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電力電気材料 / 導電材料15分で読めます

導電材料の性質|抵抗率・温度係数の計算と銅・アルミの違いを図解

電験三種の導電材料を、抵抗率と導電率、抵抗の温度係数、銅とアルミの違い、ニクロムや超電導まで図解で整理します。温度による抵抗の変化や、同じ抵抗にしたときの断面積比と質量比を四つの例題で確認できます。

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白い背景に置いた、裸の銅線を輪にして重ねたコイルの写真
この記事の目次
  1. 導電材料とは
  2. 抵抗率と導電率
  3. 抵抗の温度係数
  4. 銅とアルミの比較
  5. 軟銅と硬銅
  6. 抵抗材料・接点材料・超電導
  7. 抵抗材料
  8. 接点材料
  9. 超電導
  10. 導電材料の例題
  11. よくある質問
  12. 導電率と抵抗率はどう違いますか?
  13. 温度係数が小さい材料は何に使いますか?
  14. アルミは銅より導電率が低いのに、なぜ送電線に使うのですか?
  15. 半導体の抵抗が温度で下がるのはなぜですか?
  16. まとめ
図解でわかる 電験三種 電力 1 水力発電 の表紙電力を図解で読む図解でわかる 電験三種 電力 1
水力発電
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架空送電線の導体には、銅ではなくアルミが広く使われています。アルミは銅より電気を通しにくいのに選ばれるのは、同じ抵抗にそろえると軽くなるからです。電験三種の電気材料では、導電材料の抵抗率と導電率、温度が変わったときの抵抗の計算(温度係数)、銅とアルミの比較が中心になります。

導電材料の全体像
  • 導電材料とは
    • 電線・巻線、抵抗体、接点、超電導の 4 つの役
  • 抵抗率と導電率
    • R=ρl/AR=\rho l/A、σ=1/ρ\sigma=1/\rho、%IACS
  • 抵抗の温度係数
    • R2=R1{1+α1(t2−t1)}R_2=R_1\{1+\alpha_1(t_2-t_1)\}
    • 金属は増え、半導体は減る
  • 銅とアルミの比較
    • 同じ抵抗なら断面積は約 1.64 倍、質量は約 0.50 倍
  • 抵抗材料・接点材料・超電導
    • ニクロム、銀とタングステン、臨界温度
  • 例題
    • 温度、断面積比と質量比、換算、正誤の 4 問

導電材料とは

導電材料とは、電気を流すことを目的に使う材料の総称です。いちばん身近なのは電線の銅やアルミですが、抵抗を「わざと大きく」して熱を出すニクロムや、開閉をくり返す接点に使う金属、抵抗がゼロになる超電導体も導電材料の仲間です。図1は、配電盤の中で大きな電流を流す銅の母線(ブスバー)です。

灰色の盤の中を水平にのびる平たい銅の帯が3本あり、左右の端で白い磁器のがいしに支えられている
  1. 銅の母線 平たい銅の帯で大きな電流を通す
  2. がいし 母線を盤から絶縁して支える
  3. 接続部 ボルトで母線をつなぐ
  4. 固定金具 母線を保持する
図1 配電盤の中の銅の母線。大きな電流を、断面積の大きい銅の帯で流す(写真はイメージ)

どの材料も、電気の通しにくさは抵抗 R=ρl/AR = \rho l/A で表せます(オームの法則と直列回路)。求める性質は、使い道によって次のように変わります。

区分求める性質例
電線・巻線抵抗が小さい銅・アルミ
抵抗体抵抗が大きく安定ニクロム
接点溶けにくく消耗しにくい銀・タングステン
超電導抵抗がゼロニオブチタン

電線や巻線の材料は、抵抗が小さいほど損失と電圧降下が小さくなります。そのため、ここでは「抵抗率が小さいこと」が出発点になります。

抵抗率と導電率

導体の抵抗 RR は、長さ ll に比例し、断面積 AA に反比例します(図2)。比例定数が材料の抵抗率 ρ\rho で、材料そのものの電気の通しにくさを表します。

電流 I 断面積 A [m2] 長さ l [m] R = ρ l / A ρ:抵抗率 [Ω·m](材料で決まる)
図2 導体の抵抗。長さに比例し、断面積に反比例し、材料の抵抗率 ρ に比例する
R=ρ lA [Ω]R = \rho\,\frac{l}{A}\ \mathrm{[\Omega]}

抵抗率の単位は [Ω⋅m]\mathrm{[\Omega\cdot m]} です。逆数が導電率 σ\sigma で、電気の通しやすさを表します。

σ=1ρ [S/m]\sigma = \frac{1}{\rho}\ \mathrm{[S/m]}

電線の断面積は mm2\mathrm{mm^2} で表すので、抵抗率を Ω⋅mm2/m\mathrm{\Omega\cdot mm^2/m} で書くことがあります。1 mm2=10−6 m21\ \mathrm{mm^2} = 10^{-6}\ \mathrm{m^2} なので、次の換算になります。

1 [Ω⋅mm2/m]=10−6 [Ω⋅m]\begin{gathered} 1\ \mathrm{[\Omega\cdot mm^2/m]} \\ = 10^{-6}\ \mathrm{[\Omega\cdot m]} \end{gathered}

導電率は、%IACS という比でも表します。国際標準軟銅(焼なました銅)の導電率を 100 % とした割合で、100 %IACS は 58.0 MS/m58.0\ \mathrm{MS/m}、抵抗率にすると 1.7241×10−8 Ω⋅m1.7241\times10^{-8}\ \mathrm{\Omega\cdot m}(20 ℃)です。電気用のアルミはおよそ 61 〜 62 %IACS です。

主な金属の 20 ℃ での値の目安を次に示します。抵抗率は 10−8 Ω⋅m10^{-8}\ \mathrm{\Omega\cdot m} を単位にした値、導電率は MS/m\mathrm{MS/m} を単位にした値です。

材料抵抗率導電率
銅1.7258
アルミ2.8235.5
タングステン5.617.9
鉄9.7010.3
ニクロム1100.91

銅は、表の中でもっとも電気を通しやすい金属です。導電率は、金属の中では銀がもっとも大きく、次に銅が続きます。ニクロムの抵抗率は銅の約 64 倍もあり、電線ではなく発熱体に使われる理由になります(後の節で扱います)。

抵抗の温度係数

金属は、温度が上がると原子の振動が大きくなり、自由電子が進みにくくなって抵抗が増えます。増え方は温度とほぼ直線の関係にあり、その傾きを決めるのが抵抗の温度係数 α\alpha です。一方、半導体は温度が上がるとキャリア(電子と正孔)が増えるので、抵抗は減ります(負の温度係数)。図3はその違いの概形です。

抵抗 R R1 R2 t1 t2 金属:増える 半導体:減る 温度 t R2 = R1{1 + α1(t2 − t1)}
図3 温度と抵抗の関係の概形。金属は温度が上がると抵抗がほぼ直線的に増え、半導体は減る

図3は式から作った概形で、実際の材料の曲線ではありません。金属は、温度 t1t_1 での抵抗 R1R_1 と、そこでの温度係数 α1\alpha_1 がわかれば、温度 t2t_2 の抵抗 R2R_2 が次の式で求まります。

R2=R1{1+α1(t2−t1)} [Ω]R_2 = R_1\{1 + \alpha_1 (t_2 - t_1)\}\ \mathrm{[\Omega]}

α1\alpha_1 の単位は [1/∘C]\mathrm{[1/}{}^{\circ}\mathrm{C]} です。式の中の t2−t1t_2 - t_1 が温度の差なので、tt を ℃ で書いても K で書いても同じ結果になります。変圧器や電動機の巻線は、運転中に温度が上がって抵抗が増えます。巻線の銅損 I2RI^2R が増える理由の一つです(変圧器の効率)。

主な金属の温度係数の目安(20 ℃ を基準にした値)を示します。単位は 10−3 1/∘C10^{-3}\ \mathrm{1/}{}^{\circ}\mathrm{C} です。

材料温度係数ひとこと
銅3.93電線・巻線
アルミ3.90銅とほぼ同じ
鉄5.0銅よりやや大きい
タングステン4.5フィラメント
ニクロム0.4変化が小さい

温度係数 α\alpha は、基準にする温度で値が変わります。基準が t1t_1 のときの α1\alpha_1 と、基準が t2t_2 のときの α2\alpha_2 には、次の関係があります。温度が上がった分だけ基準の抵抗が大きくなるので、変化の割合は小さくなります。

α2=α11+α1(t2−t1)\alpha_2 = \frac{\alpha_1}{1 + \alpha_1 (t_2 - t_1)}

たとえば銅の α20=3.93×10−3 1/∘C\alpha_{20} = 3.93\times10^{-3}\ \mathrm{1/}{}^{\circ}\mathrm{C} を、80 ℃ 基準にすると α80≒3.18×10−3 1/∘C\alpha_{80} \fallingdotseq 3.18\times10^{-3}\ \mathrm{1/}{}^{\circ}\mathrm{C} に下がります。問題文に「〇〇 ℃ における温度係数」と書いてあれば、その温度を t1t_1 として式に入れます。半導体の性質はダイオードの記事で詳しく扱います。

銅とアルミの比較

同じ長さの導体を、銅とアルミで同じ抵抗にそろえるとき、必要な断面積は抵抗率に比例します。R=ρl/AR = \rho l/A で RR と ll を同じにすると、AA は ρ\rho に比例するためです。

AAlACu=ρAlρCu=2.821.72≒1.64\frac{A_{\mathrm{Al}}}{A_{\mathrm{Cu}}} = \frac{\rho_{\mathrm{Al}}}{\rho_{\mathrm{Cu}}} = \frac{2.82}{1.72} \fallingdotseq 1.64

アルミの断面積は銅の約 1.64 倍で、導体の直径にすると約 1.28 倍です。ところがアルミは軽く、密度は銅 8.9 g/cm38.9\ \mathrm{g/cm^3} に対して 2.7 g/cm32.7\ \mathrm{g/cm^3} です。質量は断面積と密度の積なので、同じ長さなら次の比になります。

mAlmCu=1.64×2.78.9≒0.50\begin{aligned} \frac{m_{\mathrm{Al}}}{m_{\mathrm{Cu}}} &= 1.64\times\frac{2.7}{8.9} \\ &\fallingdotseq 0.50 \end{aligned}

つまり、同じ抵抗の電線ならアルミは銅の約半分の重さです(図4)。

断面積(同じ抵抗) 銅 100 mm2 アルミ 約 164 mm2 質量(1 km あたり) 890 kg 443 kg 銅 アルミ 断面積は 1.6 倍でも、質量は約半分
図4 銅 100 mm² と同じ抵抗にしたアルミ。断面積は約 1.64 倍、質量は約 0.50 倍(密度は銅 8.9、アルミ 2.7 g/cm³)

図4は、円の面積と棒の高さを断面積と質量の比に合わせた概略図です。表にまとめると次のとおりです。抵抗率は 10−8 Ω⋅m10^{-8}\ \mathrm{\Omega\cdot m}、導電率は %IACS、密度は g/cm3\mathrm{g/cm^3} を単位にした値で、下の 2 行は銅を 1 とした比です。

項目銅アルミ
抵抗率1.722.82
導電率100約 61
密度8.92.7
断面積の比1約 1.64
質量の比1約 0.50

電線が軽いと、電線の重さを支える鉄塔やがいしの負担が小さくなります。そのため、架空送電線にはアルミが使われます。アルミは軽い代わりに引っ張りに弱いので、中心に鋼線を入れて補強した鋼心アルミより線(ACSR)が使われます(図5)。引っ張りは鋼線が受け持ち、電流は主にアルミの部分を流れます。電線の構成は架空送電線路の記事で扱います。

中心に濃い灰色の鋼線の束があり、外側を銀色のアルミ素線が2層でとり巻いている電線の切り口
  1. 外側のアルミ素線 電流の大部分を流す
  2. 内側のアルミ素線 外側と同じくアルミ
  3. 中心の鋼線 引っ張りに耐える
図5 鋼心アルミより線の切り口。中心が鋼線、外側がアルミ素線(写真はイメージ)

軟銅と硬銅

同じ銅でも、加工のしかたで性質が変わります。焼きなました軟銅は柔らかく、導電率が高い銅です。引き抜いたままの硬銅は硬く、引っ張りに強い代わりに、導電率はやや低くなります。

項目軟銅硬銅
導電率高いやや低い
強さ小さい大きい
用途絶縁電線の導体架空電線

絶縁電線の導体には、細い素線を何本もより合わせたより線が多く使われます(図6)。1 本の太い線より曲げやすく、配線しやすいためです。

切り口をそろえた銅のより線の端面。細い素線が多数集まって1本の導体になっている
図6 銅のより線の切り口。細い素線を多数より合わせている(写真はイメージ)

抵抗材料・接点材料・超電導

抵抗材料

抵抗材料は、抵抗率が大きく、温度が変わっても抵抗があまり変わらない材料です。代表はニッケルとクロムの合金のニクロムで、抵抗率は約 1.1×10−6 Ω⋅m1.1\times10^{-6}\ \mathrm{\Omega\cdot m}(銅の約 64 倍)、融点は約 1400 ℃ と高く、表面にできる酸化皮膜が内部の酸化を防ぎます。電気ヒーターの発熱体(図7)や電熱器に使われます。

暗い背景の中で、コイル状にした線が橙色から赤色に光っていて、両端がベージュ色のセラミックの台に掛かっている
  1. ヒーター線 抵抗率が高く赤熱する
  2. セラミック台 熱に耐えて線を支える
  3. 線の端 台の溝に掛かる
図7 赤熱するヒーター線。抵抗の大きい線に電流を流して熱を出す(写真はイメージ)

ほかに、温度係数が非常に小さい合金(マンガニンなど)は、値が安定していることが求められる標準抵抗器に使われます。

接点材料

接点材料は、スイッチや遮断器の接点のように、開閉をくり返す部分に使う金属です。次の性質が求められます。

  • 導電率が高く、接触抵抗が小さい
  • 開閉のときのアークで溶けにくく、すり減りにくい
  • 接点どうしがくっつく(溶着)しにくい

導電率がもっとも大きい銀や銀の合金は、電流の小さい接点に広く使われます。融点の高いタングステンは、アークに強い接点に使われます。

超電導

金属を冷やしていくと、ある温度で急に抵抗がゼロになる物質があります。この現象が超電導で、抵抗がゼロになりはじめる温度を臨界温度 TcT_{\mathrm{c}} といいます(図8)。

抵抗 R 臨界温度 Tc 超電導:抵抗ゼロ Tc より高温では 抵抗がある ふつうの金属 温度 T
図8 超電導体の抵抗と温度の概形。臨界温度 Tc 以下で抵抗がゼロになる(物質ごとに Tc は違う)

図8は超電導体の抵抗の変化を示した概形で、実際の測定曲線ではありません。臨界温度は物質ごとに違い、たとえば次の程度です。

物質臨界温度冷却
水銀約 4 K液体ヘリウム
ニオブチタン約 10 K液体ヘリウム
イットリウム系約 90 K 台液体窒素

超電導の状態は、温度のほかに、磁界の強さにも左右されます。磁界が強すぎると超電導が壊れ、その限界を臨界磁界といいます。抵抗がゼロなので、大きな電流を損失なしに流せます。強力な電磁石や、電力ケーブルへの応用が研究されています。

導電材料の例題

導電材料の計算は、抵抗の式をそのまま使う問題がほとんどです。次の 4 問で、手順を確かめましょう。

例題求めるもの使う関係
1温度が変わったときの抵抗温度係数の式
2断面積の比と質量の比抵抗率と密度
3抵抗率の換算と抵抗σ=1/ρ\sigma=1/\rho
4性質の正誤各材料の特徴
解答と解説を見る

80 ℃ の抵抗は、t2−t1=60 ∘Ct_2 - t_1 = 60\ {}^{\circ}\mathrm{C} を式に入れて、

R2=10×{1+3.93×10−3×60}=10×1.2358≒12.4 [Ω]\begin{aligned} R_2 &= 10\times\{1 + 3.93\times10^{-3}\times 60\} \\ &= 10\times 1.2358 \\ &\fallingdotseq 12.4\ \mathrm{[\Omega]} \end{aligned}

抵抗が 12.0 Ω12.0\ \mathrm{\Omega} のときは、式を t2t_2 について解きます。

12.010=1+3.93×10−3(t2−20)t2−20=0.23.93×10−3≒50.9\begin{aligned} \frac{12.0}{10} &= 1 + 3.93\times10^{-3}(t_2 - 20) \\ t_2 - 20 &= \frac{0.2}{3.93\times10^{-3}} \\ &\fallingdotseq 50.9 \end{aligned}

よって t2≒70.9 ∘Ct_2 \fallingdotseq 70.9\ {}^{\circ}\mathrm{C} です。

答え:80 ℃ で約 12.4 Ω12.4\ \mathrm{\Omega}、12.0 Ω12.0\ \mathrm{\Omega} のときは約 71 ℃

解答と解説を見る

抵抗と長さが同じなので、断面積は抵抗率に比例します。

AAl=100×2.821.72≒164 [mm2]\begin{aligned} A_{\mathrm{Al}} &= 100\times\frac{2.82}{1.72} \\ &\fallingdotseq 164\ \mathrm{[mm^2]} \end{aligned}

長さ 1 km1\ \mathrm{km} の質量は、体積に密度を掛けて求めます。銅線は 100 mm2=10−4 m2100\ \mathrm{mm^2} = 10^{-4}\ \mathrm{m^2}、密度は 8.9×103 kg/m38.9\times10^{3}\ \mathrm{kg/m^3} なので、

mCu=10−4×1000×8.9×103=890 [kg]\begin{aligned} m_{\mathrm{Cu}} &= 10^{-4}\times 1000\times 8.9\times10^{3} \\ &= 890\ \mathrm{[kg]} \end{aligned}

アルミ線は、断面積が 1.64×10−4 m21.64\times10^{-4}\ \mathrm{m^2}、密度が 2.7×103 kg/m32.7\times10^{3}\ \mathrm{kg/m^3} なので、

mAl=1.64×10−4×1000×2.7×103≒443 [kg]\begin{aligned} m_{\mathrm{Al}} &= 1.64\times10^{-4}\times 1000\times 2.7\times10^{3} \\ &\fallingdotseq 443\ \mathrm{[kg]} \end{aligned}

質量の比は 443/890≒0.50443/890 \fallingdotseq 0.50 です。

答え:断面積は約 164 mm2164\ \mathrm{mm^2}(約 1.64 倍)、質量は約 443 kg(銅の約 0.50 倍)

解答と解説を見る

抵抗率は導電率の逆数です。

ρ=158×106≒1.72×10−8 [Ω⋅m]\begin{aligned} \rho &= \frac{1}{58\times10^{6}} \\ &\fallingdotseq 1.72\times10^{-8}\ \mathrm{[\Omega\cdot m]} \end{aligned}

10−6 Ω⋅m=1 Ω⋅mm2/m10^{-6}\ \mathrm{\Omega\cdot m} = 1\ \mathrm{\Omega\cdot mm^2/m} なので、0.0172 Ω⋅mm2/m0.0172\ \mathrm{\Omega\cdot mm^2/m} とも書けます。

61 %IACS は、導電率が標準軟銅の 0.61 倍なので、抵抗率は逆に 1/0.611/0.61 倍になります。

ρAl=158×10.61≒0.02826 [Ω⋅mm2/m]\begin{aligned} \rho_{\mathrm{Al}} &= \frac{1}{58}\times\frac{1}{0.61} \\ &\fallingdotseq 0.02826\ \mathrm{[\Omega\cdot mm^2/m]} \end{aligned}

長さは 1 km=1000 m1\ \mathrm{km} = 1000\ \mathrm{m} なので、

R=0.02826×1000200≒0.141 [Ω]\begin{aligned} R &= 0.02826\times\frac{1000}{200} \\ &\fallingdotseq 0.141\ \mathrm{[\Omega]} \end{aligned}

答え:1.72×10−8 Ω⋅m1.72\times10^{-8}\ \mathrm{\Omega\cdot m}(0.0172 Ω⋅mm2/m0.0172\ \mathrm{\Omega\cdot mm^2/m})、抵抗は約 0.141 Ω0.141\ \mathrm{\Omega}

この抵抗に電流が流れると電圧降下が生じます(三相3線式の電圧降下)。

解答と解説を見る
  • (1) 正しい。金属の温度係数は正で、抵抗は温度に対してほぼ直線で増えます。
  • (2) 誤り。半導体はキャリアが増えるので、温度が上がると抵抗は減ります。
  • (3) 正しい。断面積は約 1.64 倍でも、密度が小さいので質量は約 0.50 倍です。
  • (4) 正しい。臨界温度以下で抵抗がゼロになる物質があります。
  • (5) 正しい。硬銅は強度、軟銅は導電率に優れます。

答え:(2)

よくある質問

導電率と抵抗率はどう違いますか?

抵抗率 ρ\rho は電気の通しにくさ、導電率 σ\sigma は通しやすさで、σ=1/ρ\sigma = 1/\rho の逆数の関係です。単位は抵抗率が Ω⋅m\mathrm{\Omega\cdot m}、導電率が S/m\mathrm{S/m} です。電線の抵抗率は Ω⋅mm2/m\mathrm{\Omega\cdot mm^2/m} で書くことがあり、1 Ω⋅mm2/m=10−6 Ω⋅m1\ \mathrm{\Omega\cdot mm^2/m} = 10^{-6}\ \mathrm{\Omega\cdot m} と換算します。

温度係数が小さい材料は何に使いますか?

温度が変わっても抵抗があまり変わらないので、値の安定が大切な標準抵抗器や、抵抗値を変えたくない抵抗体に使います。ニクロムの温度係数は銅の 10 分の 1 ほどです。

アルミは銅より導電率が低いのに、なぜ送電線に使うのですか?

同じ抵抗の電線にすると、アルミは断面積が約 1.64 倍になりますが、質量は銅の約半分です。軽い電線は鉄塔の負担が小さく、引っ張りに弱い欠点は中心の鋼線で補います(鋼心アルミより線)。

半導体の抵抗が温度で下がるのはなぜですか?

温度が上がると、電気を運ぶキャリア(電子と正孔)の数が増えるためです。金属は自由電子の数がほとんど変わらず、原子の振動で進みにくくなるので、抵抗が増えます。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

導電率 σ\sigma と抵抗率 ρ\rho の関係は何ですか?

σ=1/ρ\sigma = 1/\rho です。単位は S/m\mathrm{S/m} と Ω⋅m\mathrm{\Omega\cdot m} で、1 Ω⋅mm2/m=10−6 Ω⋅m1\ \mathrm{\Omega\cdot mm^2/m} = 10^{-6}\ \mathrm{\Omega\cdot m} です。

温度 t1t_1 の抵抗 R1R_1 から、温度 t2t_2 の抵抗 R2R_2 を求める式は何ですか?

R2=R1{1+α1(t2−t1)}R_2 = R_1\{1 + \alpha_1(t_2 - t_1)\} です。α1\alpha_1 は t1t_1 を基準にした温度係数です。

温度が上がると、金属と半導体の抵抗はそれぞれどうなりますか?

金属は増え、半導体は減ります。

銅と同じ長さ・同じ抵抗にしたアルミの断面積と質量は、銅の何倍ですか?

断面積は約 1.64 倍、質量は約 0.50 倍です。

鋼心アルミより線で、鋼線とアルミ素線の役割は何ですか?

鋼線が引っ張りを受け持ち、電流は主にアルミ素線が流します。

超電導体の抵抗がゼロになるのは、どんなときですか?

臨界温度 TcT_{\mathrm{c}} 以下に冷やしたときです。

まとめ

  • 導電材料には、電線・巻線の銅とアルミ、発熱体のニクロム、接点の金属、超電導体がある
  • 抵抗は R=ρl/AR = \rho l/A、導電率は σ=1/ρ\sigma = 1/\rho。1 Ω⋅mm2/m=10−6 Ω⋅m1\ \mathrm{\Omega\cdot mm^2/m} = 10^{-6}\ \mathrm{\Omega\cdot m}
  • 温度による抵抗は R2=R1{1+α1(t2−t1)}R_2 = R_1\{1 + \alpha_1(t_2 - t_1)\}。金属は増え、半導体は減る
  • 同じ抵抗にすると、アルミは銅の約 1.64 倍の断面積で、質量は約 0.50 倍
  • 超電導体は、臨界温度以下で抵抗がゼロになる

電気を通さない材料の性質は絶縁材料で、磁石や鉄心になる材料の性質は磁性材料で、続けて確かめましょう。

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デンケンラボ編集部

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