Kindle で読む

電力送電線路 / 故障計算(%インピーダンス)14分で読めます

%インピーダンスと短絡電流の計算|短絡容量・遮断器の選び方

電験三種の%インピーダンスを、定義、基準容量への換算、直列・並列の合成から整理します。三相短絡電流と短絡容量の求め方、遮断器の定格遮断容量の選び方まで、例題と解答つきで確認できます。

シェア

碍子の立つ大型の変圧器と遮断器が並ぶ屋外変電所と、奥に立つ送電鉄塔の写真
この記事の目次
  1. %インピーダンスとは
  2. %インピーダンスの基準容量への換算
  3. %インピーダンスの合成(直列・並列)
  4. 三相短絡電流と短絡容量の求め方
  5. 遮断器の定格遮断容量の選び方
  6. %インピーダンスの計算例題
  7. よくある質問
  8. %インピーダンスと、Ω\Omega のインピーダンスはどう変換しますか?
  9. 基準容量はどのように決めればよいですか?
  10. 短絡容量と遮断容量は何が違いますか?
  11. まとめ
図解でわかる 電験三種 電力 1 水力発電 の表紙電力を図解で読む図解でわかる 電験三種 電力 1
水力発電
Kindle Unlimited 対象Kindle で読む

%インピーダンス(%Z)とは、定格電流が流れたときのインピーダンスによる電圧降下が、定格電圧の何 % にあたるかを表す量です。三相短絡電流は Is=100%ZInI_s = \dfrac{100}{\%Z} I_n、短絡容量は Ss=100%ZSnS_s = \dfrac{100}{\%Z} S_n で求まり、この値より大きな遮断容量の遮断器を選びます。電験三種の「電力」では、基準容量をそろえて %Z を合成する手順さえ押さえれば、故障計算はほぼ同じ形で解けます。

%インピーダンスと短絡電流の全体像
  • %インピーダンスとは
    • 電圧降下を定格電圧に対する % で表した量
    • 変圧器の前後で値が変わらない
  • 基準容量への換算
    • %Z\%Z は容量に比例するので、基準容量 ÷ 自己容量を掛ける
  • 直列・並列の合成
    • 同じ基準容量にそろえてから、抵抗と同じ要領で合成する
  • 短絡電流と短絡容量
    • Is=100%ZInI_s = \dfrac{100}{\%Z} I_n、Ss=100%ZSnS_s = \dfrac{100}{\%Z} S_n
  • 遮断器の選び方
    • 定格遮断容量が短絡容量以上のものを選ぶ
  • 例題
    • 換算、合成、短絡電流、遮断器の選定を通して解く

%インピーダンスとは

%インピーダンスは、機器や線路のインピーダンス ZZ を、定格電圧と定格電流を基準にした百分率で表したものです。定格電流 InI_n が流れたときの電圧降下 ZInZI_n が、定格相電圧 E=Vn3E = \dfrac{V_n}{\sqrt{3}} の何 % にあたるかを示し、式で書くと次のとおりです。

%Z=ZInE×100=3 ZInVn×100 [%]\%Z = \frac{Z I_n}{E} \times 100 = \frac{\sqrt{3}\,Z I_n}{V_n} \times 100\ \mathrm{[\%]}

ここで ZZ は 1 相あたりのインピーダンス [Ω]\mathrm{[\Omega]}、InI_n は定格電流 [A]\mathrm{[A]}、VnV_n は定格線間電圧 [V]\mathrm{[V]} です。図1は、%Z=10 %\%Z = 10\ \% のときの電圧降下を、相電圧に対する割合で描いたものです。

定格相電圧 E(= 100 %) インピーダンス降下 ZIn 残りは負荷にかかる電圧 %Z = ZIn ÷ E × 100 = 10 %
図1 %Z は、定格電流による電圧降下が相電圧のどれだけを占めるかの割合

変圧器では、%Z は銘板に書かれた「インピーダンス電圧」を定格電圧で割った値と等しくなります。次の図2は、%Z を持つ機器の代表である変電所の変圧器です。

上面に 3 本のブッシングが立ち、側面に放熱器が並ぶ屋外変電所の大型変圧器
  1. ブッシング 巻線の端子を外へ引き出す、がいしの部分
  2. コンサベータ 絶縁油の膨張を受けるタンク
  3. タンク(本体) 鉄心と巻線、絶縁油が入っている
  4. 放熱器 油の熱を逃がして冷やす
図2 変電所の大型変圧器。巻線のインピーダンスが %Z になる(写真はイメージ)

%Z を使う最大の利点は、変圧器を挟んでも値が変わらないことです。Ω\Omega で表したインピーダンスは、変圧器の一次側と二次側で電圧の比の 2 乗だけ変わるため、そろえるのに換算が要ります。ところが %Z は電圧そのものの割合なので、電圧階級の違う回路をそのまま足し合わせられます。

比べるものオーム値%インピーダンス
変圧器をまたぐとき電圧比の 2 乗で換算が必要変わらない
機器の大きさ同じ機器でも容量が大きいほど小さくなる自己容量を基準にした百分率なので、大きさの違う機器を比べやすい
短絡電流の求め方電圧を ZZ で割る100/%Z100 / \%Z 倍する

%インピーダンスの基準容量への換算

%Z は、その機器の定格容量(自己容量)を基準にした値で与えられます。ところが合成するときは、すべての機器を同じ基準容量にそろえなければなりません。%Z\%Z は、Ω\Omega で表した ZZ が同じなら容量に比例して大きくなります。これは、定格電流が容量に比例して増えるため、同じ ZZ でも電圧降下が大きくなるからです。したがって、基準容量 SbaseS_{base} への換算は次の式になります。

%Zbase=%Zn×SbaseSn\%Z_{base} = \%Z_n \times \frac{S_{base}}{S_n}

%Zn\%Z_n は自己容量 SnS_n を基準にした値です。たとえば自己容量 5 [MV⋅A]5\ \mathrm{[MV \cdot A]}、%Z=7.5 %\%Z = 7.5\ \% の変圧器を、基準容量 10 [MV⋅A]10\ \mathrm{[MV \cdot A]} に換算すると、7.5×105=15 %7.5 \times \dfrac{10}{5} = 15\ \% になります(図3)。

銘板の値(自己容量が基準) Sn = 5 MV·A、%Z = 7.5 % × 10 ÷ 5 (基準容量 ÷ 自己容量) 基準容量 10 MV·A に換算 %Z = 7.5 × 10/5 = 15 % %Zbase = %Zn × Sbase / Sn 基準容量のほうが大きいので、%Z も大きくなる
図3 基準容量への換算。容量が 2 倍の基準に直すと %Z も 2 倍になる
機器自己容量・%Z基準 10 MV⋅A10\ \mathrm{MV \cdot A} での %Z
変圧器5 MV⋅A5\ \mathrm{MV \cdot A}、7.5 %7.5\ \%7.5×10/5=15 %7.5 \times 10/5 = 15\ \%
発電機20 MV⋅A20\ \mathrm{MV \cdot A}、30 %30\ \%30×10/20=15 %30 \times 10/20 = 15\ \%
系統10 MV⋅A10\ \mathrm{MV \cdot A} 基準で 2 %2\ \%そのまま 2 %2\ \%

変圧器の電圧・電流の関係は、変圧器の巻数比で確認しておくと、%Z が変圧器をまたいで変わらない理由がつかみやすくなります。

%インピーダンスの合成(直列・並列)

基準容量をそろえたら、%Z は抵抗の合成と同じ要領で足し合わせます。直列なら和、並列なら「積 ÷ 和」です。3 台以上の並列は、逆数の和の逆数で求めます。

直列 %Z1 %Z2 %Z = %Z1 + %Z2 並列 %Z1 %Z2 %Z = %Z1 × %Z2 / (%Z1 + %Z2) どちらも同じ基準容量にそろえてから合成する
図4 %Z の合成。直列は和、並列は積 ÷ 和(抵抗の合成と同じ)
つなぎ方合成 %Z具体例(基準 10 MV⋅A10\ \mathrm{MV \cdot A})
直列%Z1+%Z2\%Z_1 + \%Z_22+15=17 %2 + 15 = 17\ \%
並列(2 つ)%Z1×%Z2%Z1+%Z2\dfrac{\%Z_1 \times \%Z_2}{\%Z_1 + \%Z_2}15 %15\ \% と 15 %15\ \% なら 7.5 %7.5\ \%
並列(3 つ以上)1%Z=1%Z1+1%Z2+1%Z3\dfrac{1}{\%Z} = \dfrac{1}{\%Z_1} + \dfrac{1}{\%Z_2} + \dfrac{1}{\%Z_3}同じ値 nn 個なら 1/n1/n

発電所の発電機が 2 台並列に故障点へつながっているときは並列、発電機から昇圧変圧器、送電線へと続く経路は直列、というように、故障点から電源側を見たつながり方で決めます。

三相短絡電流と短絡容量の求め方

三相短絡とは、送電線や母線の 3 相が一点でつながる故障です。短絡点のインピーダンスが 0 になるので、流れる電流は電源から短絡点までのインピーダンスだけで決まります。このとき短絡電流 IsI_s は E/ZE / Z で、定格電流 InI_n との比を取ると、%Z\%Z の定義からそのまま次の関係になります。

IsIn=E/ZIn=100%Z\frac{I_s}{I_n} = \frac{E / Z}{I_n} = \frac{100}{\%Z}

したがって、短絡電流は定格電流(基準電流)の 100/%Z100 / \%Z 倍です。

Is=100%Z In [A],In=Sbase3 V [A]I_s = \frac{100}{\%Z}\, I_n\ \mathrm{[A]}, \qquad I_n = \frac{S_{base}}{\sqrt{3}\,V}\ \mathrm{[A]}

短絡容量 SsS_s は、短絡点の電圧と短絡電流の積で定義し、3VIs\sqrt{3} V I_s で表します。上の式を代入すると、基準容量の 100/%Z100 / \%Z 倍になります。

Ss=3 V Is=100%Z Sbase [MV⋅A]S_s = \sqrt{3}\,V\,I_s = \frac{100}{\%Z}\, S_{base}\ \mathrm{[MV \cdot A]}

計算の進め方は、図5の 4 段階です。

1 基準容量を決め、各 %Z を換算 %Z × 基準容量 ÷ 自己容量 2 合成 %Z を求める 直列は和、並列は積 ÷ 和 3 故障点の電圧で基準電流を求める In = Sbase / (√3 × V) 4 短絡電流と短絡容量 Is = In × 100/%Z、Ss = Sbase × 100/%Z
図5 三相短絡電流と短絡容量の求め方。4 段階で進める

遮断器の定格遮断容量の選び方

遮断器は、短絡などの故障電流を自動的に切って、機器と系統を守る機器です。故障電流が遮断器の能力を超えていると、電流を切りきれず、遮断器自体が壊れるおそれがあります。そのため遮断器は、設置する場所の短絡電流(短絡容量)を計算し、それ以上の遮断能力のものを選びます。

磁器がいし管が 3 本並び、足もとに操作箱を備えた屋外変電所の遮断器
  1. 端子 母線からの電線をつなぐ接続部
  2. がい管 内部に電流を切る遮断部が収まっている
  3. 操作箱 開閉の指令を受けて遮断器を動かす
  4. 断路器 電流が流れていないときに回路を切り離す
図6 変電所の屋外用遮断器。短絡電流を切って故障区間を切り離す(写真はイメージ)

遮断器の能力は、遮断できる電流の大きさ(定格遮断電流)か、それを容量で表した定格遮断容量で示します。選び方の考え方は 1 つです。

定格遮断容量≧短絡容量 Ss=3 V Is\text{定格遮断容量} \geqq \text{短絡容量}\ S_s = \sqrt{3}\,V\,I_s

電流で比べるなら、定格遮断電流が短絡電流 IsI_s 以上であれば足ります。計算で求めた短絡容量がちょうど規格値に当たることは少ないので、実際には、計算値以上で最も近い規格の値を選びます。

扉を開けた高圧受電設備のキュービクルの内部。遮断器、銅バーの母線、変流器が見える
  1. 遮断器 事故電流を切る本体
  2. 銅バー 電気を流す母線
  3. 変流器 大きな電流を小さな電流に変えて継電器へ送る
図7 高圧受電設備(キュービクル)の内部。受電点の遮断器は、受電点の短絡容量以上のものを選ぶ(写真はイメージ)

遮断器は、自分では故障を見つけられません。故障を見つけるのは保護継電器で、変流器などから電流の値を受け取り、異常を判断して遮断器へ切る指令を出します。

保護継電器と計器が整然と並ぶ変電所の制御室の保護継電器盤
図8 保護継電器盤。継電器が異常を見つけ、遮断器に切る指令を出す(写真はイメージ)
比べるもの意味求め方
短絡容量故障点から見た系統側の大きさ100%ZSbase\dfrac{100}{\%Z} S_{base}
定格遮断容量遮断器が切れる限界機器に与えられた値
選定の条件遮断器の能力が系統側より大きい定格遮断容量 ≧\geqq 短絡容量

%インピーダンスの計算例題

電源 系統 2 % 66 kV 変圧器 5 MV·A 7.5 % 6.6 kV F 故障点 F で三相短絡 基準容量 10 MV·A(系統の %Z はこの基準の値)
図9 例題 1 の回路。系統と変圧器が直列で、故障点 F は 6.6 kV 母線にある
解答と解説を見る

(1) 変圧器の %Z を基準容量 10 MV⋅A10\ \mathrm{MV \cdot A} に換算します。

%ZT=7.5×105=15 %\%Z_T = 7.5 \times \frac{10}{5} = 15\ \%

系統と変圧器は直列なので、合成 %Z は和です。

%Z=2+15=17 %\%Z = 2 + 15 = 17\ \%

(2) 故障点は 6.6 kV6.6\ \mathrm{kV} 側なので、基準電流は 6600 V6600\ \mathrm{V} で求めます。

In=10×1063×6600≈875 [A]I_n = \frac{10 \times 10^6}{\sqrt{3} \times 6600} \approx 875\ \mathrm{[A]}Is=10017×875≈5146 [A]≈5.15 [kA]I_s = \frac{100}{17} \times 875 \approx 5146\ \mathrm{[A]} \approx 5.15\ \mathrm{[kA]}

(3) 短絡容量は基準容量の 100/%Z100 / \%Z 倍です。

Ss=10017×10≈58.8 [MV⋅A]S_s = \frac{100}{17} \times 10 \approx 58.8\ \mathrm{[MV \cdot A]}

検算すると、3×6.6×5.146≈58.8 [MV⋅A]\sqrt{3} \times 6.6 \times 5.146 \approx 58.8\ \mathrm{[MV \cdot A]} で一致します。

(4) 定格遮断容量は短絡容量 58.8 MV⋅A58.8\ \mathrm{MV \cdot A} 以上でなければならないので、選択肢のうち 58.858.8 以上で最小の 75 [MV⋅A]75\ \mathrm{[MV \cdot A]} を選びます。

答え:(1) 17 %17\ \%、(2) 約 5.15 kA5.15\ \mathrm{kA}、(3) 約 58.8 MV⋅A58.8\ \mathrm{MV \cdot A}、(4) 75 MV⋅A75\ \mathrm{MV \cdot A}

解答と解説を見る

基準容量を 10 MV⋅A10\ \mathrm{MV \cdot A} とします。発電機 A は 20 %20\ \% のままです。発電機 B は

%ZB=40×1020=20 %\%Z_B = 40 \times \frac{10}{20} = 20\ \%

に換算されます。発電機 2 台は並列なので、

%ZG=20×2020+20=10 %\%Z_G = \frac{20 \times 20}{20 + 20} = 10\ \%

です。これに変圧器 10 %10\ \%(基準と同じ 10 MV⋅A10\ \mathrm{MV \cdot A} なのでそのまま)が直列につながるので、合成 %Z は 10+10=20 %10 + 10 = 20\ \% です。

故障点は 66 kV66\ \mathrm{kV} 側なので、基準電流は 66000 V66000\ \mathrm{V} で求めます。

In=10×1063×66000≈87.5 [A]I_n = \frac{10 \times 10^6}{\sqrt{3} \times 66000} \approx 87.5\ \mathrm{[A]}Is=10020×87.5≈437 [A]Ss=10020×10=50 [MV⋅A]\begin{aligned} I_s &= \frac{100}{20} \times 87.5 \approx 437\ \mathrm{[A]} \\ S_s &= \frac{100}{20} \times 10 = 50\ \mathrm{[MV \cdot A]} \end{aligned}

答え:短絡電流は約 437 A437\ \mathrm{A}、短絡容量は 50 MV⋅A50\ \mathrm{MV \cdot A}

解答と解説を見る

短絡容量が 100 MV⋅A100\ \mathrm{MV \cdot A} 以下になる条件を式にします。

Ss=100%Z×10≦100S_s = \frac{100}{\%Z} \times 10 \leqq 100

これを解くと %Z≧10 %\%Z \geqq 10\ \% です。合成 %Z が 10 %10\ \% のとき、短絡電流は 875×100/10≈8750 [A]875 \times 100 / 10 \approx 8750\ \mathrm{[A]}、約 8.75 kA8.75\ \mathrm{kA} です。

答え:10 %10\ \% 以上

試験では、答えが [kA]\mathrm{[kA]} なのか [MV⋅A]\mathrm{[MV \cdot A]} なのかを問題文で確かめます。同じ %Z から求める値でも、電流は故障点の電圧で、容量は電圧によらず決まります。

よくある質問

%インピーダンスと、Ω\Omega のインピーダンスはどう変換しますか?

Ω\Omega に直すには、%Z=ZSnVn2×100\%Z = \dfrac{Z S_n}{V_n^2} \times 100 を ZZ について解いて Z=%Z×Vn2100 SnZ = \dfrac{\%Z \times V_n^2}{100\, S_n} とします。SnS_n は [V⋅A]\mathrm{[V \cdot A]}、VnV_n は [V]\mathrm{[V]} です。たとえば 6.6 kV6.6\ \mathrm{kV}、10 MV⋅A10\ \mathrm{MV \cdot A}、%Z=10 %\%Z = 10\ \% なら、Z=10×66002100×10×106≈0.436 [Ω]Z = \dfrac{10 \times 6600^2}{100 \times 10 \times 10^6} \approx 0.436\ \mathrm{[\Omega]} です。

基準容量はどのように決めればよいですか?

問題文に指定があればそれに従い、無ければ計算しやすい値(10 MV⋅A10\ \mathrm{MV \cdot A} や 100 MV⋅A100\ \mathrm{MV \cdot A} など)か、最大の機器の容量を選びます。どの値を選んでも、最後に求める短絡電流と短絡容量は変わりません。基準を変えると途中の %Z と基準電流が変わるだけです。

短絡容量と遮断容量は何が違いますか?

短絡容量は、故障点から見た系統側の大きさで、%Z\%Z から計算して求める値です。遮断容量は、遮断器が実際に切れる限界で、機器に決まった値です。遮断器は「定格遮断容量 ≧\geqq 短絡容量」になるように選びます。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

%インピーダンスの定義を式で言えますか?

%Z=ZInE×100 [%]\%Z = \dfrac{Z I_n}{E} \times 100\ [\%] です。定格電流による電圧降下が、定格相電圧の何 % かを表します。

変圧器をまたいだとき、%Z はどうなりますか?

変わりません。そのまま合成できる点が %Z の利点です。

自己容量 SnS_n の %Z を基準容量 SbaseS_{base} に換算する式は?

%Zbase=%Zn×SbaseSn\%Z_{base} = \%Z_n \times \dfrac{S_{base}}{S_n} です。基準容量を自己容量で割った値を掛けます。

直列と並列の %Z の合成は、どう求めますか?

直列は和、並列は積 ÷ 和です。必ず基準容量をそろえてから合成します。

三相短絡電流と短絡容量の式は何ですか?

Is=100%ZInI_s = \dfrac{100}{\%Z} I_n、Ss=100%ZSbaseS_s = \dfrac{100}{\%Z} S_{base} です。基準電流 InI_n は故障点の電圧で求めます。

遮断器は、何を基準に選びますか?

定格遮断容量が短絡容量以上のものを選びます。電流で比べるなら、定格遮断電流が短絡電流以上です。

まとめ

  • %インピーダンスは、定格電流による電圧降下を定格相電圧に対する % で表した値で、変圧器をまたいでも変わらない
  • 基準容量への換算は %Zbase=%Zn×Sbase/Sn\%Z_{base} = \%Z_n \times S_{base} / S_n。そろえてから直列は和、並列は積 ÷ 和で合成する
  • 短絡電流 Is=100%ZInI_s = \dfrac{100}{\%Z} I_n、短絡容量 Ss=100%ZSbaseS_s = \dfrac{100}{\%Z} S_{base}。基準電流は故障点の電圧で求める
  • 遮断器は、定格遮断容量が短絡容量以上のものを選ぶ
求めるもの式
換算%Zbase=%Zn×Sbase/Sn\%Z_{base} = \%Z_n \times S_{base} / S_n
基準電流In=Sbase/(3V)I_n = S_{base} / (\sqrt{3} V)
短絡電流Is=100In/%ZI_s = 100 I_n / \%Z
短絡容量Ss=100Sbase/%ZS_s = 100 S_{base} / \%Z

次は、%Z が変圧器をまたいでも変わらない理由を、変圧器の巻数比と電圧・電流の関係で確かめましょう。%Z の違う変圧器を2台並べたときの負荷の分担は変圧器の並行運転で、平常時の線路の電圧降下は三相3線式の電圧降下で扱います。

図解でわかる 電験三種 電力 1 水力発電 の表紙電験三種 電力を図解で通して読む図解でわかる 電験三種 電力 / 第1巻水力発電水の力と出力の式から水車・調速機・揚水発電まで電力の単元を、図と式で1冊ずつ通して読む Kindle 本のシリーズです。例題と練習問題まで入っています。Kindle Unlimited の対象なので、会員は追加料金なしで読めます。Amazon で見る

読んだら、すぐ解いて覚える

「故障計算(%インピーダンス)」の問題を
アプリで解いてみよう

読んだ直後に問題で思い出すと、記憶に残りやすくなります。電験三種の問題集アプリ「デンケンラボ」なら、電力の問題を図解つきの解説で確かめられます。

アプリでできることを見る
デンケンラボの問題画面
動画でも見て覚えるYouTube のデンケンラボで、電験三種の解説動画を配信しています

この記事をシェアする

デンケンラボ編集部

電験三種の合格プランをつくる問題集アプリ「デンケンラボ」の編集部です。試験センターの出題範囲に沿って、計算の考え方と覚えどころを図と式で解説しています。

編集方針アプリについて見る