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電力変電所 / 調相設備11分で読めます

調相設備の種類と電圧調整|コンデンサ・リアクトル・SVC を図解

電験三種の電力で学ぶ調相設備の種類と電圧調整を図解で整理します。電力用コンデンサ・分路リアクトル・同期調相機・SVC の使い分けと、フェランチ効果、無効電力と電圧降下の関係を例題つきで確かめられます。

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夕景の空を背に、2基の送電鉄塔が並んで立つ写真
この記事の目次
  1. 調相設備とは
  2. 負荷の重さと電圧の変化
  3. フェランチ効果
  4. 電力用コンデンサと分路リアクトル
  5. 同期調相機と SVC・STATCOM
  6. 同期調相機
  7. SVC と STATCOM
  8. 調相設備の使い分けと例題
  9. 調相設備の使い分け
  10. よくある質問
  11. 電力用コンデンサと進相コンデンサは、同じものですか。
  12. 無効電力を調整すると、なぜ電圧が変わるのですか。
  13. フェランチ効果は、なぜ軽負荷のときに問題になるのですか。
  14. 同期調相機と SVC は、どう使い分けますか。
  15. まとめ
図解でわかる 電験三種 電力 1 水力発電 の表紙電力を図解で読む図解でわかる 電験三種 電力 1
水力発電
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変電所の役割と構成機器では、変電所の母線に、無効電力を調整して電圧を保つ調相設備がつながることを確かめました。電圧を保つには、有効電力ではなく、無効電力のほうを動かします。この記事では、無効電力と電圧降下の関係、重負荷と軽負荷での電圧の変化、フェランチ効果を確かめ、電力用コンデンサ・分路リアクトル・同期調相機・SVC の使い分けを、図と例題で整理します。

調相設備の全体像
  • 調相設備とは
    • 無効電力を調整して、受電端の電圧を保つ設備
  • 負荷の重さと電圧の変化
    • 重負荷で電圧が下がり、軽負荷で上がる
  • フェランチ効果
    • 進み電流が線路に流れて、受電端電圧が送電端電圧より高くなる
  • 電力用コンデンサと分路リアクトル
    • 進み電流を流すコンデンサと、遅れ電流を流すリアクトル
  • 同期調相機と SVC・STATCOM
    • 進みから遅れまで連続で調整できる設備
  • 調相設備の使い分けと例題
    • 向きと、調整のしかた(段階的か連続・高速か)で選ぶ

調相設備とは

送電線の電線には、抵抗 R とリアクタンス X があります。電流が流れると、その分だけ電圧が下がります。電力を送り出す側を送電端、受け取る側を受電端といい、受電端の電圧は、線路の電圧降下の分だけ低くなります。

三相3線式で、受電端の線間電圧を V [kV]V\,\mathrm{[kV]}、負荷の有効電力を P [MW]P\,\mathrm{[MW]}、遅れの無効電力を Q [Mvar]Q\,\mathrm{[Mvar]} とします。PP と QQ は三相分の値で、遅れを正とします。1線あたりの抵抗とリアクタンスを RR、X [Ω]X\,\mathrm{[\Omega]} とすると、線間の電圧降下 ΔV [kV]\Delta V\,\mathrm{[kV]} は、次の近似式で表せます。

ΔV≒PR+QXV\Delta V \fallingdotseq \frac{PR + QX}{V}

この式は、受電端電圧と同じ向きの成分だけを取った近似です。導き方は三相3線式の電圧降下の求め方で確かめられます。

式の分子は、有効電力による項 PRPR と、無効電力による項 QXQX の和です。高い電圧の送電線では、XX が RR より大きいのが一般的なので、無効電力の項が電圧降下に大きく効きます。そこで、負荷の近くで無効電力を補って、線路を流れる QQ を減らせば、電圧降下が小さくなり、受電端の電圧が上がります。

調相設備は、この無効電力を調整する設備です。変電所の母線などに置いて、負荷が必要とする無効電力を、その場で補います。図1は、調相設備がないときと、あるときの比較です。

調相設備なし:線路に Q も流れ、降下が大きい 電源 線路 R, X 負荷 有効電力 P 無効電力 Q 調相設備あり:受電端で Q を補い、降下が小さい 電源 線路 R, X 負荷 有効電力 P 無効電力 Q − Qc Qc 電力用 コンデンサ
図1 調相設備の有無と、線路を流れる無効電力

調相設備には、次の4種類があります。

  • 電力用コンデンサ
  • 分路リアクトル
  • 同期調相機
  • SVC(静止形無効電力補償装置)

以降で、電圧の変化から順に確かめます。

負荷の重さと電圧の変化

電力の使い方は、一日のうちで変わります。昼間は工場やオフィスが動いて負荷が重くなり、深夜は負荷が軽くなります。

重負荷のときは、負荷電流が大きく、遅れ無効電力も増えるので、線路の電圧降下が大きくなり、受電端の電圧が下がります。軽負荷のときは、電圧降下が小さいうえに、次の節で扱う充電電流の影響が出て、受電端の電圧が上がることがあります。

状況電圧の動き使う設備
重負荷下がる電力用コンデンサ
軽負荷上がる分路リアクトル

電圧は、需要家の機器が正常に動くように、一定の範囲に保たなければなりません。図2は、調相設備がないときと、あるときの、一日の受電端電圧を比べた説明用の例です。調相設備を使うと、重負荷で下がった電圧を引き上げ、軽負荷で上がった電圧を抑えて、上限と下限のあいだに収められます。

上限 下限 0 時 6 時 12 時 18 時 24 時 受電端電圧 軽負荷:電圧が上がる 重負荷:電圧が下がる 調相設備なし 調相設備あり
図2 一日の受電端電圧の変化(説明用の例)

昼と夜で、街が使う電力は大きく変わります。図3は、夜の街の様子です。

夜の街に高層ビルの窓の明かりと、道路を走る車の光の筋が広がる写真
  1. ビルの窓 夜も明かりが残る
  2. 鉄塔 送電線が電気を運ぶ
  3. 道路の光 車の灯りが筋になって流れる
図3 夜の街(写真はイメージ)

フェランチ効果

線路には、電線と大地のあいだに、対地静電容量があります。線路に電圧を加えると、この静電容量へ、電圧より 90° 進んだ充電電流が流れます。重負荷では、負荷の遅れ電流が大きいので、充電電流は目立ちません。軽負荷になると、遅れ電流が小さくなり、充電電流が電流の主役になって、線路を流れる電流が進み電流になります。

線路のリアクタンスに進み電流が流れると、受電端の電圧が、送電端の電圧より高くなります。これをフェランチ効果といいます。抵抗 R を省略すると、送電端電圧 V˙s\dot{V}_s、受電端電圧 V˙r\dot{V}_r、線路電流 I˙\dot{I} のあいだに、次の関係があります。

V˙s=V˙r+jXI˙\dot{V}_s = \dot{V}_r + jX\dot{I}

V˙r\dot{V}_r を基準にして、この式をフェーザ図に描くと、図4のようになります。

降下 遅れ電流(重負荷) Vr Vs I jXI Vs > Vr 上昇 進み電流(軽負荷) Vr Vs I jXI Vs < Vr
図4 フェーザ図で見る電圧の変化(誇張して描いた説明用の図)
  • 遅れ電流:jXI˙jX\dot{I} が V˙r\dot{V}_r と同じ向きに加わる。Vs>VrV_s > V_r で、受電端の電圧が下がる
  • 進み電流:jXI˙jX\dot{I} が V˙r\dot{V}_r と逆向きになる。Vs<VrV_s < V_r で、受電端の電圧が上がる

前の節の近似式でも、同じことがいえます。進みの無効電力は QQ を負として扱うので、QXQX の項が負になります。軽負荷で PRPR が小さいときは、PR+QXPR + QX が負になり、ΔV\Delta V も負になります。電圧降下が負、つまり受電端のほうが電圧が高いということです。

フェランチ効果による電圧上昇を防ぐには、軽負荷のときに、分路リアクトルで遅れ電流を流し、充電電流を打ち消します。同期調相機を不足励磁にしたり、SVC を遅れ側に調整したりしても、同じ働きが得られます。

対地静電容量は、架空線よりケーブルのほうが大きいので、地中ケーブルの線路では、軽負荷での電圧上昇が現れやすくなります。ケーブルの充電電流は、地中送電線路とケーブルの充電電流で確かめられます。図5は、トンネルに敷かれた電力ケーブルです。

コンクリートのトンネルの壁に、黒い電力ケーブルが何段にも固定されて奥へ続く写真
  1. ケーブル 黒い電力ケーブルを何段にも並べる
  2. 支持金具 ケーブルを壁に固定する
  3. 通路 点検のために歩ける
  4. 照明灯 トンネル内を照らす
図5 地下のトンネルに敷かれた電力ケーブルの例(写真はイメージ)

電力用コンデンサと分路リアクトル

電力用コンデンサは、進み電流を流す設備です。負荷が使う遅れ無効電力を、コンデンサが進み電流で肩代わりするので、線路を流れる遅れ電流が減ります。重負荷で電圧が下がるときに接続して、電圧を上げます。図6は、屋外に並ぶ電力用コンデンサです。

青空の下、鉄の架台に円筒形のコンデンサが三段に並ぶ屋外設備の写真
  1. 端子 がいしで絶縁して電線をつなぐ
  2. コンデンサ本体 円筒の缶に収めた部分
  3. 鉄の架台 コンデンサを段に積んで支える
  4. 基礎 コンクリートで設備を支える
図6 屋外に並ぶ電力用コンデンサの例(写真はイメージ)

分路リアクトルは、遅れ電流を流す設備です。母線と大地のあいだに、並列に接続します。軽負荷やフェランチ効果で電圧が上がるときに接続して、電圧を下げます。図7は、屋外に設置された分路リアクトルです。

青空の下、白い多段のがいしが立つ円筒形のタンクと、右側に放熱器が付いた屋外設備の写真
  1. ブッシング 導体をタンクの外へ出すがいし
  2. タンク コイルなどを収める円筒
  3. 放熱器 熱を逃がす
  4. 鉄構 機器のそばの支持構造
図7 屋外に設置された分路リアクトルの例(写真はイメージ)

2つの設備は、流す電流の向きが逆で、使う場面も逆です。

項目コンデンサリアクトル
流す電流進み遅れ
使う場面重負荷軽負荷
電圧への働き上げる下げる
調整段階的段階的

どちらも、容量をいくつかに分けて、必要な台数を入れたり切ったりして調整します。そのため、調整は段階的です。

電力用コンデンサには、直列リアクトルを組み合わせることがあります。電圧のひずみ(高調波)の拡大や、接続したときの突入電流を抑えるためです。

調相設備には、容量に応じて、内部の故障や過電流などを検出して、自動的に電路から切り離す装置を設けるよう、電気設備技術基準の解釈(第43条)で決められています。保護継電器のしくみは、保護継電器の種類と役割で確かめられます。

同期調相機と SVC・STATCOM

同期調相機

同期調相機は、無負荷で運転する同期電動機です。有効電力は出さず、界磁電流の大きさを変えて、無効電力だけを調整します。

  • 過励磁(界磁電流を大きくする):進み電流を流す。コンデンサと同じ働き
  • 不足励磁(界磁電流を小さくする):遅れ電流を流す。リアクトルと同じ働き

界磁電流は連続で変えられるので、進みから遅れまで、連続で調整できます。一方、回転機なので、損失があり、保守の手間もかかります。

SVC と STATCOM

SVC は、サイリスタで制御するリアクトルと、コンデンサを組み合わせた装置です。図8のように、制御装置が母線の電圧を測り、サイリスタの点弧角を変えて、リアクトルを流れる遅れ電流を連続で変えます。コンデンサには常に進み電流を流しておくので、両方を合わせると、進みから遅れまで、連続で調整できます。

母線 サイリスタ リアクトル コンデンサ 遅れ電流を 連続で変える 進み電流を 流しておく 制御 点弧角 電圧を測る 合わせて、進み〜遅れを連続で調整
図8 SVC の構成の例

回転部がないので保守が楽で、応答も速いのが利点です。サイリスタを使うため、高調波が発生しますが、フィルタで抑えます。STATCOM は、自励式のインバータを使った静止形の装置で、進みから遅れまでを連続かつ高速に調整できます。

項目同期調相機SVC
調整の向き進み〜遅れ進み〜遅れ
調整のしかた界磁電流で連続サイリスタで連続
保守・損失手間と損失が大きい回転部がなく保守が楽
高調波発生しない発生する(フィルタで抑える)

調相設備の使い分けと例題

調相設備の使い分け

4つの設備を、母線につないだ形で並べると、図9のようになります。

母線 電力用 コンデンサ 進み電流 段階的 分路 リアクトル 遅れ電流 段階的 SC 同期調相機 進み〜遅れ 連続 SVC 進み〜遅れ 連続・高速
図9 母線につながる調相設備

使い分けは、次の2点で整理できます。

  • 向き:進み電流だけか、遅れ電流だけか、進みから遅れまでか
  • 調整のしかた:段階的か、連続か、連続かつ高速か

重負荷の電圧低下だけなら電力用コンデンサ、軽負荷の電圧上昇だけなら分路リアクトルで足ります。負荷の変化が大きく、進みと遅れの両方が必要なときや、細かく速く調整したいときは、同期調相機や SVC などを使います。

主変圧器の負荷時タップ切換装置も、電圧を調整します。負荷電流を流したまま、変圧器の巻数比を切り替えて、二次電圧を変える装置です。無効電力を動かして電圧を保つ調相設備とは、手段が違います。

需要家が受電設備に入れる進相コンデンサは、力率を改善して、電流と損失を減らすことが目的です。変電所の調相設備は、系統の電圧を保つことが目的です。同じコンデンサでも、目的が違います。需要家側の容量の求め方は、力率改善と進相コンデンサの容量計算で確かめられます。

解答と解説を見る

誤っているのは5です。

電力用コンデンサは、容量を分けて入れたり切ったりするので、調整は段階的です。連続で調整できるのは、同期調相機や SVC のほうです。1〜4 は正しい記述です。

解答と解説を見る

(1) 分子を先に求めます。

PR+QX=20×2+15×8=160ΔV≒16066≒2.42 [kV]\begin{aligned} PR + QX &= 20 \times 2 + 15 \times 8 \\ &= 160 \\ \Delta V &\fallingdotseq \frac{160}{66} \\ &\fallingdotseq 2.42\,\mathrm{[kV]} \end{aligned}

(2) コンデンサが 10 Mvar を補うので、線路を流れる無効電力は 5 Mvar に減ります。

Q′=15−10=5 [Mvar]PR+Q′X=20×2+5×8=80ΔV≒8066≒1.21 [kV]\begin{aligned} Q' &= 15 - 10 \\ &= 5\,\mathrm{[Mvar]} \\ PR + Q'X &= 20 \times 2 + 5 \times 8 \\ &= 80 \\ \Delta V &\fallingdotseq \frac{80}{66} \\ &\fallingdotseq 1.21\,\mathrm{[kV]} \end{aligned}

(3) 差を求めます。2.42 − 1.21 = 1.21 kV です。

よって、電圧降下は約 1.21 kV 小さくなり、半分になります。有効電力の項は変わらず、無効電力の項だけが 120 から 40 に減ったためです。

解答と解説を見る

正しいのは1です。

充電電流は、電圧より 90° 進んだ進み電流です。進み電流がリアクタンスに流れると、受電端電圧が送電端電圧より高くなります(フェランチ効果)。これを防ぐには、遅れ電流を流して充電電流を打ち消す、分路リアクトルを接続します。

解答と解説を見る

(1) 相電圧 EE をかけて、充電電流を求めます。

ωC=2π×50×2.0×10−6≒6.28×10−4 [S]E=66×1033≒38.1×103 [V]Ic=ωCE≒23.9 [A]\begin{aligned} \omega C &= 2\pi \times 50 \times 2.0 \times 10^{-6} \\ &\fallingdotseq 6.28 \times 10^{-4}\,\mathrm{[S]} \\ E &= \frac{66 \times 10^{3}}{\sqrt{3}} \\ &\fallingdotseq 38.1 \times 10^{3}\,\mathrm{[V]} \\ I_c &= \omega C E \\ &\fallingdotseq 23.9\,\mathrm{[A]} \end{aligned}

(2) 三相分の充電容量は、Q=3EIc=ωCV2Q = 3EI_c = \omega C V^2 です(V2=3E2V^2 = 3E^2 を使います)。線間電圧 VV で求めます。

V2=(66×103)2=4.356×109Q=ωCV2=6.28×10−4×4.356×109≒2.74×106 [var]\begin{aligned} V^2 &= (66 \times 10^{3})^2 \\ &= 4.356 \times 10^{9} \\ Q &= \omega C V^2 \\ &= 6.28 \times 10^{-4} \times 4.356 \times 10^{9} \\ &\fallingdotseq 2.74 \times 10^{6}\,\mathrm{[var]} \end{aligned}

よって、約 2.74 Mvar です。

(3) 分路リアクトルは、遅れ電流で充電電流を打ち消します。必要な容量は、充電容量と同じ大きさの 約 2.74 Mvar です。

間違えやすい記述を整理します。

記述正誤
コンデンサは、軽負荷の電圧上昇を抑える誤り(電圧を上げる)
リアクトルは、進み電流を流す誤り(遅れ電流)
同期調相機は、進みと遅れの両方を調整できる正しい
フェランチ効果で、受電端電圧が送電端電圧より低くなる誤り(高くなる)
SVC は、回転部がなく、連続で調整できる正しい

よくある質問

電力用コンデンサと進相コンデンサは、同じものですか。

どちらも、進み電流を流して、遅れ無効電力を補うコンデンサで、機器としては同じ種類です。呼び方は、使う場面で変わることが多く、変電所で電圧調整に使うものを電力用コンデンサ、需要家が力率改善に使うものを進相コンデンサと呼んで区別します。

無効電力を調整すると、なぜ電圧が変わるのですか。

電圧降下の近似式 ΔV≒(PR+QX)/V\Delta V \fallingdotseq (PR + QX)/V に、無効電力 QQ が入っているからです。送電線は XX が大きいので、QQ が変わると、電圧降下が大きく変わります。コンデンサで QQ を減らすと、電圧降下が小さくなり、受電端の電圧が上がります。

フェランチ効果は、なぜ軽負荷のときに問題になるのですか。

軽負荷では、負荷の遅れ電流が小さくなり、線路の充電電流(進み電流)が目立つようになるからです。進み電流がリアクタンスに流れると、受電端の電圧が送電端より高くなります。電圧が上限を超えて、機器の絶縁に悪い影響を与えるおそれがあります。

同期調相機と SVC は、どう使い分けますか。

どちらも、進みから遅れまでを連続で調整できます。同期調相機は回転機なので、損失があり、保守の手間もかかります。SVC は回転部がなく、保守が楽で応答も速い一方、高調波が出るので、フィルタで抑える必要があります。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

無効電力を減らすと、電圧降下が小さくなるのはなぜですか?

電圧降下の近似式 ΔV≒(PR+QX)/V\Delta V \fallingdotseq (PR + QX)/V に QQ の項があり、QQ が減ると QXQX の項が小さくなるからです。

重負荷と軽負荷で、電圧はどう変わり、どの設備を使いますか?

重負荷では電圧が下がるので電力用コンデンサを使い、軽負荷では電圧が上がるので分路リアクトルを使います。

フェランチ効果とは、どんな現象ですか?

進み電流が線路のリアクタンスに流れて、受電端の電圧が送電端の電圧より高くなる現象です。

コンデンサとリアクトルは、それぞれどんな電流を流しますか?

コンデンサは進み電流、リアクトルは遅れ電流を流します。

同期調相機は、どうやって進みと遅れを調整しますか?

界磁電流を変えます。過励磁で進み電流、不足励磁で遅れ電流が流れます。

SVC と同期調相機は、何が違いますか?

SVC はサイリスタで制御する静止形で、回転部がなく保守が楽で応答が速く、高調波が出ます。同期調相機は回転機で、損失と保守の手間が大きくなります。

まとめ

  • 調相設備は、無効電力を調整して電圧を保つ設備で、線路を流れる無効電力 QQ を減らすと、電圧降下 ΔV≒(PR+QX)/V\Delta V \fallingdotseq (PR + QX)/V が小さくなる
  • 重負荷では電圧が下がり、電力用コンデンサ(進み電流)で上げる。軽負荷では電圧が上がり、分路リアクトル(遅れ電流)で下げる
  • フェランチ効果は、進み電流で受電端電圧が送電端電圧より高くなる現象で、軽負荷のケーブル線路に現れやすい
  • 同期調相機は界磁電流で、SVC はサイリスタで、進みから遅れまでを連続で調整する。コンデンサとリアクトルは段階的
  • 設備は、向きと、調整のしかた(段階的か連続・高速か)で使い分ける

変電所全体の構成は変電所の役割と構成機器、電圧降下の計算は三相3線式の電圧降下の求め方で確かめられます。

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デンケンラボ編集部

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