Kindle で読む

機械電気機器 / 同期機16分で読めます

同期発電機とは|同期リアクタンスと出力 P=3VE sinδ/Xs・短絡比

電験三種の同期発電機を、回転界磁形のしくみから整理します。誘導起電力 E=4.44fwΦkw、電機子反作用、同期リアクタンスと出力 P=3VE sinδ/Xs、短絡比、並行運転の条件を、図と例題で確認します。

シェア

建屋の中に据えられた、灰色の円筒形の大きな発電機。両端に配管と軸継手がつながっている写真
この記事の目次
  1. 同期発電機とは?回転界磁形のしくみ
  2. 回転子の形と極数:突極形と円筒形
  3. 誘導起電力 E=4.44fwΦkwE = 4.44fw\Phi k_w
  4. 電機子反作用
  5. 同期リアクタンスと 1 相の等価回路
  6. 出力の式 P=3VEsin⁡δ/XsP = 3VE\sin\delta/X_s
  7. 短絡比
  8. 並行運転の条件
  9. 例題と間違えやすいところ
  10. よくある質問
  11. 同期発電機の「同期」とは何ですか?
  12. 同期インピーダンスと同期リアクタンスの違いは何ですか?
  13. 負荷角 δ\delta とは何ですか?
  14. 並行運転中に、界磁電流だけを増やすとどうなりますか?
  15. まとめ
図解でわかる 電験三種 機械 1 直流機 の表紙機械を図解で読む図解でわかる 電験三種 機械 1
直流機
Kindle Unlimited 対象Kindle で読む

前の記事で誘導電動機を終え、この記事から同期機に入ります。発電所の発電機の大部分は同期発電機で、周波数が回転速度で決まるのが特徴です。この記事では、回転界磁形のしくみ、誘導起電力、電機子反作用、同期リアクタンスと出力の式、短絡比、並行運転の条件を、図と例題で順に確認します。

同期発電機の全体像
  • 回転界磁形のしくみ
    • 固定子に電機子巻線、回転子に界磁。周波数は f=pN/120f = pN/120 で、回転速度 NN で決まる
  • 誘導起電力
    • E=4.44fwΦkwE = 4.44fw\Phi k_w。界磁電流で磁束 Φ\Phi を変えて、EE を調整する
  • 電機子反作用と同期リアクタンス
    • 遅れ電流は減磁、進み電流は増磁。まとめて XsX_s で表し、E˙=V˙+jXsI˙\dot{E} = \dot{V} + jX_s\dot{I}
  • 出力と短絡比
    • P=3VEsin⁡δ/XsP = 3VE\sin\delta/X_s。短絡比 Ks=If0/IfsK_s = I_{f0}/I_{fs} は、パーセント同期インピーダンス ZsZ_s から Ks=100/Zs [%]K_s = 100/Z_s\ [\%]
  • 並行運転の条件
    • 電圧の大きさ・周波数・位相・相順・波形を合わせる

同期発電機とは?回転界磁形のしくみ

同期発電機とは、回転子の回転速度に比例した周波数の三相交流を発生する発電機です。回転する磁極がつくる磁束を固定子の巻線が横切ることで、三相交流の電圧が生じます。

電験三種で扱う同期発電機は、ほとんどが回転界磁形です。固定子(電機子)に三相巻線を置き、回転子には直流の界磁電流で N 極・S 極をつくって、原動機で回します(図1)。

a c′ b a′ c b′ N S 回転 固定子(電機子) 三相巻線に誘導起電力 E が生じる 回転子(界磁) 直流の界磁電流 If で N・S の磁極をつくる 原動機で同期速度のまま回す (2 極の例)
図1 回転界磁形のしくみ。回転子に直流を流して磁極をつくり、固定子の巻線に起電力を誘導する

固定子の巻線の前を N 極と S 極が 1 組通り過ぎるたびに、交流が 1 周期進みます。回転子が 1 回転すると、pp 極機では p/2p/2 組が通り過ぎるので、2 極機なら 1 回転で 1 周期、pp 極機なら 1 回転で p/2p/2 周期の交流が生じます。回転速度を N [min−1]N\ \mathrm{[min^{-1}]} とすると、毎秒の回転数は N/60N/60 なので、周波数は次のようになります。

f=p2×N60=pN120 [Hz]f = \frac{p}{2} \times \frac{N}{60} = \frac{pN}{120}\ \mathrm{[Hz]}

回転速度で書き直すと N=120f/pN = 120f/p で、誘導電動機の同期速度と同じ式です。回転速度を決めれば周波数が決まります。

回転界磁形にする理由は 2 つあります。

  • 電機子巻線は、大きな電流と高い電圧を扱います。動かない固定子に置くほうが、絶縁しやすく、外部への接続も簡単です
  • 界磁に必要な直流電力は小さいので、回転子へはスリップリングとブラシなどで供給できます

回転子を回す原動機には、水車、蒸気タービン、ディーゼルエンジンなどが使われます(図2)。

左に黒いラジエーター、中央に緑がかった灰色のエンジン、右に円筒形の発電機が並び、鋼製の共通の台に載っている写真
  1. ラジエーター エンジンを冷やす
  2. エンジン 原動機として回す
  3. 発電機 同期発電機
  4. 端子箱 電力を取り出す
  5. 共通台 全体を支える
図2 エンジンで同期発電機を回す発電装置(写真はイメージ)

回転子の形と極数:突極形と円筒形

回転子の形には、円筒形と突極形があります。どちらを使うかは、原動機の回転速度で決まります。

項目円筒形突極形
主な例タービン発電機水車発電機など
回転子の形滑らかな円筒に溝を切り、巻線を入れる磁極が突き出し、磁極ごとに巻線を巻く
回転速度高速(極数は 2 や 4)比較的低速(極数が多い)
軸の向き横軸立軸が多い
原動機蒸気タービン水車、ディーゼルエンジンなど

蒸気タービンのように高速で回る原動機には、遠心力に強い円筒形を使います。水車のように低速で回る原動機には、極数を多くしやすい突極形を使います。水力発電所の建屋には、大きな水車発電機が据えられています(図3)。構造の詳しいところは水車発電機とはで扱います。

水力発電所の建屋を上から見た写真。中央に円形の大きな灰色の発電機の上部があり、放射状の梁、周りの手すりと階段、天井の橋形クレーンが見える
  1. 発電機の上部 円形の覆い
  2. 放射状の梁 覆いを支える
  3. 手すり 通路の安全のため
  4. 天井クレーン 重い機器を吊る
  5. 窓 建屋の外が見える
図3 水力発電所の建屋に据えられた大きな発電機の上部(写真はイメージ)

極数と回転速度の関係は、N=120f/pN = 120f/p から計算できます。

極数 pp50 Hz [min−1]\mathrm{[min^{-1}]}60 Hz [min−1]\mathrm{[min^{-1}]}
230003600
415001800
12500600
24250300
48125150

極数が多いほど、同じ周波数を得る回転速度は低くなります。

誘導起電力 E=4.44fwΦkwE = 4.44fw\Phi k_w

回転子が回ると、固定子の巻線を貫く磁束が周期的に変わり、巻線に誘導起電力が生じます。1 相の誘導起電力の実効値 EE は、次の式です。

E=4.44 f w Φ kw [V]E = 4.44\,f\,w\,\Phi\,k_w\ \mathrm{[V]}
  • ff:周波数 [Hz]\mathrm{[Hz]}
  • ww:1 相の直列巻数。回転速度 NN と区別するため ww と書きます(NN と書く本もあります)
  • Φ\Phi:1 極の磁束 [Wb]\mathrm{[Wb]}
  • kwk_w:巻線係数。1 より少し小さい係数です

係数 4.44 は、2π≈4.443\sqrt{2}\pi \approx 4.443 です。磁束が Φcos⁡ωt\Phi\cos\omega t で変わると、起電力の最大値は ωwΦ=2πfwΦ\omega w\Phi = 2\pi f w\Phi で、これを 2\sqrt{2} で割って実効値にすると 2πfwΦ\sqrt{2}\pi f w\Phi になります。巻線係数 kwk_w は、分布巻や短節巻にしたために、コイルごとの起電力の位相が少しずれ、足し合わせた合計が小さくなる分を表します。

式から、EE は周波数 ff と磁束 Φ\Phi に比例することが分かります。磁束は界磁電流で変えられるので、界磁電流を調整すると、EE を調整できます(磁気飽和が起こらない範囲では、EE は界磁電流に比例します)。電機子巻線は、固定子の積層鉄心のスロットに収められています(図4)。

横置きの大きな固定子の写真。内側に積層した鉄心とスロットがあり、白いテープを巻いた銅の巻線のコイル端が並び、外側に鋼製の枠と脚がある
  1. コイル端 電機子巻線の端
  2. 積層鉄心 巻線を入れる溝がある
  3. 外枠 鋼製の枠
  4. 脚 床に据える
図4 発電機の固定子。電機子巻線が積層鉄心のスロットに入る(写真はイメージ)

電機子反作用

発電機に負荷をつなぐと、電機子巻線に電流 II が流れます。この電流がつくる磁束 Φa\Phi_a が、界磁の磁束 Φf\Phi_f に影響することを、電機子反作用といいます。

影響の向きは、電機子電流 II が、誘導起電力 EE に対して、どんな位相かで変わります。電流を、EE と同相の成分と、EE より 90° 遅れまたは 90° 進んだ成分に分けて考えると、次の 3 通りです(図5)。

II の位相(EE 基準)作用Φa\Phi_a と Φf\Phi_f
90° 遅れ減磁作用Φa\Phi_a が Φf\Phi_f と逆向きで、弱める
90° 進み増磁作用Φa\Phi_a が Φf\Phi_f と同じ向きで、強める
同相交さ磁化作用Φa\Phi_a が Φf\Phi_f と直角で、磁束の分布をゆがめる
電機子電流 I の位相(E を基準) 90° 遅れ Φf E I 減磁作用 Φa が Φf と逆向き 90° 進み Φf E I 増磁作用 Φa が Φf と同じ向き 同相 Φf E I 交さ磁化作用 Φa が Φf と直角 Φa は電機子電流がつくる磁束で、I と同じ向き
図5 電機子電流の位相と電機子反作用。E に対して I が遅れると減磁、進むと増磁、同相だと交さ磁化

実際の負荷は、遅れ力率のことが多く、遅れ電流の減磁作用で端子電圧が下がります。進み電流の負荷では、増磁作用で端子電圧が上がります。直流機の電機子反作用は、電機子反作用とはで整理しています。同期機では、電流の位相で作用が変わる点が違います。

同期リアクタンスと 1 相の等価回路

電機子反作用による電圧の変化は、電機子電流に比例します。そこで、電機子反作用による電圧の変化を、電流に比例するリアクタンスの電圧降下として扱い、このリアクタンスを電機子反作用リアクタンス XaX_a といいます。電機子巻線の漏れリアクタンス XlX_l を加えたものが、同期リアクタンス XsX_s です。

Xs=Xa+Xl [Ω]X_s = X_a + X_l\ \mathrm{[\Omega]}

電機子抵抗 rar_a は XsX_s に比べてごく小さいので、同期インピーダンスは Z˙s=ra+jXs≈jXs\dot{Z}_s = r_a + jX_s \approx jX_s とみなします。1 相分の等価回路は、誘導起電力 E˙\dot{E} の電源に jXsjX_s が直列につながった形です(図6)。

1 相分の等価回路 フェーザ図(V を基準) E jXs I V 電機子抵抗は小さいので省く δ θ V I E jXsI E = V + jXs I(V が端子電圧、E が誘導起電力)
図6 1 相分の等価回路とフェーザ図。E は V より角 δ だけ進む

図6の関係は、次の式です。VV は 1 相の端子電圧(相電圧)、EE は 1 相の誘導起電力です。

E˙=V˙+jXsI˙\dot{E} = \dot{V} + jX_s\dot{I}

VV を基準にすると、遅れ力率の電流 II は VV より θ\theta だけ遅れ、jXsIjX_sI は II より 90° 進んだ向きになります。EE は、VV に jXsIjX_sI を足したものです。EE と VV の位相差 δ\delta を、負荷角といいます。

遅れ力率のときは E>VE > V です。界磁電流を変えずに無負荷にすると、端子電圧は EE まで上がるので、遅れ負荷では電圧変動率が大きくなります。

出力の式 P=3VEsin⁡δ/XsP = 3VE\sin\delta/X_s

図6のフェーザ図から、出力の式を導きます。EE の、VV と直角な成分 Esin⁡δE\sin\delta は、jXsIjX_sI の、VV と直角な成分 XsIcos⁡θX_sI\cos\theta に等しくなります。

Esin⁡δ=XsIcos⁡θE\sin\delta = X_sI\cos\theta

1 相の出力は VIcos⁡θVI\cos\theta なので、Icos⁡θ=Esin⁡δ/XsI\cos\theta = E\sin\delta/X_s を代入すると、三相の出力は次のようになります。

P=3VIcos⁡θ=3VEsin⁡δXs [W]P = 3VI\cos\theta = \frac{3VE\sin\delta}{X_s}\ \mathrm{[W]}

VV、EE は相電圧です。線間電圧 VL=3VV_L = \sqrt{3}V、EL=3EE_L = \sqrt{3}E で書くと、3VE=VLEL3VE = V_LE_L なので、係数の 3 が消えます。

P=VLELsin⁡δXs [W]P = \frac{V_LE_L\sin\delta}{X_s}\ \mathrm{[W]}

出力は sin⁡δ\sin\delta に比例し、δ=90°\delta = 90° のとき最大値 3VE/Xs3VE/X_s になります(図7)。δ\delta が 90° を超えると、出力は減るので、安定に運転できません(同期はずれ)。安定に運転できるのは、δ\delta が 90° までの範囲です。

出力 P δ Pmax = 3VE / Xs 運転点 0 90° 180° 安定に運転できる 不安定
図7 P–δ 曲線(円筒形の場合)。δ が 90° で出力は最大になる

図7は、回転子が円筒形の場合です。突極形は、sin⁡2δ\sin 2\delta に比例する項が加わるので、90° より小さい δ\delta で出力が最大になります。

短絡比

短絡比は、同期発電機の性質を表す値で、2 つの試験の結果から決まります。

  • 無負荷飽和曲線:無負荷で、界磁電流 IfI_f を変えたときの端子電圧
  • 三相短絡曲線:三相短絡で、界磁電流 IfI_f を変えたときの短絡電流。直線になる

無負荷で定格電圧を発生する界磁電流を If0I_{f0}、三相短絡で定格電流を流す界磁電流を IfsI_{fs} とすると、短絡比 KsK_s は次の式です(図8)。

Ks=If0IfsK_s = \frac{I_{f0}}{I_{fs}}
電圧・電流 界磁電流 If 定格 値 If0 Ifs 無負荷飽和曲線 短絡曲線 短絡比 Ks = If0 / Ifs
図8 無負荷飽和曲線と短絡曲線(概形)。短絡比 Ks は If0 と Ifs の比

短絡曲線は直線なので、If0I_{f0} で三相短絡すると、短絡電流は定格電流 InI_n の KsK_s 倍になります。一方、If0I_{f0} のとき EE は定格の相電圧 VnV_n なので、短絡電流は Vn/ZsV_n/Z_s と書けます(この ZsZ_s は、VnV_n を短絡電流で割った値)。この 2 つを等しいとおくと、次の関係が得られます。

KsIn=VnZsKs=VnZsIn=100Zs [%]\begin{gathered} K_sI_n = \frac{V_n}{Z_s} \\ K_s = \frac{V_n}{Z_sI_n} = \frac{100}{Z_s\ [\%]} \end{gathered}

Zs [%]=ZsIn/Vn×100Z_s\ [\%] = Z_sI_n/V_n \times 100 です。短絡比は、パーセント同期インピーダンスの逆数に 100 を掛けた値です。パーセントインピーダンスの考え方は、%インピーダンスと短絡電流の計算と同じです。Zs [Ω]Z_s\ [\Omega] に直すときは、定格の線間電圧を VV、三相定格容量を SS として、次の式を使います。

Zs [Ω]=Zs [%]100×V2SZ_s\ [\Omega] = \frac{Z_s\ [\%]}{100} \times \frac{V^2}{S}

短絡比の大小は、機械の性質を左右します。

項目短絡比が大きい短絡比が小さい
同期インピーダンス小さい大きい
電圧変動率小さい大きい
安定度高い低い
三相短絡電流大きい小さい
自己励磁起こしにくい起こしやすい
機械の大きさ・重さ・価格大きく、重く、高い小さく、軽く、安い

短絡比を大きくするには、空隙を大きくして、同期リアクタンスを小さくします。短絡比の大きい機械は、巻線に比べて鉄心を大きくとるので「鉄機械」、小さい機械は、鉄心に比べて巻線を多く使うので「銅機械」と呼ばれます。水車発電機は短絡比が大きめ、タービン発電機は小さめにつくります。

並行運転の条件

発電機を、すでに電力系統につながっている発電機と、並列につなぐことを並行運転といいます(図9)。つなぐ前に、次の 5 つの条件を合わせます。

夕焼けの空の下、田んぼと野原の中に、送電用の鉄塔と電線のシルエットが並んでいる写真。右奥に山並みが見える
  1. 鉄塔 電線を支える
  2. 電線 電力を運ぶ
  3. 夕日 空が赤く染まる
  4. 野原 鉄塔の足もと
図9 送電線の鉄塔と電線。多くの発電機が同じ系統に並列につながる(写真はイメージ)
条件合わないと合わせ方
電圧の大きさ無効の循環電流が流れる界磁電流で調整する
周波数位相差が変わり続け、うなりが生じる原動機の回転速度(調速機)で調整する
位相つなぐ瞬間に横流が流れ、衝撃が生じる同期検定器で一致を確かめる
相順短絡と同じ状態になる結線を入れ替える
波形高調波の循環電流が流れる巻線の設計で決まる

つないだあとは、有効電力の分担を原動機の入力で、無効電力の分担を界磁電流で調整します。

例題と間違えやすいところ

解答と解説を見る

(1) f=pN/120f = pN/120 より、

p=120fN=120×50150=40p = \frac{120f}{N} = \frac{120 \times 50}{150} = 40

で、40 極です。

(2) E=4.44fwΦkwE = 4.44fw\Phi k_w に代入すると、

E=4.44×50×100×0.06×0.9≈1199 [V]\begin{gathered} E = 4.44 \times 50 \times 100 \\ \times 0.06 \times 0.9 \\ \approx 1199\ \mathrm{[V]} \end{gathered}

です。Y 結線なら、線間電圧は 3\sqrt{3} 倍の約 2076 [V]2076\ \mathrm{[V]} です。

解答と解説を見る

1 相の端子電圧は V=6600/3≈3810.5 [V]V = 6600/\sqrt{3} \approx 3810.5\ \mathrm{[V]}、XsI=12×100=1200 [V]X_sI = 12 \times 100 = 1200\ \mathrm{[V]} です。

力率 1 のとき、II は VV と同相で、jXsIjX_sI は VV と直角です。

E=3810.52+12002≈3995 [V]E = \sqrt{3810.5^2 + 1200^2} \approx 3995\ \mathrm{[V]}

力率 0.8(遅れ)のとき、I˙=100(0.8−j0.6)=80−j60 [A]\dot{I} = 100(0.8 - j0.6) = 80 - j60\ \mathrm{[A]} なので、

jXsI˙=j12(80−j60)=720+j960E˙=3810.5+720+j960=4530.5+j960∣E˙∣≈4631 [V]\begin{gathered} jX_s\dot{I} = j12(80 - j60) \\ = 720 + j960 \\ \dot{E} = 3810.5 + 720 + j960 \\ = 4530.5 + j960 \\ |\dot{E}| \approx 4631\ \mathrm{[V]} \end{gathered}

です。遅れ力率のほうが、同じ端子電圧を保つのに大きな EE が必要です。

磁気飽和を無視して、界磁電流を変えずに無負荷にすると、端子電圧は EE まで上がります。したがって、電圧変動率は (E−V)/V×100 [%](E - V)/V \times 100\ \mathrm{[\%]} で、力率 1 のとき約 4.8 %、力率 0.8(遅れ)のとき約 21.5 % です。

解答と解説を見る

相電圧に直すと、V=6600/3≈3810.5 [V]V = 6600/\sqrt{3} \approx 3810.5\ \mathrm{[V]}、E=8000/3≈4618.8 [V]E = 8000/\sqrt{3} \approx 4618.8\ \mathrm{[V]} です。

P=3VEsin⁡δXs=3×3810.5×4618.810×0.5≈2.64×106 [W]\begin{gathered} P = \frac{3VE\sin\delta}{X_s} \\ = \frac{3 \times 3810.5 \times 4618.8}{10} \times 0.5 \\ \approx 2.64 \times 10^6\ \mathrm{[W]} \end{gathered}

で、2.64 MW です。線間電圧のまま P=VLELsin⁡δ/XsP = V_LE_L\sin\delta/X_s で計算しても、6600×8000×0.5/106600 \times 8000 \times 0.5/10 で同じ値になります。

最大出力は δ=90°\delta = 90° のときで、sin⁡90°=1\sin 90° = 1 なので、sin⁡30°=0.5\sin 30° = 0.5 のときの 2 倍です。

Pmax=2.64×2=5.28 [MW]P_{max} = 2.64 \times 2 = 5.28\ \mathrm{[MW]}
解答と解説を見る

短絡比は、

Ks=If0Ifs=150120=1.25K_s = \frac{I_{f0}}{I_{fs}} = \frac{150}{120} = 1.25

です。パーセント同期インピーダンスは、

Zs [%]=100Ks=1001.25=80 [%]Z_s\ [\%] = \frac{100}{K_s} = \frac{100}{1.25} = 80\ \mathrm{[\%]}

です。VV を線間電圧、SS を三相容量として、Zs [Ω]Z_s\ [\Omega] は、

Zs=80100×6600210×106≈3.48 [Ω]\begin{gathered} Z_s = \frac{80}{100} \times \frac{6600^2}{10 \times 10^6} \\ \approx 3.48\ \mathrm{[\Omega]} \end{gathered}

です。If0I_{f0} のまま三相短絡すると、短絡電流は定格電流の Ks=1.25K_s = 1.25 倍になります。

間違えやすいところを表にまとめます。

間違い正しくは
遅れ電流で増磁作用が起こる遅れは減磁、進みが増磁
Xs=XaX_s = X_a とするXs=Xa+XlX_s = X_a + X_l(漏れリアクタンスも足す)
P=3VEsin⁡δ/XsP = 3VE\sin\delta/X_s に線間電圧を入れる3 を付けるなら相電圧。線間電圧なら P=VLELsin⁡δ/XsP = V_LE_L\sin\delta/X_s
短絡比 Ks=Ifs/If0K_s = I_{fs}/I_{f0}Ks=If0/IfsK_s = I_{f0}/I_{fs}。ZsZ_s が大きいほど KsK_s は小さい
短絡比が大きい機械は小さく安い大きく、重く、高い。そのかわり電圧変動率は小さい
周波数を界磁電流で合わせる周波数は原動機の回転速度、電圧は界磁電流で合わせる

よくある質問

同期発電機の「同期」とは何ですか?

回転速度 NN と周波数 ff が、N=120f/pN = 120f/p で決まることです。系統につながった同期発電機は、系統の周波数に対応した同期速度で回り、負荷が変わっても回転速度は同期速度のままです。

同期インピーダンスと同期リアクタンスの違いは何ですか?

同期インピーダンスは Z˙s=ra+jXs\dot{Z}_s = r_a + jX_s で、電機子抵抗 rar_a を含みます。rar_a は XsX_s に比べてごく小さいので、ふつうは rar_a を無視して、Zs≈XsZ_s \approx X_s として計算します。

負荷角 δ\delta とは何ですか?

誘導起電力 EE と端子電圧 VV の位相差です。出力は sin⁡δ\sin\delta に比例するので、有効電力を多く出すほど δ\delta は大きくなります。

並行運転中に、界磁電流だけを増やすとどうなりますか?

端子電圧は系統で決まっているので、有効電力は変わらず、発電機から系統へ出す遅れ無効電力が増えます。EE が大きくなり、P=3VEsin⁡δ/XsP = 3VE\sin\delta/X_s が一定なので、δ\delta は小さくなります。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

4 極、60 Hz の同期発電機の回転速度は?

N=120f/p=120×60/4=1800 [min−1]N = 120f/p = 120 \times 60/4 = 1800\ \mathrm{[min^{-1}]} です。

遅れ電流と進み電流で、電機子反作用はどう違いますか?

遅れは減磁作用、進みは増磁作用です。同相なら交さ磁化作用です。

同期リアクタンス XsX_s は何の和ですか?

電機子反作用リアクタンス XaX_a と漏れリアクタンス XlX_l の和です。

三相の出力の式と、最大になる負荷角は?

P=3VEsin⁡δ/XsP = 3VE\sin\delta/X_s で、円筒形は δ=90°\delta = 90° のとき最大です。

短絡比 KsK_s は何で決まり、大きいとどうなりますか?

Ks=If0/Ifs=100/Zs [%]K_s = I_{f0}/I_{fs} = 100/Z_s\ [\%] です。大きいと、ZsZ_s と電圧変動率は小さく、機械は大きく高価です。

並行運転の条件を 5 つ挙げると?

電圧の大きさ・周波数・位相・相順・波形が一致することです。

まとめ

  • 同期発電機は、固定子に電機子巻線、回転子に界磁を置く回転界磁形。周波数は f=pN/120f = pN/120
  • 1 相の誘導起電力は E=4.44fwΦkwE = 4.44fw\Phi k_w。界磁電流で磁束を変えて調整する
  • 電機子反作用は、遅れ電流で減磁、進み電流で増磁、同相で交さ磁化。同期リアクタンスは Xs=Xa+XlX_s = X_a + X_l
  • 出力は P=3VEsin⁡δ/XsP = 3VE\sin\delta/X_s(VV、EE は相電圧)。円筒形は δ=90°\delta = 90° で最大で、安定なのは 90° まで
  • 短絡比は Ks=If0/Ifs=100/Zs [%]K_s = I_{f0}/I_{fs} = 100/Z_s\ [\%]。並行運転は、電圧・周波数・位相・相順・波形を合わせる
量式
回転速度と周波数N=120f/pN = 120f/p
誘導起電力(1 相)E=4.44fwΦkwE = 4.44fw\Phi k_w
等価回路E˙=V˙+jXsI˙\dot{E} = \dot{V} + jX_s\dot{I}
出力(三相)P=3VEsin⁡δ/Xs=VLELsin⁡δ/XsP = 3VE\sin\delta/X_s = V_LE_L\sin\delta/X_s
短絡比Ks=If0/Ifs=100/Zs [%]K_s = I_{f0}/I_{fs} = 100/Z_s\ [\%]

同期機と誘導機の違いは三相誘導電動機とはで、水車発電機の構造は水車発電機とはで整理します。

図解でわかる 電験三種 機械 1 直流機 の表紙電験三種 機械を図解で通して読む図解でわかる 電験三種 機械 / 第1巻直流機磁界と電磁力から発電機・電動機の特性、速度制御・効率まで機械の単元を、図と式で1冊ずつ通して読む Kindle 本のシリーズです。例題と練習問題まで入っています。Kindle Unlimited の対象なので、会員は追加料金なしで読めます。Amazon で見る

読んだら、すぐ解いて覚える

「同期機」の問題を
アプリで解いてみよう

読んだ直後に問題で思い出すと、記憶に残りやすくなります。電験三種の問題集アプリ「デンケンラボ」なら、機械の問題を図解つきの解説で確かめられます。

アプリでできることを見る
デンケンラボの問題画面
動画でも見て覚えるYouTube のデンケンラボで、電験三種の解説動画を配信しています

この記事をシェアする

デンケンラボ編集部

電験三種の合格プランをつくる問題集アプリ「デンケンラボ」の編集部です。試験センターの出題範囲に沿って、計算の考え方と覚えどころを図と式で解説しています。

編集方針アプリについて見る