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理論電気計測 / 電力・電力量の測定13分で読めます

二電力計法の公式|三相電力の測定と力率の求め方・電力量計の計器定数を図解

電験三種の電気計測を図解で整理します。三相電力を2台の電力計で測る二電力計法の導出、指示値の式とフェーザ図、力率の求め方、電力量計の計器定数、計器用変成器(VT・CT)の使い方を例題つきで確認できます。

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ベージュの壁に取り付けた、白い箱形の電力量計の写真
この記事の目次
  1. 二電力計法とは
  2. 二電力計の指示値の式とフェーザ図
  3. 力率の求め方と W2 が負になる場合
  4. 電力量計と計器定数
  5. 計器用変成器(VT・CT)
  6. よくある質問
  7. 負荷が不平衡でも、二電力計法は使えるの?
  8. W2 が負のとき、どう扱うの?
  9. 式に 30° が出てくるのは、なぜ?
  10. 計器定数とは?
  11. まとめ
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直列回路
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指示電気計器の種類では、電力を測る計器が電流力計形の電力計だと確認しました。単相の電力は電力計 1 台で測れますが、三相 3 線式の電力は、電力計 2 台の指示値の和で求まります。これが二電力計法です。2 台の指示値の差からは、力率も求められます。この記事では、二電力計法の考え方、指示値の式、力率の求め方、電力量計の計器定数、計器用変成器(VT・CT)の使い方を、例題で確認します。三相電力の基本は三相交流回路、力率の意味は交流電力と力率で確認できます。

二電力計法の全体像
  • 二電力計法とは
    • 三相 3 線式で、電力計 2 台を 1 本の線を共通にしてつなぐ。三相電力 P = W1 + W2
  • 二電力計の指示値の式とフェーザ図
    • W1 = V I cos(30°-φ)、W2 = V I cos(30°+φ)。V は線間電圧、I は線電流、φ は力率角
  • 力率の求め方と W2 が負になる場合
    • tanφ = √3 (W1-W2)/(W1+W2)。力率 0.5 で W2 = 0、0.5 未満では W2 が負
  • 電力量計と計器定数
    • 電力量計は円板の回転数で電力量を測る。平均電力 = 3600 × 回転数/(計器定数 × 秒数)
  • 計器用変成器(VT・CT)
    • 高電圧・大電流を小さくして測る。CT の二次側は開放しない。一次側の値 = 指示値 × 変成比

二電力計法とは

電力計は、負荷の電圧と電流、力率の積である有効電力を指示する計器です。電流コイルを負荷と直列に、電圧コイルを負荷と並列につなぎます(図1)。電圧コイルには高抵抗を直列に入れて、流れる電流を小さくしています。

電源 電流コイル (負荷と直列) 負荷 高抵抗 電圧コイル (負荷と並列) I V 電力計の指示値 W = V I cosφ
図1 電力計の接続。電流コイルは負荷と直列、電圧コイルは負荷と並列につなぐ

単相の電力は、この電力計 1 台で測れます。三相の機器には、単相用より大形で、複数のピンを持つコンセントを使うものがあります(図2)。

壁に付いた灰色の大形コンセントと、金色のピンが4本ある灰色のプラグの写真
図2 複数のピンを持つ大形のコンセントとプラグの例(写真はイメージ)

中性線がある三相 4 線式では、線ごとに 1 台、計 3 台の電力計を使う三電力計法で測ります。一方、三相 3 線式では、2 台で足ります。3 本の線のうち 1 本を共通にして、残る 2 本の線に電力計の電流コイルを入れます(図3)。電圧コイルは、それぞれの線と共通の線とのあいだにつなぎます。

a c b 三相電源 W1 電流コイル W2 電流コイル 三相 負荷 W1 電圧コイル W2 電圧コイル Ia Ib W1:電流 Ia と電圧 Vac W2:電流 Ib と電圧 Vbc
図3 二電力計法の結線。c 線を共通にして、a 線と b 線に電流コイルを入れる(高抵抗は省略)

W1 の電流コイルには線電流 I˙a\dot{I}_a、電圧コイルには線間電圧 V˙ac\dot{V}_{ac} が加わります。W2 の電流コイルには I˙b\dot{I}_b、電圧コイルには V˙bc\dot{V}_{bc} が加わります。

なぜ 2 台の和が三相電力になるのか、瞬時電力で確かめます。各線の電流の瞬時値を iai_a、ibi_b、ici_c、負荷の各端子の電位を vav_a、vbv_b、vcv_c とします(電位は共通の基準点からはかります。基準点はどこでもかまいません)。三相の瞬時電力 pp は、3 本の線の電力の和です。三相 3 線式では、3 本の電流の和が 0 なので(キルヒホッフの電流則、キルヒホッフの法則)、ic=−(ia+ib)i_c = -(i_a + i_b) とおけます。

p=vaia+vbib+vcic=vaia+vbib−vc(ia+ib)=(va−vc) ia+(vb−vc) ib=vac ia+vbc ib\begin{aligned} p &= v_a i_a + v_b i_b + v_c i_c \\ &= v_a i_a + v_b i_b - v_c (i_a + i_b) \\ &= (v_a - v_c)\, i_a + (v_b - v_c)\, i_b \\ &= v_{ac}\, i_a + v_{bc}\, i_b \end{aligned}

vacv_{ac}、vbcv_{bc} は線間電圧の瞬時値です。右辺の第 1 項が W1 の、第 2 項が W2 の瞬時電力で、それぞれの平均が電力計の指示値になります。平均すると、三相電力 PP が得られます。

P=W1+W2P = W_1 + W_2

この導出では、負荷が平衡しているという仮定を使っていません。

二電力計の指示値の式とフェーザ図

負荷が平衡しているとき、2 台の指示値は、線間電圧 VV、線電流 II、負荷の力率角 φ\varphi で表せます。φ\varphi は、負荷の 1 相の電圧と電流の位相差で、三相電力の式 P=3 VIcos⁡φP = \sqrt{3}\,VI\cos\varphi の φ\varphi と同じものです。

相順を a→b→c とし、相電圧 E˙a\dot{E}_a を基準にします。線間電圧は相電圧の差なので、V˙ac=E˙a−E˙c\dot{V}_{ac} = \dot{E}_a - \dot{E}_c、V˙bc=E˙b−E˙c\dot{V}_{bc} = \dot{E}_b - \dot{E}_c です。大きさは V=3EV = \sqrt{3}E になります。向きは、図4 のとおりです。

Ea Eb Ec Vac Vbc Ia Ib φ 30°−φ 30°+φ 相電圧 E 線間電圧 V 線電流 I (φ=20° の例。矢印の長さは大きさの比ではない)
図4 電圧と電流のフェーザ図(φ=20° の例)。線間電圧は、原点から描いて向きを見る
  • V˙ac\dot{V}_{ac} は E˙a\dot{E}_a より 30∘30^\circ 遅れる
  • V˙bc\dot{V}_{bc} は E˙b\dot{E}_b より 30∘30^\circ 進む
  • I˙a\dot{I}_a は E˙a\dot{E}_a より φ\varphi 遅れ、I˙b\dot{I}_b は E˙b\dot{E}_b より φ\varphi 遅れる

電力計は、電圧コイルの電圧と電流コイルの電流の大きさの積に、2 つの位相差の cos をかけた値を指示します。W1 では V˙ac\dot{V}_{ac} と I˙a\dot{I}_a の位相差が 30∘−φ30^\circ - \varphi、W2 では V˙bc\dot{V}_{bc} と I˙b\dot{I}_b の位相差が 30∘+φ30^\circ + \varphi です。よって、指示値は次の式になります。

W1=VIcos⁡(30∘−φ)W2=VIcos⁡(30∘+φ)\begin{aligned} W_1 &= VI\cos(30^\circ - \varphi) \\ W_2 &= VI\cos(30^\circ + \varphi) \end{aligned}

和をとると、加法定理 cos⁡(A−B)+cos⁡(A+B)=2cos⁡Acos⁡B\cos(A-B) + \cos(A+B) = 2\cos A\cos B から、三相電力の式になります。

W1+W2=2VIcos⁡30∘cos⁡φ=3 VIcos⁡φ\begin{aligned} W_1 + W_2 &= 2VI\cos 30^\circ \cos\varphi \\ &= \sqrt{3}\,VI\cos\varphi \end{aligned}

力率の求め方と W2 が負になる場合

差をとると、同じ加法定理から次の式が得られます。

W1+W2=3 VIcos⁡φW1−W2=2VIsin⁡30∘sin⁡φ=VIsin⁡φ\begin{aligned} W_1 + W_2 &= \sqrt{3}\,VI\cos\varphi \\ W_1 - W_2 &= 2VI\sin 30^\circ \sin\varphi \\ &= VI\sin\varphi \end{aligned}

2 式の比をとると、VV と II が消えて、力率角 φ\varphi だけが残ります。

tan⁡φ=3 (W1−W2)W1+W2\tan\varphi = \frac{\sqrt{3}\,(W_1 - W_2)}{W_1 + W_2}

この tan⁡φ\tan\varphi から φ\varphi を求め、cos⁡φ\cos\varphi を計算します。tan⁡φ\tan\varphi から cos⁡φ\cos\varphi を直接求めるときは、cos⁡φ=1/1+tan⁡2φ\cos\varphi = 1/\sqrt{1 + \tan^2\varphi} を使います。無効電力は Q=3 (W1−W2)Q = \sqrt{3}\,(W_1 - W_2) です。なお、この式は平衡負荷のときに成り立ちます。

力率が下がると、2 台の指示値は次のように変わります。

力率角 φ\varphi力率 cos⁡φ\cos\varphi2 台の関係
0∘0^\circ1W1=W2W_1 = W_2
30∘30^\circ約 0.866W2=W1/2W_2 = W_1/2
60∘60^\circ0.5W2=0W_2 = 0
60∘60^\circ 超0.5 未満W2W_2 は負

力率 1 では 2 台が同じ値を示し、力率が下がるほど差が開きます。力率 0.5(φ=60∘\varphi = 60^\circ)で W2W_2 が 0 になり、それより力率が低いと W2W_2 は負になります(図5)。

1 0.5 −0.5 0 指示値(V I を 1 とする) 0° 30° 60° 90° φ W1 W2 φ=60° で W2=0 (力率 0.5) W2 は負
図5 力率角 φ と 2 台の指示値。φ=60° で W2=0、それより大きいと W2 は負

W2W_2 が負のとき、電力計の針は逆向きに振れます。電圧コイルか電流コイルのどちらかの接続を逆にして値を読み、負の値として和を計算します。

解答と解説を見る

(1) 三相電力は、2 台の指示値の和です。

P=W1+W2=4.0+2.0=6.0 [kW]\begin{aligned} P &= W_1 + W_2 \\ &= 4.0 + 2.0 \\ &= 6.0\,\mathrm{[kW]} \end{aligned}

(2) tan⁡φ\tan\varphi を求めます。

tan⁡φ=3 (4.0−2.0)4.0+2.0=33≒0.577\begin{aligned} \tan\varphi &= \frac{\sqrt{3}\,(4.0 - 2.0)}{4.0 + 2.0} \\ &= \frac{\sqrt{3}}{3} \\ &\fallingdotseq 0.577 \end{aligned}

tan⁡30∘≒0.577\tan 30^\circ \fallingdotseq 0.577 なので φ=30∘\varphi = 30^\circ、力率は cos⁡30∘≒0.866\cos 30^\circ \fallingdotseq 0.866 です。

(3) P=3 VIcos⁡φP = \sqrt{3}\,VI\cos\varphi を II について解きます。

I=P3 Vcos⁡φ=60003×200×0.866=20 [A]\begin{aligned} I &= \frac{P}{\sqrt{3}\,V\cos\varphi} \\ &= \frac{6000}{\sqrt{3} \times 200 \times 0.866} \\ &= 20\,\mathrm{[A]} \end{aligned}

確かめると、W1=VIcos⁡(30∘−30∘)=200×20=4000 [W]W_1 = VI\cos(30^\circ - 30^\circ) = 200 \times 20 = 4000\,\mathrm{[W]} で、指示値と一致します。

解答と解説を見る

(1) W2W_2 は負なので、W2=−1.0 [kW]W_2 = -1.0\,\mathrm{[kW]} です。

P=W1+W2=3.0−1.0=2.0 [kW]\begin{aligned} P &= W_1 + W_2 \\ &= 3.0 - 1.0 \\ &= 2.0\,\mathrm{[kW]} \end{aligned}

(2) tan⁡φ\tan\varphi を求めて、cos⁡φ\cos\varphi に直します。

tan⁡φ=3 {3.0−(−1.0)}3.0+(−1.0)=432=23≒3.46\begin{aligned} \tan\varphi &= \frac{\sqrt{3}\,\{3.0 - (-1.0)\}}{3.0 + (-1.0)} \\ &= \frac{4\sqrt{3}}{2} \\ &= 2\sqrt{3} \fallingdotseq 3.46 \end{aligned}cos⁡φ=11+tan⁡2φ=11+12≒0.277\begin{aligned} \cos\varphi &= \frac{1}{\sqrt{1 + \tan^2\varphi}} \\ &= \frac{1}{\sqrt{1 + 12}} \\ &\fallingdotseq 0.277 \end{aligned}

力率が 0.5 より小さいので、W2W_2 が負になる条件と合っています。

(3) 無効電力は、2 台の指示値の差から求めます。

Q=3 (W1−W2)=3×4.0≒6.93 [kvar]\begin{aligned} Q &= \sqrt{3}\,(W_1 - W_2) \\ &= \sqrt{3} \times 4.0 \\ &\fallingdotseq 6.93\,\mathrm{[kvar]} \end{aligned}

電力量計と計器定数

電力に時間をかけた電力量は、電力量計で測ります。誘導形の電力量計は、金属の円板が負荷の電力に比例した速さで回ります(図6)。円板が回った数が電力量に比例するので、回転数を数えれば電力量がわかります。

ガラスのふたの中に、銅線を巻いたコイルと軸、銀色の円板が見える電力量計の内部の写真
  1. 円板 電力に比例して回る
  2. コイル 銅線を巻いた部分
  3. 軸 円板を支える棒
  4. 黒い印 回転数を数える目印
図6 誘導形の電力量計の内部。円板が回る(写真はイメージ)

円板が 1 [kWh]1\,\mathrm{[kWh]} あたり何回転するかを表した値が計器定数で、単位は [rev/kWh]\mathrm{[rev/kWh]} です。計器定数を KK、円板が t [s]t\,\mathrm{[s]} に nn 回転したとします。このあいだの電力量は n/K [kWh]n/K\,\mathrm{[kWh]} で、時間は t/3600 [h]t/3600\,\mathrm{[h]} です。平均電力は、電力量を時間で割って求めます。

P=n/Kt/3600=3600 nK t [kW]\begin{aligned} P &= \frac{n/K}{t/3600} \\ &= \frac{3600\,n}{K\,t}\,\mathrm{[kW]} \end{aligned}

円板のない電子式の電力量計も、1 [kWh]1\,\mathrm{[kWh]} あたりのパルス数 [pulse/kWh]\mathrm{[pulse/kWh]} で、同じように表します。

解答と解説を見る

(1) K=1000K = 1000、n=10n = 10、t=60t = 60 を式に入れます。

P=3600×101000×60=0.6 [kW]\begin{aligned} P &= \frac{3600 \times 10}{1000 \times 60} \\ &= 0.6\,\mathrm{[kW]} \end{aligned}

(2) 2 [kW]2\,\mathrm{[kW]} で 1 時間使うと 2 [kWh]2\,\mathrm{[kWh]} なので、円板は 1 時間に 20002000 回転します。1 分あたりに直します。

200060≒33.3 [回/分]\begin{aligned} \frac{2000}{60} &\fallingdotseq 33.3\,\text{[回/分]} \end{aligned}

計器用変成器(VT・CT)

高電圧の回路や大電流の回路は、電力計を直接つなぐことができません。そこで、計器用変成器で電圧や電流を小さくして測ります。VT(計器用変圧器)は電圧を、CT(変流器)は電流を、それぞれ一定の比で小さな値にします。VT は回路と並列に、CT は直列につなぎ、二次側に電力計の電圧コイルと電流コイルをつなぎます(図7)。

CT 負荷 VT 電流コイル 電圧コイル 電力計 一次側の電力 = 指示値 × VT の変成比 × CT の変流比
図7 VT と CT を使った電力測定。二次側に電力計をつなぎ、一次側の電力に換算する

高圧の受電設備では、母線を流れる電流を小さくするために、リング形の変流器などが組み込まれることがあります(図8)。

箱の中に白い碍子と銅色の母線、茶色の円筒とリング形の部品が三相分並ぶ受電設備の写真
  1. 碍子 母線を支える白い部品
  2. 母線 電流が流れる銅の棒
  3. 変流器 リング形の部品
図8 高圧の受電設備の内部(写真はイメージ)

VT と CT の違いを、表にまとめます。

項目VTCT
変換する量電圧電流
二次側の例110 [V]110\,\mathrm{[V]}5 [A]5\,\mathrm{[A]}
二次側の扱い短絡しない開放しない

VT の二次側を短絡すると、大きな電流が流れて焼損するおそれがあります。

VT の一次電圧と二次電圧の比を変成比、CT の一次電流と二次電流の比を変流比といいます。たとえば VT が 6600/110 [V]6600/110\,\mathrm{[V]} なら変成比は 6060、CT が 50/5 [A]50/5\,\mathrm{[A]} なら変流比は 1010 です。一次側の電力は、二次側の指示値に両方の比をかけて求めます。

一次側の電力=指示値=×変成比=×変流比\begin{aligned} \text{一次側の電力} &= \text{指示値} \\ &\phantom{=}{}\times \text{変成比} \\ &\phantom{=}{}\times \text{変流比} \end{aligned}
解答と解説を見る

(1) 二次側の電力は、2 台の指示値の和です。

P2=W1+W2=300+150=450 [W]\begin{aligned} P_2 &= W_1 + W_2 \\ &= 300 + 150 \\ &= 450\,\mathrm{[W]} \end{aligned}

変成比は 6600/110=606600/110 = 60、変流比は 50/5=1050/5 = 10 です。一次側の電力は、次のとおりです。

P1=450×60×10=270000 [W]=270 [kW]\begin{aligned} P_1 &= 450 \times 60 \times 10 \\ &= 270000\,\mathrm{[W]} \\ &= 270\,\mathrm{[kW]} \end{aligned}

(2) 力率は、二次側の指示値から求めます。変成比と変流比は、比どうしで消えます。

tan⁡φ=3 (300−150)300+150=33≒0.577\begin{aligned} \tan\varphi &= \frac{\sqrt{3}\,(300 - 150)}{300 + 150} \\ &= \frac{\sqrt{3}}{3} \\ &\fallingdotseq 0.577 \end{aligned}

φ=30∘\varphi = 30^\circ なので、力率は cos⁡30∘≒0.866\cos 30^\circ \fallingdotseq 0.866 です。

よくある質問

負荷が不平衡でも、二電力計法は使えるの?

三相 3 線式なら使えます。3 本の電流の和が 0 になるので、全電力は W1+W2W_1 + W_2 で求まります。導出で、平衡の仮定は使っていません。一方、tan⁡φ\tan\varphi の式で力率を求められるのは、平衡負荷のときだけです。中性線に電流が流れる三相 4 線式では、2 台では全電力にならないので、3 台使う三電力計法で測ります。

W2 が負のとき、どう扱うの?

針が逆に振れるので、電圧コイルか電流コイルのどちらかの接続を逆にして値を読みます。その値を負として、W1+W2W_1 + W_2 を計算します。力率が 0.5 より小さい(φ\varphi が 60∘60^\circ より大きい)と、この状態になります。

式に 30° が出てくるのは、なぜ?

電力計の電圧コイルに加わるのが、相電圧ではなく線間電圧だからです。線間電圧は相電圧と位相が 30∘30^\circ ずれていて、V˙ac\dot{V}_{ac} は E˙a\dot{E}_a より 30∘30^\circ 遅れ、V˙bc\dot{V}_{bc} は E˙b\dot{E}_b より 30∘30^\circ 進みます。電流は相電圧より φ\varphi 遅れるので、電圧と電流の位相差は、W1 で 30∘−φ30^\circ - \varphi、W2 で 30∘+φ30^\circ + \varphi になります。

計器定数とは?

電力量計の円板が、1 [kWh]1\,\mathrm{[kWh]} の電力量を測るあいだに何回転するかを表した値で、単位は [rev/kWh]\mathrm{[rev/kWh]} です。計器定数が大きいほど、同じ電力量で円板がたくさん回ります。回転数と時間がわかれば、平均電力 P=3600 n/(Kt)P = 3600\,n/(Kt) が求まります。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

三相 3 線式の全電力を、二電力計法で表すと?

2 台の指示値の和 P=W1+W2P = W_1 + W_2 です。負荷が不平衡でも成り立ちます。三相 4 線式では成り立ちません。

平衡負荷での W1W_1、W2W_2 の式は?

W1=VIcos⁡(30∘−φ)W_1 = VI\cos(30^\circ - \varphi)、W2=VIcos⁡(30∘+φ)W_2 = VI\cos(30^\circ + \varphi) です。VV は線間電圧、II は線電流です。

2 台の指示値から力率を求める手順は?

tan⁡φ=3 (W1−W2)/(W1+W2)\tan\varphi = \sqrt{3}\,(W_1 - W_2)/(W_1 + W_2) で φ\varphi を求め、cos⁡φ\cos\varphi を計算します。

W2W_2 が 0 や負になるのは、どんなとき?

φ=60∘\varphi = 60^\circ(力率 0.5)で 0 になり、力率が 0.5 より小さいと負になります。負のときの全電力は W1−∣W2∣W_1 - |W_2| です。

計器定数 K [rev/kWh]K\,\mathrm{[rev/kWh]} の円板が t [s]t\,\mathrm{[s]} に nn 回転したときの平均電力は?

P=3600 n/(Kt) [kW]P = 3600\,n/(Kt)\,\mathrm{[kW]} です。

VT と CT で、二次側にしてはいけない扱いは? 一次側の電力の求め方は?

CT の二次側は開放、VT の二次側は短絡してはいけません。一次側の電力は、指示値に変成比と変流比をかけて求めます。

まとめ

  • 三相 3 線式の全電力は、電力計 2 台の指示値の和 P=W1+W2P = W_1 + W_2。瞬時電力 p=vacia+vbcibp = v_{ac} i_a + v_{bc} i_b から導け、不平衡負荷でも成り立つ
  • 平衡負荷では W1=VIcos⁡(30∘−φ)W_1 = VI\cos(30^\circ - \varphi)、W2=VIcos⁡(30∘+φ)W_2 = VI\cos(30^\circ + \varphi)。和は 3 VIcos⁡φ\sqrt{3}\,VI\cos\varphi、差は VIsin⁡φVI\sin\varphi
  • 力率は tan⁡φ=3 (W1−W2)/(W1+W2)\tan\varphi = \sqrt{3}\,(W_1 - W_2)/(W_1 + W_2) から求める。力率 0.5 で W2=0W_2 = 0、0.5 未満では W2W_2 が負になり、P=W1−∣W2∣P = W_1 - |W_2|
  • 電力量計の平均電力は P=3600 n/(Kt) [kW]P = 3600\,n/(Kt)\,\mathrm{[kW]}。計器定数 KK の単位は [rev/kWh]\mathrm{[rev/kWh]}
  • VT と CT で測るときは、一次側の電力 = 指示値 × 変成比 × 変流比。CT の二次側は開放しない。VT の二次側は短絡しない

電力計の仕組みは指示電気計器の種類、三相電力の基本は三相交流回路で復習できます。

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