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理論電気理論 / 直流回路13分で読めます

ブリッジ回路の平衡条件|R1R4=R2R3 の導き方と合成抵抗・未知抵抗の測り方

電験三種のブリッジ回路を図解で整理します。平衡条件 R1R4=R2R3 の導き方、平衡したときの合成抵抗、ホイートストンブリッジで抵抗を測る方法、不平衡の解き方を例題で確認できます。

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木のテーブルの上に置かれた白い電子はかりと、その上の白いボウルの写真
この記事の目次
  1. ブリッジ回路とは
  2. ひし形と長方形:回転した図の読み方
  3. ブリッジ回路の平衡条件の導き方
  4. 2つの分圧回路として見る
  5. 平衡条件を式にする
  6. 掛ける組の見分け方
  7. 平衡したブリッジの合成抵抗
  8. ホイートストンブリッジで未知の抵抗を測る
  9. スライドワイヤ形のブリッジ
  10. ひずみゲージと電子はかり
  11. 平衡しないブリッジはテブナンの定理で解く
  12. よくある質問
  13. ブリッジ回路の平衡条件で、どの抵抗どうしを掛ける?
  14. 検流計の抵抗や電源の電圧が変わると、平衡条件も変わる?
  15. 電源と検流計を入れ替えると、平衡条件は変わる?
  16. 平衡しないブリッジの合成抵抗は、どう求める?
  17. まとめ
図解でわかる 電験三種 理論 2 並列回路 の表紙この単元を1冊で読む図解でわかる 電験三種 理論 2
並列回路
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テブナンの定理の例題では、検流計に電流が流れる不平衡のブリッジを解きました。では、検流計の電流がちょうど 0 になるのは、4つの抵抗がどんな関係のときでしょうか。これが、ブリッジ回路の平衡条件です。

平衡条件は、掛け算1本の式 R1R4=R2R3R_1 R_4 = R_2 R_3 で書けます。さらに平衡のときは、検流計の枝を取り除いて、直列と並列の合成抵抗だけで全体の抵抗が求まります。この記事では、ブリッジ回路の形の読み方、平衡条件の導き方、合成抵抗の例題、ホイートストンブリッジによる抵抗の測定、不平衡のときの解き方を順に確認します。

ブリッジ回路の全体像
  • ブリッジ回路とは
    • 4つの抵抗を輪にして、向かい合う点の間に電源と検流計をつなぐ
    • 形ではなく、どの点の間につながっているかで読む
  • 平衡条件
    • 検流計の電流が 0 になる条件は R1R4=R2R3R_1 R_4 = R_2 R_3
    • 分圧で c と d の電位が等しくなる、と考えて導く
  • 平衡のときの合成抵抗
    • 検流計の枝を取り除いて、(R1+R3)(R_1 + R_3) と (R2+R4)(R_2 + R_4) の並列にする
  • 測定への応用
    • ホイートストンブリッジで、未知の抵抗を測る
    • ひずみゲージと電子はかりも、ブリッジで電圧を取り出す
  • 平衡しないとき
    • 検流計を負荷とみなして、テブナンの定理で解く

ブリッジ回路とは

ブリッジ回路は、4つの抵抗 R1R_1 から R4R_4 を輪の形につないで、向かい合う2組の点に、電源と検流計をつないだ回路です。検流計 G は、ごく小さな電流が流れているかどうかを調べる計器です。橋(ブリッジ)のように、輪の真ん中を渡す枝に G が入っていることから、この名前がつきました。

R1 R2 R3 R4 G a b c d + E
図1 ブリッジ回路(ひし形)。a-b に電源、c-d に検流計 G をつなぐ

この記事では、点に名前をつけて読みます。上の点を a、下の点を b とし、a-b に電源をつなぎます。左の点を c、右の点を d とし、c-d に検流計 G をつなぎます。4つの抵抗は、R1R_1 が a-c、R2R_2 が a-d、R3R_3 が c-b、R4R_4 が d-b の間です。

ブリッジ回路は、直列にも並列にもまとめられない形をしています。G の枝があるために、電流が c と d のあいだを行き来できるからです。ただし、G に電流が流れないという条件がつくと、話が一気に簡単になります。

実験で使うホイートストンブリッジの装置は、木の箱に、抵抗の端子と検流計をまとめた形をしています。

木の箱の中央に丸い検流計のメーターがあり、その左右に真鍮の端子が並んだ、古い実験用の計器の写真
  1. 検流計 針が 0 を指すと平衡
  2. 左の端子 抵抗をつなぐ
  3. 右の端子 抵抗をつなぐ
  4. 木の箱 器具をまとめた箱
図2 実験用のブリッジ装置の例。中央のメーターが検流計にあたる(写真はイメージ)

ひし形と長方形:回転した図の読み方

試験では、同じブリッジ回路が、ひし形で出ることも、長方形(はしご形)で出ることもあります。形が違っても、読み方は同じです。

ひし形の描き方 R1 R2 R3 R4 G a b c d a-b に電源をつなぐ はしご形(長方形)の描き方 + R1 R3 R2 R4 a b c d G
図3 同じ回路の2つの描き方。形は違っても、つながり方(どの点の間か)は同じ

読み方の手順は2つだけです。まず、電源がつながる2点(a と b)と、検流計がつながる2点(c と d)を見つけます。次に、残った4つの抵抗が、どの2点の間にあるかを確かめます。上下を回転した図でも、電源と検流計を入れ替えた図でも、「どの点の間か」さえ追えば、同じ回路だと分かります。

ブリッジ回路の平衡条件の導き方

検流計 G に電流が流れない状態を、平衡(釣り合っている)といいます。G に電流が流れないのは、G の両端の c と d の電位が等しいときです。この条件を、分圧で式にします。

2つの分圧回路として見る

G の枝を取り除いて見ると、ブリッジ回路は、R1R_1 と R3R_3 の直列、R2R_2 と R4R_4 の直列という、2つの分圧回路が a-b に並んだ形です。

+ E R1 R3 R2 R4 a b c d G b を 0 V とすると Vc = R3 E ÷ (R1+R3) Vd = R4 E ÷ (R2+R4)
図4 ブリッジは分圧器が2つ並んだ形。c と d の電位は、それぞれの分圧の出力

b の電位を 0 [V]0\,\mathrm{[V]} として、点 c と点 d の電位を、分圧の式で求めます。

Vc=R3R1+R3 EVd=R4R2+R4 E\begin{gathered} V_c = \frac{R_3}{R_1 + R_3}\,E \\ V_d = \frac{R_4}{R_2 + R_4}\,E \end{gathered}

平衡条件を式にする

平衡のとき、Vc=VdV_c = V_d です。両辺の EE を消して、分母を払います。

R3R1+R3=R4R2+R4R3(R2+R4)=R4(R1+R3)R2R3+R3R4=R1R4+R3R4\begin{aligned} \frac{R_3}{R_1 + R_3} &= \frac{R_4}{R_2 + R_4} \\ R_3 (R_2 + R_4) &= R_4 (R_1 + R_3) \\ R_2 R_3 + R_3 R_4 &= R_1 R_4 + R_3 R_4 \end{aligned}

両辺の R3R4R_3 R_4 が消えて、次の式が残ります。

R1R4=R2R3R_1 R_4 = R_2 R_3

式の形は、比で書くこともできます。R1/R3=R2/R4R_1 / R_3 = R_2 / R_4、つまり「左の枝の抵抗の比」と「右の枝の抵抗の比」が等しい、という意味です。

掛ける組の見分け方

どの抵抗どうしを掛けるのかは、図の上で見分けられます。共通の点を持たない2つの抵抗を、1組にします。

+ R1 R3 R2 R4 a b c d G 青の組 R1(a-c)と R4(d-b) 黄の組 R2(a-d)と R3(c-b) R1R4 = R2R3 のとき平衡
図5 平衡条件は「共通の節点を持たない組」の積。青どうし、黄どうしを掛ける

R1R_1(a-c)と R4R_4(d-b)は、共通の点がありません。R2R_2(a-d)と R3R_3(c-b)も同じです。この2組の積が等しいのが、平衡条件です。ひし形の図では、向かい合う辺の積と読めます。

解答と解説を見る

平衡条件 R1R4=R2R3R_1 R_4 = R_2 R_3 を、R4R_4 について解きます。

R4=R2R3R1=24×5015=80 Ω\begin{aligned} R_4 &= \frac{R_2 R_3}{R_1} \\ &= \frac{24 \times 50}{15} = 80\,\Omega \end{aligned}

比で確かめます。R1:R3=15:50=3:10R_1 : R_3 = 15 : 50 = 3 : 10、R2:R4=24:80=3:10R_2 : R_4 = 24 : 80 = 3 : 10 で、一致します。

平衡したブリッジの合成抵抗

平衡のとき、G には電流が流れず、c と d の電位は等しくなります。電流が流れない枝は、あってもなくても回路の電流を変えません。そこで、G の枝を取り除いて計算できます。

+ R1 R3 R2 R4 a b c d G 電流 0 G の枝を取り除く ▼ R1 R3 R2 R4 a b R1+R3 R2+R4
図6 平衡のときは検流計の枝を取り除ける。残りは「R1+R3」と「R2+R4」の並列

取り除いた後は、R1R_1 と R3R_3 の直列(R1+R3R_1 + R_3)と、R2R_2 と R4R_4 の直列(R2+R4R_2 + R_4)が、a-b の間に並列につながります。合成抵抗は、並列の和分の積で求まります。

Rab=(R1+R3)(R2+R4)(R1+R3)+(R2+R4)R_{ab} = \frac{(R_1 + R_3)(R_2 + R_4)}{(R_1 + R_3) + (R_2 + R_4)}

電位が等しい c と d は、導線でつないでも電流が変わりません。この場合は、R1R_1 と R2R_2 の並列、R3R_3 と R4R_4 の並列が直列になります。G を取り除いても、c-d を短絡しても、平衡していれば答えは同じです。解きやすいほうを選べば構いません。

+ E=30 V R1 6 Ω R3 14 Ω R2 9 Ω R4 21 Ω a b c d G 指示 0
図7 例題2 のブリッジ回路。検流計 G の指示は 0
解答と解説を見る

まず、平衡していることを確かめます。

R1R4=6×21=126R2R3=9×14=126\begin{gathered} R_1 R_4 = 6 \times 21 = 126 \\ R_2 R_3 = 9 \times 14 = 126 \end{gathered}

等しいので、G の枝を取り除きます。左の道は R1+R3=20 ΩR_1 + R_3 = 20\,\Omega、右の道は R2+R4=30 ΩR_2 + R_4 = 30\,\Omega で、この2つが並列です。

Rab=20×3020+30=12 Ω\begin{aligned} R_{ab} &= \frac{20 \times 30}{20 + 30} \\ &= 12\,\Omega \end{aligned}

電源から流れ出す電流は、

I=ERab=3012=2.5 [A]I = \frac{E}{R_{ab}} = \frac{30}{12} = 2.5\,\mathrm{[A]}

です。左の道には 30/20=1.5 [A]30 / 20 = 1.5\,\mathrm{[A]}、右の道には 30/30=1 [A]30 / 30 = 1\,\mathrm{[A]} が流れ、合計が 2.5 [A]2.5\,\mathrm{[A]} になります。

検算として、c-d を短絡して求めます。R1R_1 と R2R_2 の並列は 6×9/15=3.6 Ω6 \times 9 / 15 = 3.6\,\Omega、R3R_3 と R4R_4 の並列は 14×21/35=8.4 Ω14 \times 21 / 35 = 8.4\,\Omega なので、3.6+8.4=12 Ω3.6 + 8.4 = 12\,\Omega で一致します。

並列回路の合成抵抗と分流の計算は、並列回路で扱いました。

ホイートストンブリッジで未知の抵抗を測る

平衡条件は、未知の抵抗を測るのに使えます。ブリッジの1辺に未知の抵抗 RxR_x を入れ、ほかの辺を、値の分かっている抵抗にします。G の指示が 0 になるように調整すれば、平衡条件から RxR_x が求まります。この方法を、ホイートストンブリッジといいます。

抵抗の値は、テスター(デジタルマルチメータ)でも測れます。ブリッジが違うのは、基準の抵抗と比べて、G の指示を 0 に合わせる点です。G は 0 かどうかを見分けるだけでよく、電源電圧が少しずれても、検流計の目盛りが正確でなくても、結果に影響しません。この「0 に合わせて測る」方法を、零位法といいます。

ブレッドボードに差した1本の抵抗に、赤と黒のテスター棒を当てて、抵抗値を測っている写真
図8 テスターで抵抗を測る様子。ブリッジは、基準の抵抗と見比べて測る(写真はイメージ)

なお、このブリッジの原理は、1833年にイギリスのクリスティが考え出し、1843年にホイートストンが広めたと伝えられています。名前はホイートストンの名が残りました。

スライドワイヤ形のブリッジ

試験で使われるのは、2つの抵抗の代わりに、一様な抵抗線を使う形です。抵抗線の上の接点 d を動かして、G の指示が 0 になる位置を探します。抵抗線は一様なので、抵抗は長さに比例します。

Rx R c a b G d l1 l2 E
図9 スライドワイヤ形のホイートストンブリッジ。接点 d を動かして G を 0 にする

図の抵抗線は、a から d までの長さが l1l_1、d から b までの長さが l2l_2 です。a-c が RxR_x、c-b が標準の抵抗 RR、a-d が l1l_1 の抵抗線、d-b が l2l_2 の抵抗線にあたります。平衡条件 R1R4=R2R3R_1 R_4 = R_2 R_3 に当てはめます。

Rx×l2=l1×RRx=l1l2 R\begin{aligned} R_x \times l_2 &= l_1 \times R \\ R_x &= \frac{l_1}{l_2}\,R \end{aligned}
解答と解説を見る

抵抗線は一様なので、抵抗は長さに比例します。平衡条件は Rx×l2=l1×RR_x \times l_2 = l_1 \times R です。

Rx=l1l2 R=4060×45=30 Ω\begin{aligned} R_x &= \frac{l_1}{l_2}\,R \\ &= \frac{40}{60} \times 45 = 30\,\Omega \end{aligned}

ひずみゲージと電子はかり

ブリッジ回路は、わずかな抵抗の変化を、電圧として取り出すのにも使われます。代表がひずみゲージです。ひずみゲージは、細い金属の線を折り返した形をしていて、引き伸ばされると抵抗が少し増え、縮むと少し減ります。

金属の板の表面に、黄色いフィルム上の細い金属の線を折り返した形のひずみゲージが貼られ、2本のリード線が右に出ている写真
  1. 折り返した金属線 伸び縮みで抵抗が変わる
  2. リード線 ブリッジへつなぐ
  3. 金属の板 ひずみを受ける母材
図10 ひずみゲージ。板が伸び縮みすると、金属線の抵抗がわずかに変わる(写真はイメージ)

抵抗の変化は、全体の 0.1 〜 0.2% ほどと小さいので、そのままでは読み取りにくい量です。ブリッジの1辺にひずみゲージを入れると、平衡がわずかにくずれて、c-d の間に電圧が現れます。電子はかりは、荷重を受ける金属の部品(ロードセル)にひずみゲージを貼って、この電圧から重さを読み取っています。

プラスチックの枠の中で、四隅に金属のロードセルが置かれ、中央上の緑の基板に配線がつながっている、電子はかりの内部の写真
  1. ロードセル ひずみゲージが入る
  2. 基板 電圧を読み取る
  3. 配線 ロードセルと基板をつなぐ
  4. ロードセル 四隅に1個ずつ
図11 電子はかりの内部の例。四隅のロードセルの電圧を、基板が読み取る(写真はイメージ)

出力の大きさを、数値で確かめます。4つの辺がすべて R=350 ΩR = 350\,\Omega で、電源が E=5 [V]E = 5\,\mathrm{[V]} のブリッジを考えます。はじめは平衡していて、c-d の電圧は 0 です。ここで、1つの辺 R4R_4 だけが ΔR=0.7 Ω\Delta R = 0.7\,\Omega 増えたとします。

+ E R1 350 Ω R3 350 Ω R2 350 Ω R4 350 Ω+ΔR a b c d mV R4 だけ 350 Ω から ΔR 増えたとき c-d の電圧が出る(平衡がくずれる)
図12 ひずみゲージのブリッジ。出力は c-d 間の数 mV

c-d 間の電圧の大きさは、ΔR\Delta R が RR に比べて小さいとき、次の式で近似できます。

∣Vc−Vd∣≒E ΔR4R=5×0.74×350=0.0025 [V]=2.5 [mV]\begin{aligned} |V_c - V_d| &\fallingdotseq \frac{E\,\Delta R}{4R} \\ &= \frac{5 \times 0.7}{4 \times 350} \\ &= 0.0025\,\mathrm{[V]} = 2.5\,\mathrm{[mV]} \end{aligned}

抵抗が 350 Ω350\,\Omega から 350.7 Ω350.7\,\Omega に、わずか 0.2% 増えただけでも、2.5 [mV]2.5\,\mathrm{[mV]} の電圧が現れます。この小さな電圧を増幅して読めば、重さやひずみが分かります。

平衡しないブリッジはテブナンの定理で解く

4つの抵抗が R1R4=R2R3R_1 R_4 = R_2 R_3 を満たさないとき、G に電流が流れます。この不平衡のブリッジは、直列と並列にまとめられないので、そのままでは合成抵抗が出せません。検流計の電流だけを知りたいなら、検流計を負荷とみなして、テブナンの定理で解くのが近道です。

手順は、検流計を外して c-d 間の開放電圧 V0V_0 を求め、電源を短絡して c-d から見た R0R_0 を求め、検流計をつなぎ直して I=V0/(R0+Rg)I = V_0 / (R_0 + R_g) を計算する、の4つです。

+ E=12 V R1 10 Ω R3 30 Ω R2 15 Ω R4 10 Ω a b c d G 6.5 Ω
図13 例題4 の不平衡ブリッジ。R1R4 と R2R3 が等しくない
解答と解説を見る

平衡の確認 R1R4=100R_1 R_4 = 100、R2R3=450R_2 R_3 = 450 で等しくないので、不平衡です。

手順1・2 検流計を外し、b の電位を 0 [V]0\,\mathrm{[V]} として、c と d の電位を分圧で求めます。

Vc=12×3010+30=9 [V]Vd=12×1015+10=4.8 [V]V0=Vc−Vd=4.2 [V]\begin{gathered} V_c = 12 \times \frac{30}{10 + 30} = 9\,\mathrm{[V]} \\ V_d = 12 \times \frac{10}{15 + 10} = 4.8\,\mathrm{[V]} \\ V_0 = V_c - V_d = 4.2\,\mathrm{[V]} \end{gathered}

手順3 電源を短絡すると、a と b が同じ点になります。c-d から見て、R1R_1 と R3R_3 の並列、R2R_2 と R4R_4 の並列が、直列につながります。

R0=10×3010+30+15×1015+10=7.5+6=13.5 Ω\begin{aligned} R_0 &= \frac{10 \times 30}{10 + 30} + \frac{15 \times 10}{15 + 10} \\ &= 7.5 + 6 = 13.5\,\Omega \end{aligned}

手順4 検流計の抵抗 Rg=6.5 ΩR_g = 6.5\,\Omega をつなぎます。

I=V0R0+Rg=4.213.5+6.5=0.21 [A]I = \frac{V_0}{R_0 + R_g} = \frac{4.2}{13.5 + 6.5} = 0.21\,\mathrm{[A]}

c のほうが電位が高いので、電流は c から d の向きに流れます。

途中の電圧と、等価電源の形を、図で確かめます。

+ E=12 V R1 10 Ω R3 30 Ω R2 15 Ω R4 10 Ω a b c d 9 V 4.8 V V0=9 − 4.8=4.2 V (c のほうが高い)
図14 検流計を外すと、c は 9 V、d は 4.8 V。開放電圧は V0=4.2 V
+ V0=4.2 V R0 13.5 Ω G 6.5 Ω I = 4.2 ÷ (13.5+6.5) = 0.21 A
図15 等価電源 V0=4.2 V、R0=13.5 Ω に検流計 6.5 Ω をつなぐと 0.21 A

検算として、検流計をつないだまま、b を基準にした c と d の電位を求めると、Vc=7.425 [V]V_c = 7.425\,\mathrm{[V]}、Vd=6.06 [V]V_d = 6.06\,\mathrm{[V]} になります。検流計の電流は (7.425−6.06)/6.5=0.21 [A](7.425 - 6.06)/6.5 = 0.21\,\mathrm{[A]} で、同じ答えです。

不平衡ブリッジには、もう1つの解き方があります。検流計を含む三角形(a、c、d を結ぶ3つの辺)を、スター(Y)形に置き換えて、直列と並列にまとめる方法です。これは、次の記事の「Δ-Y 変換」で扱います。

よくある質問

ブリッジ回路の平衡条件で、どの抵抗どうしを掛ける?

共通の点を持たない2つの抵抗を1組にして、2組の積を等しいと置きます。この記事の図では、R1R_1(a-c)と R4R_4(d-b)の積が、R2R_2(a-d)と R3R_3(c-b)の積に等しくなります。ひし形の図では、向かい合う辺の積です。

検流計の抵抗や電源の電圧が変わると、平衡条件も変わる?

変わりません。平衡条件 R1R4=R2R3R_1 R_4 = R_2 R_3 には、EE も検流計の抵抗 RgR_g も出てきません。平衡のとき検流計には電流が流れず、c と d の電位が等しいという条件だけで、式が決まるからです。ただし、不平衡のときの検流計の電流は、EE や RgR_g で変わります。

電源と検流計を入れ替えると、平衡条件は変わる?

変わりません。a-b に検流計、c-d に電源をつなぎ直しても、平衡条件は同じ R1R4=R2R3R_1 R_4 = R_2 R_3 です。釣り合うかどうかは、電源と検流計の位置に関係しません。

平衡しないブリッジの合成抵抗は、どう求める?

そのままでは、直列と並列にまとめられません。検流計の電流だけなら、テブナンの定理が向いています。電源から見た全体の合成抵抗が必要なときは、デルタ・スター変換(Δ-Y 変換)で、直列と並列にまとめられる形に置き換えます。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

ブリッジ回路で、検流計に電流が流れないとき、何といいますか。

平衡している、といいます。c と d の電位が等しい状態です。

ブリッジ回路の平衡条件を式で書くと、どうなりますか。

R1R4=R2R3R_1 R_4 = R_2 R_3 です。共通の点を持たない組の積が等しくなります。

平衡条件は、何と何を使って導きましたか。

2つの分圧の式で、Vc=VdV_c = V_d と置いて導きました。

平衡のとき、全体の合成抵抗はどう求めますか。

検流計の枝を取り除き、(R1+R3)(R_1 + R_3) と (R2+R4)(R_2 + R_4) の並列として求めます。

ホイートストンブリッジで、未知の抵抗はどう求めますか。

検流計の指示が 0 になるように調整して、平衡条件から RxR_x を計算します。

平衡しないブリッジで、検流計の電流を求める方法は?

検流計を負荷とみなして、テブナンの定理で解きます。

まとめ

  • ブリッジ回路は、4つの抵抗を輪にして、電源と検流計を向かい合う点の間につないだ回路。形ではなく、どの点の間かで読む
  • 平衡条件は R1R4=R2R3R_1 R_4 = R_2 R_3。2つの分圧で Vc=VdV_c = V_d と置いて導ける。電源の電圧や検流計の抵抗には関係しない
  • 平衡のときは、検流計の枝を取り除いて、(R1+R3)(R_1 + R_3) と (R2+R4)(R_2 + R_4) の並列で合成抵抗が出せる
  • 平衡条件は、ホイートストンブリッジの未知の抵抗の測定や、ひずみゲージの電圧の取り出しに使われる。平衡しないときは、テブナンの定理で解く

不平衡のブリッジを解く手順はテブナンの定理を、直列と並列の合成抵抗や分流の計算で迷ったら並列回路を、見直しましょう。

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