s + jx_2}

になります。これは、周波数が ff の変圧器で、二次抵抗が r2/sr_2/s に変わった形です。回転による周波数と電圧の変化は、二次抵抗を r2r_2 から r2/sr_2/s に置き換えるだけで表せます。

変圧器と同じように、二次側の値を一次側に換算します。巻数比(電圧比)を aa とすると、r2′=a2r2r_2' = a^2 r_2、x2′=a2x2x_2' = a^2 x_2 です(′ は一次換算した値。巻数比と換算と同じ考え方)。励磁回路を電源の側に移した L 形等価回路で表すと、図1のようになります。図は 1 相分で、V1V_1 は相電圧です。

V1 励磁回路 r1 jx1 jx2′ r2′ r2′(1 − s)/s 合わせて r2′/s 右側が機械出力に相当 I1 I2′ I0 ′ は一次側に換算した値。励磁回路は電源側へ移した近似
図1 誘導電動機の L 形等価回路(1 相分)。二次抵抗は r2′/s と書く

図1の右端の抵抗 r2′/sr_2'/s は、次のように 2 つに分けられます。

r2′s=r2′+r2′ 1−ss\frac{r_2'}{s} = r_2' + r_2'\,\frac{1-s}{s}

前の項 r2′r_2' は、回転子巻線の本当の抵抗で、熱になる二次銅損を表します。後ろの項 r2′(1−s)/sr_2'(1-s)/s は、実在しない仮想の抵抗で、ここで消費される電力が機械出力に当たります。

二次入力・二次銅損・機械出力の比 1:s:(1−s)1:s:(1-s)

三相分の電力を、一次換算した二次電流 I2′I_2' で表します。固定子から回転子へ空隙を通って送られる電力を二次入力 P2P_2 といい、r2′/sr_2'/s で消費される電力に当たります。r2′r_2' で消費される電力が二次銅損 Pc2P_{c2}、r2′(1−s)/sr_2'(1-s)/s で消費される電力が機械出力 PoP_o です。

P2=3(I2′)2 r2′sPc2=3(I2′)2 r2′Po=3(I2′)2 r2′(1−s)s\begin{gathered} P_2 = 3(I_2')^2\,\frac{r_2'}{s} \\ P_{c2} = 3(I_2')^2\,r_2' \\ P_o = 3(I_2')^2\,\frac{r_2'(1-s)}{s} \end{gathered}

3 つの式で共通の 3(I2′)2r2′/s3(I_2')^2 r_2'/s をくくり出すと、P2P_2 を 1 として Pc2P_{c2} が ss、PoP_o が 1−s1-s になります。

P2:Pc2:Po=1:s:(1−s)P_2 : P_{c2} : P_o = 1 : s : (1-s)

つまり、次の関係です。電力の流れは図2のようになります。

Pc2=sP2Po=(1−s)P2\begin{gathered} P_{c2} = sP_2 \\ P_o = (1-s)P_2 \end{gathered}
一次入力 P1 二次入力 P2 機械出力 Po 軸出力 P 一次銅損 鉄損 二次銅損 Pc2 = sP2 機械損 (摩擦・風損) 二次入力 P2 を 1 としたときの内訳(s = 0.2 の例) Pc2 = s Po = 1 − s P2 = 1
図2 電力の流れと、二次入力・二次銅損・機械出力の内訳

すべりが大きいほど、二次入力のうち熱になる割合が増えます。たとえば s=0.2s = 0.2 なら、二次入力の 20 % が二次銅損で、80 % が機械出力です。機械損が問題文に与えられていないときは、PoP_o を出力として計算します。

トルクの式と同期ワット

機械出力 PoP_o は、トルク T [N⋅m]T\ \mathrm{[N \cdot m]} と角速度 ω [rad/s]\omega\ \mathrm{[rad/s]} の積です。回転速度 N [min−1]N\ \mathrm{[min^{-1}]} のときの角速度は、ω=2πN/60\omega = 2\pi N/60 です。

回転子の速度は N=Ns(1−s)N = N_s(1-s) なので、ω=ωs(1−s)\omega = \omega_s(1-s) と書けます。ωs=2πNs/60\omega_s = 2\pi N_s/60 は同期速度の角速度です。Po=(1−s)P2P_o = (1-s)P_2 を代入すると、(1−s)(1-s) が約分されます。

T=Poω=(1−s)P2(1−s)ωs=P2ωsT = \frac{P_o}{\omega} = \frac{(1-s)P_2}{(1-s)\omega_s} = \frac{P_2}{\omega_s}

トルクは、二次入力 P2P_2 を同期速度の角速度 ωs\omega_s で割った値です。Tωs=P2T\omega_s = P_2 なので、トルクの大きさを二次入力 P2 [W]P_2\ \mathrm{[W]} で表すことがあります。これを同期ワットといいます。

T=Po2πN/60T=P22πNs/60\begin{gathered} T = \frac{P_o}{2\pi N/60} \\ T = \frac{P_2}{2\pi N_s/60} \end{gathered}

出力が同じでも、角速度が小さいほどトルクは大きくなります。モーターに減速機をつなぐのは、速度を落として大きなトルクを得るためです(図3)。

灰色のモーターに青い減速機が直結され、継手を介して黒いゴムベルトの駆動ローラにつながる装置の写真。下に亜鉛めっきの架台がある
  1. モーター 誘導電動機の例
  2. 減速機 速度を落としてトルクを増やす
  3. 継手 回転を次の軸へ伝える
  4. 駆動ローラ ベルトを動かす
  5. 架台 装置全体を支える
図3 モーターと減速機、継手を並べた駆動装置。速度を落とすぶん、トルクが大きくなる(写真はイメージ)

次に、等価回路からトルクを式で表します。励磁回路を無視した図1で、x=x1+x2′x = x_1 + x_2' とおくと、1 相分の電流は、

I2′=V1(r1+r2′/s)2+x2I_2' = \frac{V_1}{\sqrt{(r_1 + r_2'/s)^2 + x^2}}

です。T=P2/ωsT = P_2/\omega_s に P2=3(I2′)2r2′/sP_2 = 3(I_2')^2 r_2'/s を代入します。

T=3V12ωs⋅r2′/s(r1+r2′/s)2+x2T = \frac{3V_1^2}{\omega_s}\cdot\frac{r_2'/s}{(r_1 + r_2'/s)^2 + x^2}

V1V_1 は相電圧です。トルクは、r2′/sr_2'/s という 1 つのまとまりと、電圧 V1V_1 だけで決まります。この式から、前の記事で確認した 3 つの性質が導けます。

R=r2′/sR = r_2'/s とおくと、トルクは R/{(r1+R)2+x2}R/\{(r_1 + R)^2 + x^2\} に比例します。これを RR で微分して 0 とおくと、

r12+x2−R2=0r_1^2 + x^2 - R^2 = 0

から、トルクが最大になるのは R=r2′/s=r12+x2R = r_2'/s = \sqrt{r_1^2 + x^2} のときだと分かります。このときのすべりが停動のすべり sms_m、トルクが停動トルク TmT_m です。

sm=r2′r12+x2Tm=3V122ωs(r1+r12+x2)\begin{gathered} s_m = \frac{r_2'}{\sqrt{r_1^2 + x^2}} \\ T_m = \frac{3V_1^2}{2\omega_s\left(r_1 + \sqrt{r_1^2 + x^2}\right)} \end{gathered}
性質式から分かること
停動トルク TmT_m式に r2′r_2' がないので、二次抵抗によらない
停動のすべり sms_mr2′r_2' に比例する
電圧との関係T∝V12T \propto V_1^2

比例推移:二次抵抗を変えるとトルク曲線が横に動く

トルクの式は、r2′r_2' と ss を、r2′/sr_2'/s の形でしか含みません。そのため、二次抵抗を mm 倍にして、すべりも mm 倍にすると、r2′/sr_2'/s は変わらず、一次電流・二次電流・力率・トルクが同じ値になります。これを比例推移といいます。

トルク–すべり曲線で見ると、二次抵抗を大きくしたとき、曲線は形を保ったまま、すべりの軸の方向に広がります(図4)。曲線の高さ(停動トルク)は変わりません。

トルク T すべり s 同じ トルク r2 2r2 4r2 s1 2s1 4s1 0 1 同じトルクを出すすべりは 1 : 2 : 4(二次抵抗に比例)
図4 比例推移。二次抵抗を大きくすると、曲線の形のまま横に広がる

図4で、二次抵抗が r2r_2 のとき、あるトルクを出すすべりを s1s_1 とします。二次抵抗が 2r22r_2、4r24r_2 なら、同じトルクを出すすべりは 2s12s_1、4s14s_1 です。二次回路の 1 相に外部抵抗 RR を加えたとき、同じトルクを出すすべり s′s' は、元のすべり ss から、

s′=s r2+Rr2s' = s\,\frac{r_2 + R}{r_2}

と求められます。始動時(s′=1s' = 1)に最大トルクを出したいときは、停動のすべり sms_m が 1 になるよう、外部抵抗を選びます。

比例推移を使えるのは、二次抵抗を外から変えられる巻線形です。巻線形の回転子は、巻線の端をスリップリングにつなぎ、バネで押しつけたカーボンブラシを通して、外部の抵抗と接続します(図5)。かご形は、回転子の棒が端絡環で短絡されているので、二次抵抗を外から変えられません。

巻線形誘導電動機の回転子の写真。中央に鉄心と巻線、右に三つのスリップリング、右下にバネ付きのカーボンブラシ、左に太い軸がある
  1. 鉄心 回転子の磁気回路
  2. 巻線 三相の二次巻線
  3. スリップリング 回転中も外部とつなぐ
  4. ブラシ リングに押しつけて通電する
  5. 軸 負荷へ回転を伝える
図5 巻線形の回転子。スリップリングとブラシを通して、二次回路に外部抵抗をつなぐ(写真はイメージ)

始動のときに大きなトルクが要る負荷には、巻線形が使われることがあります。始動時に外部抵抗を入れて停動のすべりを 1 に近づけ、速度が上がるにつれて抵抗を減らしていきます(図6)。

緑がかった灰色の巻上機の写真。左に電動機、中央にブレーキ装置と減速機、右に黄色い縁の大きな滑車とワイヤロープがあり、共通の台に載っている
  1. 電動機 巻上げの動力
  2. ブレーキ 停止中に荷を保持する
  3. シーブ ワイヤロープを掛ける滑車
  4. ワイヤロープ 荷をつないで引く
  5. 共通台 全体を支える
図6 重い荷を巻き上げる巻上機。始動のときに大きなトルクが要る(写真はイメージ)

比例推移で変わらないのは、r2/sr_2/s だけで決まる量(電流・力率・トルク)です。二次銅損 Pc2=sP2P_{c2} = sP_2 や機械出力 Po=(1−s)P2P_o = (1-s)P_2 は、ss が変わるので同じにはなりません。

等価回路の定数を測る試験

等価回路の抵抗やリアクタンスは、変圧器と同じように、2 つの試験で求めます(図7)。変圧器の試験の、開放(無負荷)試験と短絡試験に対応します。

灰色の三相誘導電動機が試験台に載り、端子箱から黒・赤・青のケーブルが伸びている写真。手前に計測器、右側に軸継手と減速機がある
  1. 端子箱 電源の線をつなぐ
  2. ケーブル 三相の線
  3. 計測器 電圧・電流・電力を測る
  4. 軸継手 負荷の側へ軸をつなぐ
  5. 取付脚 試験台に固定する
図7 試験台に載せた三相誘導電動機。端子箱に電源をつなぎ、計測器で電圧・電流・電力を測る(写真はイメージ)
試験条件求まるもの
無負荷試験定格電圧を加え、無負荷で回す(s≈0s \approx 0)励磁回路(励磁電流・鉄損)
拘束試験回転子を固定し(s=1s = 1)、低い電圧で定格電流を流すr1+r2′r_1 + r_2'、x1+x2′x_1 + x_2'

無負荷のときは r2′/sr_2'/s が非常に大きく、二次側にほとんど電流が流れません。そのため、一次側から見ると励磁回路だけの回路になります。ただし、回転しているので、入力には鉄損のほかに機械損も含まれます。

拘束試験では、回転子を止めるので s=1s = 1 で、短絡した変圧器と同じです。励磁電流は小さいので無視でき、一次と二次の抵抗・リアクタンスの和が求まります。一次抵抗 r1r_1 を別に測れば、r2′r_2' も分かります。

例題と間違えやすいところ

解答と解説を見る

Pc2=sP2P_{c2} = sP_2、Po=(1−s)P2P_o = (1-s)P_2 なので、

Pc2=0.04×5000=200 [W]Po=(1−0.04)×5000=4800 [W]\begin{gathered} P_{c2} = 0.04 \times 5000 = 200\ \mathrm{[W]} \\ P_o = (1 - 0.04) \times 5000 = 4800\ \mathrm{[W]} \end{gathered}

です。合計は 5000 W で、二次入力と一致します。

解答と解説を見る

同期速度は Ns=120×50/4=1500 [min−1]N_s = 120 \times 50/4 = 1500\ \mathrm{[min^{-1}]}、すべりは s=(1500−1440)/1500=0.04s = (1500 - 1440)/1500 = 0.04 です。回転子の角速度は、

ω=2πN60=2π×144060≈150.8 [rad/s]\omega = \frac{2\pi N}{60} = \frac{2\pi \times 1440}{60} \approx 150.8\ \mathrm{[rad/s]}

なので、トルクは、

T=Poω=7500150.8≈49.7 [N⋅m]T = \frac{P_o}{\omega} = \frac{7500}{150.8} \approx 49.7\ \mathrm{[N \cdot m]}

です。二次入力から求めても一致します。

P2=Po1−s=75000.96=7812.5 [W]ωs=2π×150060≈157.1 [rad/s]T=P2ωs≈49.7 [N⋅m]\begin{gathered} P_2 = \frac{P_o}{1-s} = \frac{7500}{0.96} = 7812.5\ \mathrm{[W]} \\ \omega_s = \frac{2\pi \times 1500}{60} \approx 157.1\ \mathrm{[rad/s]} \\ T = \frac{P_2}{\omega_s} \approx 49.7\ \mathrm{[N \cdot m]} \end{gathered}
解答と解説を見る

停動のすべりは二次抵抗に比例します。二次抵抗が r2+Rr_2 + R のとき、停動のすべりが 1 になればよいので、

r2+Rr2=10.1=10\frac{r_2 + R}{r_2} = \frac{1}{0.1} = 10

です。これを RR について解くと、

R=9r2=9×0.05=0.45 [Ω]R = 9r_2 = 9 \times 0.05 = 0.45\ \mathrm{[\Omega]}

です。二次抵抗の合計を、元の 10 倍にします。

解答と解説を見る

r2′/s=0.3/0.05=6 [Ω]r_2'/s = 0.3/0.05 = 6\ \mathrm{[\Omega]} なので、1 相分のインピーダンスは、

Z˙=0.2+6+j1.0=6.2+j1.0 [Ω]\dot{Z} = 0.2 + 6 + j1.0 = 6.2 + j1.0\ \mathrm{[\Omega]}

です。一次電流は、

I˙1=1006.2+j1.0≈15.72−j2.54 [A]\dot{I}_1 = \frac{100}{6.2 + j1.0} \approx 15.72 - j2.54\ \mathrm{[A]}

で、大きさは ∣I˙1∣≈15.92 [A]|\dot{I}_1| \approx 15.92\ \mathrm{[A]} です。二次入力は、r2′/s=6 [Ω]r_2'/s = 6\ \mathrm{[\Omega]} で消費される三相分の電力なので、

P2=3×15.922×6≈4564 [W]P_2 = 3 \times 15.92^2 \times 6 \approx 4564\ \mathrm{[W]}

です。機械出力は、

Po=(1−s)P2=0.95×4564≈4336 [W]\begin{aligned} P_o &= (1 - s)P_2 \\ &= 0.95 \times 4564 \\ &\approx 4336\ \mathrm{[W]} \end{aligned}

です。二次銅損は sP2≈228 [W]sP_2 \approx 228\ \mathrm{[W]} です。

間違えやすいところを表にまとめます。

間違い正しくは
二次銅損を (1−s)P2(1-s)P_2 とする二次銅損は sP2sP_2、機械出力が (1−s)P2(1-s)P_2
T=Po/ωsT = P_o/\omega_s とするPoP_o は回転子の ω\omega で、P2P_2 は ωs\omega_s で割る
停動トルクは二次抵抗に比例する停動トルクは変わらず、停動のすべりが比例する
比例推移で二次銅損も同じ同じなのは r2/sr_2/s で決まる電流・力率・トルク
ω=2πN\omega = 2\pi N とするω=2πN/60\omega = 2\pi N/60(NN は min−1\mathrm{min^{-1}})

よくある質問

なぜ二次抵抗を r2/sr_2/s と書くのですか?

回転中は、二次の起電力もリアクタンスも ss 倍になります。二次電流の式 sE˙2/(r2+jsx2)s\dot{E}_2/(r_2 + jsx_2) の分母と分子を ss で割ると E˙2/(r2/s+jx2)\dot{E}_2/(r_2/s + jx_2) になり、周波数が ff の変圧器の二次抵抗が r2/sr_2/s になったものと同じ形になります。

二次効率とは何ですか?

二次入力に対する機械出力の割合 Po/P2P_o/P_2 です。Po=(1−s)P2P_o = (1-s)P_2 なので、二次効率は 1−s1 - s です。すべり 0.04 なら 96 % です。二次側だけの効率で、一次の損失や鉄損、機械損は含みません。

同期ワットとは何ですか?

トルクの大きさを、二次入力 P2 [W]P_2\ \mathrm{[W]} で表したものです。Tωs=P2T\omega_s = P_2 の関係があり、単位はワットですが、表しているのはトルクの大きさです。

拘束試験では何を測りますか?

回転子を止めて(s=1s = 1)、低い電圧で定格電流を流し、そのときの電圧・電流・電力から、r1+r2′r_1 + r_2' と x1+x2′x_1 + x_2' を求めます。変圧器の短絡試験に対応します。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

回転中の二次側を、止まっている変圧器の形で書くと、二次抵抗はいくつになりますか?

r2/sr_2/s になります(ss はすべり)。

r2′/sr_2'/s は、どう分けると機械出力が見えますか?

r2′+r2′(1−s)/sr_2' + r_2'(1-s)/s と分けます。後ろの項で消費される電力が機械出力です。

二次入力・二次銅損・機械出力の比は?

P2:Pc2:Po=1:s:(1−s)P_2 : P_{c2} : P_o = 1 : s : (1-s) です。

二次入力からトルクを求める式は?

T=P2/ωsT = P_2/\omega_s です。ωs=2πNs/60\omega_s = 2\pi N_s/60 です。

二次効率は、すべりでどう表せますか?

Po/P2=1−sP_o/P_2 = 1 - s です。

二次抵抗を mm 倍にしたとき、同じトルクを出すすべりはどうなりますか?

mm 倍になります(比例推移)。停動トルクは変わりません。

まとめ

  • 誘導電動機の等価回路は、変圧器の二次抵抗を r2r_2 から r2/sr_2/s に置き換えたもの
  • r2′/s=r2′+r2′(1−s)/sr_2'/s = r_2' + r_2'(1-s)/s の前の項が二次銅損、後ろの項が機械出力に当たる
  • 二次入力 : 二次銅損 : 機械出力は 1:s:(1−s)1 : s : (1-s)。トルクは P2/ωsP_2/\omega_s
  • トルクは r2′/sr_2'/s と V12V_1^2 で決まり、停動トルクは二次抵抗によらず、停動のすべりは二次抵抗に比例する
  • 定数は無負荷試験(励磁回路)と拘束試験(r1+r2′r_1 + r_2'、x1+x2′x_1 + x_2')で求める
量式
二次銅損、機械出力Pc2=sP2P_{c2} = sP_2、Po=(1−s)P2P_o = (1-s)P_2
トルクT=Po/ω=P2/ωsT = P_o/\omega = P_2/\omega_s
比例推移s′=s(r2+R)/r2s' = s(r_2 + R)/r_2

誘導電動機の全体像は三相誘導電動機とはで、次の単元の同期機は同期発電機とはで整理します。

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デンケンラボ編集部

電験三種の合格プランをつくる問題集アプリ「デンケンラボ」の編集部です。試験センターの出題範囲に沿って、計算の考え方と覚えどころを図と式で解説しています。

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