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理論電気計測 / 抵抗・インピーダンスの測定14分で読めます

抵抗の測定方法|電圧降下法の誤差・ブリッジ・接地抵抗の測り方を図解

電験三種の抵抗の測定を、図と例題で整理します。電圧降下法の2つのつなぎ方と誤差の向き、使い分けの境目、ブリッジ、低抵抗の四端子法、絶縁抵抗計、接地抵抗の測り方まで、順に確認できます。

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木の机の上に、黒い箱形のアナログメーターが2つ、手前に電池1本、抵抗器1本、赤と黒の電線が置かれた写真
この記事の目次
  1. 抵抗の測定とは
  2. 電圧降下法とは:2つのつなぎ方
  3. つなぎ方 A:電圧計を抵抗の両端につなぐ
  4. つなぎ方 B:電流計を抵抗の手前につなぐ
  5. 電圧降下法の誤差とつなぎ方の選び方
  6. ブリッジで中抵抗を精密に測る
  7. 低抵抗の測定と四端子法
  8. 絶縁抵抗計で高抵抗を測る
  9. 接地抵抗の測定方法(電位降下法)
  10. よくある質問
  11. 電圧降下法で、つなぎ方 A が向くのはどんなとき?
  12. 電圧計の内部抵抗は、大きいほどよい?
  13. ブリッジで測ると、精密に測れるのはなぜ?
  14. 接地抵抗の補助極の間隔は、何 m にする?
  15. まとめ
図解でわかる 電験三種 理論 1 直列回路 の表紙理論を図解で読む図解でわかる 電験三種 理論 1
直列回路
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電圧計と電流計で抵抗を測ると、計器そのものの抵抗のせいで、測定値が少しずれます。どちらにずれるかが分かれば、つなぎ方を選べます。

この記事では、抵抗の大きさで変わる測り方の全体像から、電圧降下法の2つのつなぎ方と誤差の向き、ブリッジ、四端子法、絶縁抵抗計、接地抵抗の測り方までを、図と例題で順に確認します。

抵抗の測定の全体像
  • 抵抗の測定とは
    • 抵抗の大きさ(低・中・高)で、測り方が変わる
  • 電圧降下法
    • 電圧計と電流計で R=V/IR = V/I を求める
    • 電圧計を抵抗の両端につなぐ形(A)は小さく、電流計を抵抗の手前につなぐ形(B)は大きく出る
    • 選び方の境目の目安は RARV\sqrt{R_A R_V}
  • ブリッジ
    • 中抵抗を、平衡条件から精密に測る
  • 低抵抗と高抵抗
    • 低抵抗は四端子法、高抵抗は絶縁抵抗計
  • 接地抵抗
    • 補助極 P・C を使う電位降下法

抵抗の測定とは

抵抗の測定は、抵抗の大きさによって、使う方法が変わります。小さい抵抗では、測定用のリード線や接触部の抵抗が、無視できなくなります。大きい抵抗では、わずかな漏れ電流が測定値を左右します。そこで、図1のように、低抵抗・中抵抗・高抵抗に分けて、方法を選びます。

低抵抗 1 Ω 前後以下 四端子法 ダブルブリッジ 中抵抗 1 Ω 〜 1 MΩ 電圧降下法 ブリッジ 高抵抗 1 MΩ 前後以上 絶縁抵抗計 直流の高電圧 抵抗が小さい 抵抗が大きい
図1 抵抗の大きさの区分(目安)と、主な測り方

区分の境目は、資料によって少しずつ違います。図の値は、あくまで目安です。区分ごとに、測るものと、気をつける点は次のとおりです。

区分測るもの気をつける点
低抵抗太い電線・接触部リード線・接触の抵抗
中抵抗抵抗器・巻線計器の内部抵抗
高抵抗絶縁物微小な漏れ電流

中抵抗の測定の基本になるのが、電圧計と電流計を使う電圧降下法です。次の節から、2つのつなぎ方を比べます。

電圧降下法とは:2つのつなぎ方

電圧降下法は、電圧計で抵抗の両端の電圧 VV を、電流計で流れる電流 II を測り、オームの法則で R=V/IR = V/I と求める方法です。電圧計と電流計を使うので、電圧計・電流計法とも呼ばれます。

ところが、電圧計にも電流計にも内部抵抗があります。電圧計の内部抵抗 RVR_V は大きく、電流計の内部抵抗 RAR_A は小さく作られています(倍率器と分流器で扱いました)。理想の計器ではないので、つなぎ方によって、測定値 M=V/IM = V/I が真の値 RR からずれます。誤差率は、指示電気計器と同じ定義で、真の値を RR、測定値を MM として ε=(M−R)/R\varepsilon = (M - R)/R と表します。ε\varepsilon が正なら大きく、負なら小さく測れています。

つなぎ方は2つあります。この記事では、次のように呼びます。

  • つなぎ方 A:電圧計を、抵抗のすぐ両端につなぐ
  • つなぎ方 B:電流計を抵抗のすぐ手前につなぎ、電圧計はその外側につなぐ

つなぎ方 A:電圧計を抵抗の両端につなぐ

+ E A RA R V RV 電流計の指示 I = R に流れる電流 + 電圧計に流れる電流
図2 電圧降下法のつなぎ方 A。電圧計を抵抗のすぐ両端につなぐ

図2で、電圧計の指示 VV は、RR の両端の電圧そのものです。しかし電流計は、RR に流れる電流に、電圧計に流れる電流を足した値を指します。電流を多めに測るので、V/IV/I は小さく出ます。電圧計は RR と並列につながっているので、測定値は RR と RVR_V の並列の合成抵抗です。

M=VI=RRVR+RVεA=M−RR=−RR+RV\begin{aligned} M &= \frac{V}{I} = \frac{R R_V}{R + R_V} \\ \varepsilon_A &= \frac{M - R}{R} = -\frac{R}{R + R_V} \end{aligned}

RR が RVR_V よりずっと小さいときは、εA≒−R/RV\varepsilon_A \fallingdotseq -R/R_V と近似できます。

つなぎ方 B:電流計を抵抗の手前につなぐ

+ E A RA V RV R 電圧計の指示 V = 電流計の電圧 + R の電圧
図3 電圧降下法のつなぎ方 B。電流計を抵抗のすぐ手前につなぎ、電圧計はその外側につなぐ

図3では、電流計の指示 II は、RR に流れる電流そのものです。しかし電圧計は、RR の電圧に、電流計の電圧降下 IRAI R_A を足した値を指します。電圧を多めに測るので、V/IV/I は大きく出ます。測定値は RR と RAR_A の直列の合成抵抗です。

M=VI=R+RAεB=M−RR=RAR\begin{aligned} M &= \frac{V}{I} = R + R_A \\ \varepsilon_B &= \frac{M - R}{R} = \frac{R_A}{R} \end{aligned}

電圧降下法の誤差とつなぎ方の選び方

2つのつなぎ方の誤差を比べます。εA≒−R/RV\varepsilon_A \fallingdotseq -R/R_V は、RR が小さいほど小さくなります。εB=RA/R\varepsilon_B = R_A/R は、RR が大きいほど小さくなります。したがって、RR が小さいときは A、大きいときは B が、誤差が小さくなって向いています。

つなぎ方向く抵抗誤差の原因
A小さい抵抗電圧計の電流
B大きい抵抗電流計の電圧降下
1 10 100 1k 10k 100 10 1 0.1 0.01 0.001 誤差率の大きさ [%] 抵抗 R [Ω] 0.5% R ≒ 100 Ω A が有利 B が有利 A B
図4 つなぎ方による誤差率の大きさ(RV = 20 kΩ、RA = 0.5 Ω の場合)

図4は、RV=20 kΩR_V = 20\,\mathrm{k\Omega}、RA=0.5 ΩR_A = 0.5\,\Omega の計器で、RR を変えたときの誤差率の大きさです。2本の線は、RR が約 100 Ω のところで交わります。この交点が、2つのつなぎ方を使い分ける境目です。

境目の値は、誤差の大きさが等しい条件 ∣εA∣=∣εB∣|\varepsilon_A| = |\varepsilon_B| から出せます。

RR+RV=RARR2=RA(R+RV)R2−RAR−RARV=0\begin{gathered} \frac{R}{R + R_V} = \frac{R_A}{R} \\ R^2 = R_A (R + R_V) \\ R^2 - R_A R - R_A R_V = 0 \end{gathered}

RR は RVR_V よりずっと小さいので、RARR_A R は RARVR_A R_V に比べて無視できます。すると、境目は次のようになります。

R2≒RARVR≒RARV\begin{aligned} R^2 &\fallingdotseq R_A R_V \\ R &\fallingdotseq \sqrt{R_A R_V} \end{aligned}

図の例では、0.5×20000=100 Ω\sqrt{0.5 \times 20000} = 100\,\Omega です。

解答と解説を見る

つなぎ方 A は、RR と RVR_V の並列です。

MA=RRVR+RV=50×1000050+10000≒49.75 ΩεA=49.75−5050≒−0.50 %\begin{aligned} M_A &= \frac{R R_V}{R + R_V} \\ &= \frac{50 \times 10000}{50 + 10000} \\ &\fallingdotseq 49.75\,\Omega \\ \varepsilon_A &= \frac{49.75 - 50}{50} \fallingdotseq -0.50\,\% \end{aligned}

つなぎ方 B は、RR と RAR_A の直列です。

MB=R+RA=50.1 ΩεB=RAR=0.150=+0.20 %\begin{aligned} M_B &= R + R_A = 50.1\,\Omega \\ \varepsilon_B &= \frac{R_A}{R} = \frac{0.1}{50} = +0.20\,\% \end{aligned}

誤差の大きさは、A が約 0.50 %、B が 0.20 % なので、B のほうが小さくなります。境目の目安 RARV=0.1×10000≒32 Ω\sqrt{R_A R_V} = \sqrt{0.1 \times 10000} \fallingdotseq 32\,\Omega より RR が大きいので、B が向く、という見積もりとも合っています。

測定値から真の値を求め直すこと(補正)もできます。つなぎ方 B なら、M=R+RAM = R + R_A から R=M−RAR = M - R_A です。つなぎ方 A なら、M=RRV/(R+RV)M = R R_V/(R + R_V) を RR について解いて、R=MRV/(RV−M)R = M R_V/(R_V - M) となります。

解答と解説を見る

測定値は、電圧を電流で割った値です。

M=VI=12.00.200=60.0 ΩM = \frac{V}{I} = \frac{12.0}{0.200} = 60.0\,\Omega

つなぎ方 B では M=R+RAM = R + R_A なので、電流計の内部抵抗を引くと、真の値が出ます。

R=M−RA=60.0−0.5=59.5 ΩR = M - R_A = 60.0 - 0.5 = 59.5\,\Omega

誤差率は、次のとおりです。

ε=M−RR=0.559.5≒+0.84 %\begin{aligned} \varepsilon &= \frac{M - R}{R} \\ &= \frac{0.5}{59.5} \fallingdotseq +0.84\,\% \end{aligned}

ブリッジで中抵抗を精密に測る

ブリッジは、既知の抵抗と見比べて、未知の抵抗を測る方法です。検流計の指示が 0 になるように調整すると、向かい合う辺の抵抗の積が等しくなる平衡条件 R1R4=R2R3R_1 R_4 = R_2 R_3 が成り立ちます(導き方はブリッジ回路)。平衡条件には、電源の電圧も検流計の抵抗も出てきません。そのため、電圧降下法のような、計器の内部抵抗による誤差の問題が起きません。測定値の精度は、比べる相手の既知の抵抗の精度で決まります。

測りたい抵抗には、たとえば基板に取り付ける抵抗器があります。抵抗器は色帯で値を表しますが、表示値には幅(許容差)があります。実際の値を精密に知りたいときに、ブリッジの出番があります。

緑の基板に、色帯のついた抵抗器が3列×5行で並び、リード線が基板の穴にはんだ付けされた写真
  1. 抵抗器 基板に取り付けられている
  2. はんだ付け リード線を基板に固定
  3. 色帯 抵抗の値を表す
  4. 配線 金色の線で部品をつなぐ
図5 抵抗器を基板に取り付けた例。色帯で値が表される(写真はイメージ)

ブリッジには、電源の種類で2つあります。

種類電源測るもの
直流ブリッジ直流抵抗
交流ブリッジ交流インピーダンス

交流ブリッジは、4つの辺をインピーダンスにしたブリッジです。平衡条件は Z1Z4=Z2Z3Z_1 Z_4 = Z_2 Z_3 です。インピーダンス(RLC 直列回路のインピーダンス)は大きさと位相をもつので、条件が2つになります。各インピーダンスの大きさを ∣Z∣|Z|、位相角を θ\theta とすると、次の2つが同時に成り立つときに平衡します。

∣Z1∣ ∣Z4∣=∣Z2∣ ∣Z3∣θ1+θ4=θ2+θ3\begin{gathered} |Z_1|\,|Z_4| = |Z_2|\,|Z_3| \\ \theta_1 + \theta_4 = \theta_2 + \theta_3 \end{gathered}
+ E Rx 未知 R3 450 Ω R2 200 Ω R4 300 Ω a b c d G 指示 0
図6 例題3 のブリッジ回路。検流計 G の指示は 0
解答と解説を見る

平衡条件を使います。RxR_x(a-c)と R4R_4(d-b)は向かい合う辺で、R2R_2(a-d)と R3R_3(c-b)も向かい合う辺です。この2組の積が等しくなります。

RxR4=R2R3Rx=R2R3R4=200×450300=300 Ω\begin{aligned} R_x R_4 &= R_2 R_3 \\ R_x &= \frac{R_2 R_3}{R_4} \\ &= \frac{200 \times 450}{300} = 300\,\Omega \end{aligned}

比で確かめます。Rx:R3=300:450=2:3R_x : R_3 = 300 : 450 = 2 : 3、R2:R4=200:300=2:3R_2 : R_4 = 200 : 300 = 2 : 3 で、一致します。

低抵抗の測定と四端子法

1 Ω 前後より小さい抵抗では、測定用のリード線の抵抗や、リード線と端子の接触の抵抗が、測りたい抵抗と同じくらいの大きさになります。これらが電圧計の測定に入り込むと、測定値は大きく出ます。

四端子法は、電流を流す端子と、電圧を測る端子を分けて、この影響を除く方法です。図7で、二端子法と比べます。

二端子法 V = I(R + 2r) I r r R V 四端子法 V = I R I r r R V
図7 二端子法と四端子法。青い r は、リード線と接触の抵抗

二端子法では、電流が通るリード線と同じ線で電圧を測るので、リード線と接触の抵抗 rr の電圧降下が、電圧計の指示に入ります。四端子法では、電圧計を別の端子で RR の両端につなぎます。電圧計に電流はほとんど流れないので、その線の電圧降下は 0 とみなせて、電圧計は RR の電圧だけを指します。

数値で比べます。真の値 R=0.020 ΩR = 0.020\,\Omega の抵抗を、リード線と接触の抵抗が 1 本あたり r=0.040 Ωr = 0.040\,\Omega、電流 I=1 AI = 1\,\mathrm{A} で測るとします。二端子法では、リード線は 2 本分入ります。

M=R+2r=0.020+2×0.040=0.100 Ω\begin{aligned} M &= R + 2r \\ &= 0.020 + 2 \times 0.040 \\ &= 0.100\,\Omega \end{aligned}

真の値の 5 倍で、誤差率は +400 %+400\,\% です。四端子法なら、M=R=0.020 ΩM = R = 0.020\,\Omega と測れます。

低抵抗の測定には、接触抵抗の影響を消すように工夫したブリッジ(ダブルブリッジ)も使われます。

絶縁抵抗計で高抵抗を測る

絶縁物の抵抗は非常に大きく、低い電圧では流れる電流が小さすぎて測れません。絶縁抵抗計は、絶縁物に直流の高い電圧をかけて、流れるわずかな漏れ電流から、抵抗を求める計器です。

配電盤の前で、白い軍手の手が、灰色の絶縁抵抗計から出た赤と黒のリード線の先のプローブを、遮断器の端子と金属の筐体に当てている写真
  1. 赤のプローブ 遮断器の端子に当てる
  2. 絶縁抵抗計 直流の高電圧を出す
  3. 端子 リード線をつなぐ
  4. 黒のプローブ 金属の筐体に当てる
図8 絶縁抵抗計の使い方の例。赤いリード線を遮断器の端子に、黒いリード線を金属の筐体に当てている(写真はイメージ)

測るときは、測りたい電線などに線路端子 L を、大地や金属の筐体に接地端子 E をつなぎます。たとえば、500 V をかけて 0.5 mA の電流が流れたとき、絶縁抵抗は次のとおりです。

R=VI=5000.5×10−3=1×106 Ω=1 MΩ\begin{aligned} R &= \frac{V}{I} \\ &= \frac{500}{0.5 \times 10^{-3}} \\ &= 1 \times 10^{6}\,\Omega = 1\,\mathrm{M\Omega} \end{aligned}

絶縁の考え方は、絶縁耐力試験の記事で整理しています。

接地抵抗の測定方法(電位降下法)

接地抵抗は、接地極と大地の間の抵抗です。接地極は大地につながっているので、普通の抵抗のように「もう一方の端子」を置く場所がありません。そこで、補助の電極を地面に打って測ります。

土の地面に銅色の棒が立ち、金具のクランプで緑色の被覆の線が棒につながれている写真
  1. 銅色の棒 地面に打ち込む
  2. クランプ 線を棒に固定する
  3. 緑の線 クランプで棒につながる
  4. 土 棒のまわりの大地
図9 地面に打った接地極の例。クランプで線をつなぐ(写真はイメージ)

測り方は、電位降下法(三極法)です。接地抵抗計の E 端子に被測定接地極 E を、P 端子に電位補助極 P を、C 端子に電流補助極 C をつなぎます。E・P・C を一直線に並べて打ちます。

接地抵抗計 E 被測定接地極 P 電位補助極 C 電流補助極 d1 d2 電位 0 V なだらか
図10 接地抵抗の測定。E・P・C を一直線に並べる(電位の分布は概念図)

測定の手順は、次のとおりです。

  1. E と C の間に電流 II を流す
  2. E と P の間の電圧 VV を測る
  3. RE=V/IR_E = V/I で、接地抵抗を求める

電位は、E や C の近くでは急に変化しますが、その中間ではなだらかです。P をなだらかな所に置くと、E と P の間の電圧が、P の位置に左右されにくくなります。

接地抵抗計は、一般に直流ではなく交流の電流で測ります。直流を土に流すと、電極のまわりで電気分解による分極が起きて、測定値が乱れるためです。

補助極の間隔は、E・P・C を一直線に、十分離して打ちます。具体的な間隔は、接地抵抗計の取扱説明書に従い、P の位置を少し動かしても値が変わらない所を探します。

草地に金属の棒が3本、手前から奥へ一直線に並び、手前の棒の根元から黒い線が伸びている写真
図11 棒を一直線に並べた様子。E・P・C もこのように並べる(写真はイメージ)

なお、半球状の電極と一様な土壌を仮定した理論では、E から C までの距離の約 61.8 % の位置に P を置くと、真の値が得られることが知られています(61.8 % 法)。実際の測定では、土壌が一様とは限らないので、取扱説明書の手順に従います。

規定の接地抵抗値は、接地工事の種類と接地抵抗値で整理しています。

解答と解説を見る

正解は、エです。

  • ア 正しい。電圧計に電流がほとんど流れないので、リード線と接触の抵抗の影響が入らない。
  • イ 正しい。絶縁物の漏れ電流は小さいので、高い電圧をかけて測る。
  • ウ 正しい。電位の分布を使う測定なので、一直線に、十分離して打つ。
  • エ 誤り。補助極が近すぎると、E と C のまわりの電位の変化が重なる。P の電位が正しい値にならず、測定値が真の値からずれる。

よくある質問

電圧降下法で、つなぎ方 A が向くのはどんなとき?

測る抵抗 RR が、境目の目安 RARV\sqrt{R_A R_V} より小さいときです。A の誤差の大きさは R/(R+RV)R/(R + R_V) で、RR が小さいほど、電圧計に流れる電流の割合が小さくなるからです。RR が大きいときは、B のほうが誤差が小さくなります。

電圧計の内部抵抗は、大きいほどよい?

大きいほど、誤差が小さくなります。つなぎ方 A の誤差は R/(R+RV)R/(R + R_V) なので、RVR_V が大きいほど小さくなるからです。反対に、電流計の内部抵抗は、小さいほどよい計器です。つなぎ方 B の誤差 RA/RR_A/R は、RAR_A が小さいほど小さくなります。

ブリッジで測ると、精密に測れるのはなぜ?

平衡のとき、検流計に電流が流れず、平衡条件に電源の電圧や検流計の抵抗が出てこないからです。電圧降下法のような、計器の内部抵抗による誤差が入りません。精度は、比べる既知の抵抗の精度で決まります。

接地抵抗の補助極の間隔は、何 m にする?

一般に、E・P・C を一直線に十分離して打ちます。何 m にするかは、接地抵抗計の取扱説明書に従います。土壌の状態で変わるので、P の位置を少し動かしても値が変わらない所を探すのが、確かな方法です。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

つなぎ方 A(電圧計を抵抗の両端につなぐ形)の測定値は、真の値より大きいですか、小さいですか。

小さくなります。電流計が、電圧計に流れる電流まで測るからです。

つなぎ方 B の測定値と誤差率は、どう書けますか。

M=R+RAM = R + R_A、誤差率は εB=RA/R\varepsilon_B = R_A/R です。

2つのつなぎ方の境目の目安は、何ですか。

RARV\sqrt{R_A R_V} です。これより RR が小さければ A、大きければ B が向きます。

低抵抗の測定で、四端子法を使うのはなぜですか。

リード線と接触の抵抗の電圧降下が、測定値に入らないようにするためです。

絶縁抵抗計は、どのようにして高抵抗を測りますか。

直流の高い電圧をかけて、流れる漏れ電流から求めます。

接地抵抗の測定で、E・P・C はどう並べ、何を測りますか。

一直線に十分離して並べ、E と C の間の電流 II と、E と P の間の電圧 VV から、RE=V/IR_E = V/I を求めます。

まとめ

  • 抵抗の測定は、大きさで方法が変わる。低抵抗は四端子法、中抵抗は電圧降下法やブリッジ、高抵抗は絶縁抵抗計
  • 電圧降下法のつなぎ方 A は、測定値が小さく出る(εA≒−R/RV\varepsilon_A \fallingdotseq -R/R_V)。つなぎ方 B は、大きく出る(εB=RA/R\varepsilon_B = R_A/R)
  • 境目の目安は R≒RARVR \fallingdotseq \sqrt{R_A R_V}。これより小さい抵抗は A、大きい抵抗は B で測る
  • ブリッジは、平衡条件で未知の抵抗を出す。電源や検流計の内部抵抗の影響を受けない。交流ブリッジの平衡条件は、大きさと位相の2つ
  • 接地抵抗は、E・P・C を一直線に十分離して打ち、E と C の間の電流と、E と P の間の電圧から求める

計器の誤差の考え方は測定の誤差を、ブリッジの平衡条件の導き方はブリッジ回路を、見直しましょう。

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デンケンラボ編集部

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