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電力発電所11分で読めます

電験三種 電力の公式一覧|発電・変電・送配電・材料を単元ごとに整理

電験三種の電力で使う公式を、発電所、蓄電所、変電所、送電線路、配電線路、電気材料の順に一覧で整理します。水力の出力、電圧降下、%インピーダンス、力率改善まで、記号の意味と詳しい記事へのリンクをそろえました。

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夕景の丘に、鋼鉄製の送電鉄塔が手前から奥へ並び、鉄塔から電線が伸びている写真
この記事の目次
  1. 電験三種 電力の公式一覧とは
  2. 発電所と蓄電所の公式
  3. 水力発電
  4. 火力発電
  5. 原子力発電
  6. その他の発電
  7. 蓄電池と蓄電所
  8. 変電所の公式
  9. 変電所の構成
  10. 変圧器
  11. 開閉設備(遮断器・断路器)
  12. 保護継電方式
  13. 調相設備
  14. 送電線路の公式
  15. 架空送電線路
  16. 地中送電線路
  17. 電圧降下と送電電力
  18. 中性点接地方式
  19. 異常電圧と雷害対策
  20. 故障計算(%インピーダンス)
  21. 直流送電
  22. 配電線路の公式
  23. 配電方式
  24. 電圧降下と電力損失
  25. 配電設備
  26. 力率改善
  27. 屋内配線
  28. 電気材料の公式
  29. 導電材料
  30. 絶縁材料
  31. 磁性材料
  32. 公式の選び方と例題
  33. 公式を覚えるより先に
  34. よくある質問
  35. 電力の公式は、すべて暗記しないといけませんか。
  36. 理論や機械の公式は、電力でも使いますか。
  37. PP や η\eta、HH のように、同じ記号が別の量に使われるのはなぜですか。
  38. 公式は、どの順に確認すればよいですか。
  39. まとめ
図解でわかる 電験三種 電力 1 水力発電 の表紙電力を図解で読む図解でわかる 電験三種 電力 1
水力発電
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電力の問題は、設備の名前や図の読み方に加えて、水力の出力、電圧降下、短絡電流のような計算が出てきます。式の形と記号の意味を単元ごとに1か所で見られると、問題文から使う式を選びやすくなります。

この記事は、電験三種の電力で使う公式を、単元の順に並べた一覧です。各単元に、式、記号の意味、詳しい記事へのリンクを置きました。式の導き方や例題は、リンク先の記事で確認できます。

電力の公式の全体像
  • 発電所・蓄電所
    • 水力・火力・原子力・太陽光・風力・蓄電池
    • 出力、熱効率、発電電力量の式
  • 変電所
    • 変圧器・開閉設備・保護継電方式・調相設備
    • 変圧比、電圧変動率、効率、遮断容量
  • 送電線路・配電線路
    • 電圧降下、短絡電流、地絡電流、力率改善
    • 送電と配電で、同じ形の式を使う
  • 電気材料
    • 導電材料・絶縁材料・磁性材料
    • 抵抗、絶縁破壊の強さ、鉄損
  • 公式の選び方
    • 求めるものと単位から、使う式を探す

電験三種 電力の公式一覧とは

この記事では、電験三種の電力の単元を、発電所、蓄電所、変電所、送電線路、配電線路、電気材料の6つに分けて、この順に式を並べます。図1に、扱う単元の地図を示します。

発電所 水力発電 火力発電 原子力発電 その他の発電 蓄電所 蓄電池 構成と運用 変電所 構成 変圧器 開閉設備 保護継電方式 調相設備 送電線路 架空送電 地中送電 電圧降下 中性点接地 異常電圧 故障計算 直流送電 配電線路 配電方式 電圧降下 配電設備 力率改善 屋内配線 電気材料 導電材料 絶縁材料 磁性材料
図1 電力の6分野と単元。この記事は、この順に式を並べる

使い方は、式を探し、記号の意味と単位を確かめ、必要なら詳しい記事で導き方を読む、という順です。電力は、設備の仕組みを覚える単元が多く、式は一部の単元に集まっています。式が無い単元は、設備の名前と役割を短く書きました。

発電所と蓄電所の公式

発電所の式は、水力、火力、原子力、その他の発電(太陽光・風力)で、出力と効率を求める形が中心です。蓄電所は、電力量と効率の式を使います。水力から順に見ていきます。

水力発電

出力と有効落差

水の持つ力に、水車と発電機の効率を順に掛けると、発電機の出力になります。図2は、その流れです。

水の持つ力 P0 = 9.8 Q H [kW] 水車の出力 P0 × ηw 発電機の出力 P = 9.8 Q H ηw ηg × ηw(水車効率) × ηg(発電機効率) 有効落差 H H = H0 − h H0:総落差 h:損失水頭
図2 水力発電の出力。損失を引いた落差と、2つの効率を順に掛ける
P0=9.8QHP=9.8QHηwηgH=H0−h\begin{aligned} P_0 &= 9.8QH \\ P &= 9.8QH\eta_w\eta_g \\ H &= H_0 - h \end{aligned}

P0P_0 は水の持つ力 [kW]\mathrm{[kW]}、PP は発電機の出力 [kW]\mathrm{[kW]}、QQ は流量 [m3/s]\mathrm{[m^3/s]}、HH は有効落差 [m]\mathrm{[m]} です。ηw\eta_w は水車効率、ηg\eta_g は発電機効率、H0H_0 は総落差、hh は損失水頭です。詳しくは水力発電の出力の求め方、落差と流量とは、水力発電のしくみで確認できます。

水の流速と、運転時間 tt における発電電力量は、次のとおりです。

v=2gHW=Pt\begin{aligned} v &= \sqrt{2gH} \\ W &= Pt \end{aligned}

vv は流速 [m/s]\mathrm{[m/s]}、gg は重力加速度、WW は発電電力量 [kWh]\mathrm{[kWh]}、tt は時間 [h]\mathrm{[h]} です。

流量と流況曲線

流域に降った雨から、年平均の流量を見積もる式です。

Q=A×P×C365×86400Q = \frac{A \times P \times C}{365 \times 86400}

QQ は年平均流量 [m3/s]\mathrm{[m^3/s]}、AA は流域面積 [m2]\mathrm{[m^2]}、CC は流出係数です。この式の PP は、出力ではなく年降水量 [m]\mathrm{[m]} です。流量を大きさの順に並べた曲線の読み方は、流況曲線とはにあります。

水車と発電機の回転

Ns=NPH5/4f=pN120\begin{aligned} N_s &= \frac{N\sqrt{P}}{H^{5/4}} \\ f &= \frac{pN}{120} \end{aligned}

NsN_s は比速度、NN は回転速度 [min−1]\mathrm{[min^{-1}]}、PP は水車の出力 [kW]\mathrm{[kW]}、HH は有効落差 [m]\mathrm{[m]} です。下の式は、ff が周波数 [Hz]\mathrm{[Hz]}、pp が発電機の極数のときの関係です。水車の型ごとの使い分けは水車の種類と選び方、極数と回転速度は水車発電機とはで確認できます。

吸出し高さとキャビテーション

キャビテーションを避けるには、吸出し高さ HsH_s を次の範囲にします。

Hs<Ha−Hv−v22−v322g\begin{aligned} H_s &< H_a - H_v \\ &{}- \frac{v_2^2 - v_3^2}{2g} \end{aligned}

HsH_s は放水面からランナ出口までの高さ、HaH_a は大気圧水頭、HvH_v は飽和蒸気圧水頭です。v2v_2 はランナ出口、v3v_3 は吸出し管出口の流速です。キャビテーションとはの記事で、各項の意味を確かめられます。

速度調定率と水撃作用

R=N0−NnNn×100δ=Nmax⁡−NnNn×100Δp=ρaΔv\begin{aligned} R &= \frac{N_0 - N_n}{N_n} \times 100 \\ \delta &= \frac{N_{\max} - N_n}{N_n} \times 100 \\ \Delta p &= \rho a \Delta v \end{aligned}

RR は速度調定率 [%]\mathrm{[\%]}、N0N_0 は定格出力から無負荷にしたときの速度、NnN_n は定格速度です。δ\delta は速度変動率で、Nmax⁡N_{\max} は負荷遮断のときの最大の速度です。Δp\Delta p は水撃作用による圧力の上昇、ρ\rho は水の密度、aa は圧力波の速さ、Δv\Delta v は流速の変化です。速度調定率とはで、調速機の仕組みと例題を確かめられます。

揚水発電

揚水の入力と、総合効率の式です。

P=9.8QHηpηmη=H0−hH0+hηtηgηpηm\begin{aligned} P &= \frac{9.8QH}{\eta_p\eta_m} \\ \eta &= \frac{H_0 - h}{H_0 + h}\eta_t\eta_g\eta_p\eta_m \end{aligned}

PP は揚水のときの電動機の入力 [kW]\mathrm{[kW]}、HH は全揚程(実揚程に損失水頭を加えた高さ)です。H0H_0 は実揚程、hh は損失水頭、ηp\eta_p はポンプ効率、ηm\eta_m は電動機効率、ηt\eta_t は水車効率、ηg\eta_g は発電機効率です。揚水発電とはに、例題があります。水力の問題の型は、水力発電の正誤問題のポイント、水力発電の計算問題 型別演習①、型別演習②で練習できます。

火力発電

火力発電は、蒸気の持つ熱を、タービンで回転に変えます。熱効率は、各点の比エンタルピー h [kJ/kg]h\,\mathrm{[kJ/kg]} で表します。h1h_1 はタービン入口、h2h_2 はタービン出口(復水器入口)、h3h_3 は復水器出口(ポンプ入口)、h4h_4 はポンプ出口(ボイラ入口)です。

ランキンサイクルの熱効率

η=(h1−h2)−(h4−h3)h1−h4η≒h1−h2h1−h3\begin{aligned} \eta &= \frac{(h_1 - h_2) - (h_4 - h_3)}{h_1 - h_4} \\ \eta &\fallingdotseq \frac{h_1 - h_2}{h_1 - h_3} \end{aligned}

下の式は、ポンプ仕事 h4−h3h_4 - h_3 を小さいとみなして無視した形です。ポンプ仕事は、水の比体積を v [m3/kg]v\,\mathrm{[m^3/kg]}、ボイラの圧力を p1p_1、復水器の圧力を p2p_2 として、次のように近似できます。

h4−h3≒v(p1−p2)h_4 - h_3 \fallingdotseq v(p_1 - p_2)

実際の膨張のタービン出口を h2′h_2' とすると、タービン内部効率は次の式です。

ηti=h1−h2′h1−h2\eta_{\mathrm{ti}} = \frac{h_1 - h_2'}{h_1 - h_2}

ランキンサイクルとはで、T-s 線図とあわせて確かめられます。

熱効率と燃料消費量

η=3600WBHB=3600PtηH\begin{aligned} \eta &= \frac{3600W}{BH} \\ B &= \frac{3600Pt}{\eta H} \end{aligned}

WW は発電電力量 [kWh]\mathrm{[kWh]}、BB は燃料の消費量 [kg]\mathrm{[kg]}、HH は燃料の発熱量 [kJ/kg]\mathrm{[kJ/kg]}、PP は出力 [kW]\mathrm{[kW]}、tt は時間 [h]\mathrm{[h]} です。ここでの HH は、水力の落差ではなく発熱量です。

発電端効率と送電端効率

ηG=ηbηtηgηS=ηG(1−L)\begin{aligned} \eta_{\mathrm{G}} &= \eta_b\eta_t\eta_g \\ \eta_{\mathrm{S}} &= \eta_{\mathrm{G}}(1 - L) \end{aligned}

ηG\eta_{\mathrm{G}} は発電端効率、ηS\eta_{\mathrm{S}} は送電端効率です。ηb\eta_b はボイラ効率、ηt\eta_t はタービン効率(熱サイクルの効率を含む)、ηg\eta_g は発電機効率、LL は所内率です。ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたコンバインドサイクルの熱効率は、次のとおりです。

η=ηGT+(1−ηGT)ηST\eta = \eta_{\mathrm{GT}} + (1 - \eta_{\mathrm{GT}})\eta_{\mathrm{ST}}

ηGT\eta_{\mathrm{GT}} はガスタービンの熱効率、ηST\eta_{\mathrm{ST}} は排熱を蒸気サイクルで電気に変える効率です。火力発電の熱効率の求め方に、例題があります。

復水器の冷却水

Q=mcΔtQ = mc\Delta t

QQ は冷却水が受け取る熱量 [kJ/s]\mathrm{[kJ/s]}、mm は冷却水の流量 [kg/s]\mathrm{[kg/s]}、cc は水の比熱 [kJ/(kg⋅K)]\mathrm{[kJ/(kg \cdot K)]}、Δt\Delta t は温度上昇 [K]\mathrm{[K]} です。設備の構成は、火力発電の仕組みと汽力発電の設備で確認できます。

原子力発電

原子力発電は、ウランの核分裂で出る熱で蒸気を作り、タービンを回します。核分裂の前後で、わずかに質量が減り、その分がエネルギーに変わります。

E=Δmc2E = \Delta mc^2

EE は発生するエネルギー [J]\mathrm{[J]}、Δm\Delta m は質量欠損 [kg]\mathrm{[kg]}、cc は光の速さ(約 3.0×108 [m/s]3.0 \times 10^8\,\mathrm{[m/s]})です。電気出力は、熱出力に熱効率を掛けた値です。沸騰水型と加圧水型の違いは、原子力発電の仕組みで確認できます。

その他の発電

太陽光発電

P=VIPmax⁡=VpmIpmFF=Pmax⁡VocIscη=PGAP=GAηK\begin{aligned} P &= VI \\ P_{\max} &= V_{\mathrm{pm}}I_{\mathrm{pm}} \\ \mathrm{FF} &= \frac{P_{\max}}{V_{\mathrm{oc}}I_{\mathrm{sc}}} \\ \eta &= \frac{P}{GA} \\ P &= GA\eta K \end{aligned}

Pmax⁡P_{\max} は最大出力で、VpmV_{\mathrm{pm}}、IpmI_{\mathrm{pm}} はそのときの電圧と電流です。FF\mathrm{FF} は曲線因子、VocV_{\mathrm{oc}} は開放電圧、IscI_{\mathrm{sc}} は短絡電流です。AA はパネルの面積 [m2]\mathrm{[m^2]}、GG は日射強度 [kW/m2]\mathrm{[kW/m^2]}、KK は総合設計係数です。太陽光発電の仕組みと出力計算で、I-V 特性とあわせて確かめられます。

風力発電

P0=12ρAv3P=CpP0\begin{aligned} P_0 &= \frac{1}{2}\rho Av^3 \\ P &= C_pP_0 \end{aligned}

P0P_0 は風の持つ力 [W]\mathrm{[W]}、ρ\rho は空気の密度 [kg/m3]\mathrm{[kg/m^3]}、AA は風車の回転面積 [m2]\mathrm{[m^2]}、vv は風速 [m/s]\mathrm{[m/s]}、CpC_p は出力係数です。CpC_p の理論上の上限(ベッツ限界)は 16/2716/27(約 0.5930.593)です。詳しくは風力発電の出力の求め方にあります。

蓄電池と蓄電所

蓄電池と蓄電所の単元は、電流、電圧、電力量の関係で計算できます。蓄電池の容量は、電流と時間の積で表し、電力量は電圧を掛けて求めます。

Q=ItW=VQt=WP\begin{aligned} Q &= It \\ W &= VQ \\ t &= \frac{W}{P} \end{aligned}

QQ は容量 [Ah]\mathrm{[Ah]}、II は電流 [A]\mathrm{[A]}、tt は時間 [h]\mathrm{[h]}、VV は電圧 [V]\mathrm{[V]}、WW は電力量 [Wh]\mathrm{[Wh]} です。PP を放電する電力 [W]\mathrm{[W]} とすると、放電できる時間が tt です。たとえば、48 [V]48\,\mathrm{[V]}、100 [Ah]100\,\mathrm{[Ah]} の蓄電池は、48×100=4800 [Wh]48 \times 100 = 4800\,\mathrm{[Wh]} の電力量です。

充電と放電の効率は、次の割合です。

充放電効率=放電電力量充電電力量×100 [%]\text{充放電効率} = \frac{\text{放電電力量}}{\text{充電電力量}} \times 100\,\mathrm{[\%]}

蓄電所では、蓄電池と、直流と交流を変換する装置を組み合わせて運用します。

変電所の公式

変電所は、送電の電圧を変圧器で変え、開閉設備と保護装置で系統を守る設備です。図3は、変電所に置かれる大型の変圧器です。

青空の下の屋外に置かれた灰色の大きな変圧器。上部に3本の白いブッシングが立ち、左右に放熱器、右上に円筒形のコンサベータが付いている写真
  1. ブッシング(碍子) 外の電線と巻線をつなぐ部分
  2. 放熱器 油の熱を逃がす
  3. コンサベータ 右上の円筒、油の量の変化を受ける
  4. 本体のタンク 鉄心と巻線が入る
図3 変電所の変圧器。上のブッシングから、外の電線につながる(写真はイメージ)

変電所の構成

変電所の単元は、式より、機器の役割と並びを覚える単元です。電線から入った電気は、断路器、遮断器を通って変圧器へ入り、電圧を変えて次の線路へ送られます。母線は、複数の線路をまとめる太い導体です。調相設備と避雷器も、変電所に置かれます。この単元は、式を載せていません。機器の並びは、変電所の役割と構成機器で確かめられます。

変圧器

変圧器の基本は、巻数比と、電圧、電流の関係です。損失を無視した理想変圧器で、次のとおりです。

a=N1N2=V1V2V1I1=V2I2E=4.44fNΦm\begin{aligned} a &= \frac{N_1}{N_2} = \frac{V_1}{V_2} \\ V_1I_1 &= V_2I_2 \\ E &= 4.44fN\Phi_m \end{aligned}

aa は巻数比、N1N_1、N2N_2 は一次と二次の巻数、V1V_1、V2V_2 は電圧、I1I_1、I2I_2 は電流です。EE は誘導起電力の実効値、ff は周波数、Φm\Phi_m は磁束の最大値です。詳しくは変圧器の巻数比と電圧・電流の関係で確認できます。

電圧変動率

ε=V20−V2nV2n×100ε≒pcos⁡θ+qsin⁡θ\begin{aligned} \varepsilon &= \frac{V_{20} - V_{2n}}{V_{2n}} \times 100 \\ \varepsilon &\fallingdotseq p\cos\theta + q\sin\theta \end{aligned}

V20V_{20} は無負荷のときの二次電圧、V2nV_{2n} は定格の二次電圧です。pp は百分率抵抗降下、qq は百分率リアクタンス降下、θ\theta は負荷の力率角です。電圧変動率とはで、例題を確かめられます。

効率と最大効率

η=αPncos⁡θαPncos⁡θ+Pi+α2Pc\eta = \frac{\alpha P_n\cos\theta}{\alpha P_n\cos\theta + P_i + \alpha^2P_c}

α\alpha は負荷率、PnP_n は定格容量、PiP_i は鉄損、PcP_c は銅損です。効率が最大になるのは、鉄損と銅損が等しいときです。

α=PiPc\alpha = \sqrt{\frac{P_i}{P_c}}

変圧器の効率とはの記事で、全日効率まで確認できます。

V 結線

単相変圧器2台を V 結線にすると、三相を供給できます。1台の容量を P1P_1 とすると、次のとおりです。

SV=3VI=3P1S_V = \sqrt{3}VI = \sqrt{3}P_1

VV は線間電圧、II は線電流です。変圧器の利用率は 3/2\sqrt{3}/2(約 0.8660.866)、同じ変圧器3台の Δ 結線に対する出力の比は 1/31/\sqrt{3}(約 0.5770.577)です。結線の違いは、変圧器の結線にあります。負荷を分け合う条件は、変圧器の並行運転で確認できます。

開閉設備(遮断器・断路器)

遮断器は、負荷電流や故障電流を開閉でき、断路器は、電流が流れていないときだけ開閉できます。操作の順序は決まっています。

  • 投入するとき:断路器を先に入れ、そのあとで遮断器を入れる
  • 停止するとき:遮断器を先に切り、そのあとで断路器を切る

違いと消弧の方式は、遮断器と断路器の違いで確認できます。遮断器の定格遮断容量は、次の式です。

Sb=3VnIbS_b = \sqrt{3}V_nI_b

SbS_b は定格遮断容量、VnV_n は定格電圧、IbI_b は定格遮断電流です。たとえば 66 [kV]66\,\mathrm{[kV]}、25 [kA]25\,\mathrm{[kA]} なら、約 2858 [MV⋅A]2858\,\mathrm{[MV \cdot A]} です。定格遮断容量は、その場所の短絡容量以上のものを選びます。

保護継電方式

保護継電方式の単元は、継電器の名前と、何を検出して動作するかを覚えます。式は、変流器と計器用変圧器の変換だけです。

I2=I1kV2=V1kv\begin{aligned} I_2 &= \frac{I_1}{k} \\ V_2 &= \frac{V_1}{k_v} \end{aligned}

I1I_1、I2I_2 は変流器の一次と二次の電流、kk は変流比です。V1V_1、V2V_2 は計器用変圧器の一次と二次の電圧、kvk_v は変成比です。変流器の二次側は、開放してはいけません。計器用変圧器の二次側は、短絡してはいけません。継電器のしくみは、保護継電器の種類と役割にあります。

主な継電器と、検出するものは次のとおりです。

継電器検出するもの
過電流継電器設定値を超える電流
地絡継電器地絡による電流
比率差動継電器入力と出力の電流の差
距離継電器電圧と電流の比
ブッフホルツ継電器油入変圧器内のガスや油流

調相設備

調相設備は、無効電力を調整して、力率と電圧を保つ設備です。進相コンデンサは遅れの無効電力を補い、分路リアクトルは進みの無効電力を吸収します。同期調相機は、励磁を加減して、進みと遅れのどちらにも使えます。容量の計算は、配電線路の力率改善と同じ式です。力率改善と進相コンデンサの容量計算で確認できます。設備ごとの使い分けは、調相設備の種類と電圧調整にあります。

送電線路の公式

送電線路の式は、線路の電圧降下、故障電流、地絡電流の3つが中心です。図4は、三相3線式の1線分の等価回路で、電圧降下の式の記号を示します。

R X 負荷 Vs 送電端 Vr 受電端 I 1線の抵抗 1線のリアクタンス 電圧降下 v ≒ √3 I (R cosθ + X sinθ) 電圧降下率 ε = (Vs − Vr) / Vr × 100 送電電力 P = (Vs Vr / X) sinδ
図4 送電線路の等価回路。R、X は1線分の値で、v は線間の電圧降下

架空送電線路

がいし、架空地線、多導体など、線路の構成は架空送電線路の構成にあります。ここでは、計算に使う式をまとめます。

電線のたるみと実長

D=WS28TL=S+8D23S\begin{aligned} D &= \frac{WS^2}{8T} \\ L &= S + \frac{8D^2}{3S} \end{aligned}

DD はたるみ [m]\mathrm{[m]}、SS は径間 [m]\mathrm{[m]}、TT は水平張力 [N]\mathrm{[N]}、WW は電線1mあたりの荷重 [N/m]\mathrm{[N/m]}、LL は電線の実長 [m]\mathrm{[m]} です。詳しくは電線のたるみの計算と実長の求め方で確認できます。

線路定数

三相3線式の作用インダクタンスと作用静電容量の式です。

L=0.05+0.4605log⁡10DerC=0.02413log⁡10(De/r)\begin{aligned} L &= 0.05 + 0.4605\log_{10}\frac{D_e}{r} \\ C &= \frac{0.02413}{\log_{10}(D_e/r)} \end{aligned}

LL は作用インダクタンス [mH/km]\mathrm{[mH/km]}、CC は作用静電容量 [μF/km]\mathrm{[\mu F/km]}、rr は電線の半径、DeD_e は等価線間距離(3本の線間距離の幾何平均)です。rr と DeD_e は同じ単位で入れます。CC の係数は、真空の誘電率から求めた概数で、参考書によって末尾の桁が少し違います。

地中送電線路

地中ケーブルは、架空線より静電容量が大きいので、充電電流が流れます。

Ic=ωCEQ=3ωCE2=ωCV2\begin{aligned} I_c &= \omega CE \\ Q &= 3\omega CE^2 = \omega CV^2 \end{aligned}

IcI_c は1線の充電電流、ω\omega は角周波数、CC は1線の静電容量、EE は相電圧、VV は線間電圧、QQ は三相の充電容量です。地中送電線路とケーブルの充電電流に、例題があります。

電圧降下と送電電力

v=3 I(Rcos⁡θ+Xsin⁡θ)I=P3Vcos⁡θv=PR+QXVrε=Vs−VrVr×100pl=3I2RP=VsVrXsin⁡δ\begin{aligned} v &= \sqrt{3}\,I(R\cos\theta + X\sin\theta) \\ I &= \frac{P}{\sqrt{3}V\cos\theta} \\ v &= \frac{PR + QX}{V_r} \\ \varepsilon &= \frac{V_s - V_r}{V_r} \times 100 \\ p_l &= 3I^2R \\ P &= \frac{V_sV_r}{X}\sin\delta \end{aligned}

vv は線間の電圧降下、II は線電流、RR、XX は1線の抵抗とリアクタンス、θ\theta は負荷の力率角です。PP は三相の有効電力、QQ は無効電力、VV は線間電圧です。VsV_s は送電端、VrV_r は受電端の線間電圧、ε\varepsilon は電圧降下率、plp_l は三相の電力損失です。最後の式は送電電力で、δ\delta は送電端と受電端の電圧の位相差です。三相3線式の電圧降下の求め方で、例題を確かめられます。

中性点接地方式

地絡電流は、接地の方式によって変わります。非接地方式の1線地絡電流と、消弧リアクトルのインダクタンスは、次のとおりです。

Ig=3ωCE=3ωCVL=13ω2C\begin{aligned} I_g &= 3\omega CE = \sqrt{3}\omega CV \\ L &= \frac{1}{3\omega^2C} \end{aligned}

IgI_g は1線地絡電流、CC は1線の対地静電容量、EE は相電圧、VV は線間電圧、LL は消弧リアクトルのインダクタンスです。非接地方式では、1線が完全に地絡したとき、健全な相の対地電圧は 3\sqrt{3} 倍になります。方式ごとの比較は、中性点接地方式の種類と比較にあります。

異常電圧と雷害対策

この単元に、式はありません。雷による異常電圧を、架空地線、避雷器、アークホーン、埋設地線で防ぐ、という対策の組み合わせを覚えます。1線地絡で健全な相の電圧が上がる関係は、中性点接地方式の記事に書かれています。

故障計算(%インピーダンス)

%Z=ZInE×100=3ZInVn×100%Zbase=%ZnSbaseSnIs=100%ZInIn=Sbase3VSs=100%ZSbase\begin{aligned} \%Z &= \frac{ZI_n}{E} \times 100 \\ &= \frac{\sqrt{3}ZI_n}{V_n} \times 100 \\ \%Z_{base} &= \%Z_n\frac{S_{base}}{S_n} \\ I_s &= \frac{100}{\%Z}I_n \\ I_n &= \frac{S_{base}}{\sqrt{3}V} \\ S_s &= \frac{100}{\%Z}S_{base} \end{aligned}

ZZ はインピーダンス、InI_n は定格電流、EE は相電圧、VnV_n は定格の線間電圧です。%Zn\%Z_n は自己容量 SnS_n を基準にした値で、基準容量 SbaseS_{base} に換算したものが %Zbase\%Z_{base} です。IsI_s は三相短絡電流、SsS_s は短絡容量、VV は線間電圧です。%インピーダンスと短絡電流の計算で、合成の方法と遮断器の選び方を確かめられます。

直流送電

直流送電は、交流を直流に変える順変換と、直流を交流に戻す逆変換を組み合わせます。往復2線で送る場合の電力と、線路の損失は、次のとおりです。

P=VIpl=2RI2\begin{aligned} P &= VI \\ p_l &= 2RI^2 \end{aligned}

PP は送る電力、VV は直流の電圧、II は電流、RR は1線の抵抗、plp_l は線路の電力損失です。たとえば I=1000 [A]I = 1000\,\mathrm{[A]}、R=0.5 ΩR = 0.5\,\Omega なら、損失は 2×0.5×10002=106 [W]2 \times 0.5 \times 1000^2 = 10^6\,\mathrm{[W]} で、1000 [kW]1000\,\mathrm{[kW]} です。

配電線路の公式

配電線路は、需要家に近い、電圧の低い線路です。式は、送電線路と同じ形のものが多く、単相と三相の違いと、負荷の特性を表す率が加わります。図5は、電柱の上の変圧器です。

青空を背景に、コンクリートの電柱の腕金に3つの碍子が付き、その下に円筒形の柱上変圧器が取り付けられている写真。変圧器の下から3本の電線が出ている
  1. 柱上変圧器 高圧を低圧に下げる
  2. 腕金の上の碍子 電線を支える
  3. 変圧器の下から出る電線 需要家側へ
図5 電柱の上の柱上変圧器。高圧の電気を、需要家向けの低圧に下げる(写真はイメージ)

配電方式

単相3線式は、電圧線2本と中性線1本で、2種類の電圧を取り出せます。中性線の電流と、負荷の端子電圧は、次のとおりです。

IN=∣I1−I2∣V1=E−rI1−rn(I1−I2)V2=E−rI2+rn(I1−I2)\begin{aligned} I_N &= |I_1 - I_2| \\ V_1 &= E - rI_1 - r_n(I_1 - I_2) \\ V_2 &= E - rI_2 + r_n(I_1 - I_2) \end{aligned}

INI_N は中性線の電流、I1I_1、I2I_2 は電圧線の電流、EE は電源の1つの電圧線と中性線の間の電圧、rr は電圧線の抵抗、rnr_n は中性線の抵抗、V1V_1、V2V_2 は負荷の端子電圧です。負荷が平衡していると、中性線に電流が流れません。単相3線式とはで、バランサまで確認できます。

電圧降下と電力損失

単相2線式と三相3線式の電圧降下の近似式と、電力損失です。

v≒2I(Rcos⁡θ+Xsin⁡θ)p=2I2R\begin{aligned} v &\fallingdotseq 2I(R\cos\theta + X\sin\theta) \\ p &= 2I^2R \end{aligned}

上が単相2線式で、vv は電圧降下、II は電流、RR、XX は1線の抵抗とリアクタンス、pp は電力損失です。三相3線式は、次のとおりです。

v=3 I(Rcos⁡θ+Xsin⁡θ)p=3I2R\begin{aligned} v &= \sqrt{3}\,I(R\cos\theta + X\sin\theta) \\ p &= 3I^2R \end{aligned}

三相の式は、送電線路と同じです。三相3線式の電圧降下の求め方で確認できます。

配電設備

変圧器の容量は、需要家の設備容量ではなく、最大電力の合計から決めます。そのための率が、需要率、負荷率、不等率です。

d=Pmax⁡SL=PavgPmax⁡F=Pmax⁡1+Pmax⁡2+⋯PcPc=S1d1+S2d2+⋯F\begin{aligned} d &= \frac{P_{\max}}{S} \\ L &= \frac{P_{\mathrm{avg}}}{P_{\max}} \\ F &= \frac{P_{\max 1} + P_{\max 2} + \cdots}{P_c} \\ P_c &= \frac{S_1d_1 + S_2d_2 + \cdots}{F} \end{aligned}

dd は需要率、SS は設備容量、Pmax⁡P_{\max} は最大電力です。LL は負荷率、PavgP_{\mathrm{avg}} は平均電力です。FF は不等率、Pmax⁡1P_{\max 1}、Pmax⁡2P_{\max 2} は各需要家の最大電力、PcP_c は合成最大電力です。最後の式は、S1d1+S2d2+⋯S_1d_1 + S_2d_2 + \cdots を不等率 FF で割って、変圧器の容量 PcP_c を求める形です。詳しくは需要率・負荷率・不等率の求め方にあります。

力率改善

力率の悪い負荷に、進相コンデンサをつなぐと、無効電力が減ります。有効電力 PP は変わりません。図6は、電力の三角形で見た変化です。

θ2 θ1 有効電力 P S1 S2 Q2 Qc Q1 Qc = Q1 − Q2 = P (tanθ1 − tanθ2)
図6 力率改善。P は変わらず、無効電力だけが Qc の分だけ減る
cos⁡θ=PSQc=P(tan⁡θ1−tan⁡θ2)\begin{aligned} \cos\theta &= \frac{P}{S} \\ Q_c &= P(\tan\theta_1 - \tan\theta_2) \end{aligned}

SS は皮相電力、QcQ_c は進相コンデンサの容量 [kvar]\mathrm{[kvar]}、θ1\theta_1 は改善前、θ2\theta_2 は改善後の力率角です。PP は有効電力 [kW]\mathrm{[kW]} で、QcQ_c と単位をそろえて入れます。力率改善と進相コンデンサの容量計算で、電力の三角形から例題まで確かめられます。

屋内配線

屋内配線の電圧降下は、リアクタンスを無視して力率を 1 とみなす簡略式で計算することがあります。電線の抵抗 RR から、次のように求めます。

R=ρlSe=2IRe=3IR\begin{aligned} R &= \rho\frac{l}{S} \\ e &= 2IR \\ e &= \sqrt{3}IR \end{aligned}

ρ\rho は抵抗率、ll は電線の長さ、SS は断面積です。ee は電圧降下で、2行目は単相2線式、3行目は三相3線式です。ρ=1/58 [Ω⋅mm2/m]\rho = 1/58\,\mathrm{[\Omega \cdot mm^2/m]}、l=50 [m]l = 50\,\mathrm{[m]}、S=2 [mm2]S = 2\,\mathrm{[mm^2]}、I=15 [A]I = 15\,\mathrm{[A]} なら、RR は約 0.431 Ω0.431\,\Omega で、単相2線式は約 12.9 [V]12.9\,\mathrm{[V]}、三相3線式は約 11.2 [V]11.2\,\mathrm{[V]} です。電線の太さと許容電流の決め方は、法規の範囲でもあり、許容電流と幹線の太さで確認できます。

電気材料の公式

電気材料は、導電材料、絶縁材料、磁性材料の3つで、式の数は少なめです。

導電材料

導体の抵抗と、温度による変化の式です。

R=ρlSσ=1ρRt=R0(1+αt)\begin{aligned} R &= \rho\frac{l}{S} \\ \sigma &= \frac{1}{\rho} \\ R_t &= R_0(1 + \alpha t) \end{aligned}

RR は抵抗、ρ\rho は抵抗率、σ\sigma は導電率、ll は長さ、SS は断面積です。R0R_0 は基準の温度での抵抗、RtR_t は基準から t ∘Ct\,{}^{\circ}\mathrm{C} 上がったときの抵抗、α\alpha は温度係数です。たとえば α=0.004\alpha = 0.004 で 60 ∘C60\,{}^{\circ}\mathrm{C} 上がると、抵抗は 1+0.004×60=1.241 + 0.004 \times 60 = 1.24 倍になります。

絶縁材料

Eb=VbdE_b = \frac{V_b}{d}

EbE_b は絶縁破壊の強さ [V/m]\mathrm{[V/m]}、VbV_b は絶縁破壊を起こす電圧、dd は絶縁物の厚さです。電界が一様なときの式です。たとえば 30 [kV]30\,\mathrm{[kV]} で、厚さ 3 [mm]3\,\mathrm{[mm]} の絶縁物が破壊するなら、Eb=10 [MV/m]E_b = 10\,\mathrm{[MV/m]} です。

磁性材料

変圧器や電動機の鉄心では、ヒステリシス損と渦電流損が発生します。周波数 ff と最大磁束密度 BmB_m に対して、次の関係です。

ヒステリシス損∝fBm 2渦電流損∝f2Bm 2\begin{aligned} \text{ヒステリシス損} &\propto fB_m^{\,2} \\ \text{渦電流損} &\propto f^2B_m^{\,2} \end{aligned}
損失周波数磁束密度
ヒステリシス損1乗2乗
渦電流損2乗2乗

鉄心には、ヒステリシス曲線の面積が小さい軟磁性材料を使い、薄い鋼板を重ねて渦電流を減らします。損失の分け方は、変圧器の効率とはで確認できます。

公式の選び方と例題

電力の式は、単元ごとに記号が違い、同じ文字が別の量を表します。使う式は、求めるものと単位から探すと絞れます。図7は、求めるものから式を探す表です。水力の出力の η\eta は、水車効率と発電機効率の積です。

求めるもの 使う式 水力の出力 P = 9.8 Q H η 火力の熱効率 η = 電気出力 / 投入熱量 電圧降下 v ≒ √3 I (R cosθ + X sinθ) 短絡電流 Is = (100 / %Z) In コンデンサ容量 Qc = P (tanθ1 − tanθ2)
図7 求めるものから、使う式を探す

次の2問で、式を選ぶ手順を確かめます。

解答と解説を見る

手順1 求めるのは電圧降下なので、送電線路の電圧降下の式を使います。

手順2 3 I\sqrt{3}\,I を、電力から先に求めます。

3 I=PVrcos⁡θ=1320×1036600×0.8=250\begin{aligned} \sqrt{3}\,I &= \frac{P}{V_r\cos\theta} \\ &= \frac{1320 \times 10^3}{6600 \times 0.8} \\ &= 250 \end{aligned}

手順3 sin⁡θ=0.6\sin\theta = 0.6 なので、Rcos⁡θ=0.4R\cos\theta = 0.4、Xsin⁡θ=0.24X\sin\theta = 0.24 です。

v=250(Rcos⁡θ+Xsin⁡θ)=250(0.4+0.24)=160 [V]\begin{aligned} v &= 250(R\cos\theta + X\sin\theta) \\ &= 250(0.4 + 0.24) \\ &= 160\,\mathrm{[V]} \end{aligned}

手順4 電圧降下率は、受電端の電圧で割ります。

ε=vVr×100=1606600×100≒2.4 [%]\begin{aligned} \varepsilon &= \frac{v}{V_r} \times 100 \\ &= \frac{160}{6600} \times 100 \\ &\fallingdotseq 2.4\,\mathrm{[\%]} \end{aligned}

検算します。無効電力は Q=Ptan⁡θ=990 [kvar]Q = P\tan\theta = 990\,\mathrm{[kvar]} です。v=(PR+QX)/Vrv = (PR + QX)/V_r に入れると、(660×103+396×103)/6600=160 [V](660 \times 10^3 + 396 \times 10^3)/6600 = 160\,\mathrm{[V]} で一致します。

答え v=160 [V]v = 160\,\mathrm{[V]}、ε≒2.4 [%]\varepsilon \fallingdotseq 2.4\,\mathrm{[\%]}

解答と解説を見る

手順1 求めるのはコンデンサの容量なので、力率改善の式を使います。

手順2 改善前と改善後の tan⁡θ\tan\theta を求めます。

tan⁡θ1=0.60.8=34tan⁡θ2=0.280.96=724\begin{aligned} \tan\theta_1 &= \frac{0.6}{0.8} = \frac{3}{4} \\ \tan\theta_2 &= \frac{0.28}{0.96} = \frac{7}{24} \end{aligned}

手順3 式に入れます。

Qc=P(tan⁡θ1−tan⁡θ2)=1320(34−724)=1320×1124=605 [kvar]\begin{aligned} Q_c &= P(\tan\theta_1 - \tan\theta_2) \\ &= 1320\left(\frac{3}{4} - \frac{7}{24}\right) \\ &= 1320 \times \frac{11}{24} \\ &= 605\,\mathrm{[kvar]} \end{aligned}

検算します。改善前の無効電力は 990 [kvar]990\,\mathrm{[kvar]}、改善後は 1320×7/24=385 [kvar]1320 \times 7/24 = 385\,\mathrm{[kvar]} で、差は 605 [kvar]605\,\mathrm{[kvar]} です。改善後の皮相電力は 1320/0.96=1375 [kV⋅A]1320/0.96 = 1375\,\mathrm{[kV \cdot A]} で、13202+3852=1375\sqrt{1320^2 + 385^2} = 1375 と一致します。

答え 605 [kvar]605\,\mathrm{[kvar]}

公式を覚えるより先に

電力の式は、数が多く見えますが、水力、火力、送電、配電のそれぞれで、使う形はいくつかに絞れます。式を丸暗記するより、図で意味をつかみ、単位で確かめるほうが、思い出しやすくなります。水力の出力なら、図2の「落差を引く、効率を掛ける」の流れを描けるようにします。

式を使う前に、求めるものの単位を書きます。[kW]\mathrm{[kW]} なら出力や電力、[kvar]\mathrm{[kvar]} なら無効電力やコンデンサの容量、[kV⋅A]\mathrm{[kV \cdot A]} なら皮相電力や容量です。単位がそろっているかを確かめる習慣が、計算の間違いを減らします。

よくある質問

電力の公式は、すべて暗記しないといけませんか。

すべてを丸暗記する必要はありません。水力の出力、電圧降下、短絡電流、力率改善の式は、すぐに書けるようにします。そのほかは、図や単位から思い出せるかどうかで分けておくと、覚える量を絞れます。

理論や機械の公式は、電力でも使いますか。

使います。三相の電力 P=3VIcos⁡θP = \sqrt{3}VI\cos\theta のような理論の式は、送電線路の計算の土台です。変圧器の式は機械の科目と重なります。理論は電験三種 理論の公式一覧、機械は電験三種 機械の公式一覧で見られます。

PP や η\eta、HH のように、同じ記号が別の量に使われるのはなぜですか。

単元ごとに、慣習として使われる記号が決まっているためです。HH は水力では落差 [m]\mathrm{[m]}、火力では発熱量 [kJ/kg]\mathrm{[kJ/kg]} です。LL は所内率、負荷率、インダクタンス、電線の実長に使われます。問題文の定義と単位を見て、読み替えます。

公式は、どの順に確認すればよいですか。

求めるものと、その単位を先に書きます。次に、発電、変電、送電、配電のどの単元かを絞り、式を選びます。数を入れる前に、文字のまま整理すると、計算の途中で間違いに気づきやすくなります。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

水力発電の出力 P [kW]P\,\mathrm{[kW]} を、流量 QQ、有効落差 HH、効率で書くと?

P=9.8QHηwηgP = 9.8QH\eta_w\eta_g です。

三相3線式の線間の電圧降下 vv の近似式は?

v=3 I(Rcos⁡θ+Xsin⁡θ)v = \sqrt{3}\,I(R\cos\theta + X\sin\theta) です。

三相短絡電流 IsI_s を、%インピーダンスと定格電流で書くと?

Is=100%ZInI_s = \dfrac{100}{\%Z}I_n です。

力率を cos⁡θ1\cos\theta_1 から cos⁡θ2\cos\theta_2 に改善するコンデンサの容量は?

Qc=P(tan⁡θ1−tan⁡θ2)Q_c = P(\tan\theta_1 - \tan\theta_2) です。

非接地方式の1線地絡電流は?

Ig=3ωCEI_g = 3\omega CE です。

ヒステリシス損と渦電流損は、周波数の何乗に比例しますか?

ヒステリシス損は1乗、渦電流損は2乗に比例します。

まとめ

  • 電験三種の電力の式は、発電所、蓄電所、変電所、送電線路、配電線路、電気材料の6分野に分けて整理できる
  • 発電所は、水力の P=9.8QHηwηgP = 9.8QH\eta_w\eta_g、火力の η=3600W/(BH)\eta = 3600W/(BH) のように、出力と効率を求める
  • 送電と配電は、電圧降下 v=3 I(Rcos⁡θ+Xsin⁡θ)v = \sqrt{3}\,I(R\cos\theta + X\sin\theta)、短絡電流 Is=(100/%Z)InI_s = (100/\%Z)I_n、力率改善 Qc=P(tan⁡θ1−tan⁡θ2)Q_c = P(\tan\theta_1 - \tan\theta_2) を押さえる
  • 式を選ぶときは、求めるものの単位から単元を絞り、問題文の記号の定義に合わせて読み替える

式の導き方は、各単元の記事で確かめられます。水力発電の出力の求め方から順に読むと、発電所から進められます。理論の科目は電験三種 理論の公式一覧、機械の科目は電験三種 機械の公式一覧、法規の科目は電験三種 法規の公式一覧で、同じ形で式を見られます。式の変形に不安があるときは電験三種に必要な数学、勉強の順番は電験三種の勉強の始め方を見てください。

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デンケンラボ編集部

電験三種の合格プランをつくる問題集アプリ「デンケンラボ」の編集部です。試験センターの出題範囲に沿って、計算の考え方と覚えどころを図と式で解説しています。

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