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機械電動機応用 / 負荷特性と運転7分で読めます

電動機の負荷特性と運転|安定運転の条件・加速時間の計算と制動の種類を図解

電験三種の機械で扱う電動機の負荷特性と運転を整理します。運転点と安定運転の条件、運動方程式による加速時間の計算、発電制動・回生制動・逆相制動、4象限運転、はずみ車を、図解と例題で確かめます。

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エレベーターの巻上機。黄色い縁の大きなシーブにワイヤーロープが掛かり、ブレーキと電動機が並ぶ
この記事の目次
  1. 運転点とは|負荷トルクと電動機トルクの交点
  2. 安定運転の条件|交点の傾きで決まる
  3. 加速時間の計算|運動方程式とトルクのすき間
  4. 制動の種類|機械ブレーキ・発電制動・回生制動・逆相制動
  5. 4象限運転|力行と回生、正転と逆転
  6. はずみ車|衝撃的な負荷をならす
  7. よくある質問
  8. 運転点が2つあるときは、どちらで運転しますか。
  9. 発電制動と回生制動は、何が違いますか。
  10. 逆相制動で、止まったあとに電源を切らないとどうなりますか。
  11. 加速時間の計算で、回転速度 NN をそのまま使ってはいけないのはなぜですか。
  12. まとめ
図解でわかる 電験三種 機械 1 直流機 の表紙機械を図解で読む図解でわかる 電験三種 機械 1
直流機
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電動機がどの速さで回るかは、電動機だけでは決まりません。負荷のトルクとの綱引きで決まります。この記事では、電動機と負荷のトルクが等しくなる運転点、そこで安定に運転できる条件、運動方程式から求める加速時間の計算、制動の種類(機械ブレーキ・発電制動・回生制動・逆相制動)、4象限運転、はずみ車までをまとめます。

電動機の負荷特性と運転の全体像
  • 運転点
    • 電動機のトルクと負荷のトルクが等しくなる回転速度
  • 安定運転の条件
    • 運転点で、電動機の傾き < 負荷の傾き
  • 加速時間の計算
    • t = JΔω ÷ Ta。単位をそろえて計算する
  • 制動の種類
    • 機械ブレーキ・発電制動・回生制動・逆相制動
  • 4象限運転
    • 力行と回生、正転と逆転の組み合わせ
  • はずみ車
    • 衝撃的な負荷をならす。蓄えるエネルギーは Jω² ÷ 2

運転点とは|負荷トルクと電動機トルクの交点

電動機が一定の速さで回っているとき、電動機が出すトルク TMT_M と、負荷が必要とするトルク TLT_L は等しくなっています。TM=TLT_M = T_L となる点が運転点です。横軸を回転速度 NN、縦軸をトルクにすると、2本の特性曲線の交点になります。

負荷のトルクが回転速度でどう変わるかは、負荷の種類で決まります。

負荷の種類トルクの変わり方例
定トルク一定巻上機・ベルトコンベア
二乗トルクN² に比例ポンプ・送風機
定出力N に反比例巻取機

ベルトコンベアは、載せた荷の重さと摩擦で決まるトルクが、速さによらずほぼ一定です(図1)。ポンプや送風機は、羽根車で流体を押し出すので、トルクが回転速度の2乗に比例します(図2)。それぞれの式や出力の求め方は、電動機の所要出力でまとめています。

屋外のベルトコンベアの駆動部。左に電動機、中央に減速機があり、右のプーリーに黒いベルトが掛かっている
  1. 電動機 コンベアを回す
  2. 減速機 回転数を落とす
  3. プーリー ベルトを掛けて回す
図1 ベルトコンベアの駆動部。荷の重さで決まる、定トルク負荷の例(写真はイメージ)
機械室に並ぶ送風機、電動機、青いポンプと配管。右上にバルブのハンドルが見える
  1. 送風機 羽根車で空気を送る
  2. 電動機 送風機を回す
  3. ポンプ 羽根車で水を送る
  4. バルブ 流れを調節する
図2 送風機とポンプ。羽根車を回すので、トルクは回転速度の2乗に比例する(写真はイメージ)

電動機のトルク特性と負荷のトルク特性を同じ図に重ねると、交点が運転点です(図3)。電動機は誘導電動機の概形、負荷は定トルクと二乗トルクを描いています。どちらも、同期速度 NsN_s のすぐ手前で交わります。

定トルク負荷(ベルトコンベアなど)トルク T0回転速度 NNs電動機 TM負荷 TL運転点二乗トルク負荷(ポンプ・送風機など)トルク T0回転速度 NNs電動機 TM負荷 TL運転点
図3 運転点。電動機のトルクと負荷のトルクが交わる点で、回転速度が決まる(曲線は概形)

負荷が重くなると、TLT_L の線が上がり、交点が左へ動いて、回転速度が下がります。負荷が軽くなれば、交点は右へ動きます。

安定運転の条件|交点の傾きで決まる

交点は1つとは限りません。負荷が重いと、トルク曲線との交点が2つできることがあります(図4)。どちらの交点でも TM=TLT_M = T_L ですが、安定に運転できるのは片方だけです。

トルク T0Ns電動機 TM負荷 TLTM > TL:加速始動トルク < TL始動できない不安定安定回転速度が変わる向き(矢印)
図4 交点が2つあるとき。遅い側は不安定、速い側は安定(曲線は概形)

安定かどうかは、回転速度が少しずれたときに、元へ戻るかどうかで決まります。運転点から回転速度が少し上がったとします。

  • TM<TLT_M < T_L になれば、負荷に押されて減速し、元へ戻ります。これが安定です。
  • TM>TLT_M > T_L のままなら、さらに加速して、運転点から離れていきます。これが不安定です。

回転速度が上がったとき、TM−TLT_M - T_L が小さくなる(負になる)のが安定です。これを傾きで書くと、運転点で次の式が成り立つことが、安定運転の条件になります。

dTMdN<dTLdN\dfrac{dT_M}{dN} < \dfrac{dT_L}{dN}

電動機のトルク曲線の傾きが、負荷のトルク曲線の傾きより小さい(より右下がり)ということです。負荷のトルクが一定なら dTL/dN=0dT_L/dN = 0 なので、条件は dTM/dN<0dT_M/dN < 0、つまり電動機の曲線が右下がりの側で安定になります。図4では、右側の交点がこれに当たります。左側の交点は右上がりなので、少し速くなれば加速が止まらず、少し遅くなれば減速して止まってしまいます。

この図では、始動トルクが TLT_L より小さいので、止まった状態からは動き出せません。誘導電動機のトルク特性(停動トルクより低速側が不安定になる理由)は、誘導電動機の記事でも扱っています。

解答と解説を見る

TM=TLT_M = T_L とおきます。

150−0.1N=30+0.02N120=0.12NN=1000 [min−1]\begin{aligned} 150 - 0.1N &= 30 + 0.02N \\[4pt] 120 &= 0.12N \\[4pt] N &= 1000\ \mathrm{[min^{-1}]} \end{aligned}

トルクは、T=30+0.02×1000=50T = 30 + 0.02 \times 1000 = 50 N·m です(TMT_M に入れても 150−100=50150 - 100 = 50 で一致します)。

傾きは、dTM/dN=−0.1dT_M/dN = -0.1、dTL/dN=0.02dT_L/dN = 0.02 です。−0.1<0.02-0.1 < 0.02 なので、安定の条件を満たします。

答え:1000 min⁻¹、50 N·m、安定

解答と解説を見る

TM=TLT_M = T_L とおきます。

50+0.05N=80N=600 [min−1]\begin{aligned} 50 + 0.05N &= 80 \\[4pt] N &= 600\ \mathrm{[min^{-1}]} \end{aligned}

傾きは、dTM/dN=0.05dT_M/dN = 0.05、dTL/dN=0dT_L/dN = 0 です。0.05>00.05 > 0 なので、安定の条件を満たしません。600 min⁻¹ より少し速くなると TM>TLT_M > T_L でさらに加速し、少し遅くなると TM<TLT_M < T_L で減速して止まります。

答え:600 min⁻¹、不安定

加速時間の計算|運動方程式とトルクのすき間

電動機が回転体を加速するとき、回転体の運動方程式は次のとおりです。

Jdωdt=TM−TLJ\dfrac{d\omega}{dt} = T_M - T_L

JJ は慣性モーメント [kg·m²]、ω\omega は角速度 [rad/s] です。右辺の TM−TLT_M - T_L を加速トルク TaT_a といいます。電動機のトルクのうち、負荷に使った残りが、加速に回るということです(図5)。運転点では Ta=0T_a = 0 になり、加速が止まって、一定の速さで回ります。

トルク T回転速度 N0電動機 TM負荷 TLTa = TM − TL加速に使えるトルク運転点Ta = 0
図5 加速トルク。電動機と負荷のトルクのすき間で加速し、運転点で加速が止まる

TaT_a が一定なら、角加速度 dω/dt=Ta/Jd\omega/dt = T_a/J も一定です。角速度を ω1\omega_1 から ω2\omega_2 に上げるのにかかる時間 tt は、次の式で求められます。

t=JΔωTaΔω=ω2−ω1\begin{aligned} t &= \dfrac{J\Delta\omega}{T_a} \\[4pt] \Delta\omega &= \omega_2 - \omega_1 \end{aligned}

計算で間違えやすいのは、単位です。次のようにそろえてから、式に入れます。

量与えられる単位そろえ方
回転速度N [min⁻¹]ω = 2πN ÷ 60 [rad/s]
慣性モーメントGD² [kg·m²]J = GD² ÷ 4
トルクT [N·m]Ta = TM − TL

ω=2πN/60\omega = 2\pi N/60 と J=GD2/4J = GD^2/4 は、電動機の所要出力で扱った関係です。回転速度 NN を、そのまま ω\omega の代わりに入れてはいけません。

実際の TMT_M や TLT_L は回転速度で変わるので、TaT_a も一定とは限りません。図5のように TaT_a が直線的に減っていくときは、始めと終わりの平均の TaT_a を使って、おおよその時間を見積もります。曲線のときは、回転速度の範囲をいくつかに分け、区間ごとの平均の TaT_a で時間を求めて足します。TaT_a は運転点に近づくほど 0 に近づくので、回転速度は運転点へ向かって、少しずつ近づいていきます。

解答と解説を見る

まず、角速度の変化を求めます。

Δω=2π×120060≒125.7 [rad/s]\begin{aligned} \Delta\omega &= \dfrac{2\pi \times 1200}{60} \\[4pt] &\fallingdotseq 125.7\ \mathrm{[rad/s]} \end{aligned}

t=JΔω/Tat = J\Delta\omega/T_a に入れます。

t=2×125.720≒12.6 [s]\begin{aligned} t &= \dfrac{2 \times 125.7}{20} \\[4pt] &\fallingdotseq 12.6\ \mathrm{[s]} \end{aligned}

答え:約 12.6 s

解答と解説を見る

慣性モーメントは、J=GD2/4=40/4=10J = GD^2/4 = 40/4 = 10 kg·m² です。加速トルクは、Ta=100−60=40T_a = 100 - 60 = 40 N·m です。

角速度の変化は、次のとおりです。

Δω=2π×(1200−600)60≒62.8 [rad/s]\begin{aligned} \Delta\omega &= \dfrac{2\pi \times (1200 - 600)}{60} \\[4pt] &\fallingdotseq 62.8\ \mathrm{[rad/s]} \end{aligned}

t=JΔω/Tat = J\Delta\omega/T_a に入れます。

t=10×62.840≒15.7 [s]\begin{aligned} t &= \dfrac{10 \times 62.8}{40} \\[4pt] &\fallingdotseq 15.7\ \mathrm{[s]} \end{aligned}

答え:約 15.7 s

制動の種類|機械ブレーキ・発電制動・回生制動・逆相制動

電動機を止めたり、速さを抑えたりするのが制動です。摩擦で止める機械ブレーキのほかに、電動機のトルクの向きを変えて制動する電気制動があります。

種類しくみエネルギー
機械ブレーキ摩擦で止める熱になる
発電制動電動機を発電機にして、抵抗につなぐ抵抗で熱になる
回生制動発電した電力を電源へ返す電源へ戻る
逆相制動電源の相順を入れ替える熱になる
  • 発電制動は、電動機を電源から切り離して発電機として働かせ、できた電力を抵抗で熱にします。負荷の運動エネルギーが、抵抗で捨てられます。
  • 回生制動は、発電した電力を電源へ返します。直流電動機では、誘導起電力が電源電圧より大きくなると、電機子電流が逆向きに流れて、電力が電源へ戻ります。誘導電動機では、同期速度より速く回されると、発電機として働きます。
  • 逆相制動は、三相誘導電動機の電源の相順(3本の線のうち2本)を入れ替えます。回転磁界が逆向きになり、回転方向と逆向きのトルクが出て、急に減速します。止まったら電源を切らないと、今度は逆向きに回り出します。

電車が減速するときや、エレベーターの重いかごが下がるときは、負荷が電動機を回す側になります。このとき電動機を発電機として使えば、運動エネルギーや位置エネルギーを、電力として取り出せます。電車やエレベーターで回生制動が使われるのは、このためです(図6)。

鉄道車両の台車まわり。車輪とレールの上に、円筒形の機器や歯車の部分が見える
  1. 円筒形の機器 電動機と見られる
  2. 歯車まわり 車輪へ動力を伝える
  3. 車輪 電動機が回す
図6 電車の台車まわり。減速するとき、車輪が電動機を回して発電する回生制動が使われる(写真はイメージ)

エネルギーの流れを並べると、力行は電源から負荷へ、回生制動は負荷から電源へ、発電制動は負荷から抵抗へ向かいます(図7)。

力行:電力を使って、負荷を動かす電源電動機負荷電力動力回生制動:負荷の動きから発電し、電源へ返す電源電動機発電機として負荷電力動力発電制動:発電した電力を、抵抗で熱にする抵抗電動機発電機として負荷電力動力
図7 力行・回生制動・発電制動のエネルギーの流れ

直流電動機の速度制御は直流電動機の速度制御で、インバータによる駆動はインバータでまとめています。

4象限運転|力行と回生、正転と逆転

電動機は、トルクの向きと回転の向きの組み合わせで、4つの運転に分けられます。横軸にトルク TT、縦軸に回転速度 NN をとり、どちらも正転の向きを+とします(図9)。出力 P=ωTP = \omega T の符号で、力行か回生かが決まります。

  • TT と NN が同じ符号なら、P>0P > 0 です。電動機が電力を使って、負荷を動かす力行です。
  • TT と NN が逆の符号なら、P<0P < 0 です。負荷が電動機を回している回生で、制動に当たります。

エレベーターは、かごとつり合いおもりをワイヤーロープでつなぎ、シーブ(綱車)に掛けて、電動機で回します(図8)。おもりは、ふつう空のかごより重く、満員のかごより軽くします。かごとおもりの重さの差が、電動機の負荷になります。

エレベーターの巻上機。黄色い縁の大きなシーブにワイヤーロープが掛かり、ブレーキと電動機が並ぶ
  1. シーブ ロープを掛ける車
  2. ワイヤーロープ かごを吊る
  3. ブレーキ 止めて保持する
  4. 電動機 シーブを回す
図8 エレベーターの巻上機。シーブに掛けたワイヤーロープで、かごとつり合いおもりを動かす(写真はイメージ)

かごの状態ごとに、4象限へ当てはめます。上昇を正転とします。

  • 満員で上昇:重いかごを引き上げるので、第1象限(力行)です。
  • 満員で下降:重いかごが落ちようとするのを抑えるので、第4象限(回生)です。
  • 空で上昇:重いおもりが下がろうとするのを抑えるので、第2象限(回生)です。
  • 空で下降:軽いかごを、重いおもりに逆らって下げるので、第3象限(力行)です。
第1象限 正転・力行T+ N+ P > 0満員のかごが上昇第2象限 正転・回生T− N+ P < 0空のかごが上昇第3象限 逆転・力行T− N− P > 0空のかごが下降第4象限 逆転・回生T+ N− P < 0満員のかごが下降N+(正転)N−(逆転)T+T−
図9 4象限運転。トルクと回転速度の向きの組み合わせで、力行と回生に分かれる
解答と解説を見る

満員のかごは、おもりより重いので、自分の重さで下がろうとします。電動機は、落ちる速さを抑えるために、上向き(+)のトルクを出します。かごは下降しているので、回転速度は逆転(−)です。

TT が+、NN が−なので、P=ωT<0P = \omega T < 0 です。負荷が電動機を回す回生で、第4象限になります。

答え:(4)

はずみ車|衝撃的な負荷をならす

回転体は、運動エネルギー E=12Jω2E = \dfrac{1}{2}J\omega^2 をたくわえます。慣性モーメントの大きな回転体を電動機の軸につけたものがはずみ車です(図10)。

金属製のはずみ車。中心の軸と、外周のリムをつなぐスポークが見える
  1. 軸受 軸を支える
  2. 軸 はずみ車と一緒に回る
  3. スポーク リムを支える
  4. リム 外周の重い部分
図10 はずみ車の例。慣性モーメントが大きく、回転の勢いをたくわえる(写真はイメージ)

プレス機のように、短い時間だけ大きなトルクが要る衝撃的な負荷があります。負荷に合わせて大きな電動機を選ぶと、ふだんは余裕がありすぎます。そこで、はずみ車をつけます(図11)。負荷が重いあいだは、回転速度が少し下がり、はずみ車がたくわえたエネルギーを放出して、電動機を助けます。負荷が軽くなると、電動機が回転速度を戻して、エネルギーをたくわえ直します。電動機のトルクは、ならされて一定に近くなります。

トルク負荷 TL電動機TM回転速度 N下がるとき放出、上がるとき蓄える時間 t
図11 はずみ車のはたらき。衝撃的な負荷のあいだ、回転速度が少し下がってエネルギーを放出する

回転速度が ω1\omega_1 から ω2\omega_2 まで下がる間に放出するエネルギーは、運動エネルギーの差です。

ΔE=12J(ω12−ω22)\Delta E = \dfrac{1}{2}J\left(\omega_1^{2} - \omega_2^{2}\right)

負荷のかかり方(使用の形態)には、連続・短時間・反復があります。連続は一定の負荷で長く運転するもの、短時間は決められた短い時間だけ運転して止まるもの、反復は運転と停止をくり返すものです。反復では、加速のたびに大きな電流が流れて温度が上がるので、くり返す回数が多いほど、電動機が熱くなります。

解答と解説を見る

角速度は、ω1=2π×1500/60≒157.1\omega_1 = 2\pi \times 1500/60 \fallingdotseq 157.1 rad/s、ω2=2π×1200/60≒125.7\omega_2 = 2\pi \times 1200/60 \fallingdotseq 125.7 rad/s です。

ΔE=12×50×(157.12−125.72)≒222 [kJ]\begin{aligned} \Delta E &= \dfrac{1}{2} \times 50 \times (157.1^{2} - 125.7^{2}) \\[4pt] &\fallingdotseq 222\ \mathrm{[kJ]} \end{aligned}

2 s で放出したときの平均の出力は、222÷2≒111222 \div 2 \fallingdotseq 111 kW です。

答え:約 222 kJ、約 111 kW

よくある質問

運転点が2つあるときは、どちらで運転しますか。

安定の条件 dTM/dN<dTL/dNdT_M/dN < dT_L/dN を満たすほうです。もう一方は不安定で、回転速度が少しずれると運転点から離れていくので、そこにとどまれません。

発電制動と回生制動は、何が違いますか。

どちらも、電動機を発電機として働かせて制動します。違いは電力の行き先です。発電制動は抵抗で熱にして捨て、回生制動は電源へ返します。回生制動は、電力を受け取れる電源があるときに使えます。

逆相制動で、止まったあとに電源を切らないとどうなりますか。

回転磁界が逆向きのままなので、電動機は逆向きに加速して、逆転します。そのため、止まる直前に電源を切るなどの対策が要ります。

加速時間の計算で、回転速度 NN をそのまま使ってはいけないのはなぜですか。

運動方程式の角速度 ω\omega は [rad/s] だからです。NN [min⁻¹] を ω\omega に直さず入れると、ω=2πN/60\omega = 2\pi N/60 の約 9.55 倍(60/2π60/2\pi 倍)の値で計算することになり、時間もその倍ずれます。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

運転点とは、どんな点ですか?

電動機のトルク TMT_M と、負荷のトルク TLT_L が等しくなる点です。2つの特性曲線の交点で、回転速度が決まります。

安定運転の条件は?

運転点で dTM/dN<dTL/dNdT_M/dN < dT_L/dN です。負荷が一定なら、電動機の曲線が右下がりの側が安定です。

加速時間の式と、単位のそろえ方は?

t=JΔω/Tat = J\Delta\omega/T_a、Ta=TM−TLT_a = T_M - T_L です。ω=2πN/60\omega = 2\pi N/60、J=GD2/4J = GD^2/4 に直してから入れます。

発電制動・回生制動・逆相制動の違いは?

発電制動は電力を抵抗で熱にし、回生制動は電源へ返し、逆相制動は電源の相順を入れ替えて逆向きのトルクを出します。

第4象限は、どんな運転ですか?

TT が+、NN が−で、P<0P < 0 の逆転・回生です。つり合いおもり付きのエレベーターなら、満員のかごの下降です。

はずみ車が放出するエネルギーは?

ΔE=12J(ω12−ω22)\Delta E = \dfrac{1}{2}J(\omega_1^{2} - \omega_2^{2}) です。

まとめ

  • 運転点は、電動機のトルクと負荷のトルクが等しくなる交点。負荷は定トルク・二乗トルク・定出力に分けられる
  • 安定運転の条件は、運転点で dTM/dN<dTL/dNdT_M/dN < dT_L/dN。負荷が一定なら、電動機の曲線が右下がりの側が安定
  • 加速時間は t=JΔω/Tat = J\Delta\omega/T_a。Ta=TM−TLT_a = T_M - T_L で、ω=2πN/60\omega = 2\pi N/60、J=GD2/4J = GD^2/4 に直してから計算する
  • 制動には、機械ブレーキのほか、発電制動(抵抗で熱にする)、回生制動(電源へ返す)、逆相制動(相順を入れ替える)がある
  • 4象限運転は、TT と NN の符号で決まる。同符号が力行、逆符号が回生
  • はずみ車は、衝撃的な負荷のあいだにエネルギーを放出して、電動機のトルクをならす

運転点まわりの負荷の式は電動機の所要出力、位置や速度を指令に合わせる制御はアクチュエータとサーボでまとめています。

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デンケンラボ編集部

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