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法規電気施設管理12分で読めます

電験三種 法規の公式一覧|電気施設管理の計算と接地・試験電圧の式をまとめて確認

電験三種の法規で使う計算の公式を一覧にしました。電気施設管理の需要率・負荷率・不等率、変圧器の全日効率、力率改善、電線のたるみと支線に、B種接地抵抗と絶縁耐力試験の電圧を加え、式の選び方まで確認できます。

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夕焼けの空を背景に、電柱の上に取り付けられた円筒形の柱上変圧器と電線が見える写真
この記事の目次
  1. 電気施設管理の計算に使う公式とは
  2. 需要率・負荷率・不等率の公式
  3. 変圧器の全日効率と力率改善の公式
  4. たるみと支線の公式
  5. B種接地抵抗と絶縁耐力試験の電圧の公式
  6. B種接地工事の抵抗値の上限
  7. 絶縁耐力試験の試験電圧
  8. 公式の選び方と例題
  9. よくある質問
  10. 公式は、全部暗記しないといけない?
  11. 需要率・負荷率の「負荷率」と、変圧器の負荷率 α は同じ?
  12. B種接地抵抗の 150 は、どんなときに 300 や 600 になる?
  13. 式を忘れたときは、どう確かめる?
  14. まとめ
図解でわかる 電験三種 法規 1 電気事業法 の表紙法規を図解で読む図解でわかる 電験三種 法規 1
電気事業法
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電験三種の法規で計算に使う式を、1本の記事にまとめました。電気施設管理の需要率・負荷率・不等率、変圧器の全日効率、力率改善のコンデンサ容量、電線のたるみと支線、そして条文の数値を使う B 種接地抵抗の上限と絶縁耐力試験の電圧です。式と記号の意味だけに絞って、1式を1行ずつ並べます。

この記事は、式を探すための入口です。式を見て意味が言えないときは、各節にあるリンク先の記事で、図と例題を使って確かめてください。最後の節に、問題文の言葉から使う式を選ぶ図と、2つの例題を載せています。

法規の公式の全体像
  • 電気施設管理の計算に使う公式とは
    • 条文の数値を使う式と、電気施設管理の式に分けて見る
  • 需要率・負荷率・不等率
    • 最大需要電力、平均需要電力、合成最大需要電力から比を求める
    • 合成最大需要電力から変圧器の容量を決める
  • 変圧器の全日効率と力率改善
    • 全日効率は、出力電力量と損失電力量の比
    • コンデンサの容量は、改善前と改善後の無効電力の差
  • たるみと支線
    • たるみ、実長、温度による変化、風圧荷重、支線の張力
  • B種接地抵抗と絶縁耐力試験の電圧
    • 接地抵抗は 150 を地絡電流で割る
    • 試験電圧は、最大使用電圧に倍率を掛ける
  • 公式の選び方と例題
    • 問題文の言葉から式を選ぶ

電気施設管理の計算に使う公式とは

法規の計算に使う式は、大きく2つに分かれます。1つは電気施設管理の式です。電気を使う側の事情から、設備の大きさを決めます。どれだけ同時に使うか(需要率・負荷率・不等率)、どの容量の変圧器が要るか、コンデンサをいくつ入れるか、電線をどれだけたるませるか、といった計算です。

もう1つは、条文の数値を使う式です。B 種接地抵抗の上限や、絶縁耐力試験の試験電圧は、電気設備の技術基準の解釈(以下「解釈」)が決めた数値に、地絡電流や公称電圧を当てはめて求めます。

電験三種 法規 電気法規 電気施設管理 B種接地抵抗 絶縁耐力試験の電圧 需要率・負荷率・不等率 変圧器の全日効率 力率改善 たるみと支線 条文の数値を式に入れる
図1 法規の公式は、条文の数値を使う式と電気施設管理の式に分けて見る

図1は、この記事の式の分け方です。電気施設管理の式には、理論の力率や電力、機械の変圧器の損失、力のつり合いが入っています。式を丸暗記するより、どの単元の考え方を使った式なのかを押さえるほうが、忘れにくくなります。勉強の順番に迷うときは、電験三種の勉強の始め方も見てください。

需要率・負荷率・不等率の公式

需要家の電気の使い方を表す3つの比です。意味と例題は、需要率・負荷率・不等率の記事で確かめられます。

d=Pmax⁡SL=PavgPmax⁡Pavg=WTF=Pmax⁡1+Pmax⁡2+⋯Pc\begin{aligned} d&=\frac{P_{\max}}{S}\\[4pt] L&=\frac{P_{\mathrm{avg}}}{P_{\max}}\\[4pt] P_{\mathrm{avg}}&=\frac{W}{T}\\[4pt] F&=\frac{P_{\max 1}+P_{\max 2}+\cdots}{P_{\mathrm{c}}} \end{aligned}

dd は需要率、LL は負荷率、FF は不等率です。SS は設備容量 [kW]、Pmax⁡P_{\max} は最大需要電力 [kW]、PavgP_{\mathrm{avg}} は平均需要電力 [kW]、WW は期間中の使用電力量 [kW·h]、TT は期間の時間 [h]、Pmax⁡1P_{\max 1}、Pmax⁡2P_{\max 2} は需要家ごとの最大需要電力、PcP_{\mathrm{c}} は合成最大需要電力 [kW] です。

複数の負荷グループに送る変圧器の容量は、合成最大需要電力を力率で割って求めます。

Pc=S1d1+S2d2+⋯F [kW]変圧器容量≥Pccos⁡θ [kV⋅A]\begin{aligned} P_{\mathrm{c}}&=\frac{S_1d_1+S_2d_2+\cdots}{F}\ [\mathrm{kW}]\\[4pt] \text{変圧器容量}&\ge\frac{P_{\mathrm{c}}}{\cos\theta}\ [\mathrm{kV \cdot A}] \end{aligned}

S1S_1、S2S_2 はグループごとの設備容量 [kW]、d1d_1、d2d_2 はその需要率、cos⁡θ\cos\theta は力率です。変圧器容量の計算に、負荷率は使いません。

分電盤の中には、負荷ごとにブレーカが並んでいます(図2)。つないだ負荷の定格の合計が設備容量、実際に同時に使った電力の最大が最大需要電力です。

扉を開けた分電盤の内部。黒いブレーカが上下2段に6個ずつ並び、それぞれにケーブルがつながっている写真
  1. 上段のブレーカ 負荷ごとの回路を入り切りする
  2. 下段のブレーカ もう1段の別の回路
  3. ケーブル 負荷へ電気を送る線
  4. 盤の扉 開けると中が見える
図2 扉を開けた分電盤。つないだ負荷の定格の合計が設備容量、同時に使った最大が最大需要電力になる(写真はイメージ)

変圧器の全日効率と力率改善の公式

変圧器の効率は、負荷率 α\alpha で運転しているときの出力と損失の比です。損失は、負荷に関係なく生じる鉄損 PiP_i と、負荷電流の2乗に比例する銅損 α2Pc\alpha^{2}P_c です。意味と例題は、変圧器の損失と効率の記事にあります。

η=αPncos⁡θαPncos⁡θ+Pi+α2Pc\eta=\frac{\alpha P_n\cos\theta}{\alpha P_n\cos\theta+P_i+\alpha^{2}P_c}

百分率にするときは 100 倍します。PnP_n は定格容量、cos⁡θ\cos\theta は負荷の力率、PiP_i は鉄損、PcP_c は全負荷時の銅損です。分子と分母は、kW か W かの単位をそろえます。効率が最大になる負荷率は、鉄損と銅損が等しくなる次の値です。

α=PiPc\alpha=\sqrt{\frac{P_i}{P_c}}

全日効率は、1日の電力量で比べます。鉄損は24時間ずっと生じるので 24Pi24P_i、銅損は負荷率が変わる時間帯ごとに足します。

ηd=出力電力量出力電力量+損失電力量損失電力量=24Pi+∑α2Pc t\begin{aligned} \eta_d&=\frac{\text{出力電力量}}{\text{出力電力量}+\text{損失電力量}}\\[4pt] \text{損失電力量}&=24P_i+\sum\alpha^{2}P_c\,t \end{aligned}

tt は、その負荷率 α\alpha で運転した時間 [h] です。法規の負荷率(平均と最大の比)と、変圧器の α\alpha(定格容量に対する負荷の割合)は、同じ「負荷率」という語でも別の量です。

力率改善では、進相コンデンサを入れて、無効電力を減らします(図3)。必要な容量は、改善前と改善後の無効電力の差です。意味と例題は、力率改善の記事にあります。

θ2 θ1 P(有効電力) Q2(改善後) Qc(進相コンデンサ) Q1(改善前) S1 S2
図3 電力の三角形。進相コンデンサの容量は、改善前と改善後の無効電力の差
Qc=Q1−Q2=P(tan⁡θ1−tan⁡θ2) [kvar]\begin{aligned} Q_c&=Q_1-Q_2\\[4pt] &=P(\tan\theta_1-\tan\theta_2)\ [\mathrm{kvar}] \end{aligned}

PP は有効電力 [kW]、θ1\theta_1 は改善前、θ2\theta_2 は改善後の力率角です。力率から tan⁡θ\tan\theta は、sin⁡θ\sin\theta を経由して求めます。

tan⁡θ=sin⁡θcos⁡θ=1−cos⁡2θcos⁡θ\tan\theta=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}=\frac{\sqrt{1-\cos^{2}\theta}}{\cos\theta}

整数の比になる力率は、そのまま覚えておくと速く計算できます。

cos⁡θ=0.6 ⇒ tan⁡θ=43cos⁡θ=0.8 ⇒ tan⁡θ=34cos⁡θ=0.96 ⇒ tan⁡θ=724\begin{gathered} \cos\theta=0.6\ \Rightarrow\ \tan\theta=\frac{4}{3}\\[4pt] \cos\theta=0.8\ \Rightarrow\ \tan\theta=\frac{3}{4}\\[4pt] \cos\theta=0.96\ \Rightarrow\ \tan\theta=\frac{7}{24} \end{gathered}

たるみと支線の公式

電線は、支持物のあいだで自分の重さと風圧を受けて、たるみます(図4)。たるみの式の導き方と6問の例題は、電線のたるみと支線の記事にあります。

草原に立つ2基の鉄塔のあいだに、3本の電線がゆるやかにたるんで張られている写真
  1. 左の鉄塔 電線の支持点
  2. 電線 自重と風圧でたるむ
  3. 電線の最下点 たるみが最大
  4. 右の鉄塔 もう1つの支持点
図4 鉄塔のあいだでたるむ電線。2つの支持点の間隔が径間、支持点から最も下がった点までの深さがたるみ(写真はイメージ)
D=WS28TL=S+8D23SΔL=αS ΔtD′2=D2+3S ΔL8\begin{aligned} D&=\frac{WS^{2}}{8T}\\[4pt] L&=S+\frac{8D^{2}}{3S}\\[4pt] \Delta L&=\alpha S\,\Delta t\\[4pt] D'^{2}&=D^{2}+\frac{3S\,\Delta L}{8} \end{aligned}

DD はたるみ [m]、WW は電線 1 m あたりの合成荷重 [N/m]、SS は径間 [m]、TT は電線の水平張力 [N]、LL は電線の実長 [m] です。ΔL\Delta L は温度変化による実長の変化 [m]、α\alpha は電線の線膨張係数 [1/∘C{}^{\circ}\mathrm{C}](変圧器の α\alpha とは別)、Δt\Delta t は温度変化 [∘C{}^{\circ}\mathrm{C}]、D′D' は温度変化後のたるみです。

張力の上限は安全率で決まります。風圧は、解釈第58条の甲種で、電線の外径 dd [m] に 980 を掛けた値になります。重さと風圧は直角なので、合成します。

安全率=引張強さ最大張力w=980×d [N/m]W=W02+w2\begin{aligned} \text{安全率}&=\frac{\text{引張強さ}}{\text{最大張力}}\\[4pt] w&=980\times d\ [\mathrm{N/m}]\\[4pt] W&=\sqrt{W_{0}^{2}+w^{2}} \end{aligned}

ww は甲種の風圧荷重、W0W_{0} は電線の重さ [N/m] です。許容できる張力は、引張強さを安全率で割った値です。

電線路が曲がる箇所や電線を引き留める箇所には、支線を張ります。支線の張力と、曲がりの水平角度による合力は、次の式で求めます。

Tw=Tsin⁡θH=2Tsin⁡φ2\begin{aligned} T_{\mathrm{w}}&=\frac{T}{\sin\theta}\\[4pt] H&=2T\sin\frac{\varphi}{2} \end{aligned}

TwT_{\mathrm{w}} は支線の張力、θ\theta は支線と電柱のなす角です。HH は水平角度 φ\varphi で曲がる箇所に、電線の張力 TT が2本分かかるときの合力です。

B種接地抵抗と絶縁耐力試験の電圧の公式

どちらも、解釈が決めた数値に、問題文の値を当てはめる式です。数値の根拠と例題は、接地工事の記事と絶縁耐力試験の記事にあります。

B種接地工事の抵抗値の上限

高圧電路と低圧電路を結ぶ変圧器に施す B 種接地工事の抵抗 RBR_{B} は、混触で低圧電路の対地電圧 EE が上がりすぎないように、上限が決まっています(解釈第17条の17-1表)。

E=Ig×RB≤150 VRB≤150Ig\begin{aligned} E&=I_{g}\times R_{B}\le150\ \mathrm{V}\\[4pt] R_{B}&\le\frac{150}{I_{g}} \end{aligned}

IgI_{g} は、変圧器の高圧側(または特別高圧側)の電路の1線地絡電流 [A] です。混触時に自動で電路を遮断する装置があるときは、遮断時間に応じて、上限の分子が変わります。

  • 遮断装置がない、または遮断に 2 秒を超える:RB≤150/IgR_{B}\le150/I_{g}
  • 遮断が 1 秒を超えて 2 秒以下:RB≤300/IgR_{B}\le300/I_{g}
  • 遮断が 1 秒以下:RB≤600/IgR_{B}\le600/I_{g}

低圧の機器の外箱に D 種接地工事を施した場合、地絡したときの外箱の電圧は、RBR_{B} と RDR_{D} の分圧で決まります。

I=VRB+RDVD=RDRB+RDV\begin{aligned} I&=\frac{V}{R_{B}+R_{D}}\\[4pt] V_{D}&=\frac{R_{D}}{R_{B}+R_{D}}V \end{aligned}

VV は電源の電圧 [V]、RDR_{D} は D 種接地抵抗、VDV_{D} は外箱の電圧です。

絶縁耐力試験の試験電圧

試験電圧は、公称電圧ではなく最大使用電圧に倍率を掛けて決まります(図5)。意味と区分は、解釈第15条の15-1表にあります。

公称電圧 6600 V × 1.15/1.1 1000 V 超 500000 V 未満 最大使用電圧 6900 V × 1.5 7000 V 以下の交流 交流の試験電圧 10350 V × 2 ケーブルは直流で試験 ケーブルの直流 20700 V
図5 絶縁耐力試験の電圧は、公称電圧から倍率を順に掛けて求める
Vm=Vn×1.151.1Vt=Vm×1.5\begin{aligned} V_{m}&=V_{n}\times\frac{1.15}{1.1}\\[4pt] V_{t}&=V_{m}\times1.5 \end{aligned}

VnV_{n} は公称電圧 [V]、VmV_{m} は最大使用電圧 [V]、VtV_{t} は試験電圧 [V] です。公称電圧が 1000 V 以下のときは、最大使用電圧を Vn×1.15V_{n}\times1.15 とします。倍率 1.5 は、最大使用電圧が 7000 V 以下の交流の電路の値です。7000 V を超え 60000 V 以下の電路は、15000 V 以下の多重接地式を除いて 1.25 倍(下限 10500 V)で、多重接地式は 0.92 倍です。ケーブルを使う電路は、交流の2倍の直流電圧で試験する方法もあります。

ケーブルの対地静電容量 CC が大きいと、試験電圧を加えたときに充電電流が流れます。試験用変圧器の容量は、この電流と試験電圧から求めます。

I=ωCV=2πfCVS=VI\begin{aligned} I&=\omega CV=2\pi fCV\\[4pt] S&=VI \end{aligned}

VV は試験電圧 [V]、II は充電電流 [A]、ff は周波数 [Hz]、SS は必要な容量 [V·A] です。

低圧の電路や幹線の計算でも、条文の数値を使います。たとえば、電動機などの定格電流の合計 IMI_{M} が、電熱器などの定格電流の合計 IHI_{H} より大きく、かつ 50 A 以下のとき、幹線の許容電流 IWI_{W} は次の値以上です。50 A を超える場合は、1.25 を 1.1 に替えます。詳しくは許容電流と幹線の太さの記事を見てください。

IW≥IH+1.25 IMI_{W}\ge I_{H}+1.25\,I_{M}

公式の選び方と例題

式がたくさんあっても、問題文の言葉に反応して、どの式かを選べば、あとは代入です。図6は、問題文の言葉と、使う式の組み合わせです。

設備容量・最大需要電力 d = Pmax / S 平均電力・電力量 L = Pavg / Pmax 各最大の和・合成最大 F = ΣPmax / Pc 力率を改善・コンデンサ Qc = P(tanθ1 − tanθ2) たるみ・径間 D = WS² / 8T 接地抵抗・地絡電流 RB ≤ 150 / Ig 試験電圧・最大使用電圧 Vt = Vm × 1.5
図6 問題文の言葉から、使う式を選ぶ

次の2問で、式の選び方を試します。

解答と解説を見る

「設備容量」と「需要率」から最大需要電力、「不等率」から合成最大需要電力、「力率」から変圧器容量の順に求めます。

手順1 各工場の最大需要電力を求めます。

PA=400×0.5=200 kWPB=300×0.6=180 kW\begin{aligned} P_{A}&=400\times0.5\\ &=200\ \mathrm{kW}\\[4pt] P_{B}&=300\times0.6\\ &=180\ \mathrm{kW} \end{aligned}

手順2 不等率で割って、合成最大需要電力を求めます。

Pc=200+1801.25=304 kW\begin{aligned} P_{\mathrm{c}}&=\frac{200+180}{1.25}\\[4pt] &=304\ \mathrm{kW} \end{aligned}

手順3 力率で割って、変圧器容量を求めます。

Pccos⁡θ=3040.95=320 kV⋅A\begin{aligned} \frac{P_{\mathrm{c}}}{\cos\theta}&=\frac{304}{0.95}\\[4pt] &=320\ \mathrm{kV \cdot A} \end{aligned}

変圧器の容量は 320 kV·A 以上です。検算すると、320 × 0.95 = 304 kW で、合成最大需要電力と合います。

解答と解説を見る

「力率を改善」とあるので、Qc=P(tan⁡θ1−tan⁡θ2)Q_c=P(\tan\theta_1-\tan\theta_2) を使います。

手順1 力率から tan⁡θ\tan\theta を求めます。

cos⁡θ1=0.6⇒tan⁡θ1=43cos⁡θ2=0.8⇒tan⁡θ2=34\begin{aligned} \cos\theta_1=0.6&\Rightarrow\tan\theta_1=\frac{4}{3}\\[4pt] \cos\theta_2=0.8&\Rightarrow\tan\theta_2=\frac{3}{4} \end{aligned}

手順2 コンデンサの容量を求めます。

Qc=240×(43−34)=240×712=140 kvar\begin{aligned} Q_c&=240\times\left(\frac{4}{3}-\frac{3}{4}\right)\\[4pt] &=240\times\frac{7}{12}\\[4pt] &=140\ \mathrm{kvar} \end{aligned}

必要な容量は 140 kvar です。検算すると、改善前の無効電力は 240 × 4/3 = 320 kvar、改善後は 240 × 3/4 = 180 kvar で、差は 320 − 180 = 140 kvar です。

よくある質問

公式は、全部暗記しないといけない?

式の多くは、導き方があります。たるみの式は力のつり合い、全日効率は定義、コンデンサの容量は電力の三角形から作れるので、導き方を一度たどっておくと覚える量が減ります。tan⁡θ\tan\theta も、3 : 4 : 5 や 7 : 24 : 25 の直角三角形を使うと、力率から素早く出せます。一方で、150・300・600 や 1.5 倍・1.25 倍のように条文で決まっている数値は、根拠と一緒に確かめて覚えておきます。

需要率・負荷率の「負荷率」と、変圧器の負荷率 α は同じ?

同じ語ですが、別の量です。需要率・負荷率の負荷率 LL は、期間中の平均需要電力を最大需要電力で割った値です。変圧器の効率で使う α\alpha は、定格容量に対して、ある時刻の負荷がどれだけかを表します。問題文が「負荷率」と書いていても、どちらの話かは、平均や期間があるかどうかで見分けます。

B種接地抵抗の 150 は、どんなときに 300 や 600 になる?

混触したときに、低圧電路の対地電圧が 150 V を超えたら自動で電路を遮断する装置があり、その遮断時間が短いときです。遮断が 1 秒を超えて 2 秒以下なら 300/Ig300/I_{g}、1 秒以下なら 600/Ig600/I_{g} になります。装置がないときや、遮断に 2 秒を超えるときは、基本の 150/Ig150/I_{g} です。

式を忘れたときは、どう確かめる?

単位で確かめる方法があります。たるみの式 D=WS2/(8T)D=WS^{2}/(8T) は、[N/m] × [m²] ÷ [N] で [m] になり、たるみの単位と合います。需要率や負荷率は 1 以下、不等率は 1 以上という範囲でも、式の分子と分母が逆になっていないか確かめられます。それでも分からないときは、導き方に戻ります。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

需要率・負荷率・不等率の式は?

需要率は d=Pmax⁡/Sd=P_{\max}/S、負荷率は L=Pavg/Pmax⁡L=P_{\mathrm{avg}}/P_{\max}、不等率は F=(Pmax⁡1+Pmax⁡2+⋯ )/PcF=(P_{\max 1}+P_{\max 2}+\cdots)/P_{\mathrm{c}} です。

力率を改善するために必要なコンデンサの容量は?

改善前と改善後の無効電力の差で、Qc=P(tan⁡θ1−tan⁡θ2)Q_c=P(\tan\theta_1-\tan\theta_2) です。

たるみ DD と電線の実長 LL の式は?

D=WS2/(8T)D=WS^{2}/(8T)、L=S+8D2/(3S)L=S+8D^{2}/(3S) です。

B種接地抵抗の上限は?(遮断装置がないとき)

RB≤150/IgR_{B}\le150/I_{g} です。遮断が 1 秒以下なら 600、1 秒を超えて 2 秒以下なら 300 を分子に使います。

公称電圧 6600 V の電路の、交流の絶縁耐力試験の電圧は?

最大使用電圧 6600×1.15/1.1=6900 V6600\times1.15/1.1=6900\ \mathrm{V} の 1.5 倍で、10350 V です。

問題文に「設備容量」「最大需要電力」とあったら、まず何の式を考える?

需要率の式 d=Pmax⁡/Sd=P_{\max}/S です。

まとめ

  • 法規の計算の式は、電気施設管理の式(需要率・負荷率・不等率、変圧器の全日効率、力率改善、たるみと支線)と、条文の数値を使う式(B 種接地抵抗、絶縁耐力試験の電圧)に分けられる
  • 需要率は最大需要電力÷設備容量、負荷率は平均÷最大、不等率は各最大の和÷合成最大。変圧器容量は、合成最大需要電力÷力率
  • コンデンサの容量は Qc=P(tan⁡θ1−tan⁡θ2)Q_c=P(\tan\theta_1-\tan\theta_2)。たるみは D=WS2/(8T)D=WS^{2}/(8T)、実長は L=S+8D2/(3S)L=S+8D^{2}/(3S)
  • B 種接地抵抗は RB≤150/IgR_{B}\le150/I_{g}(遮断時間で 300、600)。試験電圧は、公称電圧ではなく最大使用電圧に倍率を掛ける
  • 問題文の言葉(設備容量、力率を改善、径間、地絡電流、試験電圧など)から使う式を選ぶ

各式の導き方と例題は、需要率・負荷率・不等率、変圧器の損失と効率、力率改善、電線のたるみと支線、接地工事、絶縁耐力試験の各記事で確かめられます。条文の読み方は電気設備の技術基準の記事、覚える数値は法規の数字のまとめ、ほかの科目の式は理論の公式一覧・電力の公式一覧・機械の公式一覧、式の変形に不安があるときは電験三種に必要な数学、勉強の順番は電験三種の勉強の始め方を見てください。

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デンケンラボ編集部

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