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機械電気機器24分で読めます

電験三種 機械の公式一覧|電気機器・パワエレ・制御・情報を単元ごとに整理

電験三種の機械で使う公式を、直流機、変圧器、誘導機、同期機、パワーエレクトロニクス、照明、電熱、自動制御、情報処理の順に一覧で整理します。記号の意味と、導き方を確かめられる詳しい記事へのリンクをそろえました。

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分解した小型直流モータの写真
この記事の目次
  1. 電験三種 機械の公式一覧とは
  2. 直流機の公式
  3. 誘導起電力
  4. 直流電動機
  5. 電機子反作用
  6. 変圧器の公式
  7. 巻数比と理想変圧器
  8. 等価回路と換算
  9. 電圧変動率
  10. 損失と効率
  11. 変圧器の試験
  12. 三相結線と並行運転
  13. 誘導機と同期機の公式
  14. 同期速度とすべり
  15. 電力・トルク・比例推移
  16. 始動法
  17. 同期発電機
  18. パワーエレクトロニクスの公式
  19. 半導体素子の損失
  20. 整流回路
  21. チョッパ
  22. インバータ
  23. 電動機応用・照明・電熱・電気化学の公式
  24. 電動機応用
  25. 照明
  26. 電熱
  27. 電気化学
  28. 自動制御の公式
  29. 伝達関数とブロック線図
  30. 一次遅れ要素と応答
  31. 周波数応答と安定判別
  32. 情報処理の公式
  33. 論理演算
  34. フリップフロップ
  35. 公式の選び方と例題
  36. 公式を覚えるより先に
  37. よくある質問
  38. 機械の公式は、すべて暗記しないといけませんか。
  39. 理論や電力の公式は、機械でも使いますか。
  40. EE や α\alpha、pp のように、同じ記号が別の量に使われるのはなぜですか。
  41. 公式は、どの順に確認すればよいですか。
  42. まとめ
図解でわかる 電験三種 機械 1 直流機 の表紙機械を図解で読む図解でわかる 電験三種 機械 1
直流機
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機械の問題は、機器の仕組みを問う文章に加えて、変圧器の電圧変動率、誘導電動機のトルク、チョッパの出力電圧のような計算が出てきます。式の形と記号の意味を単元ごとに1か所で見られると、問題文から使う式を選びやすくなります。

この記事は、電験三種の機械で使う公式を、単元の順に並べた一覧です。各単元に、式、記号の意味、詳しい記事へのリンクを置きました。式の導き方や例題は、リンク先の記事で確認できます。

機械の公式の全体像
  • 電気機器
    • 直流機・変圧器・誘導機・同期機
    • 逆起電力、巻数比、電圧変動率、すべり、トルク
  • 電力変換
    • 整流回路・チョッパ・インバータ・半導体素子
    • 平均電圧、通流率、基本波の実効値
  • 応用分野
    • 電動機応用・照明・電熱・電気化学
    • 所要出力、照度、熱量、析出量
  • 自動制御
    • ブロック線図・伝達関数・一次遅れ・安定判別
    • 合成伝達関数、時定数、折れ点
  • 情報処理
    • 2進数・論理演算・フリップフロップ
    • 基数変換、ド・モルガンの定理、特性方程式
  • 公式の選び方
    • 求めるものと単位から、使う式を探す

電験三種 機械の公式一覧とは

この記事では、電験三種の機械の単元を、電気機器、電力変換、応用分野(電動機応用・照明・電熱・電気化学)、自動制御、情報処理の5つに分けて、この順に式を並べます。図1に、扱う単元の地図を示します。

電気機器 直流機 変圧器 誘導機 同期機 電力変換 半導体素子 整流回路 チョッパ インバータ 応用分野 電動機応用 照明 電熱 電気化学 電気加工 メカトロニクス 自動制御 ブロック線図 伝達関数 一次遅れ 周波数応答 安定判別 情報処理 2進数 論理演算 フリップフロップ
図1 機械の5分野と単元。この記事は、この順に式を並べる

使い方は、式を探し、記号の意味と単位を確かめ、必要なら詳しい記事で導き方を読む、という順です。機械は、機器ごとに使う式の形が違います。式が中心でない単元は、名前と役割を短く書きました。

直流機の公式

直流機は、電機子が磁束を切って起電力を生み、発電機としても電動機としても使える機械です。電動機として使うと、回転しているあいだは、逆らう向きの起電力が現れます。図2は、直流電動機の等価回路と基本の式です。

Ra E V Ia V = E + RaIa 端子電圧=逆起電力+電圧降下 E = KEφN 逆起電力は速度と磁束に比例 T = KTφIa トルクは磁束と電機子電流に比例 N = (V − RaIa) / KEφ 界磁を弱める(φ を小さくする)と N は上がる
図2 直流電動機の等価回路と基本の式。逆起電力 E が速度を決める

誘導起電力

発電機の起電力は、次の式で表されます。電機子の抵抗による電圧降下を引くと、端子電圧になります。

E=pZϕN60aV=E−RaIa\begin{aligned} E &= \frac{pZ\phi N}{60a} \\ V &= E - R_aI_a \end{aligned}

EE は誘導起電力 [V]\mathrm{[V]}、pp は極数、ZZ は電機子の全導体数、ϕ\phi は1極の磁束 [Wb]\mathrm{[Wb]}、NN は回転速度 [min−1]\mathrm{[min^{-1}]}、aa は並列回路数です。VV は端子電圧、RaR_a は電機子抵抗、IaI_a は電機子電流です。pp は極対数ではなく極数です。

pp、ZZ、aa は機械の構造で決まり、ϕ\phi が同じなら、起電力は回転速度に比例します。2つの状態を比べる問題では、比で解けます。

E2E1=ϕ2N2ϕ1N1\frac{E_2}{E_1} = \frac{\phi_2 N_2}{\phi_1 N_1}

詳しくは直流発電機の誘導起電力で、重ね巻と波巻の違いまで確認できます。

直流電動機

逆起電力と回転速度

電動機では、電機子の起電力が電源に逆らう向きに現れます。回転速度は、端子電圧から電圧降下を引いた値を、磁束で割った形で求められます。

V=E+RaIaE=KE ϕNN=V−RaIaKE ϕ\begin{aligned} V &= E + R_aI_a \\ E &= K_E\,\phi N \\ N &= \frac{V - R_aI_a}{K_E\,\phi} \end{aligned}

VV は端子電圧 [V]\mathrm{[V]}、EE は逆起電力 [V]\mathrm{[V]}、RaR_a は電機子抵抗 [Ω]\mathrm{[\Omega]}、IaI_a は電機子電流 [A]\mathrm{[A]} です。KE=pZ/(60a)K_E = pZ/(60a) は、構造で決まる定数です。

トルク

T=KT ϕIaKT=pZ2πa\begin{aligned} T &= K_T\,\phi I_a \\ K_T &= \frac{pZ}{2\pi a} \end{aligned}

TT はトルク [N⋅m]\mathrm{[N \cdot m]} です。回転速度を [min−1]\mathrm{[min^{-1}]} で表すと、KT/KEK_T/K_E は 60/(2π)60/(2\pi)(約 9.559.55)の関係にあります。

始動

始動の瞬間は、まだ回っていないので E=0E = 0 です。電機子抵抗だけで電流が決まり、大きな電流が流れます。

Is=VRaRs=VIa−Ra\begin{aligned} I_s &= \frac{V}{R_a} \\ R_s &= \frac{V}{I_a} - R_a \end{aligned}

IsI_s は始動抵抗を入れないときの始動電流、RsR_s は電流を IaI_a に抑えるために直列に入れる始動抵抗です。

種類による特性の違い

種類速度トルク
分巻ほぼ一定電流にほぼ比例
直巻負荷で大きく変わる電流の2乗に比例

直巻電動機は、軽負荷で磁束が小さくなり、速度が上がります。無負荷にしてはいけません。トルクの比例関係は、磁気飽和のない範囲の話です。

速度制御の3つの方法

方法変える量特徴
電圧制御端子電圧効率がよく広い範囲
抵抗制御電機子抵抗損失が大きい
界磁制御界磁の磁束効率がよく範囲は狭い

磁束を弱めると、速度は上がります。詳しくは直流電動機の速度制御で、始動抵抗と例題まで確認できます。

電機子反作用

電機子に電流が流れると、その電流がつくる磁束が、主磁束を乱します。これが電機子反作用で、磁束の分布がかたよる偏磁作用と、磁束が減る減磁作用があります。対策は、補償巻線、補極、ブラシの移動です。この単元は、式を載せていません。電機子反作用とはで、図解を確認できます。

変圧器の公式

変圧器は、鉄心に巻いた2つの巻線で、交流の電圧を変える機械です。図3は、小型の変圧器です。

積層した鉄心の中央に、上下2段の巻線が巻かれ、上に4つのねじ端子の端子台、下に取付足がある小型の変圧器の写真
  1. 鉄心 磁束の通り道
  2. 上の巻線 導線を巻いたコイル
  3. 下の巻線 もう1つのコイル
  4. 端子台 電線をつなぐ部分
  5. 取付足 固定に使う足
図3 小型の変圧器。積層した鉄心に、2段の巻線が巻かれている(写真はイメージ)

巻数比と理想変圧器

損失を無視した理想変圧器では、電圧は巻数に比例し、電流は反比例します。

a=N1N2=V1V2I1I2=1aV1I1=V2I2E=4.44fNΦm\begin{aligned} a &= \frac{N_1}{N_2} = \frac{V_1}{V_2} \\ \frac{I_1}{I_2} &= \frac{1}{a} \\ V_1I_1 &= V_2I_2 \\ E &= 4.44fN\Phi_m \end{aligned}

aa は巻数比、N1N_1、N2N_2 は一次と二次の巻数、V1V_1、V2V_2 は電圧、I1I_1、I2I_2 は電流です。EE は誘導起電力の実効値、ff は周波数、Φm\Phi_m は磁束の最大値です。二次側のインピーダンス Z2Z_2 は、一次側から見ると Z2′=a2Z2Z_2' = a^2Z_2 になります。詳しくは変圧器の巻数比と電圧・電流の関係で確認できます。

等価回路と換算

二次側の量を一次側に換算すると、巻線の抵抗とリアクタンスを足し合わせた簡易等価回路になります。

I2′=I2aI˙1=I˙0+I˙2′r=r1+a2r2x=x1+a2x2Z=r2+x2\begin{aligned} I_2' &= \frac{I_2}{a} \\ \dot I_1 &= \dot I_0 + \dot I_2' \\ r &= r_1 + a^2r_2 \\ x &= x_1 + a^2x_2 \\ Z &= \sqrt{r^2 + x^2} \end{aligned}

I2′I_2' は二次電流を一次側に換算した値、I˙0\dot I_0 は励磁電流です。r1r_1、x1x_1 は一次巻線の抵抗とリアクタンス、r2r_2、x2x_2 は二次巻線の抵抗とリアクタンスです。rr、xx、ZZ は、一次側に換算した合成値です。二次側に換算するときは、r=r2+r1/a2r = r_2 + r_1/a^2、x=x2+x1/a2x = x_2 + x_1/a^2 とします。変圧器の等価回路とはで確認できます。

電圧変動率

ε=V20−V2nV2n×100ε≒pcos⁡θ+qsin⁡θ%Z=p2+q2\begin{aligned} \varepsilon &= \frac{V_{20} - V_{2n}}{V_{2n}} \times 100 \\ \varepsilon &\fallingdotseq p\cos\theta + q\sin\theta \\ \%Z &= \sqrt{p^2 + q^2} \end{aligned}

V20V_{20} は無負荷のときの二次電圧、V2nV_{2n} は定格の二次電圧です。pp は百分率抵抗降下、qq は百分率リアクタンス降下、θ\theta は負荷の力率角です。定格電流が流れるときの式で、負荷率 α\alpha のときは、右辺に α\alpha を掛けます。遅れ力率の負荷では、力率が p/%Zp/\%Z のときに、ε\varepsilon は最大値 %Z\%Z になります。電圧変動率とはで、例題を確かめられます。

損失と効率

η=αPncos⁡θαPncos⁡θ+Pi+α2Pc\eta = \frac{\alpha P_n\cos\theta}{\alpha P_n\cos\theta + P_i + \alpha^2P_c}

α\alpha は負荷率、PnP_n は定格容量、PiP_i は鉄損、PcP_c は銅損です。効率が最大になるのは、鉄損と銅損が等しいときです。

α=PiPc\alpha = \sqrt{\frac{P_i}{P_c}}

鉄損のうち、ヒステリシス損は周波数に比例し、渦電流損は周波数の2乗に比例します。どちらも、磁束密度の最大値 BmB_m の2乗に比例します。変圧器の効率とはで、全日効率まで確認できます。

変圧器の試験

試験の値から、等価回路の定数を求めます。式は、単相、または1相あたりの値です。

無負荷試験

低圧側に定格電圧を加え、鉄損と無負荷電流を測ります。

g0=PiVn 2Y0=I0Vnb0=Y0 2−g0 2i0=I0In×100\begin{aligned} g_0 &= \frac{P_i}{V_n^{\,2}} \\ Y_0 &= \frac{I_0}{V_n} \\ b_0 &= \sqrt{Y_0^{\,2} - g_0^{\,2}} \\ i_0 &= \frac{I_0}{I_n} \times 100 \end{aligned}

g0g_0 は励磁コンダクタンス、Y0Y_0 は励磁アドミタンス、b0b_0 は励磁サセプタンス、I0I_0 は無負荷電流、VnV_n、InI_n は定格電圧と定格電流です。i0i_0 は無負荷電流率 [%]\mathrm{[\%]} です。

短絡試験

二次側を短絡し、定格電流が流れる電圧 VsV_s と、銅損を測ります。

%Z=VsVn×100Is=100%ZInr=PcIn 2z=VsInx=z2−r2\begin{aligned} \%Z &= \frac{V_s}{V_n} \times 100 \\ I_s &= \frac{100}{\%Z}I_n \\ r &= \frac{P_c}{I_n^{\,2}} \\ z &= \frac{V_s}{I_n} \\ x &= \sqrt{z^2 - r^2} \end{aligned}

百分率抵抗降下と百分率リアクタンス降下は、次の式です。

p=PcPn×100q=(%Z)2−p2\begin{aligned} p &= \frac{P_c}{P_n} \times 100 \\ q &= \sqrt{(\%Z)^2 - p^2} \end{aligned}

VsV_s はインピーダンス電圧、IsI_s は二次側の短絡電流、zz はインピーダンスです。巻線の抵抗は、測った温度 tt の値 RtR_t から、75 ∘C{}^{\circ}\mathrm{C} の値に直します。

R75=Rt×234.5+75234.5+tR_{75} = R_t \times \frac{234.5 + 75}{234.5 + t}

詳しくは変圧器の試験とはで確認できます。

三相結線と並行運転

三相の結線は、線間電圧の比と、位相のずれ(角変位)が変わります。

結線線間電圧比角変位
Δ-Δaaなし
Y-Yaaなし
Y-Δ3 a\sqrt{3}\,a30°

単相変圧器2台の V 結線は、1台の容量を P1P_1 とすると、次のとおりです。

SV=3VI=3P1S_V = \sqrt{3}VI = \sqrt{3}P_1

VV は線間電圧、II は線電流です。変圧器の利用率は 3/2\sqrt{3}/2(約 0.8660.866)、同じ変圧器3台の Δ 結線に対する出力の比は 1/31/\sqrt{3}(約 0.5770.577)です。詳しくは変圧器の結線にあります。

2台の変圧器を並列につなぐときは、巻数比がちがうと循環電流が流れ、容量がちがうと、%Z を基準容量にそろえて分担を求めます。

IcIn=ΔV/Vn%ZA+%ZB%Z′=%Z×P基準P自分Pa=P×%ZB′%ZA′+%ZB′\begin{aligned} \frac{I_c}{I_n} &= \frac{\Delta V/V_n}{\%Z_A + \%Z_B} \\ \%Z' &= \%Z \times \frac{P_{\text{基準}}}{P_{\text{自分}}} \\ P_a &= P \times \frac{\%Z_B'}{\%Z_A' + \%Z_B'} \end{aligned}

1行目は、2台の容量が等しいときの循環電流の式で、IcI_c は循環電流、ΔV\Delta V は無負荷のときの二次電圧の差です。%ZA\%Z_A、%ZB\%Z_B は2台の百分率インピーダンス、PP は全負荷、PaP_a は A の分担です。%ZA′\%Z_A'、%ZB′\%Z_B' は、基準容量にそろえた値です。自分の%Z が小さいほど、分担は大きくなります。変圧器の並行運転で確認できます。

誘導機と同期機の公式

誘導機は、回転磁界につられて回転子が回る機械で、同期機は、回転磁界と同じ速さで回転子が回る機械です。図4は、三相誘導電動機の外観です。

コンクリートの床に置かれた灰色の大きな電動機。左にファンカバー、胴に冷却フィン、上に端子箱、右に軸と円形のエンドブラケット、下に取付足がある写真
  1. 端子箱 電源の電線をつなぐ
  2. ファンカバー 通風格子のある左側のカバー
  3. 冷却フィン 胴の表面積を増やして熱を逃がす
  4. 軸 負荷につなぐ回転軸
  5. 取付足 床に固定する部分
図4 三相誘導電動機の外観。上の端子箱から電線をつなぐ(写真はイメージ)

同期速度とすべり

Ns=120fps=Ns−NNsN=Ns(1−s)f2=sf\begin{aligned} N_s &= \frac{120f}{p} \\ s &= \frac{N_s - N}{N_s} \\ N &= N_s(1 - s) \\ f_2 &= sf \end{aligned}

NsN_s は同期速度 [min−1]\mathrm{[min^{-1}]}、ff は電源の周波数 [Hz]\mathrm{[Hz]}、pp は極数です。NN は回転子の回転速度 [min−1]\mathrm{[min^{-1}]}、ss はすべり、f2f_2 は回転子に生じる電圧の周波数です。詳しくは三相誘導電動機とはで、始動法まで確認できます。

電力・トルク・比例推移

誘導電動機の二次入力は、二次銅損と機械的出力に分かれます。図5は、その流れです。

P2 二次入力 Po = (1 − s)P2 機械的出力 Pc2 = sP2 二次銅損(熱になる) s = (Ns − N) / Ns N = Ns(1 − s) P2 : Pc2 : Po = 1 : s : (1 − s) T = Po / ω = P2 / ωs
図5 誘導電動機の電力の流れ。s はすべり
P2:Pc2:Po=1:s:(1−s)Pc2=sP2Po=(1−s)P2\begin{aligned} P_2 : P_{c2} : P_o &= 1 : s : (1 - s) \\ P_{c2} &= sP_2 \\ P_o &= (1 - s)P_2 \end{aligned}

P2P_2 は二次入力 [W]\mathrm{[W]}、Pc2P_{c2} は二次銅損、PoP_o は機械的出力です。トルクは、機械的出力を回転子の角速度で割るか、二次入力を同期角速度で割って求めます。

ω=2πN60T=Poω=P2ωs\begin{aligned} \omega &= \frac{2\pi N}{60} \\ T &= \frac{P_o}{\omega} = \frac{P_2}{\omega_s} \end{aligned}

ω\omega は回転子の角速度 [rad/s]\mathrm{[rad/s]}、ωs\omega_s は同期角速度(NsN_s から同じ式で求めた値)、TT はトルク [N⋅m]\mathrm{[N \cdot m]} です。

等価回路から、トルクとすべりの関係が式になります。

T=3V1 2ωs×r2′/s(r1+r2′/s)2+x2\begin{aligned} T &= \frac{3V_1^{\,2}}{\omega_s} \\ &{}\times \frac{r_2'/s}{(r_1 + r_2'/s)^2 + x^2} \end{aligned}

最大トルクと、そのときのすべりは、次のとおりです。

sm=r2′r1 2+x2Tm=3V1 22ωs×1r1+r1 2+x2\begin{aligned} s_m &= \frac{r_2'}{\sqrt{r_1^{\,2} + x^2}} \\ T_m &= \frac{3V_1^{\,2}}{2\omega_s} \\ &{}\times \frac{1}{r_1 + \sqrt{r_1^{\,2} + x^2}} \end{aligned}

V1V_1 は1相の一次電圧、r1r_1 は一次巻線の抵抗、r2′r_2' は二次抵抗を一次側に換算した値、xx は一次側に換算したリアクタンスの合計です。sms_m は最大トルクのときのすべり、TmT_m は最大トルクです。

巻線形では、二次回路に外部抵抗 RR を加えると、同じトルクを出すすべりが大きくなります。これが比例推移です。

s′=s×r2+Rr2s' = s \times \frac{r_2 + R}{r_2}

ss は外部抵抗がないときのすべり、s′s' は外部抵抗を加えたあとのすべり、r2r_2 は二次巻線の抵抗です。最大トルクの値は変わらず、そのときのすべりだけが大きくなります。詳しくは誘導電動機の等価回路とはで確認できます。

始動法

かご形の三相誘導電動機の始動には、巻線を Y 結線にして始動し、あとで Δ 結線に切り換えるスターデルタ始動があります。電流もトルクも、直接 Δ 結線で始動するときの 1/31/3 です。

IYIΔ=13\frac{I_Y}{I_\Delta} = \frac{1}{3}

IYI_Y は Y 結線で始動するときの線電流、IΔI_\Delta は Δ 結線で始動するときの線電流です。巻線形は、二次回路に外部抵抗を入れて始動します。三相誘導電動機とはで、図解を確認できます。

同期発電機

同期発電機は、回転速度と周波数が、極数で決まります。誘導起電力は、巻線の巻数と磁束で決まります。

f=pN120E=4.44fwΦkw\begin{aligned} f &= \frac{pN}{120} \\ E &= 4.44fw\Phi k_w \end{aligned}

ff は周波数 [Hz]\mathrm{[Hz]}、pp は極数、NN は回転速度 [min−1]\mathrm{[min^{-1}]} です。ww は1相の直列巻数、Φ\Phi は1極の磁束、kwk_w は巻線係数です。

負荷をつないだときの端子電圧と出力は、同期リアクタンス XsX_s で表せます。

Xs=Xa+XlE˙=V˙+jXsI˙P=3VEsin⁡δXs\begin{aligned} X_s &= X_a + X_l \\ \dot E &= \dot V + jX_s\dot I \\ P &= \frac{3VE\sin\delta}{X_s} \end{aligned}

XaX_a は電機子反作用リアクタンス、XlX_l は漏れリアクタンスです。V˙\dot V、VV は端子の相電圧、E˙\dot E、EE は誘導起電力、I˙\dot I は電機子電流、δ\delta は負荷角です。

短絡比 KsK_s は、界磁電流の比で表され、百分率同期インピーダンス ZsZ_s から求められます。

Ks=If0Ifs=100Zs [%]K_s = \frac{I_{f0}}{I_{fs}} = \frac{100}{Z_s\,\mathrm{[\%]}}

If0I_{f0} は無負荷で定格電圧を出す界磁電流、IfsI_{fs} は三相短絡で定格電流を流す界磁電流です。詳しくは同期発電機とはで確認できます。

パワーエレクトロニクスの公式

パワーエレクトロニクスは、半導体のスイッチで、電力の形を変える技術です。交流を直流に変えるのが整流、直流の電圧を変えるのがチョッパ、直流を交流に変えるのがインバータです。図6に、3つの変換を並べます。

交流 整流回路 直流 Ed ≒ 0.9E 単相全波・抵抗負荷 直流 チョッパ 直流 Ed = αE 降圧チョッパ 直流 インバータ 交流 V1 ≒ 0.9E 方形波の基本波
図6 電力変換の3種類。入力と出力の形を、半導体スイッチで変える

半導体素子の損失

スイッチに使う素子(サイリスタ、IGBT など)には、オンの間にオン電圧で生じる損失と、オンとオフを切り替えるときに生じる損失があります。平均の損失は、次のように求められます。

Pon=Von×I×DPsw=Esw×f\begin{gathered} P_{\mathrm{on}} = V_{\mathrm{on}} \times I \times D \\ P_{\mathrm{sw}} = E_{\mathrm{sw}} \times f \end{gathered}

VonV_{\mathrm{on}} はオン電圧、II はオン中の電流、DD は 1 周期のうちオンの時間の割合、EswE_{\mathrm{sw}} は 1 回の切り替えで生じる損失のエネルギー、ff はスイッチング周波数です。周波数を上げると、スイッチング損失も増えます。素子の種類の違いは、パワーエレクトロニクスとはで確認できます。

整流回路

整流回路は、交流を直流に変えます。出力の平均値 EdE_{\mathrm{d}} は、回路と負荷の種類で決まります。

回路負荷平均電圧
単相半波抵抗0.45E (1+cos⁡α)/20.45E\,(1+\cos\alpha)/2
単相全波抵抗0.9E (1+cos⁡α)/20.9E\,(1+\cos\alpha)/2
単相全波誘導性0.9Ecos⁡α0.9E\cos\alpha
三相全波誘導性1.35Vcos⁡α1.35V\cos\alpha

EE は交流電源の電圧の実効値、三相の VV は線間電圧の実効値、α\alpha はサイリスタの制御角です。ダイオードの回路は α=0\alpha = 0 にあたり、平均電圧は 0.45E0.45E、0.9E0.9E、1.35V1.35V になります。α\alpha を大きくすると、平均電圧は下がります。詳しくは整流回路とはで確認できます。

チョッパ

チョッパは、スイッチを入り切りして、直流の電圧を変えます。1 周期 TT のうちオンの時間 TonT_{\mathrm{on}} の割合を、通流率 α\alpha といいます。

α=TonT\alpha = \frac{T_{\mathrm{on}}}{T}

入力の直流電圧を EE とすると、出力の平均電圧 EdE_{\mathrm{d}} は、種類ごとに次のとおりです。

種類出力電圧
降圧αE\alpha E
昇圧E/(1−α)E/(1-\alpha)
昇降圧αE/(1−α)\alpha E/(1-\alpha)

昇降圧チョッパは、出力の極性が入力と逆になります。降圧チョッパのリアクトル LL には、電流の脈動(リップル)が生じます。

Δi=(E−Ed)TonL=α(1−α)ETL\begin{aligned} \Delta i &= \frac{(E - E_{\mathrm{d}})T_{\mathrm{on}}}{L} \\ &= \frac{\alpha(1-\alpha)ET}{L} \end{aligned}

整流の制御角 α\alpha とは別の量です。詳しくはチョッパとはで確認できます。

インバータ

インバータは、直流を交流に変えます。直流電圧を EE とします。単相ブリッジが出す方形波の基本波は、実効値が次の式で表されます。

V1=4E/π2=22πE≒0.9E\begin{aligned} V_1 &= \frac{4E/\pi}{\sqrt{2}} \\ &= \frac{2\sqrt{2}}{\pi}E \\ &\fallingdotseq 0.9E \end{aligned}

三相ブリッジの線間電圧の基本波は、VUV=6E/π≒0.78EV_{\mathrm{UV}} = \sqrt{6}E/\pi \fallingdotseq 0.78E です。PWM 制御では、信号波を msin⁡θm\sin\theta とすると、基本波の振幅は mEmE、実効値は mE/2mE/\sqrt{2} になります。mm は変調率で、m≤1m \le 1 です。

誘導電動機を回すときは、周波数 ff で同期速度 NsN_{\mathrm{s}} を変え、磁束 Φ\Phi を一定に保つために電圧 VV も同時に変えます。これが VVVF 制御です。

Ns=120fp [min−1]Φ∝Vf\begin{gathered} N_{\mathrm{s}} = \frac{120f}{p}\ \mathrm{[min^{-1}]} \\ \Phi \propto \frac{V}{f} \end{gathered}

ファンやポンプのような負荷では、動力 PP が回転数 NN の 3 乗に比例します。回転数を下げると、動力が大きく減ります。詳しくはインバータの仕組みで確認できます。

電動機応用・照明・電熱・電気化学の公式

この節は、電気を、動力、光、熱、化学反応に使う分野をまとめます。照明は、光源の強さから明るさを求める式が中心です。図7に、点光源と水平面照度の関係を示します。

光度 I h r θ P d E = I / r2 法線照度 Eh = E cosθ 水平面照度 cosθ = h / r h は光源の高さ Eh = Ih / r3 代入して整理
図7 点光源と水平面照度。θ は P の法線と光の向きの角

電動機応用

電動機の出力から、巻上げ機、ポンプ、ファンの必要な電力を求める式です。いずれも、仕事の割合を効率 η\eta で割ります。

P=mgvη [W]P=9.8QHkη [kW]P=pQη [W]\begin{gathered} P = \frac{mgv}{\eta}\ \mathrm{[W]} \\ P = \frac{9.8QHk}{\eta}\ \mathrm{[kW]} \\ P = \frac{pQ}{\eta}\ \mathrm{[W]} \end{gathered}

上から順に、巻上げ機、ポンプ、ファンの式です。mm は持ち上げる質量 [kg]\mathrm{[kg]}、g=9.8 [m/s2]g = 9.8\,\mathrm{[m/s^2]}、vv は速度 [m/s]\mathrm{[m/s]} です。QQ は流量 [m3/s]\mathrm{[m^3/s]}、HH は全揚程 [m]\mathrm{[m]}、kk は余裕を見込む係数です。ファンの pp は風圧 [Pa]\mathrm{[Pa]} です。

回転する機械の運動エネルギーと、加速の式は、次のとおりです。

W=12Jω2Jdωdt=T−TL\begin{aligned} W &= \frac{1}{2}J\omega^2 \\ J\frac{d\omega}{dt} &= T - T_L \end{aligned}

JJ は慣性モーメント [kg⋅m2]\mathrm{[kg \cdot m^2]}、ω\omega は角速度 [rad/s]\mathrm{[rad/s]}、TT は電動機のトルク、TLT_L は負荷のトルクです。TT が TLT_L より大きいと加速し、等しいと一定の速度で回ります。エレベーターやポンプの例題は、電動機応用の所要出力の求め方にあります。

照明

光源から出る光の量を光束 F [lm]F\,\mathrm{[lm]}、光源が 1 つの方向へ出す光の強さを光度 I [cd]I\,\mathrm{[cd]} といいます。全方向に同じ強さで光る点光源では、次の関係があります。

I=FωF=4πIL=ρEπ\begin{gathered} I = \frac{F}{\omega} \\ F = 4\pi I \\ L = \frac{\rho E}{\pi} \end{gathered}

ω\omega は立体角 [sr]\mathrm{[sr]}、LL は完全拡散面の輝度 [cd/m2]\mathrm{[cd/m^2]}、ρ\rho は反射率、EE は照度 [lx]\mathrm{[lx]} です。距離 rr の点の照度は、距離の 2 乗に反比例し、光が斜めに当たるぶん小さくなります。

E=Ir2Eh=Ir2cos⁡θ=Ihr3Ev=Ir2sin⁡θ=Idr3\begin{aligned} E &= \frac{I}{r^2} \\ E_h &= \frac{I}{r^2}\cos\theta = \frac{Ih}{r^3} \\ E_v &= \frac{I}{r^2}\sin\theta = \frac{Id}{r^3} \end{aligned}

EE は法線照度、EhE_h は水平面照度、EvE_v は鉛直面照度です。hh は光源の高さ、dd は真下から点までの水平距離、θ\theta は鉛直線から測った角です。部屋全体を照らす灯数は、光束法で求めます。

E=FNUMAN=EAFUM\begin{aligned} E &= \frac{FNUM}{A} \\ N &= \frac{EA}{FUM} \end{aligned}

FF は 1 灯の光束、NN は灯数、UU は照明率、MM は保守率、AA は床の面積です。照明率は、部屋の形を表す室指数 KK から選びます。

K=XYH(X+Y)K = \frac{XY}{H(X+Y)}

XX、YY は部屋の幅と奥行き、HH は作業面から光源までの高さです。詳しくは照度計算の求め方で確認できます。

電熱

水を温めるのに必要な熱量と、電力量の換算は、次の式です。1 kWh1\,\mathrm{kWh} は 3600 kJ3600\,\mathrm{kJ} にあたるので、単位をそろえて使います。

Q=mcΔTηPt=mcΔT1 kWh=3600 kJ\begin{gathered} Q = mc\Delta T \\ \eta Pt = mc\Delta T \\ 1\,\mathrm{kWh} = 3600\,\mathrm{kJ} \end{gathered}

mm は質量 [kg]\mathrm{[kg]}、cc は比熱 [kJ/(kg⋅K)]\mathrm{[kJ/(kg \cdot K)]}、ΔT\Delta T は温度の上がり [K]\mathrm{[K]}、PP は電力 [kW]\mathrm{[kW]}、tt は時間 [s]\mathrm{[s]}、η\eta は効率です。

熱の流れは、電気回路と同じ形の式で表せます。熱流 Φ [W]\Phi\,\mathrm{[W]} は、温度差 ΔT\Delta T を熱抵抗 R [K/W]R\,\mathrm{[K/W]} で割った値です。

Φ=ΔTRR=lλSΦ=ΔTR1+R2\begin{gathered} \Phi = \frac{\Delta T}{R} \\ R = \frac{l}{\lambda S} \\ \Phi = \frac{\Delta T}{R_1 + R_2} \end{gathered}

ll は厚さ、SS は断面積、λ\lambda は熱伝導率です。最後の式は、2 つの層が直列のときです。誘電加熱の電力と、ヒートポンプの成績係数(COP)は、次のとおりです。

P=2πfCV2tan⁡δCOP=Q1W=1+Q2W\begin{aligned} P &= 2\pi fCV^2\tan\delta \\ \mathrm{COP} &= \frac{Q_1}{W} \\ &= 1 + \frac{Q_2}{W} \end{aligned}

ff は周波数、CC は静電容量、VV は電圧、tan⁡δ\tan\delta は誘電正接です。Q1Q_1 は凝縮器で出す熱、Q2Q_2 は蒸発器で吸う熱、WW は使った電力量で、Q1=Q2+WQ_1 = Q_2 + W です。詳しくは電熱の計算で確認できます。

電気化学

電気分解で析出する量は、流した電気量に比例します。電池の放電時間は、容量を電流で割ります。

w=Mn⋅ItFt=容量I\begin{aligned} w &= \frac{M}{n}\cdot\frac{It}{F} \\ t &= \frac{\text{容量}}{I} \end{aligned}

ww は析出量 [g]\mathrm{[g]}、MM は原子量や分子量、nn は反応する電子の数、F≒96500 [C/mol]F \fallingdotseq 96500\,\mathrm{[C/mol]} はファラデー定数です。上の式の tt は秒、下の式の tt は時間 [h]\mathrm{[h]} です。容量は [A⋅h]\mathrm{[A \cdot h]} で、1 A⋅h=3600 C1\,\mathrm{A \cdot h} = 3600\,\mathrm{C} です。通した電気量から計算した量に対する、実際の量の割合が電流効率です。蓄電池に蓄えられる電力量は、電圧 VV に容量を掛けた値です。詳しくは電気分解と電池の計算で確認できます。

電気加工とメカトロニクスは、式が中心の単元ではないので、名前だけ挙げます。

自動制御の公式

自動制御は、目標値に出力を合わせる仕組みを、伝達関数で表します。入力 X(s)X(s) に対する出力 Y(s)Y(s) の比が、伝達関数です。図8に、ブロック線図の 3 つの結合を示します。

直列結合 X G1 G2 Y G1G2 並列結合 X G1 G2 + Y G1 + G2 フィードバック結合 X + − G Y H G / (1 + GH)
図8 ブロック線図の3つの結合。X は入力、Y は出力

決められた順に動作を進めるシーケンス制御は、式ではなく、接点と回路の動きで考えます。シーケンス制御とはで、自己保持回路とタイムチャートを確かめられます。

伝達関数とブロック線図

G(s)=Y(s)X(s)G(s) = \frac{Y(s)}{X(s)}

ブロックをつないだときの合成伝達関数は、結合のしかたで決まります。

結合合成
直列G1G2G_1G_2
並列G1±G2G_1 \pm G_2
フィードバックG1+GH\dfrac{G}{1+GH}

フィードバックの式は、出力を引いて戻す負帰還のときです。足して戻す正帰還では、分母が 1−GH1 - GH になります。GG は前向きの伝達関数、HH は戻す側の伝達関数です。詳しくはブロック線図と伝達関数で確認できます。

一次遅れ要素と応答

抵抗とコンデンサの回路のような、一次遅れ要素の伝達関数と、単位ステップ入力に対する応答は、次のとおりです。

G(s)=K1+Tsy(t)=K(1−e−t/T)\begin{aligned} G(s) &= \frac{K}{1+Ts} \\ y(t) &= K(1 - e^{-t/T}) \end{aligned}

KK はゲイン、TT は時定数です。RC 回路では T=CRT = CR です。t=Tt = T のとき、出力は最終値の約 63.2 %63.2\,\% に達します。時定数の考え方は、過渡現象とはで確認できます。

周波数応答と安定判別

ss を jωj\omega に置き換えると、周波数応答になります。ゲインと位相は、次のとおりです。

G(jω)=K1+jωT∣G∣=K1+(ωT)2arg⁡G=−arctan⁡(ωT)\begin{aligned} G(j\omega) &= \frac{K}{1+j\omega T} \\ |G| &= \frac{K}{\sqrt{1+(\omega T)^2}} \\ \arg G &= -\arctan(\omega T) \end{aligned}

ω=1/T\omega = 1/T を折れ点といいます。折れ点では、ゲインが低い周波数のときの 1/21/\sqrt{2} 倍(約 −3 dB-3\,\mathrm{dB} の低下)になり、位相が −45∘-45^{\circ} 遅れます。ゲインのデシベル値は、g=20log⁡10∣G∣ [dB]g = 20\log_{10}|G|\,\mathrm{[dB]} です。

安定かどうかは、特性方程式 1+G(s)H(s)=01 + G(s)H(s) = 0 の根で判断します。根の実部がすべて負なら、安定です。たとえば s2+3s+2=0s^2 + 3s + 2 = 0 の根は −1-1 と −2-2 で、どちらも負なので安定です。

情報処理の公式

コンピュータの数は、0 と 1 の 2 進数で表されます。nn ビットでは 2n2^n 通りの値を表せます。16 進数の 1 桁は、2 進数の 4 桁にあたります。

10進2進16進
101010A
131101D
25511111111FF

手順を図で表すフローチャートは、変数の値を1行ずつ追うと読めます。フローチャートの読み方に、例題があります。

論理演算

論理式の変形には、ド・モルガンの定理と、吸収の関係を使います。

A⋅B‾=A‾+B‾A+B‾=A‾⋅B‾A+A‾B=A+B\begin{gathered} \overline{A \cdot B} = \overline{A} + \overline{B} \\ \overline{A + B} = \overline{A} \cdot \overline{B} \\ A + \overline{A}B = A + B \end{gathered}

上線は否定を表します。詳しくは論理回路とカルノー図で確認できます。

フリップフロップ

フリップフロップは、1 ビットを記憶する回路です。いまの出力を QnQ_n、次の出力を Qn+1Q_{n+1} とすると、種類ごとの動きは次の式で表せます。

種類次の出力
RSS+R‾ QnS + \overline{R}\,Q_n
JKJ Qn‾+K‾ QnJ\,\overline{Q_n} + \overline{K}\,Q_n
DDD
TT⊕QnT \oplus Q_n

nn 段のカウンタは 2n2^n 進で、nn 段をつなぐと入力の周波数 ff が f/2nf/2^n になります。詳しくはフリップフロップとはで確認できます。

公式の選び方と例題

機械の式は、機器や分野ごとに記号が違い、同じ文字が別の量を表します。使う式は、求めるものと単位から探すと絞れます。図9に、公式を選ぶ 3 つの手順を示します。

1 与えられた量と求める量に印を付ける 例 p、q、力率が分かり、ε を求める 2 単位と語から、単元を絞る 例 [%]・力率 → 電圧変動率 3 文字のまま式を整理してから数を入れる 例 ε ≒ p cosθ + q sinθ に入れる
図9 公式を選ぶ3つの手順

次の2問で、式を選ぶ手順を確かめます。

解答と解説を見る

手順1 求めるのは電圧変動率なので、変圧器の電圧変動率の近似式を使います。sin⁡θ=0.6\sin\theta = 0.6 です。

手順2 p=1.6p = 1.6、q=3.0q = 3.0 を入れます。

ε≒pcos⁡θ+qsin⁡θ=1.6×0.8+3.0×0.6=1.28+1.80=3.08 [%]\begin{aligned} \varepsilon &\fallingdotseq p\cos\theta + q\sin\theta \\ &= 1.6 \times 0.8 + 3.0 \times 0.6 \\ &= 1.28 + 1.80 \\ &= 3.08\,\mathrm{[\%]} \end{aligned}

手順3 電圧変動率の定義から、無負荷のときの二次電圧を求めます。

V20=V2n(1+ε100)=200×1.0308≒206 [V]\begin{aligned} V_{20} &= V_{2n}\left(1 + \frac{\varepsilon}{100}\right) \\ &= 200 \times 1.0308 \\ &\fallingdotseq 206\,\mathrm{[V]} \end{aligned}

検算します。%Z=p2+q2=3.4 [%]\%Z = \sqrt{p^2 + q^2} = 3.4\,\mathrm{[\%]} です。p=%Zcos⁡ψp = \%Z\cos\psi、q=%Zsin⁡ψq = \%Z\sin\psi とおくと、ε=%Zcos⁡(ψ−θ)\varepsilon = \%Z\cos(\psi - \theta) になります。ψ≒61.9∘\psi \fallingdotseq 61.9^{\circ}、θ≒36.9∘\theta \fallingdotseq 36.9^{\circ} から 3.4cos⁡25.1∘≒3.08 [%]3.4\cos 25.1^{\circ} \fallingdotseq 3.08\,\mathrm{[\%]} となり、一致します。

答え ε≒3.08 [%]\varepsilon \fallingdotseq 3.08\,\mathrm{[\%]}、V20≒206 [V]V_{20} \fallingdotseq 206\,\mathrm{[V]}

解答と解説を見る

手順1 求めるのは誘導電動機の電力とトルクなので、電力の流れ(図5)を使います。まず同期速度とすべりを求めます。

Ns=120fp=120×504=1500 [min−1]s=Ns−NNs=1500−14401500=0.04\begin{aligned} N_s &= \frac{120f}{p} \\ &= \frac{120 \times 50}{4} \\ &= 1500\,\mathrm{[min^{-1}]} \\ s &= \frac{N_s - N}{N_s} \\ &= \frac{1500 - 1440}{1500} \\ &= 0.04 \end{aligned}

手順2 Po=(1−s)P2P_o = (1-s)P_2 から、二次入力と二次銅損を求めます。

P2=Po1−s=48000.96=5000 [W]Pc2=sP2=0.04×5000=200 [W]\begin{aligned} P_2 &= \frac{P_o}{1 - s} \\ &= \frac{4800}{0.96} \\ &= 5000\,\mathrm{[W]} \\ P_{c2} &= sP_2 \\ &= 0.04 \times 5000 \\ &= 200\,\mathrm{[W]} \end{aligned}

手順3 トルクは、機械的出力を回転の角速度で割って求めます。

ω=2π×144060≒150.8 [rad/s]T=Poω=4800150.8≒31.8 [N⋅m]\begin{aligned} \omega &= \frac{2\pi \times 1440}{60} \\ &\fallingdotseq 150.8\,\mathrm{[rad/s]} \\ T &= \frac{P_o}{\omega} \\ &= \frac{4800}{150.8} \\ &\fallingdotseq 31.8\,\mathrm{[N \cdot m]} \end{aligned}

検算します。Po+Pc2=4800+200=5000=P2P_o + P_{c2} = 4800 + 200 = 5000 = P_2 です。同期角速度は ωs≒157.1 [rad/s]\omega_s \fallingdotseq 157.1\,\mathrm{[rad/s]} なので、T=P2/ωsT = P_2/\omega_s からも 31.8 [N⋅m]31.8\,\mathrm{[N \cdot m]} となり、一致します。

答え s=0.04s = 0.04、P2=5000 [W]P_2 = 5000\,\mathrm{[W]}、Pc2=200 [W]P_{c2} = 200\,\mathrm{[W]}、T≒31.8 [N⋅m]T \fallingdotseq 31.8\,\mathrm{[N \cdot m]}

公式を覚えるより先に

機械の式は、数が多く見えますが、機器や変換の種類ごとに、使う形は絞れます。式を丸暗記するより、図で意味をつかみ、単位で確かめるほうが、思い出しやすくなります。直流電動機なら、図2の逆起電力から回転速度が決まる流れを、誘導電動機なら、図5の 1:s:(1−s)1 : s : (1-s) の流れを描けるようにします。

式を使う前に、求めるものの単位を書きます。[N⋅m]\mathrm{[N \cdot m]} ならトルク、[W]\mathrm{[W]} なら出力や損失、[lm]\mathrm{[lm]} なら光束、[lx]\mathrm{[lx]} なら照度です。単位がそろっているかを確かめる習慣が、計算の間違いを減らします。

よくある質問

機械の公式は、すべて暗記しないといけませんか。

すべてを丸暗記する必要はありません。直流電動機の回転速度、変圧器の電圧変動率、誘導電動機の 1:s:(1−s)1 : s : (1-s)、チョッパとインバータの出力電圧、フィードバックの合成伝達関数は、すぐに書けるようにします。そのほかは、図や単位から思い出せるかどうかで分けておくと、覚える量を絞れます。

理論や電力の公式は、機械でも使いますか。

使います。三相の電力、RL 直列回路、過渡現象の時定数のような理論の式は、変圧器や電動機の計算の土台です。変圧器の式は、電力の科目とも重なります。理論は電験三種 理論の公式一覧、電力は電験三種 電力の公式一覧で見られます。

EE や α\alpha、pp のように、同じ記号が別の量に使われるのはなぜですか。

単元ごとに、慣習として使われる記号が決まっているためです。EE は、直流機では誘導起電力、整流では交流電源の電圧、照明では照度です。α\alpha は、変圧器では負荷率、整流では制御角、チョッパでは通流率です。pp は、極数、百分率抵抗降下、ファンの風圧に使われます。問題文の定義と単位を見て、読み替えます。

公式は、どの順に確認すればよいですか。

求めるものと、その単位を先に書きます。次に、電気機器、電力変換、応用分野、自動制御、情報処理のどれかを絞り、式を選びます。数を入れる前に、文字のまま整理すると、計算の途中で間違いに気づきやすくなります。

思い出してみよう

答えを見る前に、まず自分で思い出してからタップしてください。

直流電動機の回転速度 NN を、端子電圧 VV、電機子電流 IaI_a、電機子抵抗 RaR_a、磁束 ϕ\phi で書くと?

N=V−RaIaKE ϕN = \dfrac{V - R_aI_a}{K_E\,\phi} です。

変圧器の電圧変動率の近似式は?

ε≒pcos⁡θ+qsin⁡θ\varepsilon \fallingdotseq p\cos\theta + q\sin\theta です。

誘導電動機の二次入力、二次銅損、機械的出力の比は?

P2:Pc2:Po=1:s:(1−s)P_2 : P_{c2} : P_o = 1 : s : (1-s) です。

降圧チョッパの出力電圧は、通流率 α\alpha と入力電圧 EE でどう書けますか?

Ed=αEE_{\mathrm{d}} = \alpha E です。

光度 II の点光源が、高さ hh、距離 rr の点につくる水平面照度は?

Eh=Ir2cos⁡θE_h = \dfrac{I}{r^2}\cos\theta です。

フィードバック結合の合成伝達関数は?

G1+GH\dfrac{G}{1+GH} です。

まとめ

  • 電験三種の機械の式は、電気機器、電力変換、応用分野、自動制御、情報処理の5分野に分けて整理できる
  • 電気機器は、直流機の V=E+RaIaV = E + R_aI_a、変圧器の a=V1/V2a = V_1/V_2、誘導機の P2:Pc2:Po=1:s:(1−s)P_2 : P_{c2} : P_o = 1 : s : (1-s) を押さえる
  • 電力変換は整流・チョッパ・インバータの出力電圧、自動制御は伝達関数の合成が中心になる
  • 式を選ぶときは、求めるものの単位から単元を絞り、問題文の記号の定義に合わせて読み替える

式の導き方は、各単元の記事で確かめられます。直流発電機の誘導起電力から順に読むと、電気機器から進められます。理論の科目は電験三種 理論の公式一覧、電力の科目は電験三種 電力の公式一覧、法規の科目は電験三種 法規の公式一覧で、同じ形で式を見られます。式の変形に不安があるときは電験三種に必要な数学、勉強の順番は電験三種の勉強の始め方を見てください。

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デンケンラボ編集部

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