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理論電気計測 / 測定範囲の拡大12分で読めます

倍率器と分流器の公式|電圧計・電流計の測定範囲の拡大を図解

電験三種の倍率器と分流器を図解で整理します。電圧計に直列の倍率器 Rm=(m−1)rv、電流計に並列の分流器 Rs=ra/(m−1) の導き方と、計器を2台つなぐときの比を例題で確認できます。

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針の指示で測るアナログテスターを、机の上に斜め上から写した写真。黒と赤のリード線が左右に伸びている
この記事の目次
  1. 倍率器と分流器とは
  2. 電流計と電圧計のつなぎ方
  3. 倍率器の公式(電圧計の測定範囲を広げる)
  4. 分流器の公式(電流計の測定範囲を広げる)
  5. 倍率器と分流器の対応表
  6. 電圧計・電流計を 2 台つなぐとき
  7. 倍率器と分流器の例題
  8. よくある質問
  9. 倍率器の抵抗は、なぜ m 倍ではなく (m−1) 倍?
  10. 電流計と電圧計を、逆につないだらどうなる?
  11. 倍率器をつけた電圧計の指示は、どう読む?
  12. 分流器の抵抗が小さいのはなぜ?
  13. まとめ
図解でわかる 電験三種 理論 1 直列回路 の表紙この単元を1冊で読む図解でわかる 電験三種 理論 1
直列回路
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オームの法則と直列回路で学んだ分圧と、並列回路で学んだ分流を、そのまま計器に当てはめたのが倍率器と分流器です。

倍率器は、電圧計に直列につなぐ抵抗で、測れる電圧を mm 倍にします。その抵抗は Rm=(m−1) rvR_m = (m-1)\,r_v(rvr_v は電圧計の内部抵抗)です。分流器は、電流計に並列につなぐ抵抗で、測れる電流を mm 倍にします。その抵抗は Rs=ra/(m−1)R_s = r_a/(m-1)(rar_a は電流計の内部抵抗)です。この記事では、計器のつなぎ方から 2 つの公式の導き方、計器を 2 台つなぐときの電圧・電流の比、例題までを順に確認します。

倍率器と分流器の全体像
  • 倍率器と分流器とは
    • 電圧計に直列が倍率器、電流計に並列が分流器。どちらも測定範囲を mm 倍にする
  • 電流計と電圧計のつなぎ方
    • 電流計は直列で内部抵抗が小さく、電圧計は並列で内部抵抗が大きいほどよい
  • 倍率器の公式
    • Rm=(m−1) rvR_m = (m-1)\,r_v。電圧は抵抗に比例して分かれる
  • 分流器の公式
    • Rs=ra/(m−1)R_s = r_a/(m-1)。電流は抵抗に反比例して分かれる
  • 電圧計・電流計を 2 台つなぐとき
    • 直列の電圧の比は内部抵抗の比、並列の電流の比は内部抵抗の逆比

倍率器と分流器とは

テスターなどの指針式の計器の多くは、可動コイル形です。磁石の磁界の中にあるコイルに電流が流れると、電流に比例して針が振れます。コイルに流せる電流には上限があるので、針が最大目盛まで振れる電流と電圧が決まっています。これが計器の測定範囲です。

電圧計も、中身は電流で針を振らせています。内部抵抗 rvr_v の両端に電圧が加わり、その電圧に比例した電流が流れて針が振れます。

最大目盛を超える電圧や電流を測りたいときは、計器に外付けの抵抗を足して、測定範囲を mm 倍に広げます。

  • 電圧計の測定範囲を広げる抵抗が、倍率器(電圧計に直列)
  • 電流計の測定範囲を広げる抵抗が、分流器(電流計に並列)

考え方は図1のとおりです。測りたい電圧の全体が最大目盛の mm 倍なら、電圧計には 1 倍分だけ加え、残りの (m−1)(m-1) 倍分を倍率器に受け持たせます。電流も同じで、分流器が残りの (m−1)(m-1) 倍分を受け持ちます。

電圧 計器に直列に倍率器を入れて、電圧を分け合う m V 計器 V 倍率器 (m − 1) V 電流 計器に並列に分流器を入れて、電流を分け合う m Ia 計器 Ia 分流器 (m − 1) Ia 図は m = 4 の場合。計器の受け持ちは変わらない
図1 測定範囲を m 倍に広げる考え方(m = 4 の場合)。電圧は倍率器が余りを引き受け、電流は分流器が余りを引き受ける
灰色の盤に、黒い縁の丸形のアナログ計器が3個並んで取り付けられている写真。文字盤は無地で、針だけが見える
  1. 計器 針の振れで読む
  2. 針 測る値で振れる
  3. 計器 同じ形が3個並ぶ
  4. 盤 計器を取り付ける板
図2 盤に取り付けた指針式の計器。電圧や電流の大きさを、針の振れで読む(写真はイメージ)

電流計と電圧計のつなぎ方

倍率器と分流器を考える前に、電流計と電圧計の基本のつなぎ方を確認します(図3)。

E A R V 電流計 直列 電流を通す 電圧計 並列 R の電圧 を測る I 電流計は内部抵抗が小さく、電圧計は内部抵抗が大きい
図3 電流計と電圧計のつなぎ方。電流計は回路に直列、電圧計は測りたい部分に並列に入れる

電流計は、測りたい電流が通る道に直列に入れます。回路を一度切って、そこへ電流計をはさむつなぎ方です。直列なら、回路の電流がそのまま電流計を通ります。

電圧計は、電圧を測りたい部分の両端に並列につなぎます。回路を切る必要はなく、2 点に当てるだけで測れます。

計器つなぎ方内部抵抗
電流計回路に直列できるだけ小さく
電圧計測る部分に並列できるだけ大きく

内部抵抗の望ましい大きさが逆になるのは、計器を入れても回路の状態をなるべく変えないためです。

電流計は、直列に入れると回路の抵抗が内部抵抗 rar_a の分だけ増えます。たとえば、電源 6 [V]6\,\mathrm{[V]}、抵抗 R=20 ΩR = 20\,\Omega の回路の電流は 0.3 [A]0.3\,\mathrm{[A]} です。ここに内部抵抗 1 Ω1\,\Omega の電流計を入れると、次のようになります(電源の内部抵抗は無視します)。

I=620+1≒0.286 [A]I = \frac{6}{20 + 1} \fallingdotseq 0.286\,\mathrm{[A]}

本来の 0.3 [A]0.3\,\mathrm{[A]} より約 5% 小さく表示されます。rar_a が小さいほど、この誤差は小さくなります。

電圧計は、並列に入れると、測る部分の抵抗に電圧計の内部抵抗が並列に加わり、合成抵抗が小さくなります。その結果、測る部分の電圧が変わってしまいます。rvr_v が測る抵抗よりずっと大きければ、この影響は小さくなります。

アナログ計器の赤と黒の端子に、両手でバナナプラグのリード線を差し込もうとしている手元の写真。文字盤は無地で、中央にゼロ調整のねじが見える
図4 計器の端子にリード線のプラグを差す。直流の計器には+と−の向きがある(写真はイメージ)

倍率器の公式(電圧計の測定範囲を広げる)

最大目盛 VV、内部抵抗 rvr_v の電圧計で、mVm V までの電圧を測る場合を考えます。電圧計の最大目盛は VV なので、全体の電圧 mVmV のうち、電圧計の分は VV で、残りの (m−1)V(m-1)V を直列の倍率器 RmR_m に受け持たせます(図5)。

Rm V 倍率器 電圧計 内部抵抗 rv I (m − 1) V m V V Rm = (m − 1) rv 電圧計と同じ電流 I が流れるので、電圧に比例して決まる
図5 倍率器。電圧計に直列の抵抗 R_m を入れて、測れる電圧を m 倍にする。電圧計には最大目盛の V だけが加わる

直列なので、電圧計と倍率器には同じ電流が流れます。電流が共通なら、電圧の比は抵抗の比に等しくなります。

rv:Rm=V:(m−1)Vr_v : R_m = V : (m-1)V

右辺は 1:(m−1)1 : (m-1) なので、倍率器の抵抗は次のとおりです。

Rm=(m−1) rvR_m = (m-1)\,r_v

電流から確かめることもできます。電圧計に最大目盛の電圧が加わるときの電流は I=V/rvI = V/r_v です。倍率器の電圧 (m−1)V(m-1)V を、この電流で割ります。

Rm=(m−1)VI=(m−1)VV/rv=(m−1) rv\begin{aligned} R_m &= \frac{(m-1)V}{I} \\ &= \frac{(m-1)V}{V/r_v} \\ &= (m-1)\,r_v \end{aligned}

逆に、倍率器 RmR_m をつないだときの倍率は、次の式で求めます。電圧計の指示の mm 倍が、加わっている電圧です。

m=1+Rmrvm = 1 + \frac{R_m}{r_v}

分流器の公式(電流計の測定範囲を広げる)

最大目盛 IaI_a、内部抵抗 rar_a の電流計で、mIam I_a までの電流を測る場合を考えます。全体の電流 mIamI_a のうち、電流計に流す分は IaI_a で、残りの (m−1)Ia(m-1)I_a を並列の分流器 RsR_s に流します(図6)。

A Rs 電流計 内部抵抗 ra 分流器 m Ia Ia (m − 1) Ia Rs = ra ÷ (m − 1) 両方の枝の電圧が等しいので、電流の比の逆に抵抗が決まる
図6 分流器。電流計に並列の抵抗 R_s を入れて、測れる電流を m 倍にする。電流計には最大目盛の Ia だけが流れる

並列なので、電流計と分流器の両端の電圧は共通です。電圧が共通なら、電流の比は抵抗の逆比になります。電圧が等しいという式を立てます。

raIa=Rs (m−1)Iar_a I_a = R_s\,(m-1)I_a

両辺を (m−1)Ia(m-1)I_a で割ると、分流器の抵抗が求まります。

Rs=ram−1R_s = \frac{r_a}{m-1}

逆に、分流器 RsR_s をつないだときの倍率は、次の式で求めます。電流計の指示の mm 倍が、流れている電流です。

m=1+raRsm = 1 + \frac{r_a}{R_s}
銅色の端子ブロック2個の間に、金属の板が4枚並んでいる分流器の写真。板は端子ブロックの間を橋渡ししている
  1. 端子 電流の出入り口
  2. 端子 もう一方の出入り口
  3. 金属の板 電流が通る抵抗の部分
図7 端子ブロックの間に金属の板を並べた分流器。小さな抵抗値で、大きな電流を流せるようにしてある(写真はイメージ)

倍率器と分流器の対応表

2 つの公式は、倍率 mm で並べると違いがはっきりします。

倍率 mm倍率器 RmR_m分流器 RsR_s
2rvr_vrar_a
54 rv4\,r_vra/4r_a/4
109 rv9\,r_vra/9r_a/9
10099 rv99\,r_vra/99r_a/99

倍率器は大きな抵抗、分流器は小さな抵抗になります。電圧を直列で分けるときは、受け持つ電圧が大きいほど抵抗を大きく、電流を並列で分けるときは、受け持つ電流が大きいほど抵抗を小さくするからです。

倍率器や分流器をつけた後の、計器全体の内部抵抗も確かめておきます。電圧計と倍率器は直列なので、内部抵抗は足し算です。

rv+(m−1) rv=m rvr_v + (m-1)\,r_v = m\,r_v

電流計と分流器は並列なので、合成抵抗 rr の逆数は、逆数の和です。

1r=1ra+m−1ra=mra\begin{aligned} \frac{1}{r} &= \frac{1}{r_a} + \frac{m-1}{r_a} \\ &= \frac{m}{r_a} \end{aligned}

つまり r=ra/mr = r_a/m です。倍率器をつけると電圧計全体の内部抵抗は mm 倍に、分流器をつけると電流計全体の内部抵抗は 1/m1/m になります。測定範囲を広げても、電圧計は大きいほうへ、電流計は小さいほうへ、望ましい向きに変わります。

電圧計・電流計を 2 台つなぐとき

内部抵抗の違う電圧計を 2 台直列にしたり、電流計を 2 台並列にしたりする問題もあります。考え方は、オームの法則と直列回路の分圧と、並列回路の分流そのものです。計器は、内部抵抗の値をもつ抵抗として扱います。

電圧計の直列

内部抵抗 r1r_1、r2r_2 の電圧計を直列にして、電圧 VV を加えます(図8)。流れる電流は共通なので、各電圧計の電圧は内部抵抗に比例します。

V1 V2 内部抵抗 r1 内部抵抗 r2 V1 V2 I V V1 : V2 = r1 : r2 電圧は内部抵抗の大きい電圧計に、大きく加わる
図8 電圧計 2 台の直列。流れる電流が共通なので、電圧は内部抵抗に比例して分かれる
V1:V2=r1:r2V1=r1r1+r2 VV2=r2r1+r2 V\begin{aligned} V_1 : V_2 &= r_1 : r_2 \\ V_1 &= \frac{r_1}{r_1 + r_2}\,V \\ V_2 &= \frac{r_2}{r_1 + r_2}\,V \end{aligned}

電流計の並列

内部抵抗 r1r_1、r2r_2 の電流計を並列にして、電流 II を流します(図9)。両端の電圧が共通なので、各電流計の電流は内部抵抗に反比例します。

A1 A2 内部抵抗 r1 内部抵抗 r2 I1 I2 I I1 : I2 = r2 : r1 電流は内部抵抗の小さい電流計に、多く流れる
図9 電流計 2 台の並列。かかる電圧が共通なので、電流は内部抵抗に反比例して分かれる
I1:I2=r2:r1I1=r2r1+r2 II2=r1r1+r2 I\begin{aligned} I_1 : I_2 &= r_2 : r_1 \\ I_1 &= \frac{r_2}{r_1 + r_2}\,I \\ I_2 &= \frac{r_1}{r_1 + r_2}\,I \end{aligned}
黒い直流電源の箱と、角形のアナログ計器2台が、赤と黒のリード線でつながれている実験台の写真
  1. 電源 直流の電圧を加える
  2. 計器 針の振れで値を読む
  3. 計器 もう1台の計器
  4. リード線 赤と黒で回路をつなぐ
図10 電源と2台の計器をリード線でつないだ実験台。計器は、内部抵抗をもつ抵抗として扱う(写真はイメージ)

倍率器と分流器の例題

解答と解説を見る

倍率は、次のとおりです。

m=12020=6m = \frac{120}{20} = 6

倍率器の抵抗を求めます。

Rm=(m−1) rv=(6−1)×5=25 [kΩ]\begin{aligned} R_m &= (m-1)\,r_v \\ &= (6-1) \times 5 \\ &= 25\,\mathrm{[k\Omega]} \end{aligned}

検算します。電圧計に最大目盛で流れる電流は 20/5=4 [mA]20/5 = 4\,\mathrm{[mA]} です。倍率器が受け持つ電圧は 120−20=100 [V]120 - 20 = 100\,\mathrm{[V]} なので、100/4=25 [kΩ]100/4 = 25\,\mathrm{[k\Omega]} で一致します。

解答と解説を見る

倍率は、次のとおりです。

m=15015=10m = \frac{150}{15} = 10

分流器の抵抗を求めます。

Rs=ram−1=0.910−1=0.1 Ω\begin{aligned} R_s &= \frac{r_a}{m-1} \\ &= \frac{0.9}{10-1} \\ &= 0.1\,\Omega \end{aligned}

検算します。電流計の両端の電圧は 0.9×15=13.5 [mV]0.9 \times 15 = 13.5\,\mathrm{[mV]} です。分流器には 150−15=135 [mA]150 - 15 = 135\,\mathrm{[mA]} が流れるので、13.5/135=0.1 Ω13.5/135 = 0.1\,\Omega で一致します。

解答と解説を見る

(1) m=1+Rm/rvm = 1 + R_m/r_v を使います。

m=1+142=8\begin{aligned} m &= 1 + \frac{14}{2} \\ &= 8 \end{aligned}

(2) 電圧計の指示の mm 倍が、加えられている電圧です。

V=6.5×8=52 [V]\begin{aligned} V &= 6.5 \times 8 \\ &= 52\,\mathrm{[V]} \end{aligned}

検算します。電流は 6.5/2=3.25 [mA]6.5/2 = 3.25\,\mathrm{[mA]} で、全体の抵抗は 2+14=16 [kΩ]2 + 14 = 16\,\mathrm{[k\Omega]} です。16×3.25=52 [V]16 \times 3.25 = 52\,\mathrm{[V]} で一致します。

つぎは、内部抵抗の違う電圧計を直列にする問題です。

A B 12 kΩ 4 kΩ VA VB I 72 V 各電圧計の最大目盛は 60 V
図11 例題4の回路。電圧計 A(12 kΩ)と電圧計 B(4 kΩ)を直列にして 72 V を加える
解答と解説を見る

(1) 直列なので、電流は共通です。

I=7212+4=4.5 [mA]I = \frac{72}{12 + 4} = 4.5\,\mathrm{[mA]}

各電圧計の指示は、次のとおりです。

VA=12×4.5=54 [V]VB=4×4.5=18 [V]\begin{aligned} V_A &= 12 \times 4.5 \\ &= 54\,\mathrm{[V]} \\ V_B &= 4 \times 4.5 \\ &= 18\,\mathrm{[V]} \end{aligned}

合計は 54+18=72 [V]54 + 18 = 72\,\mathrm{[V]} で、加えた電圧と一致します。

(2) 最大目盛で流せる電流を、それぞれ求めます。

IA=6012=5 [mA]IB=604=15 [mA]\begin{aligned} I_A &= \frac{60}{12} = 5\,\mathrm{[mA]} \\ I_B &= \frac{60}{4} = 15\,\mathrm{[mA]} \end{aligned}

直列では電流が共通で、小さいほうの 5 [mA]5\,\mathrm{[mA]} が限界です。そのときの電圧は、次のとおりです。

V=5×(12+4)=80 [V]\begin{aligned} V &= 5 \times (12 + 4) \\ &= 80\,\mathrm{[V]} \end{aligned}

このとき A は 60 [V]60\,\mathrm{[V]}、B は 20 [V]20\,\mathrm{[V]} です。

よくある質問

倍率器の抵抗は、なぜ m 倍ではなく (m−1) 倍?

電圧計は、全体の電圧のうち 1/m1/m を受け持ち、残りの (m−1)/m(m-1)/m を倍率器が受け持つからです。直列では電圧が抵抗に比例するので、電圧計と倍率器の抵抗の比は 1:(m−1)1 : (m-1) になります。電圧計自身の内部抵抗 rvr_v も、全体の mrvm r_v の一部として数えられています。

電流計と電圧計を、逆につないだらどうなる?

電流計を電圧計の位置(並列)につなぐと、内部抵抗が小さいので大きな電流が流れ、計器や回路を壊すおそれがあります。電圧計を電流計の位置(直列)につなぐと、内部抵抗が大きいので回路の電流がほとんど流れなくなり、正しい値が測れません。

倍率器をつけた電圧計の指示は、どう読む?

計器自身の目盛を読んで、倍率 mm をかけます。たとえば例題 3 では、指示 6.5 [V]6.5\,\mathrm{[V]} に m=8m = 8 をかけて、52 [V]52\,\mathrm{[V]} です。分流器をつけた電流計も同じで、指示に mm をかけます。

分流器の抵抗が小さいのはなぜ?

大部分の電流を分流器に流すためです。並列では電流が抵抗に反比例して分かれるので、(m−1)(m-1) 倍の電流を流す分流器の抵抗は、電流計の 1/(m−1)1/(m-1) になります。分流器をつけると、電流計全体の内部抵抗は ra/mr_a/m と小さくなり、回路に入れたときの誤差も小さくなります。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

電流計は回路にどうつなぐ? 内部抵抗はどうあるのがよい?

回路に直列につなぎ、内部抵抗はできるだけ小さいほうがよいです。

電圧計は回路にどうつなぐ? 内部抵抗はどうあるのがよい?

測る部分に並列につなぎ、内部抵抗はできるだけ大きいほうがよいです。

倍率器とは何? 測定範囲を mm 倍にする抵抗は?

電圧計に直列につなぐ抵抗で、Rm=(m−1) rvR_m = (m-1)\,r_v です。

分流器とは何? 測定範囲を mm 倍にする抵抗は?

電流計に並列につなぐ抵抗で、Rs=ra/(m−1)R_s = r_a/(m-1) です。

電圧計を 2 台直列にしたとき、指示の比は?

電流が共通なので、内部抵抗の比です(V1:V2=r1:r2V_1 : V_2 = r_1 : r_2)。

電流計を 2 台並列にしたとき、電流の比は?

電圧が共通なので、内部抵抗の逆比です(I1:I2=r2:r1I_1 : I_2 = r_2 : r_1)。

まとめ

  • 電流計は回路に直列で内部抵抗が小さいほどよく、電圧計は測る部分に並列で内部抵抗が大きいほどよい
  • 倍率器は電圧計に直列の抵抗で、mm 倍にするには Rm=(m−1) rvR_m = (m-1)\,r_v。電圧は抵抗に比例して分かれる
  • 分流器は電流計に並列の抵抗で、mm 倍にするには Rs=ra/(m−1)R_s = r_a/(m-1)。電流は抵抗に反比例して分かれる
  • 係数は mm ではなく m−1m-1。つけた後の内部抵抗は、電圧計が m rvm\,r_v、電流計が ra/mr_a/m
  • 電圧計 2 台の直列は V1:V2=r1:r2V_1 : V_2 = r_1 : r_2、電流計 2 台の並列は I1:I2=r2:r1I_1 : I_2 = r_2 : r_1

分圧の考え方で迷ったらオームの法則と直列回路を、分流の考え方で迷ったら並列回路を、見直しましょう。

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デンケンラボ編集部

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