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機械電熱 / 電気加熱の方式14分で読めます

誘導加熱と誘電加熱の原理|浸透深さと誘電損の式・電気加熱の方式を図解

電験三種の機械で扱う電気加熱の方式を、熱が生まれる場所で整理します。誘導加熱の渦電流と浸透深さ、誘電加熱の誘電損の式、アーク加熱・赤外線加熱との違いを図解し、例題4問で計算まで確かめます。

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銅管を巻いたコイルに囲まれた太い鋼の棒の中ほどが、オレンジ色に赤熱している写真
この記事の目次
  1. 電気加熱の方式とは?熱が生まれる場所で分ける
  2. 抵抗加熱とアーク加熱:直接式と間接式
  3. 誘導加熱の原理:渦電流が熱になる
  4. 浸透深さの求め方:表皮効果と周波数の使い分け
  5. 誘電加熱の原理と誘電損の式
  6. 赤外線加熱と、誘導加熱・誘電加熱の比較
  7. 例題で確かめる:浸透深さと誘電損
  8. よくある質問
  9. 誘導加熱と誘電加熱の違いは何ですか。
  10. IH 調理器で、土鍋やガラスの鍋が使えないのはなぜですか。
  11. 表面焼入れで周波数を高くするのはなぜですか。
  12. 浸透深さの δ\delta と、誘電正接の δ\delta は同じものですか。
  13. まとめ
図解でわかる 電験三種 機械 1 直流機 の表紙機械を図解で読む図解でわかる 電験三種 機械 1
直流機
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IH クッキングヒーターは鍋そのものを、電子レンジは食品の中の水を発熱させます。同じ電気加熱でも、熱が生まれる場所が違います。電熱の計算では熱量と効率を求めました。この記事では、熱がどこで、どんなしくみで生まれるかを、方式ごとに整理します。中心は、誘導加熱の浸透深さと、誘電加熱の誘電損の式です。誘導加熱は、渦電流の流れる深さが周波数で決まります。誘電加熱は、電圧・周波数・誘電正接の積が発熱量を決めます。図で意味を確かめながら進み、4つの例題で手を動かしましょう。

電気加熱の方式の全体像
  • 電気加熱の方式とは
    • 熱が生まれる場所で、抵抗・アーク・誘導・誘電・赤外線に分ける
  • 抵抗加熱とアーク加熱
    • 直接式と間接式、P=I2RP = I^2R
  • 誘導加熱の原理
    • コイルの磁束の変化 → 渦電流 → ジュール熱
  • 浸透深さの求め方
    • δ=2ρωμ\delta = \sqrt{\dfrac{2\rho}{\omega\mu}}、周波数が高いほど浅い
  • 誘電加熱の原理と誘電損の式
    • P=ωCV2tan⁡δP = \omega C V^2\tan\delta
  • 赤外線加熱と、誘導加熱・誘電加熱の比較
    • 加熱できる物と、発熱する場所が違う
  • 例題で確かめる
    • 浸透深さ、誘電損、加熱時間

電気加熱の方式とは?熱が生まれる場所で分ける

電気加熱は、電気エネルギーを熱に変えて使う方法です。方式は、熱がどこで生まれるかで分けると整理しやすくなります(図1)。

電流のジュール熱抵抗加熱直接式・間接式放電(アーク)の熱アーク加熱直接式・間接式電磁界のエネルギー誘導加熱磁界 → 渦電流誘電加熱電界 → 誘電損放射された赤外線赤外線加熱放射熱で加熱
図1 電気加熱は、熱が生まれるしくみで分けて考える

抵抗加熱は電流のジュール熱を、アーク加熱は放電の熱を使います。誘導加熱と誘電加熱は、磁界や電界のエネルギーが、被加熱物の中で熱に変わります。赤外線加熱は、放射された赤外線を被加熱物が吸収して熱にします。各方式の熱の出どころと例は、電熱の計算の表にもまとめています。この記事では、それぞれの発熱のしくみを、図と式で掘り下げます。

抵抗加熱とアーク加熱:直接式と間接式

抵抗加熱とアーク加熱には、どちらも直接式と間接式があります(図2)。

直接抵抗式被加熱物そのものが発熱被加熱物電流 I間接抵抗式発熱体の熱が被加熱物へ伝わる発熱体に電流 I熱被加熱物直接アーク式アークが被加熱物に直接当たる電極アーク被加熱物電流間接アーク式アークの熱が放射で伝わるアーク被加熱物
図2 直接式は被加熱物が、間接式は発熱体やアークが熱を生む

抵抗加熱は、電流が抵抗を流れるときのジュール熱を使います。電流を II、抵抗を RR とすると、発熱量は次の式で表されます。

P=I2R [W]P = I^{2}R\ \mathrm{[W]}
  • 直接抵抗式:被加熱物そのものに電流を流し、被加熱物が発熱する
  • 間接抵抗式:電熱線などの発熱体に電流を流し、その熱を伝導や放射で被加熱物へ渡す

アーク加熱は、アーク放電の熱を使います。

  • 直接アーク式:電極と被加熱物の間にアークを飛ばし、その熱で加熱する
  • 間接アーク式:2本の電極の間にアークを飛ばし、その熱を放射で被加熱物へ伝える

製鋼用の三相交流アーク炉は、3本の黒鉛電極を使う直接アーク式が代表的です(図3)。

円形の炉の中で、3本の黒い円柱状の電極の先が溶けた金属につかり、火花が散っている写真
図3 3本の電極をもつアーク炉。電極と金属の間のアークで加熱する(写真はイメージ)

誘導加熱の原理:渦電流が熱になる

誘導加熱は、コイルに高周波の交流電流を流し、その磁束の変化で被加熱物の中に渦電流を流して加熱する方法です(図4)。しくみは電磁誘導です(電磁誘導とファラデーの法則)。

側面図断面図金属棒磁束 Φコイル(高周波電流 I)磁束の向きは周期的に入れ替わる磁束 Φ渦電流表面近くに渦電流が集まるそこが主に発熱する
図4 コイルの磁束の変化が、金属の表面近くに渦電流を流す

熱が生まれるまでの流れは、次の3段階です。

  1. コイルに高周波電流を流すと、向きと大きさが周期的に変わる磁束が、金属の中を通る
  2. 磁束の変化を打ち消す向きに誘導起電力が生じ、金属の内部に渦状の電流(渦電流)が流れる
  3. 金属には抵抗があるので、渦電流がジュール熱を出し、金属そのものが発熱する

渦電流は、変圧器の効率で出てきた、鉄心の渦電流損と同じ現象です。変圧器では損失として減らそうとしますが、誘導加熱では、この渦電流のジュール熱を加熱に使います。一般に、鉄などの磁性体では、渦電流のジュール熱に加えて、ヒステリシス損も熱になります。

身近な例が、IH クッキングヒーターです。天板の下の渦巻状のコイルに高周波電流を流し、上に置いた鍋に渦電流を流して、鍋そのものを発熱させます(図5)。土鍋やガラス鍋のように金属でない鍋は、渦電流が流れないので、原則として使えません。

黒い天板の上に置いた金属の片手鍋の中で、湯が沸き、湯気が立ちのぼっている写真
  1. 湯気 沸いた湯から出る水蒸気
  2. 湯 鍋の熱が伝わり、沸騰している
  3. 鍋 渦電流が流れて、鍋が発熱する
  4. 輪の印 コイルの位置の目安
  5. 天板 黒い板。下にコイルがある
図5 IH 調理器の天板の上の鍋。鍋そのものが発熱する(写真はイメージ)

浸透深さの求め方:表皮効果と周波数の使い分け

導体に交流を流すと、電流は表面の近くに集まります。これを表皮効果といい、渦電流も周波数が高いほど表面に集まります(図6)。

10.370.14δ2δ3δ4δ0大きさ(表面を1とする)表面からの深さ x電流密度 J発熱量(J の2乗に比例)深さ δ で電流密度は表面の約37 %(1/e)0〜δ の層で発熱の約86 %が生まれる
図6 電流は表面に集まり、深さとともに指数関数的に減る

電流密度は深さとともに減ります。電流密度が表面の 1/e≒0.371/e \fallingdotseq 0.37 倍になる深さ δ\delta を、浸透深さ(表皮深さ)といいます。δ\delta は次の式で求めます。

δ=2ρωμ=ρπfμ [m]\begin{aligned} \delta &= \sqrt{\dfrac{2\rho}{\omega\mu}} \\[4pt] &= \sqrt{\dfrac{\rho}{\pi f\mu}}\ \mathrm{[m]} \end{aligned}

ρ\rho は被加熱物の抵抗率 [Ω⋅m]\mathrm{[\Omega\cdot m]}、ω=2πf\omega = 2\pi f は角周波数 [rad/s]\mathrm{[rad/s]}、μ=μ0μr\mu = \mu_0\mu_r は透磁率 [H/m]\mathrm{[H/m]} です。真空の透磁率は μ0=4π×10−7 H/m\mu_0 = 4\pi\times10^{-7}\ \mathrm{H/m}、μr\mu_r は比透磁率です。式から、次のことが分かります。

  • 抵抗率 ρ\rho が大きいほど、δ\delta は深くなる
  • 周波数 ff が高いほど、δ\delta は浅くなる
  • 透磁率 μ\mu が大きいほど、δ\delta は浅くなる(鉄などの磁性体は、μr\mu_r が大きい)

発熱量は電流密度の2乗に比例するので、発熱は表面に近い層に集まります。銅(ρ=1.7×10−8 Ω⋅m\rho = 1.7\times10^{-8}\ \mathrm{\Omega\cdot m}、μr=1\mu_r = 1)の δ\delta を、周波数ごとに計算すると次のとおりです。

周波数浸透深さ
50 Hz9.3 mm
1 kHz2.1 mm
10 kHz0.66 mm
100 kHz0.21 mm
1 MHz0.066 mm

浸透深さは、加熱したい層の厚さに合わせて周波数を選ぶ目安になります。一般に、次のように使い分けます。

目的周波数浸透深さ
表面焼入れ高い浅い
全体の加熱・溶解低〜中深い

鋼の表面だけを硬くする表面焼入れは、周波数を高くして、表面の浅い層だけを短時間で加熱します。

誘電加熱の原理と誘電損の式

誘電加熱は、絶縁物(誘電体)を2枚の電極ではさみ、高周波の電圧を加えて加熱する方法です(図7)。電界の向きが入れ替わるたびに、絶縁物の中の分子が向きを変えようとし、そのときに失われるエネルギー(誘電損)が熱になります。

電極(面積 S)Ed高周波電源絶縁物(被加熱物)電界の向きが入れ替わり、分子が向きを変え続ける
図7 電極にはさんだ絶縁物の中で、電界が分子の向きを入れ替える

電極にはさんだ絶縁物は、コンデンサと考えられます。理想のコンデンサなら、流れる電流 ICI_C は電圧 VV より 90° 進み、電力を消費しません。実際の誘電体には損失があるので、電圧と同じ向きの電流 IRI_R が加わり、全電流 II は ICI_C から角 δ\delta だけ傾きます(図8)。この δ\delta を損失角、tan⁡δ\tan\delta を誘電正接といいます。

電圧 VδICIRIIC:電圧より90°進む電流IR:電圧と同じ向きの電流I = IC + IR(全電流)tan δ = IR / IC発熱に使われる電力は V × IR
図8 全電流が90°進み電流からずれた角度が、損失角 δ

電力を消費するのは、電圧と同じ向きの電流 IRI_R だけです。IC=ωCVI_C = \omega C V を使って、発熱量 PP を求めます。

IC=ωCVIR=ICtan⁡δ=ωCVtan⁡δP=VIR=ωCV2tan⁡δ=2πfCV2tan⁡δ [W]\begin{aligned} I_C &= \omega C V \\[4pt] I_R &= I_C\tan\delta = \omega C V\tan\delta \\[4pt] P &= V I_R = \omega C V^{2}\tan\delta \\[4pt] &= 2\pi f C V^{2}\tan\delta\ \mathrm{[W]} \end{aligned}

発熱量 PP と各量の関係は、次のとおりです。

量発熱量
周波数比例
電圧2乗に比例
誘電正接比例
静電容量比例

静電容量は、電極の面積を SS、間隔を dd、誘電体の比誘電率を εr\varepsilon_r とすると C=ε0εrS/dC = \varepsilon_0\varepsilon_r S/d です(平行板コンデンサの静電容量)。ε0=8.85×10−12 F/m\varepsilon_0 = 8.85\times10^{-12}\ \mathrm{F/m} は真空の誘電率です。電極の間の電界の強さは E=V/dE = V/d なので(電位と平行板の電界)、V=EdV = Ed を代入すると、次のようになります。

P=ω ε0εrSd (Ed)2tan⁡δ=ωε0εrE2tan⁡δ×Sd\begin{aligned} P &= \omega\,\dfrac{\varepsilon_0\varepsilon_r S}{d}\,(Ed)^{2}\tan\delta \\[4pt] &= \omega\varepsilon_0\varepsilon_r E^{2}\tan\delta \times Sd \end{aligned}

SdSd は被加熱物の体積です。単位体積あたりの発熱量 pp は、次の式です。

p=ωε0εrE2tan⁡δ [W/m3]p = \omega\varepsilon_0\varepsilon_r E^{2}\tan\delta\ \mathrm{[W/m^{3}]}

地中ケーブルの絶縁体で生じる誘電損も、同じ形の式で表されます(地中送電線路とケーブル)。ケーブルでは損失として減らしたいもの、誘電加熱では熱として使いたいものです。

電子レンジは、食品に含まれる水分などが、高周波の電界で発熱する誘電加熱の一種です。家庭用の電子レンジでは、2.45 GHz のマイクロ波が一般的です。食品の内部でも熱が生まれます(図9)。電極にはさむ方式の誘電加熱では、数十 MHz 程度の高周波が使われる例があります。

扉を左に開けた電子レンジの庫内で、ガラスの回転皿の上の白い皿にご飯がのり、湯気が立っている写真
  1. 扉 開けて食品を出し入れする
  2. ご飯 水分を含み、内部でも熱が生まれる
  3. 湯気 食品の水分が蒸発している
  4. 回転皿 回して、加熱のむらを減らす
  5. 庫内 金属の壁で、電波がはね返る
図9 電子レンジの庫内。食品の水分が電界で発熱する(写真はイメージ)

赤外線加熱と、誘導加熱・誘電加熱の比較

赤外線加熱は、発熱体から放射された赤外線を被加熱物が吸収し、その表面で熱になる方式です。被加熱物に触れずに加熱でき、塗装した面の乾燥などに使われます。赤外線の吸収のされ方は、物質の種類や表面の状態で変わります(図10)。

炉の内部で赤橙色に光る管状のヒーターが上下に4本並び、手前を白い平らな板がローラーコンベヤで運ばれている写真
図10 赤外線ヒーターの炉のイメージ。放射された赤外線が板に吸収されて熱になる(写真はイメージ)

誘導加熱、誘電加熱、赤外線加熱を比べると、次のとおりです。

方式発熱の場所加熱できる物
誘導加熱導体の表面近く導体(金属)
誘電加熱絶縁物の内部絶縁物
赤外線加熱物体の表面導体・絶縁物

誘導加熱は磁界で導体を、誘電加熱は電界で絶縁物を加熱します。加熱したい物が導体か絶縁物かで、方式を選びます。

なお、電気で熱をまかなう方法には、物を直接熱するのではなく、空気などから熱をくみ上げて運ぶヒートポンプもあります。使った電力より多くの熱を運べるしくみは、ヒートポンプのしくみと COP の計算で扱っています。

例題で確かめる:浸透深さと誘電損

解答と解説を見る

(1) 角周波数と透磁率は、次のとおりです。

ω=2π×20×103≒1.26×105μ=4π×10−7≒1.26×10−6\begin{aligned} \omega &= 2\pi\times20\times10^{3} \fallingdotseq 1.26\times10^{5} \\[4pt] \mu &= 4\pi\times10^{-7} \fallingdotseq 1.26\times10^{-6} \end{aligned}

ωμ≒0.158\omega\mu \fallingdotseq 0.158 なので、浸透深さは次のとおりです。

δ=2ρωμ=2×1.7×10−80.158≒4.6×10−4 [m]\begin{aligned} \delta &= \sqrt{\dfrac{2\rho}{\omega\mu}} \\[4pt] &= \sqrt{\dfrac{2\times1.7\times10^{-8}}{0.158}} \\[4pt] &\fallingdotseq 4.6\times10^{-4}\ \mathrm{[m]} \end{aligned}

(2) 周波数が 4 倍なので、δ\delta は 1/2 になります。

δ′=0.462=0.23 [mm]\delta' = \dfrac{0.46}{2} = 0.23\ \mathrm{[mm]}

答え:(1) 約 0.46 mm、(2) 約 0.23 mm

電極面積 S = 0.20 m2木材板εr = 5,tan δ = 0.1d = 50 mmV = 2 kVf = 10 MHz
図11 例題2の誘電加熱の条件
解答と解説を見る

(1) d=50 mm=0.05 md = 50\ \mathrm{mm} = 0.05\ \mathrm{m} です。

C=ε0εrSd=8.85×10−12×5×0.200.05=1.77×10−10 [F]\begin{aligned} C &= \dfrac{\varepsilon_0\varepsilon_r S}{d} \\[4pt] &= \dfrac{8.85\times10^{-12}\times5\times0.20}{0.05} \\[4pt] &= 1.77\times10^{-10}\ \mathrm{[F]} \end{aligned}

(2) ω=2π×10×106≒6.28×107 rad/s\omega = 2\pi\times10\times10^{6} \fallingdotseq 6.28\times10^{7}\ \mathrm{rad/s} です。

P=ωCV2tan⁡δ=6.28×107×1.77×10−10×(2×103)2×0.1≒4.45×103 [W]\begin{aligned} P &= \omega C V^{2}\tan\delta \\[4pt] &= 6.28\times10^{7}\times1.77\times10^{-10} \\[4pt] &\quad\times(2\times10^{3})^{2}\times0.1 \\[4pt] &\fallingdotseq 4.45\times10^{3}\ \mathrm{[W]} \end{aligned}

確かめます。電界は E=2000/0.05=40 000 V/mE = 2000/0.05 = 40\,000\ \mathrm{V/m} です。単位体積あたりの発熱量は p≒4.45×105 W/m3p \fallingdotseq 4.45\times10^{5}\ \mathrm{W/m^3}、体積は Sd=0.01 m3Sd = 0.01\ \mathrm{m^3} なので、p×Sd≒4.45 kWp \times Sd \fallingdotseq 4.45\ \mathrm{kW} となり、一致します。

答え:(1) 約 177 pF、(2) 約 4.45 kW

解答と解説を見る

必要な熱量 QQ を求めます。

Q=mcΔT=6×1.7×(100−20)=816 [kJ]\begin{aligned} Q &= mc\Delta T \\[4pt] &= 6\times1.7\times(100-20) \\[4pt] &= 816\ \mathrm{[kJ]} \end{aligned}

発熱量が 4.45 kW=4.45 kJ/s4.45\ \mathrm{kW} = 4.45\ \mathrm{kJ/s} なので、時間は次のとおりです。

t=8164.45≒183 [s]t = \dfrac{816}{4.45} \fallingdotseq 183\ \mathrm{[s]}

答え:約 3.1 分

熱量の式 Q=mcΔTQ = mc\Delta T と、1 kWh=3600 kJ1\ \mathrm{kWh} = 3600\ \mathrm{kJ} の換算は、電熱の計算で確かめられます。

解答と解説を見る

(1) 正しい。δ=2ρ/(ωμ)\delta = \sqrt{2\rho/(\omega\mu)} で、周波数が高いほど δ\delta は小さくなります。

(2) 正しい。誘導加熱は、導体に渦電流を流す方式です。

(3) 正しい。誘電加熱の発熱は誘電損です。

(4) 誤り。P=ωCV2tan⁡δP = \omega C V^{2}\tan\delta なので、発熱量は電圧の2乗に比例します。

答え:(4)

よくある質問

誘導加熱と誘電加熱の違いは何ですか。

誘導加熱は、磁界の変化で導体に渦電流を流し、そのジュール熱で加熱します。誘電加熱は、電界の変化で絶縁物に生じる誘電損で加熱します。「誘導は磁界と導体、誘電は電界と絶縁物」と覚えると、取り違えません。

IH 調理器で、土鍋やガラスの鍋が使えないのはなぜですか。

土鍋やガラスの鍋は絶縁物で、コイルの磁束が変化しても渦電流が流れないからです。渦電流が流れなければジュール熱が出ず、鍋は発熱しません。IH 調理器は、渦電流が流れる金属の鍋を使います。

表面焼入れで周波数を高くするのはなぜですか。

周波数が高いほど浸透深さ δ\delta が小さくなり、渦電流が表面の浅い層に集まるからです。表面だけを短時間で高温にして、冷やして硬くできます。内部まで加熱したい場合は、周波数を低くして、浸透深さを深くします。

浸透深さの δ\delta と、誘電正接の δ\delta は同じものですか。

別のものです。浸透深さの δ\delta は電流が入りこむ深さで、単位は m です。誘電正接の δ\delta は電圧と電流の位相のずれを表す損失角で、単位は rad(度)です。記号が同じなので、式の中でどちらの δ\delta か確かめて読みます。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

誘導加熱で熱を生むのは何ですか?

磁束の変化で被加熱物に流れる渦電流の、ジュール熱です。

浸透深さの式を書けますか?

δ=2ρωμ\delta = \sqrt{\dfrac{2\rho}{\omega\mu}} です。

周波数を 4 倍にすると、浸透深さはどうなりますか?

1/2 になります。

誘電加熱の発熱量の式を書けますか?

P=ωCV2tan⁡δP = \omega C V^{2}\tan\delta です。

電圧を 2 倍にすると、誘電加熱の発熱量は何倍ですか?

4 倍です。電圧の2乗に比例します。

誘導加熱と誘電加熱が加熱する物は、それぞれ何ですか?

誘導加熱は導体、誘電加熱は絶縁物です。

まとめ

  • 電気加熱の方式は、熱が生まれる場所で、抵抗・アーク・誘導・誘電・赤外線に分ける
  • 誘導加熱は、コイルの磁束の変化で導体に渦電流を流し、そのジュール熱で加熱する
  • 浸透深さは δ=2ρ/(ωμ)\delta = \sqrt{2\rho/(\omega\mu)}。周波数が高いほど浅く、4 倍で 1/2 になる
  • 誘電加熱は、絶縁物の誘電損で加熱する。発熱量は P=ωCV2tan⁡δP = \omega C V^{2}\tan\delta で、電圧の2乗に比例する
  • 加熱したい物が導体なら誘導加熱、絶縁物なら誘電加熱を選ぶ

熱量と加熱時間の計算は電熱の計算、電気の力で金属を削る話は放電加工の記事へ進みましょう。

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デンケンラボ編集部

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