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電力発電所 / その他の発電16分で読めます

地熱発電とバイオマス発電の仕組み|フラッシュ・バイナリー方式と発電量を図解

電験三種の地熱発電とバイオマス発電を図解で整理します。フラッシュ方式とバイナリー方式の違い、直接燃焼・ガス化・メタン発酵、カーボンニュートラル、出力・年間発電電力量・燃料量の計算を例題で確認できます。

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緑の山あいに、白い建屋と銀色の配管が建ち、右の塔から白い湯気が立ちのぼる発電所の写真
この記事の目次
  1. 地熱発電とは?地下の熱水と蒸気でタービンを回す
  2. フラッシュ方式とバイナリー方式|低温の熱水も使えるのはどちらか
  3. 地熱発電の長所と課題|天候に左右されない電源
  4. バイオマス発電とは?燃料と3つの方式
  5. カーボンニュートラルと廃棄物発電
  6. 地熱発電とバイオマス発電の発電量の計算
  7. 地熱発電とバイオマス発電の例題
  8. フラッシュ方式の出力と年間発電電力量
  9. バイナリー方式の出力
  10. バイオマス直接燃焼の燃料量
  11. メタン発酵の発電電力量
  12. よくある質問
  13. フラッシュ方式とバイナリー方式は、何が違う?
  14. 還元井は、何のためにある?
  15. バイオマス発電は、なぜカーボンニュートラルといわれる?
  16. 燃料量の計算で、気をつけることは?
  17. まとめ
図解でわかる 電験三種 電力 1 水力発電 の表紙電力を図解で読む図解でわかる 電験三種 電力 1
水力発電
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火山の国の地下には熱がたまっていて、木くずや生ごみも燃料になります。どちらも天気に左右されにくい電源です。

地熱発電は、蒸気でタービンを回すところが火力発電の仕組みの仲間です。太陽や風まかせの太陽光発電・風力発電と違い、地下の熱や燃料があるかぎり運転できます。この記事では、地熱発電のフラッシュ方式とバイナリー方式、バイオマス発電の 3 つの方式、カーボンニュートラルの考え方、出力・年間発電電力量・燃料量の計算を、図と例題で順に確認します。

地熱発電とバイオマス発電の全体像
  • 地熱発電
    • 地下の熱水・蒸気でタービンを回す。熱水は還元井で地下へ戻す
  • フラッシュ方式
    • 熱水から分けた蒸気でタービンを回す。日本の発電所は、シングルフラッシュが大半
  • バイナリー方式
    • 熱水で低沸点の媒体を蒸発させて回す。低温の熱水も使える
  • 長所と課題
    • 天候に左右されにくい。開発に長い年月と費用がかかる
  • バイオマス発電
    • 直接燃焼・ガス化・メタン発酵の 3 つの方式。カーボンニュートラルと考える
  • 発電量の計算
    • P=mΔhηP = m\Delta h\eta、年間発電電力量は P×8760×P \times 8760 \times 設備利用率、燃料量は B=3600Pt/(ηH)B = 3600Pt/(\eta H)

地熱発電とは?地下の熱水と蒸気でタービンを回す

地熱発電とは、地下の熱水や蒸気を取り出して、蒸気タービンを回す発電です。燃料を燃やしてボイラで蒸気をつくる代わりに、地球の熱を使います。

火山の多い地域では、地下にマグマ溜まりがあり、まわりの岩石が高温になっています。雨水は長い年月をかけて岩石の割れ目にしみ込み、その熱で高温・高圧の熱水になって、地下にたまります。この場所を地熱貯留層といいます。貯留層まで掘った井戸(生産井)から、熱水と蒸気を取り出して発電に使います。

図1は、代表的なフラッシュ方式の流れです。生産井を上がるあいだに圧力が下がると、熱水の一部が蒸気になります。これを気水分離器で蒸気と熱水に分け、蒸気だけをタービンへ送ります。

地表 地下 気水分離器 蒸気タービン G 発電機 電気 復水器 蒸気 生産井 熱水 還元井 地熱貯留層(高温の熱水と蒸気)
図1 地熱発電(フラッシュ方式)の流れ。蒸気はタービンへ、熱水は還元井で地下へ戻す

タービンを出た蒸気は、火力発電と同じく復水器へ進みます。分けたあとの熱水は、還元井から地下の貯留層へ戻します。

次の写真は、地面から蒸気がわき上がる地熱地帯のイメージです。井戸から出た蒸気は、断熱した太い配管で発電所へ導かれます。

黄色い岩肌の地面の割れ目から白い蒸気がわき上がり、手前に銀色の配管と、さびたバルブのハンドルが横たわる写真
  1. わき上がる蒸気 白い湯気の柱
  2. バルブ 手で回すハンドル
  3. 銀色の配管 外側を包んだ太い管
  4. 黄色い岩肌 地面の色
図2 地下から出る蒸気と、それを導く配管のイメージ(写真はイメージ)

フラッシュ方式とバイナリー方式|低温の熱水も使えるのはどちらか

地熱発電は、地下から出てくる熱水・蒸気の状態に合わせて、方式を選びます。

方式回す蒸気特徴
シングルフラッシュ熱水から分けた蒸気日本の発電所の大半
ダブルフラッシュ一次蒸気と、熱水から再び分けた蒸気熱水から蒸気をもう一度取り出す
ドライスチーム井戸から出る蒸気気水分離器が要らない
バイナリー媒体の蒸気低温の熱水も使える

フラッシュ方式は、貯留層から約 200〜350 ℃ の蒸気と熱水を取り出す方式です。ダブルフラッシュは、分けた熱水をさらに低い圧力の気水分離器に通して蒸気を取り出し、最初の蒸気(一次蒸気)と一緒にタービンへ送ります。井戸から蒸気だけが出る場所では、気水分離器を使わないドライスチーム方式になります。

バイナリー方式は、80〜150 ℃ ほどの熱水や蒸気を熱源にします。この温度では、水を蒸気にしてタービンを回しても、効率がよくありません。そこで、水より沸点の低い液体(媒体)を熱水で温めて蒸発させ、その蒸気でタービンを回します。媒体には、ペンタン(沸点 約 36 ℃)や代替フロンなど、沸点が 100 ℃ 以下のものを使います。

熱交換器 (蒸発器) 熱水の回路 生産井から 還元井へ 媒体の蒸気 タービン G 発電機 凝縮器 冷却水で液体に戻す P ポンプ 媒体の 回路
図3 バイナリー方式の 2 つの回路。熱水は媒体を温めるだけで、タービンには入らない

図3のように、熱水の回路と媒体の回路は熱交換器で熱だけをやり取りし、混ざりません。媒体の回路は、ボイラの代わりに熱交換器を使う、ランキンサイクルと同じ形です。タービンを出た媒体の蒸気は、凝縮器で液体に戻り、ポンプで熱交換器へ送られて、くり返し使われます。

地熱発電の長所と課題|天候に左右されない電源

地熱発電は、地下の熱を使うので、天候に左右されにくい電源です。昼も夜も同じように運転でき、設備利用率は 7 割前後といわれ、太陽光発電や風力発電より高くなります。設備利用率の考え方は、風力発電の記事で見ました。

電源天候の影響燃料
地熱受けにくい不要
バイオマス受けにくい必要
太陽光受ける不要
風力受ける不要

一方で、課題もあります。

  • 開発に通常 10 年以上かかる。調査と開発の段階で多くの井戸を掘るため、費用も大きい
  • 発電に向く場所は山あいに多く、基幹の送電線から離れていると、送電線を新しくつくる費用がかかる
  • 運転を続けると、熱水に含まれるシリカが管の内側にたまり(スケール)、生産井や還元井の出が減る。井戸を補う必要がある
  • 地熱流体は塩化物や硫化物などを含み、腐食性がある。配管やタービンの材料がすり減る

バイオマス発電とは?燃料と3つの方式

バイオマスとは、動植物から生まれた資源のことです(化石燃料は含みません)。木くず・間伐材・家畜のふん尿・下水汚泥・生ごみなどを燃料にして発電するのが、バイオマス発電です。

方式燃料の例発電のしかた
直接燃焼木くず・木質チップボイラで燃やして蒸気をつくる
ガス化木質など酸素を絞って加熱し、可燃性のガスをつくる
メタン発酵家畜ふん尿・下水汚泥・生ごみ微生物の分解で出たバイオガスを燃やす

直接燃焼とガス化は、熱で燃料を変える方法(熱化学的変換)、メタン発酵は、微生物の働きで変える方法(生物化学的変換)です。図4に、直接燃焼とメタン発酵の流れを並べます。

直接燃焼|火力発電と同じ汽力発電 木質チップ 木くずなど ボイラ 蒸気をつくる 蒸気タービン 蒸気で回す 発電機 電気をつくる メタン発酵|ガスで発電 家畜ふん尿 生ごみなど 発酵槽 微生物が分解 ガスエンジン ガスで回す 発電機 電気をつくる バイオガス
図4 バイオマス発電の 2 つの流れ。木くずは燃やして蒸気に、家畜ふん尿は発酵させてガスにする

直接燃焼は、燃料をボイラで燃やして蒸気をつくり、蒸気タービンで発電機を回します。ボイラ・蒸気タービン・復水器の並びは、火力発電の汽力発電と同じです。木質チップは、水分が多いと同じ重さから取り出せる熱が小さくなります。

灰色の壁の前に木質チップの大きな円錐状の山があり、手前に黄色いホイールローダーが止まっている写真
  1. チップの山 木を砕いた燃料
  2. ホイールローダー 黄色い作業車
  3. バケット チップをすくう箱
  4. 灰色の壁 建物の外壁
図5 木質チップの山。ボイラの燃料として、たくさんの量が必要になる(写真はイメージ)

メタン発酵は、家畜ふん尿や生ごみを、酸素のない発酵槽で微生物に分解させる方法です。メタンを多く含む気体(バイオガス)が出るので、これをガスエンジンで燃やして発電機を回します。

緑の牧草地に白いドーム形のタンクと配管、小さな建屋が建ち、奥に屋根のある牛舎が見える写真
  1. 白いドーム 大きなタンク
  2. 配管 タンクにつながる
  3. 小さな建屋 扉のある箱形
  4. 牛舎 屋根のある建物
  5. 牧草地 緑の草地
図6 牛舎のそばに置かれた、ドーム形のタンクと小さな建屋。ふん尿をメタン発酵させる設備のイメージ(写真はイメージ)

カーボンニュートラルと廃棄物発電

木は、育つあいだに空気中の二酸化炭素(CO2\mathrm{CO_2})を吸収します。木質チップを燃やして出る CO2\mathrm{CO_2} は、もともと木が吸った分なので、空気中の CO2\mathrm{CO_2} を実質的に増やさないと考えます。これをカーボンニュートラルといいます。化石燃料は、何億年も前に固まった炭素を掘り出して燃やすので、この考え方にはあてはまりません。

燃料を集める・運ぶ・乾かす作業で、化石燃料を使えば、その分の CO2\mathrm{CO_2} は別に出ます。「バイオマスなら CO2\mathrm{CO_2} がゼロ」ではなく、燃やしたときの分を差し引きで増やさないという意味です。

廃棄物発電は、ごみを焼却するときの熱でボイラをたき、蒸気タービンを回す発電です。ごみのうち、紙や生ごみなど生物由来の分は、バイオマスとして数えられます。

青空の下、灰色と白の大きな工場の建屋に細長い煙突と金属の配管、円筒形のタンクが並び、手前に道路がある写真
  1. 煙突 薄い湯気が出る
  2. 建屋 大きな工場の建物
  3. 配管 金属の太い管
  4. 円筒形のタンク 金属の円筒
  5. 道路 手前の舗装路
図7 廃棄物発電の施設のイメージ(写真はイメージ)

地熱発電とバイオマス発電の発電量の計算

地熱発電では、タービンに送る蒸気の流量を m [kg/s]m\ \mathrm{[kg/s]}、タービンの入口と出口のエンタルピー差を Δh [kJ/kg]\Delta h\ \mathrm{[kJ/kg]} とすると、蒸気が仕事に変える量は mΔh [kJ/s]m\Delta h\ \mathrm{[kJ/s]} です。1 kJ/s=1 kW1\ \mathrm{kJ/s} = 1\ \mathrm{kW} なので、タービンと発電機をまとめた総合効率を η\eta として、出力は次のとおりです。エンタルピーの考え方はランキンサイクルの記事で見ました。

P=m Δh η [kW]P = m\,\Delta h\,\eta\ \mathrm{[kW]}

1 年間の発電電力量は、定格出力 PP で 1 年(24×365=876024 \times 365 = 8760 時間)運転したときの電力量に、設備利用率をかけます。

E=P×8760  ×設備利用率 [kWh]\begin{aligned} E &= P \times 8760 \\ &\ \ \times \text{設備利用率}\ \mathrm{[kWh]} \end{aligned}

バイナリー方式では、熱水から取り出す熱を、熱水の流量 m [kg/s]m\ \mathrm{[kg/s]}、比熱 c [kJ/(kg⋅K)]c\ \mathrm{[kJ/(kg\cdot K)]}、入口と出口の温度差 Δt [K]\Delta t\ \mathrm{[K]} で求めます。出力は、その熱に発電効率をかけたものです。

Q=m c Δt [kW]P=Q η\begin{aligned} Q &= m\,c\,\Delta t\ \mathrm{[kW]} \\ P &= Q\,\eta \end{aligned}

バイオマスの直接燃焼は、火力発電と同じです。出力 P [kW]P\ \mathrm{[kW]} で t [h]t\ \mathrm{[h]} 運転するときの燃料の質量 B [kg]B\ \mathrm{[kg]} は、発熱量を H [kJ/kg]H\ \mathrm{[kJ/kg]} として、次の式で求めます。この式は火力発電の熱効率の記事と同じで、1 kWh=3600 kJ1\ \mathrm{kWh} = 3600\ \mathrm{kJ} を使って、電力量を熱量に直しています。

B=3600 P tηH [kg]B = \frac{3600\,P\,t}{\eta H}\ \mathrm{[kg]}

メタン発酵では、燃料がガスなので、体積 V [m3]V\ \mathrm{[m^3]} と、1 m3\mathrm{m^3} あたりの発熱量 H [MJ/m3]H\ \mathrm{[MJ/m^3]} から電力量を求めます。1 kWh=3.6 MJ1\ \mathrm{kWh} = 3.6\ \mathrm{MJ} です。

E=V H η3.6 [kWh]E = \frac{V\,H\,\eta}{3.6}\ \mathrm{[kWh]}

計算で間違えやすいのは、単位です。次の関係で、そろえてから代入します。

量単位換算
出力kW1 kW = 1 kJ/s
電力量kWh1 kWh = 3600 kJ
発熱量MJ1 MJ = 1000 kJ

地熱発電とバイオマス発電の例題

フラッシュ方式の出力と年間発電電力量

解答と解説を見る

(1) P=mΔhηP = m\Delta h\eta に代入します。

P=m Δh η=25×640×0.75=12000 [kW]\begin{aligned} P &= m\,\Delta h\,\eta \\ &= 25 \times 640 \times 0.75 \\ &= 12000\ \mathrm{[kW]} \end{aligned}

12 [MW]12\ \mathrm{[MW]} です。

(2) 定格出力で 8760 時間運転した電力量に、設備利用率をかけます。

E=12000×8760×0.7=7.3584×107 [kWh]\begin{aligned} E &= 12000 \times 8760 \times 0.7 \\ &= 7.3584 \times 10^{7}\ \mathrm{[kWh]} \end{aligned}

約 7.36×107 [kWh]7.36 \times 10^{7}\,\mathrm{[kWh]} です。

(3) 定格出力を P′P' とすると、P′×8760×0.2=7.3584×107P' \times 8760 \times 0.2 = 7.3584 \times 10^{7} です。

P′=7.3584×1078760×0.2=42000 [kW]\begin{aligned} P' &= \frac{7.3584 \times 10^{7}}{8760 \times 0.2} \\ &= 42000\ \mathrm{[kW]} \end{aligned}

42 [MW]42\ \mathrm{[MW]} です。比べると次のとおりです。

設備定格出力設備利用率
地熱12 MW70 %
比べる設備42 MW20 %

どちらも、1 年間の発電電力量は同じ約 7.36×107 [kWh]7.36 \times 10^{7}\,\mathrm{[kWh]} です。設備利用率が低い電源は、同じ電力量を得るのに大きな定格出力が要ります。

バイナリー方式の出力

解答と解説を見る

(1) 温度差は 120−70=50 [K]120 - 70 = 50\ \mathrm{[K]} です。

Q=m c Δt=40×4.2×50=8400 [kW]\begin{aligned} Q &= m\,c\,\Delta t \\ &= 40 \times 4.2 \times 50 \\ &= 8400\ \mathrm{[kW]} \end{aligned}

(2) 熱に発電効率をかけます。

P=Q η=8400×0.1=840 [kW]\begin{aligned} P &= Q\,\eta \\ &= 8400 \times 0.1 \\ &= 840\ \mathrm{[kW]} \end{aligned}

(3) 出力に時間をかけます。

E=840×24=20160 [kWh]\begin{aligned} E &= 840 \times 24 \\ &= 20160\ \mathrm{[kWh]} \end{aligned}

取り出した熱 8400 [kW]8400\,\mathrm{[kW]} のうち、電気になるのは 840 [kW]840\,\mathrm{[kW]} だけです。低温の熱水は、取り出せる熱が小さく、発電効率も低くなります。

バイオマス直接燃焼の燃料量

解答と解説を見る

(1) 出力に時間をかけます。

E=Pt=2000×24=48000 [kWh]\begin{aligned} E &= Pt \\ &= 2000 \times 24 \\ &= 48000\ \mathrm{[kWh]} \end{aligned}

(2) 1 kWh=3600 kJ1\ \mathrm{kWh} = 3600\ \mathrm{kJ} で熱量に直し、発電効率で割ります。

電気の熱量=48000×3600=1.728×108 [kJ]燃料の熱量=1.728×1080.25=6.912×108 [kJ]\begin{aligned} \text{電気の熱量} &= 48000 \times 3600 \\ &= 1.728 \times 10^{8}\ \mathrm{[kJ]} \\ \text{燃料の熱量} &= \frac{1.728 \times 10^{8}}{0.25} \\ &= 6.912 \times 10^{8}\ \mathrm{[kJ]} \end{aligned}

(3) 発熱量は 12 [MJ/kg]=12000 [kJ/kg]12\ \mathrm{[MJ/kg]} = 12000\ \mathrm{[kJ/kg]} です。

B=3600 P tηH=6.912×10812000=57600 [kg]\begin{aligned} B &= \frac{3600\,P\,t}{\eta H} \\ &= \frac{6.912 \times 10^{8}}{12000} \\ &= 57600\ \mathrm{[kg]} \end{aligned}

57.6 [t]57.6\ \mathrm{[t]} です。もし、水分が増えて発熱量が 9 [MJ/kg]9\ \mathrm{[MJ/kg]} に下がると、同じ発電に 76.8 [t]76.8\ \mathrm{[t]} が要ります。

メタン発酵の発電電力量

解答と解説を見る

(1) 体積に、1 m3\mathrm{m^3} あたりの発熱量をかけます。

Q=1000×22=22000 [MJ]\begin{aligned} Q &= 1000 \times 22 \\ &= 22000\ \mathrm{[MJ]} \end{aligned}

(2) 発電効率をかけて電気の熱量を求め、1 kWh=3.6 MJ1\ \mathrm{kWh} = 3.6\ \mathrm{MJ} で電力量に直します。

E=22000×0.353.6=77003.6≈2139 [kWh]\begin{aligned} E &= \frac{22000 \times 0.35}{3.6} \\ &= \frac{7700}{3.6} \\ &\approx 2139\ \mathrm{[kWh]} \end{aligned}

(3) 1 日(24 時間)の平均です。

P=E24=213924≈89.1 [kW]\begin{aligned} P &= \frac{E}{24} \\ &= \frac{2139}{24} \\ &\approx 89.1\ \mathrm{[kW]} \end{aligned}

約 89 [kW]89\ \mathrm{[kW]} です。

よくある質問

フラッシュ方式とバイナリー方式は、何が違う?

タービンを回すものが違います。フラッシュ方式は、地下から出た熱水から分けた蒸気(水の蒸気)で回します。バイナリー方式は、熱水で低沸点の媒体を蒸発させ、その媒体の蒸気で回します。熱水は熱を渡すだけでタービンに入らないので、熱水の回路と媒体の回路の 2 つがあります。

還元井は、何のためにある?

蒸気を分けたあとの熱水を、地下の貯留層へ戻すための井戸です。生産井から汲み出した熱水を、地表に流さず、地下へ返します。

バイオマス発電は、なぜカーボンニュートラルといわれる?

燃料の木が、育つあいだに空気中の CO2\mathrm{CO_2} を吸収しているからです。燃やして出る CO2\mathrm{CO_2} は、その吸収した分なので、空気中の CO2\mathrm{CO_2} を実質的に増やしません。ただし、燃料の収集・運搬・乾燥で化石燃料を使えば、その分の排出は別に数えます。

燃料量の計算で、気をつけることは?

単位をそろえることです。発電電力量は kWh、発熱量は MJ や kJ で与えられるので、1 kWh=3600 kJ1\ \mathrm{kWh} = 3600\ \mathrm{kJ}、1 MJ=1000 kJ1\ \mathrm{MJ} = 1000\ \mathrm{kJ} で直します。効率は、燃料の熱量に対する電力量の割合なので、電力量の熱量を効率で割って燃料の熱量を求めます。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

地熱発電の流れを、生産井から還元井まで言えますか。

生産井で熱水・蒸気を取り出し、気水分離器で蒸気と熱水に分けます。蒸気はタービンと発電機へ、熱水は還元井で地下へ戻します。

フラッシュ方式とバイナリー方式の違いは?

フラッシュ方式は熱水から分けた蒸気で回します。バイナリー方式は低沸点の媒体の蒸気で回すので、低温の熱水も使えます。

地熱発電の長所と課題は?

天候に左右されにくく、設備利用率が高い点が長所です。開発に 10 年以上かかり、掘削や送電線の費用が大きい点、スケールや腐食が課題です。

バイオマス発電の 3 つの方式は?

直接燃焼、ガス化、メタン発酵です。直接燃焼は汽力発電と同じ流れで、メタン発酵はバイオガスをガスエンジンで燃やします。

カーボンニュートラルとは?

燃料の植物が育つときに吸った CO2\mathrm{CO_2} を燃焼で出すだけなので、空気中の CO2\mathrm{CO_2} を実質的に増やさないという考え方です。

地熱の出力、年間発電電力量、バイオマスの燃料量の式は?

P=mΔhηP = m\Delta h\eta、E=P×8760×E = P \times 8760 \times 設備利用率、B=3600Pt/(ηH)B = 3600Pt/(\eta H) です。

まとめ

  • 地熱発電は、地下の熱水・蒸気でタービンを回す。生産井から取り出し、熱水は還元井で地下へ戻す。天候に左右されにくい
  • フラッシュ方式は、熱水から分けた蒸気で回す。バイナリー方式は、熱水で低沸点の媒体を蒸発させて回し、低温の熱水も使える
  • 地熱発電の課題は、開発に 10 年以上かかること、掘削や送電線の費用、スケールと腐食
  • バイオマス発電は、直接燃焼・ガス化・メタン発酵の 3 つの方式。燃やして出る CO2\mathrm{CO_2} は、育つときに吸収した分とみなすカーボンニュートラルの考え方
  • 計算は、地熱が P=mΔhηP = m\Delta h\eta と E=P×8760×E = P \times 8760 \times 設備利用率、バイオマスが B=3600Pt/(ηH)B = 3600Pt/(\eta H)。単位をそろえてから代入する

蒸気タービンと復水器の基本は火力発電の仕組みを、天候に左右される電源は太陽光発電を、見直しましょう。

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デンケンラボ編集部

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